アローラ
あろーら
概要
『ポケットモンスター サン・ムーン』及び『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』の舞台となる地方。
同時に同地方での「こんにちは」「ごきげんよう」などの公用語(挨拶)の意味も兼ねている。アニポケ『サン&ムーン』でも同様に使われ、同名の主題歌『アローラ!!』がある。
恐らく現実のハワイ語の挨拶「アロハ(aloha)」が元ネタだと思われるが、アローラという言葉自体もある模様(古い言葉で『分かち合う』の意)。
モデルとなったのはハワイ。
本作では珍しく、地方名が判明すると同時にモチーフとなった現実の地方が判明している。
「本当か?」と思う人は、公式サイトのPVの下に書かれた文面をよく見てみよう。(モロカイ島、ラナイ島、カホオラウェ島に当たる島は確認できない。15番水道の小島がそれなのかもしれない。)
ハワイモチーフ故なのか、今までの地方と比べると自然がそのまま残ったような地域が多い。 元ネタの要素が今までのシリーズ以上に色濃い。ハワイが小さい島々の集まりだった事も一因か。
登場する人物も身軽な服を着ており、温暖地域らしくどこか程よく日焼けしているのも特徴か。
南国の地方自体はホウエンがもう出ているが、南国かつ島国の地方は本編では初(アニポケではオレンジ諸島、レンジャーシリーズではオブリビア地方などが既に出ていたが)。
これまでの地方と違い、自然豊かな4つの島と1つの人工島で1つの地方という、カントーのナナシマのような複数の島で構成されている。元々は海底火山の噴火で出来た島々で、そこから鳥ポケモンが種を運び、水ポケモンが集まり、人と共に陸ポケモンが移住してきた。
各島の街の数は多くて4つ程度であり、「~シティ」や「~タウン」という名前ではない街が比較的目立つ。ポケモンセンターが建物のない道路上に建てられている事も多い。
移動に際しては一個人のポケモンの力ではなみのりやそらをとぶ程度で疲れてしまう程遠い為(さらに移動のための使用が法律で禁止されている)、島では自動車、個人単位では移動能力が高いライドポケモンか連絡船で往来する。
モーテルが幾つも設けられているように、あまり描かれる事のなかった自動車が多く見かけられるのも特徴。消防車やパトカー(トラックタイプ)なども確認されている。
TVに関してはマラサダのCMばかりが随時流れているが、アニポケでは地方テレビ局がレースなどのイベントで生放送もされている。局を訪ねる際はポケモンはトレーナーと同伴しなければ行けない規則らしい。 USUMでは其れ以外でもバトルツリーやアローラフォトグラフのCMが追加している。
4つの島ではそれぞれ一体ずつ「カプ」と呼ばれる守り神のポケモンが古くから崇められている。
この地方に住むポケモン達は他の地方に比べて特異な生態の物が多く、図鑑説明文には食物連鎖に関する記述が目立つ。特にリージョンフォームの先駆けである「アローラのすがた」のポケモンは、姿かたち・タイプまでもがアローラ仕様に変化している。
東南アジアやオセアニア圏に生息する生物をも元ネタにする。自然に囲まれているという事もあって、自然からの恵みは分かち合う文化が確認できる一方で、ポケモン図鑑では一部のポケモンが害獣扱いされていたり、自然保護に力を入れている事が描かれるなど、自然との共存の難しさとも向き合っている事がわかる。
島めぐり
アローラ地方の古くからの風習として、11歳の子供が「島めぐりの証」を携え、ポケモントレーナーとして各島を巡る儀式がある。引っ越してきた主人公も島めぐりをする事になる。
計7人いるキャプテンが課す「試練」、カプに選ばれ島を治めるしまキング・しまクイーンとのバトル「大試練」を通じてZクリスタルを集め、最終的にラナキラマウンテンの頂上で行う決戦「大大試練」で締めくくられる。
「試練」はトレーナー戦に限らず、様々なミッションを攻略した上で巨大な野生ポケモンの「ぬし」を倒すという独特なもの。
島めぐり自体は任意ではあるものの、島めぐりに失敗した事で落ちこぼれ扱いされたり、スカル団のように不良として徒党を組んだりといった閉鎖的な環境による負の面も垣間見えている。
シナリオ的にはジム巡りに相当するものだが、アローラにはジムもジムリーダーも存在しない。
ポケモンリーグは存在しなかったが、ククイ博士の強い後押しもありついに実現した。
その驚きの内容は本編をプレイして確かめてほしい。
島一覧
メレメレ島
主人公が引っ越してくるアローラ地方北西部の島。整備された海岸や、ショッピングモールなど近代的なものが集約されており、観光客の大半が此処を訪れているが、1歩街を出れば自然豊かな風景があちこちに残っている。守り神はカプ・コケコ。
島の位置取り、観光客が集まるところから現実のハワイ州オアフ島に相当すると考えられる。
町
その他の名所
場所の名称 | モデル | 備考 |
---|---|---|
マハロ山道 | アイエアループトレイル | 「ありがとう」を意味する「mahalo」に由来 |
ハウオリ霊園 | 国立太平洋記念墓地 | |
きのみ畑 | ドール・プランテーション | |
茂みの洞窟 | カネアナ洞窟 | イリマの試練 |
メレメレの花園 | カイパパウ・フォレスト保護区 | |
テンカラットヒル | ダイヤモンドヘッド | 元ネタに引っ掛けて宝石の単位から来ている。 |
海繋ぎの洞穴 | マーメイドケイブ | 「どうけつ」 |
カーラエ湾 | ハナウマ湾 | 「澄み切った」を意味する「kālaʻe」に由来。 |
戦の遺跡 | プウ・オ・マフカ・ヘイアウ | 元ネタはカプ・コケコのモデルであるクーを祀った聖地。 |
メレメレ海 | カイウイ海峡 | |
ビッグウェーブビーチ | タートル・ベイ・リゾート | USUMから |
浜辺の洞穴 | タートル・コーブ | USUMから。「ほらあな」 |
アーカラ島
主人公が二番目に訪れるアローラ地方北東部の活火山島。カントー、ジョウトからの移民世代が多く、和名の人物が多数いる。西部劇風や中華街風の街もある。守り神はカプ・テテフ。
アニメでは、島めぐりをしたカキがこの島のしまクイーンからZリングを授けられたという設定。
島の位置取りから現実のハワイ州マウイ島に相当すると考えられる。
町
その他の名所
場所の名称 | モデル | 備考 |
---|---|---|
カンタイビーチ | カフルイ・ビーチ | USUMから |
ピカチュウの谷 | イアオ渓谷 | USUMから |
せせらぎの丘 | カナハ・ポンド・ステート・ワイルドライフ自然保護区 | スイレンの試練 |
オハナ牧場 | ハレアカラ牧場 | 廃人ロード |
ディグダトンネル | ハナ・溶岩チューブ | |
ヴェラ火山公園 | ハレアカラ国立公園 | 「夏」を意味する「wela」に由来。カキの試練 |
ワカツダケトンネル | ハワイ州道30号線オロワルトンネル | USUMから |
シェードジャングル | ハナ森林保護区 | マオの試練。苔むした岩。 |
メモリアルヒル | オロワルのペトログリフ | |
命の遺跡 | ハレ・オ・ピイラニ・ヘイアウ | カプ・テテフ |
ハノハノリゾート | グランドワイレアリゾート | 「立派な」を意味する「hanohano」に由来。 |
ハノハノビーチ | マケーナビーチ | ナマコブシを海に帰すバイトがある。 |
ウラウラ島
アローラ地方南東部の島。公式イラストを見る限りではアローラ地方最大の島。ジョウト風の大庭園、天文台、図書館も置かれている。高低差の起伏が最も激しく、山岳雪原、高地や岩肌、砂漠、海岸とフィールドの種類は豊富。その為にライドポケモンは欠かせない交通の足になっているが、標高の高いラナキラマウンテンでも同じ袖の無い服装で登れるものの、当然気温は氷点下の為にアニポケでは防寒着をレギュラー全員身に纏っている。守り神はカプ・ブルル。
島の形からして現実のハワイ州ハワイ島に相当すると考えられる。
その他の名所
場所の名称 | モデル | 備考 |
---|---|---|
マリエ庭園 | リリウオカラニ公園 | 元ネタも日本式の庭園で、東屋があるところまでそっくりである。 |
ホクラニ岳 | マウナ・ロア山/マウナケア山 | |
ホクラニ天文台 | マウナロア観測所/マウナケア天文台群 | 元ネタではオゾンを研究。マーマネの試練。 |
ホテリ山 | キラウエア火山 | モデルは火山だが、火口らしきマップはない。 |
地熱発電所 | プナ地熱発電所 | |
ウラウラ裏海岸 | アハラヌイ・パーク~アイザック・ヘイル・パーク | SMのみ |
ウラウラビーチ | 同上 | USUMで裏海岸から変更 |
エーテルハウス | カウ | |
スーパー・メガやす跡地 | パハラ | 元ネタではサトウキビ工場があったが、閉鎖されてしまった。アセロラの試練。 |
ハイナ砂漠 | カウ砂漠 | 今までも砂漠マップは見受けられたものの、今回は元ネタになった場所も砂漠という珍しいパターン。 |
月輪の湖/日輪の湖 | ワイアウ湖 | コスモッグ |
ウラウラの花園 | プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園 | |
ラナキラマウンテン | マウナ・ロア山/マウナケア山 | ポケモンリーグがある。高い雪山。氷で覆われた岩。 |
実りの遺跡 | プウコホラ・ヘイアウ | プウコホラ・ヘイアウで祀られていたのはカプ・ブルルのモデルであるロノではなく、カプ・コケコの元ネタであるクーである。 |
ポニ島
アローラ地方南西部の島。上陸起源の島でもあるが、他の島よりも緑が少なく、現代文明の発展は遅れており人口密度も低く、住民の殆どが村の一ヶ所に集中し、ポケモンを象った船を住居として生活している。
辺境の地であるが、島めぐり発祥の聖地でもあり、その渓谷や平原へ多くのベテラントレーナーがこぞって修行として訪れている。守り神はカプ・レヒレ。
島の位置取りから現実のハワイ州カウアイ島に相当すると考えられる。
その他の名所
場所の名称 | モデル | 備考 |
---|---|---|
ポニの原野 | ワイメア・キャニオン州立公園 | |
ポニのビーチ | ポリハレ州立公園 | USUMから |
ポニの荒磯 | カワイロア湾~ハウラ湾~ナウィリウィリ湾 | |
彼岸の遺跡 | ポリアフ・ヘイアウ | カプ・レヒレ |
ナッシー・アイランド | ニイハウ島 | アローラナッシー |
ポニの古道 | カラヘオ/コロア | |
ポニの大峡谷 | カウイキニ山~アラカイ自然保護区 | 磁場のある場所 |
日輪の祭壇/月輪の祭壇 | ワイアレアレ山 | ウルトラワープライド/ソルガレオ/ルナアーラ |
ポニの樹林 | ワイルアリバー州立公園 | |
ポニの広野 | カワイハウ | |
ポニの海岸 | バリクビーチ/パパア・ベイ・ビーチ/モロアア・ビーチ | |
ポニの花園 | シダの洞窟 | |
エンドケイブ | マニニホロ洞窟 | ジガルデ |
ポニの険路 | キラウェア(街)~ハナレイ国立野生動物保護区 | |
バトルツリー | プリンスヴィル・リゾート | バトル施設 |
エーテルパラダイス
アローラ地方中央の人工島。エーテル財団の保護・研究施設がある一種のメガフロート。周囲にはモンスターボールでの捕獲を阻害する妨害電波を絶えず放射し続けている。
現実のハワイには、この手の人工島は存在していない……が、「海上都市」として1971年にメガフロートの建設が計画されたことがある。地図上の位置ではパパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメントとなる。
余談
4つの島の名前はハワイ語での色の名前を元にしたものと思われる。
メレメレ:ハワイ語の“黄色”「melemele」
アーカラ:ハワイ語の“ピンク”「akala」
ウラウラ:ハワイ語の“赤”「ʻulaʻula」
ポニ:ハワイ語の“紫”「poni」
各島のキーカラーや守り神の体の色もそれぞれの名前が意味する色になっている。
ポケモンの地方にしては珍しく、「地方の中のどこか」ではない、地方そのもののテーマとなるBGMが存在する。
詳しくは「アローラ地方のテーマ」で検索。