概要
『ポケットモンスタールビー・サファイア・エメラルド』およびリメイク版『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』に登場するキャラクター。
作中にはオダマキ博士の子供でホウエン御三家を持つユウキ/ハルカもライバルとして登場するが、チャンピオンロードまでやってきて主人公に挑むのはミツルのほうであり、彼が本作における実質的なライバルキャラといえる。
緑色の髪の色白な少年。
服装は『RSE』では白いワイシャツと黄緑のズボン。
『ORAS』ではシャツに水色のカーディガンを羽織り、終盤ではキーストーンが付いたメガペンダントを身に着けている。
いかにも気弱でおとなしそう外見だが、意外にもしっかり者で行動力がある。
ルビー・サファイア・エメラルド
生まれつき病弱で、療養のためトウカシティの両親の元を離れ、空気が良いシダケタウンの叔父の家に住むことになった際、寂しくならないようにと野生のラルトス(♂)を主人公と一緒に捕まえる。
シダケタウンの生活で元気を取り戻した後、ラルトス一匹でキンセツシティのジムに挑もうと無茶をするも、叔父と主人公によって止められる。
その際の主人公とのポケモン勝負において、本当のポケモントレーナーというものを学んだ。
そのしばらく後にポケモントレーナーとしてシダケタウンを旅立ち、主人公を遥かに上回るペースでホウエン地方のジムを制覇。
トレーナーとして見違えるように成長した彼は、ラルトスをサーナイトにまで進化させ、チャンピオンロードにて主人公に勝負を挑んでくる。
オメガルビー・アルファサファイア
基本的な流れや出番は『ルビー・サファイア・エメラルド』と同様。
絵柄の変化などもあり、非常にショタっ気の強い見た目になっている。
こちらは両親や親戚の許可を得た上でトウカシティから旅立っており、ラルトスをゲット後にポケナビにアプリ機能を付け足してくれる。
『RSE』の後のシリーズ『DPt』で新たな進化形のエルレイドが登場し、前作『XY』にてサーナイトがメガシンカ可能になったことに対応してか、『ORAS』ではミツルのラルトスはエルレイドに進化し、メガシンカを獲得した。
ミツルのエルレイドの持ち物である「エルレイドナイト」は、シダケタウン-カナズミシティ間を繋ぐトンネル「カナシダトンネル」で発掘された石の一つで、ここで岩に阻まれて会えずに困っていたミツルの従姉妹ミチルとその恋人が見つけたものである。
「サーナイトナイト」とまるで対であるかのように一緒に発見され、このうちエルレイドナイトをミツルが受け取っていたようで、残ったサーナイトナイトはストーリー後半でシダケタウンを再度訪れると主人公が貰う事ができる。ミツルと思わしき人物がエルレイドナイトを持って行った事もこの時聞ける。
また、殿堂入り後に行けるエリア「バトルリゾート」でも彼の姿を見ることができる。
しかし…
「僕はもう負けない」
「くっ……ここで詰んだか……」
NPCからは実際に「ランニング王子」と言われる。他のあだ名は「マニア王子」など。
原作と同じく、旅立った時は病弱で気弱だった彼。だが、旅が彼を成長させたためだろうか。エピソードデルタを終え、バトルリゾートに足を踏み入れる時のミツルは、故意ではないが大人3人を跳ね飛ばして走っていくなど、まるで別人のように逞しくなっていた。その豹変ぶりからミツルさんとも呼ばれている。『キミ誰!?』と感じたプレイヤーも多いだろう。
トウカシティに住む母親はミツルの豹変に喜んでいたようだが、父親は逆に心配しているようだ。
この豹変の中でも最たるものが、殆どメタ表現の領域にまで踏み込んだ廃人化である。
公式のポケモン作品における『ポケモン廃人』だが、アニメに登場する『ポケモン廃人』揶揄されるトレーナーはあくまで『ポケモン廃人を意識した』キャラであり、『ポケモンを捕まえては能力が優秀かどうかを見極め、そうでなければ逃がす』という以上の描写は特にされていない。
しかし、ORASにおけるミツルは……
- 強化後、手持ちからチルタリスとエネコロロを外し、代わりにガチポケと名高いマリルリ・ファイアロー・ガブリアスを入れている
- 持ちものはもちろん特性までもがガチ仕様(例:ファイアロー@命の珠とガブリアス@ゴツメは隠れ特性)
- 『詰んだ』『抜かれる』といったネットスラング的な言葉を使う
- 彼が早朝や深夜にたくさんのタマゴを抱えて走り回っていたり、ポケモンを選びに選びぬいて(すなわち『厳選』して)いたり、基礎ポイント(=努力値)の割り振りを考察していたりすることを証言するNPCがいる
など、現実世界のポケモン廃人とほぼ変わらないことをゲーム内でやってのけている。上記の作業を機械的に行うプレイヤーとしてのポケモン廃人により近くなっているということかもしれない。
前世代での金銀ライバル、アニポケにおけるシンジは当初は廃人気質だったが後に考えを改めたのに対してミツルは彼らの逆パターンとプレイヤーの中にそう見方をする人がいても可笑しくはないだろう。
なお、続投メンバーも別の個体になっている(一部木の実をなげつけることで容易に判別できる)が、これはゲームバランスの都合による変化であり、槍玉に挙げるべきものではない。
というか、そもそもRSEの頃からサーナイトと最初のラルトスはシステム上別個体である。
さらに言うなればそもそも今までのシリーズに登場した様々なトレーナー達のポケモンもシステム上別個体である場合が多い。
本来ストーリー上ポケモンに対し心からの愛情を持っているトレーナーでもあり得ることなので、メタ的な目線で見るのはお門違いという所だろう。
そのあまりのガチ構成から、「空気ライバル」や「チャンピオンロードの罠」というイメージから脱却し、「ORAS最強のトレーナー」と呼ばれるようになり、ついには歴代シリーズ最強トレーナー候補の一人にも数えられるようになった。
旅だった時から大きく変わったミツルであるが、主人公に敗れたときには、
それにしても…ほんとに…ポケモン勝負っていいですよね…
こうしてトレーニングと勝負の毎日を過ごして思うんです
本当に楽しくって楽しくって!ここは僕の居場所なんだなって!
ぼく…もっともっと強くなります!だからまた勝負お願いします!
と言い残しており、ポケモンと共にする勝負そのものを楽しんでいるという本質的な人格は元のミツルと変わっていない。
彼の『廃人化』は強くなりたいという、ある意味彼らしい純粋な望みの結果である。その上でミツルという人物の力を求める故での変化が良いか悪いかを判断するのは、各々のプレイヤーの価値観次第といえるのだ。
余談
先述の強化ミツルは、バトルハウスのスーパー○○で50連勝しなければ出現しない。(シングル以外のダブルやトリプルを50連勝しても出現する)
スーパーを50連勝ともなると、ほとんどの場合まずはプレイヤー側がそれなりの厳選などのやり込みプレイをする必要がある。顔を合わせるだけでも一苦労であり、強化ミツルを見ないまま終わるプレイヤーも少なくはないだろう。
なお、条件を満たさない限り廃人と化した彼について言及するNPCも出現しない。つまりプレイヤーが廃人でない限り、彼は廃人化しないとも言われる。
元々RSEの頃から闘志を燃やすキャラクターとして描かれていた(記事冒頭の「ぼくは もう まけない」はRSEの時点でも存在したセリフ)ため、その闘志の向いている対象である主人公が廃人になったのなら、ライバルとしてそれを追いかけるのはごく自然なわけである。
海外では「もうこれは一から育て直しかな」というセリフがネタにされている。
ちなみに下記の強化メンバーと戦う前に、彼の旅メンバーをLv.60台まで上げて最終進化形にしたパーティと戦うことになる。
勝つために選んだ本気メンバーの話題が一人歩きしているが、バトルリゾートに着いてからも、旅で彼を支え続けていたポケモン達はちゃんと育てているようだ。
ランニング王子ミツルのテーマ
病弱だった頃からは想像もつかない、激しいメタル調の曲。
なお、正式な曲名は「ライバルのテーマ」である。
キンセツシティでの戦闘後、主人公に「あなたを僕のライバルに・・・」と言えなかった彼の戦闘用BGMにこのタイトルが冠せられているのは、彼の成長を意味しているのだろうか?
戦闘曲扱いではないため、対人戦で流すことはできないが、代わりにバトルリゾートのBGMのひとつになっている。
ちなみにこの曲は歴代ポケモンシリーズにもあった「個人のテーマ曲の戦闘曲アレンジ」であり、ミツルのテーマと聞き比べると同じようなメロディーラインを発見する事が出来る(今作の新キャラであるヒガナ(Zinna)も個人のテーマとその戦闘曲アレンジ(「戦闘!伝承者ヒガナ」)を持っている)。
サン・ムーン ウルトラサン・ウルトラムーン
『ポケモンSM』『ポケモンUSUM』では、殿堂入り後のバトル施設「バトルツリー」のボストレーナーの一人として登場。
顔つきはORASよりもやや精悍で自信に満ちた顔つきになっている。
他媒体
ポケットモンスターSPECIAL
詳細はミツル(ポケスペ)を参照。
ポケモンマスターズ
CV:村瀬歩
『ORAS』の姿で登場。相棒ポケモンはエルレイド。バディーズ技を打つことでメガシンカする。
EX強化することで服の色がエルレイドと同じカラーリングへと変化する。
性能はクリティカットで急所率、トレーナー技で攻撃、特攻、命中率を上げることができる両刀アタッカー。
メガシンカ後にはローキックがインファイトに変化することで物理火力も大幅に上がるが、メガシンカ前から使える特殊技きあいだまが他の格闘バディーズとの最も大きな差別化点である。
使用ポケモン
ラルトスは最終的に『RSE』ではサーナイトに、『ORAS』ではエルレイドに進化。さらにメガシンカによりメガエルレイドとなる。
それ以外の手持ちは特に変更なし。
ルビー・サファイア・エメラルド
キンセツシティ
- ラルトス Lv.16
チャンピオンロード
※対戦するごとにポケモンのレベルが3ずつ上昇していく
オメガルビー・アルファサファイア
1回目キンセツシティ
- ラルトス Lv.18
2回目チャンピオンロード
バトルリゾート(初戦)
以下が強化版ミツルの手持ちポケモンだ。
- ガブリアス(ゴツゴツメット) Lv.79
- ファイアロー(いのちのたま) Lv.79
- ロズレイド(ひかりのこな) Lv.79
- マリルリ(とつげきチョッキ) Lv.79
- ジバコイル(ふうせん) Lv.79
- エルレイド→メガエルレイド(切り札) Lv.81
前述の通り持ち物や特性、手持ちのメンバーに関してはかなりガチ寄りにはなっているが、
まだまだ修行中ということなのか、技構成や個体値に関しては若干甘い面が多い。
手持ちポケモンの最高レベルは81と、歴代トレーナーの中で第4位の高さである(ちなみに1位はHGSSにおけるレッドの88、2位はプラチナでのライバルの85、3位はBW2でのアイリスの83)。
サン・ムーン
関連イラスト
ルビー・サファイア・エメラルド
オメガルビー・アルファサファイア
関連タグ
ワタル(トレーナー)…ゲームシステムにまつわるネタキャラという点では先輩
表記ゆれ
ミツル(ポケトレ)※現在タグはこちらの方が多い