「世界に王は二人もいらない。お前の代わりに、俺が最低最悪の魔王になってやる…」
演/CV:佐久間悠
データ
- 身長:200.0cm
- 体重:92.0kg
- 特色/力:時間改変/アナザーライダーの召喚/未来予知/時計の針状の武器を使った攻撃
概要
『仮面ライダージオウ』EP41「2019:セカイ、リセット」から登場するアナザーライダーの1人。
モデルは仮面ライダージオウⅡ。
同じライダーのアナザーであってもフォームごとに個体が異なるケースは、劇場版のラスボスに続いて2体目となる。
容姿
アナザージオウをそのままジオウⅡに近づけたような姿をしており、基本カラーは白。金色の配色が増えている。
しかしながら以前はむき出しだった人体模型のような顔はマスクに覆われ、以前の顔が見える部分は目の周囲のみである(目の部分も透明なバイザーのようなもので覆われている)。
そしてこのマスクもアナザーアギトのように口角部分が上を向いており、アングルによっては邪悪な笑みを浮かべているように見える。
マスク部分の向かって左に「Zi-O」、右と胸元に「2019」の文字があり、背中にはこれに加えて「Ⅱ」の文字がある。
また、ドライバー部分も変わっておらず、アナザージオウⅡウォッチを装填して変身する。
なお、変身プロセスは不気味かつ禍々しかった以前と違い配色が紫から金に変わり、荘厳さが増している。
また、上記の金色の配色の造形をよく見てみると、肩などオーマジオウの装飾と似ている部分が見受けられたり、胸部の2本のバンドの間や腕には、同じような能力を持つグランドジオウのそれと似たようなバンドがある。
能力
グランドジオウと同じくアナザーライダーを召喚して戦わせることができる。
この能力で召喚したアナザーライダーは年号が2019で統一されており、変身者やアナザーウォッチが存在しないため、アナザーアギトの増殖個体と同様に対応するライダーの力がなくても撃破が可能。
召喚こそしなかったが、像があったことからアナザーディケイドとアナザードライブも召喚できたと思われる。
また、アナザージオウⅡに進化したことで新たな能力「時間改変」を会得。
時空の歪みと共に「歴史を思うがままに書き換える」ことができ、EP41では使役したアナザーライダーが倒される度に「倒されなかった」と改変して復活させている。
改変の際、周囲が昼から夜に変化していたことから、周囲の時間の流れを操る能力もある模様。
この時間を操る能力はソウゴへの憎しみによるものなのか、グランドジオウをも上回っているようだ。
姿こそジオウⅡを模しているが、その能力はジオウⅡどころかグランドジオウと同等以上であり、パワーもゲイツリバイブ剛烈へダメージを与えるほどに増している。アナザージオウの時点で既にジオウⅡの未来予知を使えていたことを考えると、「ジオウの物語が現在進行形であるが故に、その時点でのジオウと同じ力を持つ」と考えられる。
その意味では、ジオウが魔王の力を手にしたタイミングでアナザージオウを再誕生させたのも納得である。
順一郎がソウゴを知らないことから、時間の改変は少なくとも始まりとなったバス事故まで及んでいると考えられ、やろうと思えば自分の家族が生存する歴史への書き換えも可能だったと思われる。
これは「書き換えてしまうと自身が存在しなくなってしまう」「能力の限界」「復讐に囚われた飛流はもはや家族を求めていないため」など考えられるが、詳細は不明。
召喚したアナザーライダー
誕生による改変
ソウゴ自身は力を奪われたわけではないが、初期のアナザーライダー同様「仮面ライダージオウ」の歴史が変化してしまっている。具体的には、
- アナザージオウⅡによって2019年の日本が支配されている
- ゲイツ、ツクヨミは2019年の存在としてアナザージオウⅡに対抗するレジスタンスとなっている(ゲイツリバイブの力は入手済み)
- アナザーライダーに囲まれた「加古川飛流 変身の像」が現代に出現
- ゲイツとツクヨミだけでなく、ソウゴの叔父の順一郎までもがソウゴの存在を忘れる
という改変が起きており、「ジオウ」の物語自体が飛流に乗っ取られた形となっている。
この書き換えられた歴史においては、「仮面ライダージオウ」の物語が「世界を支配するライダーが、それを引っ繰り返そうとするレジスタンスと戦う物語」というEP01で見られたオーマジオウとレジスタンスの戦いの構図に酷似したものに変わっており、アナザージオウはもちろん、本物のジオウであるソウゴさえもレジスタンスから「魔王」として敵とみなされている。
これによりソウゴは孤立無援の絶望へ追い込まれた。
本編での活躍
- EP41『2019:セカイ、リセット』
時空が大きく歪むほどの時間改変により、自身が「大魔王」として日本を支配する世界へと歴史を書き換えた。
一方で2068年でのオーマジオウと戦闘から突如現代に戻されたソウゴは変わり果てた世界や仲間に理解が追い付かない。
唯一改変前の記憶を維持していたウォズに状況を説明中、オーラに連れられてその姿を現したのは…
ウォズ「君に紹介しなければならない人物がいる…新たな我が魔王だ!」
「“今の為に生きる”だと?ふざけるな!
お前は何にも分かっちゃいない。選ばれなかった者の悲劇を…
だから、試してやるんだ。
お前から全部を奪って、同じ事が言えるかどうかをな!」
飛流はアナザージオウとしての戦いに敗北した際の「過去の為じゃなくて、今の為に生きようよ」というソウゴの言葉を「自身を含む選ばれなかった者に対しての侮辱」と捉え、逆に憎悪を増していたのだった。
ソウゴが変身したグランドジオウに対しアナザーアギト、アナザー電王、アナザー鎧武を召喚して仕向けるも、召喚された鎧武・電王とグランドジオウの攻撃によりまとめて撃破される。
だが、時間改変の能力を発動しアナザーライダー達を「倒されなかった」歴史に書き換えることで復活させ、ソウゴを追い詰めるも門矢士の介入で逃走を許してしまう。
アナザーライダー達に後を追わせたが、士の言葉を受けたソウゴは仮面ライダー達の武器を手にして1人でこれを退けたのだった。
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
城へと戻り、ウォズからオーマジオウの事を聞かされると、オーマジオウになる未来もソウゴから奪ってやろうと目論む。
そこにアナザージオウⅡウォッチを狙う海東大樹が城へと侵入。
アナザーエグゼイドとアナザーゴーストを大樹が変身したディエンドに差し向けるも、ディエンドが召喚した仮面ライダーブレイブと仮面ライダースペクターに阻まれ、変身しようとしたがディエンドにウォッチを奪われてしまう。
だが、逃走するディエンドにスウォルツが時間停止をかけたことでウォッチは取り戻し、その場はスウォルツに任せソウゴの元に向かった。
その後はゲイツとの対話を試みるソウゴの前に現れ、「ジオウⅡ」同士の激闘を繰り広げる。
ジオウⅡを一方的に圧倒し、さらにスウォルツに時間停止の力を与えられた海東がグランドジオウライドウォッチを奪いとったことでさらに優勢に立つも、乱入してきたゲイツリバイブ疾風によりジオウを取り逃がしてしまう。
そしてスウォルツに焚きつけられたことで、今度はソウゴをおびき寄せる人質としてツクヨミを狙い始める。
アナザービルドとアナザーカブトにツクヨミを追わせ一度は捕縛に成功するも、直後に士が乱入しツクヨミは脱走。
アナザーライダーにツクヨミを追わせたことでジオウⅡはツクヨミを追ってしまったため、自身は士が変身したディケイドと駆け付けたゲイツリバイブ剛烈と交戦。
攻撃にひるむことなく対等に立ち回った。
一方のツクヨミは駆け付けたジオウⅡの目の前で捕縛され、さらにその前にウォズが立ちふさがったためにソウゴは撤退せざるを得なくなってしまった。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
ゲイツリバイブとディケイドと戦いながらジオウⅡを追い続け、ツクヨミを救えなかったソウゴを「無様だな」と嘲笑う。
そして1vs3の状況にも関わらず3人を圧倒したが、ディケイドがオーロラカーテンを使ったことで取り逃がしてしまう。
その後、スウォルツを探るためあえて飛流についていたウォズと合流したソウゴ達をアナザーライダー軍団と共に待ち構える。
「逃げずにここに来た事は褒めてやる、常磐ソウゴ。
お前のせいで俺の人生は無茶苦茶になった。
俺が、お前の存在そのものを消してやろう…」
未だ消えぬ憎しみを込めた言葉をソウゴに向かって投げ掛けると、ソウゴは彼に向かって謝罪する。
ソウゴ「ごめん、傷付けたんなら謝る。
だけど、その為にみんなの時間を書き換えるなんて間違ってる!
だから俺は、君を倒して元の時間を取り戻す!」
「御託はいい」とソウゴの謝罪を一蹴し、今度こそ決着をつけるべくアナザーライダーを引き連れて決戦に臨む。
4人のライダーによって次々とアナザーライダーが倒されていくなか、自身は未来予知を使ってグランドジオウが倒される未来を予知して攻撃を行うも、攻撃を受けたグランドジオウは光の粒子となって攻撃を回避、自身もキングギリギリスラッシュの直撃を受けて劣勢に陥る。
「何故だ…。何故、俺は奴に敵わない!?」
ソウゴ「それは、お前が過去のことしか見てないからだ!」
「どこまでも偉そうに!」
ソウゴ「そして俺は、未来を作るために戦う!」
過去に囚われている者と、未来に突き進む者。2人の覚悟の強さは最早、雲泥の差だった。
最後はグランドジオウが「オールトゥエンティタイムブレーク」で繰り出した平成オールライダーキックを受けて爆散、書き換えられた歴史も元に戻った。
元に戻った世界で、地面に伏せる飛流は排出されたアナザーウォッチに手を伸ばす。
だが、飛流より早く海東が「お宝」として拾い上げ回収してしまう。ウォッチを取り返そうとする手を伸ばす飛流の前に、スウォルツが言い放つ。
スウォルツ「お前の役目はもう終わりだ。お前に王たる資格など…無い。
一時の夢を見られただけでも、ありがたいと思え」
「そんな………」
過去に囚われ傀儡として利用された男の復讐劇は、あっけなく終わりを告げたのだった。
- EP47『2019:きえるウォッチ』
「お宝をこんなとこで使いたくはなかったが…」
CV:戸谷公人
2056年にて若い頃のスウォルツによる攻撃を受けて死亡した士を蘇生させるべく、アナザージオウⅡウォッチで時間を巻き戻し士を復活させた海東。
しかしアナザーウォッチを使った時の副作用で、海東は強制的にアナザージオウⅡに変身させられ、自我もアナザージオウⅡの力に呑み込まれてしまう。
「最後のお宝を貰うよ…士の命っていうね!!」
「最後のお宝」と称して士の命を奪おうと襲いかかり、ディケイドライドウォッチをソウゴから受け取り、有事の際に残していたディケイドの変身能力を取り戻したディケイドと交戦する。
「士、ライダーの力は取られたはずだろ?」
ディケイド「そんな事もあろうかと、予め俺の力の半分だけ、ウォッチに託しておいたのさ!」
「さすが士だ。でも半分の力じゃ僕には勝てない!!」
するとディケイドは、アナザージオウⅡの対抗策としてディケイドジオウに変身。さらにソウゴが変身したグランドジオウも参戦した事で徐々に追い込まれていき、グランドジオウが召喚したザンバットソード・バリズンソード・トレーラー砲の連続攻撃を受けて変身解除。アナザージオウⅡウォッチも砕け散る事となった。
意図せず変身してしまった海東の場合はアナザーウォッチが砕け散ってしまったあたり、グランドジオウに敗れてもなおウォッチが残り続けた加古川の恨みの力が相当なものだったことが伺える。
余談
- 「加古川飛流 変身の像」の周囲には放映当時は未登場だったアナザードライブとアナザーディケイドの像が確認できる。しかし像は等身大サイズで、映画では巨大だったアナザークウガも他よりやや大きい程度となっているため、オーマジオウの数倍近い大きさであったソウゴの像と比較して視聴者からは「安っぽい」「ちゃっちい」等の評価を受けてしまっている。
- ちなみに、ファイナルステージのトークショーにて飛流の演者である佐久間氏が語った話によると、この「加古川飛流 変身の像」のモデリング撮影がクランクアップになったとのこと。
- また、スウォルツの企みの被害者であることは間違いない飛流だが、アナザージオウⅡとなったことで歴史そのものを書き換え、レジスタンスが現れるほどの悪行を振る舞うというまさに「最低最悪な魔王」そのものと化している。自分で望んだのだからいいとしても、オーマジオウの方は倒したところで先がないが、こちらは「倒せば時空を元に戻せる」というありきたりな魔王になってしまっている。さらにはオーマジオウはそれなりの理由で魔王を演じていた可能性が考えられる上に、後にソウゴはジオウの力を使って、飛流が行わなかった「大切な人達を救うための歴史改変」を実行しており、退場後も視聴者に滑稽な印象を与えていっている。彼の言動からしてスカッとした視聴者も多かっただろうが、どこまでもアナザーライダーはアナザーライダーであり、その道を選んだ時点で飛流はどうあがいても本当の意味で「仮面ライダージオウ」にはなれない、ソウゴのように仲間と運命には立ち向かえないことを示しているのだとするとあまりに残酷ではないだろうか。
- 最終的にアナザーウォッチを海東への協力の褒美として奪われ、「お前の役目は終わった」と切り捨てられた為、スウォルツが飛流にアナザージオウⅡの力を与えた理由は「ツクヨミとディケイドの力の強奪という本懐の目眩まし」「最大の障害となるであろうグランドジオウへの妨害」でしかなかった模様。
- 海東がアナザージオウⅡライドウォッチを使用した結果、海東が暴走しアナザーウォッチも壊れてしまったため、「アナザーじゃなくて普通にジオウⅡライドウォッチで時間を巻き戻せばいいのでは」と考えられるが、ジオウⅡの場合は時間をまるごと巻き戻すため「策もなしに門矢士を助けると今度は庇われたツクヨミが危ない」為、士の時間だけを巻き戻せるアナザージオウⅡライドウォッチが最善だったと言える。
- なお、海東が変身した事により、過去作ライダーのキャラクターが変身したアナザーライダーの事例としてはアナザーオーズ、アナザーリュウガ、アナザーブレイド、アナザーカブト、アナザードライブに続いて6人目となった。
- pixiv内ではアナザージオウが登場したころに投稿されたイラストがあるのだが、デザインがかなり似通っていた為「預言者」タグがつけられている。
関連タグ
アナザー電王← アナザージオウⅡ →アナザーディケイド/アナザードライブ
関連キャラ
メフィラス星人:あるヒーローに対して同じような事をして孤立へ追い込んだ。
坂田金時:主人公から全てを奪い去ってから作品を乗っ取った者繋がり。
ジャギ 月島秀九郎:主人公から全てを奪い、孤立無援の絶望に突き落とした者繋がり。
ストレイボウ:こちらも主人公から全てを奪って孤立無援の絶望に突き落とした者繋がりであるが、自身の行動が原因で主人公を魔王へと変貌させてしまった。
晦正影:同じ東映特撮において人々の記憶を改変し、主人公の記憶を消し去った敵繋がり。とはいえ、アナザージオウⅡ程大規模では無い上、描写はどことなくギャグチックではあったが。
カオスウルトラマン…ウルトラマンコスモスに登場した主人公の偽物ポジション。こちらも主人公と終始互角以上の戦いを繰り広げたほか、物語終盤に強化されて再登場したと言う共通点がある。