略称は「スマブラX」。タグとしてもこちらで登録しているイラストが多い。
概要
『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ第3弾となる対戦格闘アクションゲーム。
相手を場外にふっ飛ばしたら勝ちというルールは変わらず。
コナミのソリッド・スネークやセガのソニック・ザ・ヘッジホッグが参戦することで話題となった。
タイトルの「X」は「交差」、「交わり」を意味しており、サードパーティソフトのキャラクターの参戦、「亜空の使者」内でのドラマストーリーでの競演、多数の著名なゲーム音楽作曲家の製作への参加、Wi-Fiコネクションによるプレイヤー同士での交流といった、様々なクロスオーバーを暗示している。
前作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』で操作できたキャラクターのうち、
ピチュー、ミュウツー、ロイ、ドクターマリオ、こどもリンクの5人は登場しない。
(一応こどもリンクに関しては、トゥーンリンクが差別化の傾向を引き継いでいる)
「スマッシュボール」というアイテムを取ることで、「最後の切りふだ」と呼ばれる超必殺技を使うことができるようになった。
(この構想自体は初代の頃からあったらしい)
ゲームモード
みんなで対戦する「大乱闘」を筆頭に、一人用ゲームとしては「シンプル」、「亜空の使者」、「オールスター」、「ターゲットを壊せ」、「ホームランコンテスト」、「組み手」などがある。
みんなで
大乱闘
友達やCPと対戦する、ゲームの基本となるモード。Wi-Fiを使ったオンライン対戦も可能。
最後まで生き残りをかけて戦うストック制、制限時間までの撃墜数を競うタイム制、制限時間で集めたコイン数を競うコイン制の3ルール。
DXで導入された評価制は、評価システムごと削除された。
チームを組んで戦うチーム戦も健在。
本作からハンディキャップは「最初から蓄積%が溜まっている状態」に変更された。
スペシャル乱闘
上記のルールに特殊なルールを付け加えて楽しめる大乱闘である。
特殊なルールは以下の通りで、それぞれ好きなものを選んで適用できる。また選択中は上に適用したルールを書き出したキャプションが表示される。
複合が可能になったので、「スーパーサドンデスででかくてうさみみでカレーかつふわふわゆっくりな画面見下ろし乱闘」などができる。
設定した状態は全員共通。成績には残らない。
たいりょく | 300% | 体力制 |
---|---|---|
おおきさ | でかい | 小さい |
あたま | 花 | うさぎ |
からだ | メタル | みえない |
じょうたい | カレー | リフレクト |
おもさ | かるい | おもい |
はやさ | スロー | クイック |
カメラ | 固定 | みおろし |
トーナメント
トーナメント表を生成して対戦し、優勝者を決定するモード。最大人数が32人に半減した。
コンピュータ相手に一人でも遊べるが、コンピューターだけの大会観戦はできなくなった。
かちぬけ・まけぬけ
その名の通り5人以上での順番まわりを自動処理してくれるモード。一回休みにも対応。
ひとりで
システムを流用した横スクロールのアクションゲーム。突如侵略してきた亜空軍と呼ばれる敵と戦う。
シンプル
出てくるキャラと戦って勝ち抜き、マスターハンドを目指すおなじみのモード。
イベント戦
設定されたシチュエーションで戦うモード。
メタナイトを使って戦艦ハルバードが着艦する前にカービィを吹っ飛ばしたりする。
中には倒す順番や決めワザなど、特殊な条件がつけられたものもある。
二人同時プレイも可能で、専用の課題がある(一人の時より数は少ないが)。
ターゲットを壊せ!!
10個のターゲットを壊すまでの時間を競うモード。
今まではキャラクターごとにステージが決められていたが、
今回は5つのステージの中から1つを選び、好きなキャラクターで挑戦する。
ホームランコンテスト
サンドバッグくんを10秒以内に吹き飛ばし、その飛距離を競うモード。
サンドバッグくんを叩いて、横に置いてあるホームランバットで打つのが基本となる。
制限時間が10秒しかないので、いかに効率よくダメージを蓄積するかがポイントである。
これも2人同時プレイに対応しており、協力して叩いたり、2人で交互にプレイして競うこともできる。
オンライン対戦にも対応している。
組み手
大勢のザコ敵軍団を相手に戦うモード。1度撃墜されたら失敗。
今回は2人協力プレイ対応の「ふたりで組み手」や、
Wi-Fiフレンドと協力できる「チーム組み手」もある。
十人組み手 | ザコ敵軍団10人を倒す |
---|---|
百人組み手 | ザコ敵軍団100人を倒す |
三分間耐久組み手 | 3分間で何人倒せるかを競う |
十五分間耐久組み手 | 15分間で何人倒せるかを競う |
エンドレス組み手 | 1回ヤラレルまで何人倒せるかを競う |
情け無用組み手 | 本気を出した敵軍団を何人倒せるかを競う |
トレーニング
好きな設定で練習できる一人専用モード。(2PコンでCPUキャラを動かす設定にもできる)
アイテムを出して使う練習をしたり、CPUを何人か出してみたり、コンボダメージを測定したりできる。
登場キャラクター
歴戦の勇者
前作から引き続き登場するキャラクター。
マリオ…下必殺ワザがポンプに変更され、マリオトルネードは空中下攻撃に移動された。
リンク…デザインがトワイライトプリンセスをベースに変更され、弱連打が削除、ブーメランに相手を引き寄せる効果が追加、回転切りがチャージできるようになった。
カービィ…ハンマーを空中で使っても横に振るようになった。
フォックス…デザインがスターフォックスアサルト準拠となり、ボイスが変更された。
ピーチ…下スマッシュドレスエッジのダメージが大幅に減少。
クッパ…横必殺ワザがダイビングプレスに変更
新たなる挑戦者
初参戦となるキャラクター。
ゼロスーツサムス…サムスが脱いだ姿。スピードが早く近接戦を得意としたりと対になっている。
ワリオ…ショルダータックルや放屁など濃いワザが特徴。バイクスーツが基本だが色替えでオーバーオール仕様を使用できる。
ポケモントレーナー…3匹のポケモンを使い分ける。使い続けるとスタミナが減って攻撃力が下がるので交代で回復させなければならず上級者向け。
ディディーコング…華麗なアクションが特徴。バナナの皮で相手をハメル事が可能。
デデデ…下投げで相手をはめる事も可能。
ベールを脱ぐ戦士
ゲストを除く隠しキャラクター。過去作で経験したキャラクターは、本作でも全員隠しキャラクターとなっている。
ルイージ…近年の作品に合わせて声が低くなった。兄の下必殺ワザ変更に伴い、ルイージサイクロンが多散ヒットするようになった。
マルス…通常必殺ワザシールドブレイカーが原作の様に突くモーションに変更
ファルコ…弱攻撃、上強、横スマッシュ、空中通常、空中前攻撃のモーションが羽やくちばしを使った攻撃に、下必殺ワザがリフレクターシュートに変更。
ガノンドロフ…モーションが独自の物になった
ルカリオ…自分の蓄積ダメージが高い程波導の威力が高まり、火力が高くなる逆転向けのファイター。
他にもアシストフィギュアとして様々なキャラクターが登場している。
評価
ゲームシステム自体は順当に進化しており、Wiiの美麗なグラフィックの元で多数の任天堂キャラクターたちのバトルを実現したという点では大きな評価を得ている。他者枠のキャラクターの参戦や、「最後の切りふだ」など次作以降にも受け継がれた要素も多い。また、『光神話・パルテナの鏡』のように、本作がきっかけとなって注目が集まり、リメイク作が作られた作品も存在するなど、任天堂のゲーム界へ与えた影響も計り知れないものがある。
一方で、システム面での調整不足が目立ったため、批判の多い作品にもなってしまった。
特に深刻だったのが「おきらく対戦」であり、匿名性にしてしまったことが災いしてネット上で馴れ合いや特定のユーザーのみを狙ったリンチなどの問題行為が多発。プレイヤーからは「おきらくリンチ」などと揶揄され、結果、多数のユーザーが「オンライン対戦をしたくない」と考えるようになってしまった。また、ガチな対戦を求めるユーザーが増加した結果、対戦ステージが終点に固定化することが暗黙の了解と化し、面白さが感じられないといった意見もあった。
他にもCPU関係の問題(どういうわけかプレイヤー操作のキャラを集中攻撃するルーチンが組み込まれていたり、AIがやたら高性能すぎてLv9付近ともなると中級者ではまともに相手取ることすらできなかった)や作業感が強い割にはイマイチ達成感のないやりこみ要素(フィギュア収集やアドベンチャーモード「亜空の使者」)、戦闘中に自キャラがランダムで転倒してしまうシステム、イマイチ存在意義のわからない「名作トライアル」など、多数のゲームシステムに不満が寄せられることとなった。
なお、開発側もこうしたファンからの声を受け止めたようで、次作ではオンライン関連など本作で不満の噴出した問題の多くにメスを入れており、転倒等のあまりにも批判の多かった要素は次回作以降の作品では完全に削除している(…が有効であったとは言い難く、こちらはこちらでまたしても不満の声が多く寄せられているため、更にその次回作で変更を加えている。オンライン関連に関しては今現在も試行錯誤中と言った方が良いだろう)。
加えて、不満点とされがちなのが前作と比較してのゲームスピードの変化と様々なテクニックの削除である。
確かに前作よりゆったりしたゲームスピードは初心者にやさしい仕様という原点回帰にはなっているのだが、前作とは操作性が大幅に変わってしまった。また、前作にあった「絶」や「メテオ返し」等の膨大なテクニックが失われてしまい、キャラクターを操作するテクニック面では大きく劣化してしまった。この変化のせいで前作をやりこんだプレイヤーからは非難の声が上がってしまい、その結果海外ではProjectMを初めとする様々な二次創作のMODが作られ、特にProjectMは日本では次作と比較され荒れる原因となってしまった。
尤も、確かに不満点こそあったもののこれらの変更はあくまでも初心者やゲームに不馴れな人への配慮であることは忘れてはならない。
売り上げこそ当時シリーズ最多の222万本を記録したものの、このように目玉として取り上げられた新要素の大半や前作からの大幅な仕様変更がことごとく裏目に出てしまい、前作までと比べてはっきりと賛否の分かれる作品となってしまった。
とは言え、良くも悪くも本作から見えてきた様々な点が次回作以降の作品を製作する上で大きな影響を与えていることは事実であり、シリーズ展開の上で大きなターニングポイントになった作品であることは間違いないと言えるだろう。
関連イラスト
関連タグ
個別
亜空の使者 亜空軍 フィギュアプレート リストラ組(スマブラ)
崎元仁(桜井政博から2度届いた参加依頼をスパムメールと勘違いし気づかなかったため本作に不参加になったゲーム音楽作曲家)
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