機体データ
型式番号 | ZGMF-1000 |
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全高 | 17.19m |
重量 | 73.09t |
動力源 | バッテリー |
所属 | ザフト |
パイロット | ザフト一般兵 |
概要
ジン、ゲイツに続くザフトの正式モビルスーツ。型式番号ZGMF-1000。
ザクの名は「Zaft Armored Keeper of Unity」の略称であり、意訳すると「鎧に身を固めたザフトの統一の守護者」と言い換える事が出来る。
元々はジン、シグー、ゲイツの後継機となるニュートロンジャマーキャンセラー搭載型量産試作機「ZGMF-X999A ザク量産試作型」であったが、これがユニウス条約の締結により核エンジンの使用が困難になった事からバッテリー機へとモディファイされた。その後は流入したオーブ連合首長国移民技術者による更新も施され、条約によって枷となったMS保有数の制限をクリアすべく、単機で性能向上を見込める換装システムも導入された。
こうしてZAFTの新型量産MSシリーズ『ニューミレニアムシリーズ』としてグフイグナイテッドやドムトルーパーとのコンペティションを勝ち得たザクはフェイズシフト装甲こそ持たないものの、その性能は前大戦での最新鋭機ゲイツどころか、初期GAT-Xシリーズを凌駕する高性能を発揮する次世代量産機として制式配備されるに至る。
劇中では単なる雑魚メカではなく、シリーズ前半では、主役のガンダムと共にチームを組んで戦っているなど、オマージュ元と比べて大躍進している。 …まあ、結局最後は敵になってしまうのだが。
デザインについて
その名の通り、ファーストガンダムのザクⅡをリファインしたようなデザインである。
緑色のカラーリング、シールドとスパイクアーマー、ザクマシンガンを模したビーム突撃銃など、ザクⅡを模倣しつつSEEDらしさを加えたデザインとなっている。
なお、オリジナルで散々言われていた「シールドが右側にあるのは使いづらいのではないか?」という疑問を反省してか、一体型シールドが左側に移動しているのも大きな違いとなっている。
発表された際のファンの反応は賛否両論であった。
SEEDは宇宙世紀と違う世界の話なので、その世界観に合ったオリジナルの敵機体を出してほしかったという意見が非常に多かったが、そのフリッツヘルメットを模したような頭部やスラスターがバランスよく配置された脚部など、デザイン的に評価するファンも少なくない。
基本武装
MMI-M633 ビーム突撃銃
ビームアサルトライフル。一発の威力を抑え連射を可能にした、通常のビームライフルよりも手数を重視したもの。
ゲイツのビームライフルからかなり小型化が進んでおり、マガジン式のバッテリーで稼働させることで、機体への負荷も最小限に抑えている。
予備マガジンは肩部シールド裏側にマウントされる。
MA-M8 ビームトマホーク
シールドに格納されたビーム斧。トマホークというだけあり、投擲しての使用も可能。
ハンドグレネード
MS用の手投げ弾で、腰のラッチから取り外して使用する。
様々な弾種があるが、劇中ではほとんど描写されなかった。
種類として、ZR11Q 閃光弾、ZR13Q 発煙弾、ZR20E 高性能炸裂弾、ZR27I テルミット焼夷弾、ZR30F 通常榴散弾等に分かれる
M68 キャットゥス500mm無反動砲
ジン用に設計された無反動砲。水中戦や後方支援の為か、DESTINYの時代でも携行している機体は少なくない。
ウィザードシステム
G兵器の中で強奪に失敗したストライクガンダムが持つ地球連合軍のストライカーパックシステムを執念のごとく研究を行い、テスタメントによって検証されたストライカーパックの技術を踏襲した、ザフトにおける換装システム。その構成は装備変更において多様な戦況に対応したストライクのものに類似する。
詳細は該当記事を参照。
バリエーション
一般機及びパーソナルカスタム
一般機
劇中で最も良く見られた機体。機体色はグリーン。
セイバーを与えられる前のアスランが、二度この機体に搭乗している。
また、ディアッカもTV版でガナー装備の本機を愛用した。
ルナマリア機
ルナマリアのパーソナルカラーである真紅に塗装された機体。主に装備したウィザードはガナー。
だが、ルナマリア自身は「射撃はニガテ」と語っており、なぜガナーを装備しているのかは不明(一説によると『バスターガンダムのパイロットであったディアッカ・エルスマンに憧れていたから』らしい)。
アーモリーワン襲撃事件では整備不良で戦線離脱し、その後も目立った戦果は挙げられていないと、やや不遇な感のある機体。
ハイネ隊仕様
通称オレンジショルダー。ハイネ・ヴェステンフルスの指揮下にある隊員のパーソナルカラー。彼の死後は、所属部隊を問わず彼を慕うものがオレンジショルダーに塗装したという。
放送当初、ガンプラと連動し、このハイネ隊仕様のザクのガンプラがもらえるキャンペーンが展開された。
レクイエム中継コロニー付近の戦闘で、イザーク率いるジュール隊にヴェステンフルス隊から転属した者たちがおり、数機ほどその姿が確認できる。
ライブ仕様
どピンクに派手なマーキングと、視聴者の度肝を抜いた式典用のザク。
ラクス(正確にはミーア)がライブを行う際に、彼女を乗せて随伴機と共に登場した。
いうなれば公式痛機。まるで痛機ブームを先取りしたかのようなそのデザインは、今でも視聴者の網膜に焼き付いている。らしい。まぁ(別シリーズだが)ファイヤーバルキリーの方が先だが。
(ただしここでの定義を見る限り、ミーアザクもファイヤーバルキリーも正確には痛機ではない)
通称ミーアザク。
TV版最終回及びスペシャルエディションIVでも登場し、ブレイズウィザードを装備してメサイアから出撃した(HDリマスター版の最終回では一般機カラーに修正されている)。
アーケードゲーム『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合VS.Z.A.F.T.II』でもまさかのプレイヤー機体として登場。武装はハンドグレネイドしかないが、なんと踊る事が出来、僚機に自分の覚醒ゲージを譲渡する効果をもたらす。 なお、覚醒するとBGMがミーアの持ち歌である「Quiet Night C.E.73」に変化する。
アイザック専用機
⊿ASTRAYにのみ登場。ジュール隊所属のアイザック・マウがバクゥハウンドに続き使用した。
もともとはラガシュ基地所属の機体でネイビーブルーのカラーリングと、ケルベロス使用のために最適化された、両肩のスパイクアーマーが特徴。
アイザックの手に渡った後は、彼のパーソナルカラーのライトグリーンと、ネイビーで塗装された。
使用ウィザードはケルベロス。
スー機
民間軍事会社所属のパイロット・スーの機体。
スーの人間離れした能力に合わせてチューンナップが施されている。
カラーリングは赤と黒で、使用ウィザードはケルベロス。
視聴者デザイン機
ガンプラと連動して行われた視聴者オリジナルデザインのザクを募集するキャンペーンにおいて、最優秀賞に輝いたデザインのザク。黒いボディに炎が燃えているかのような模様があしらわれている。
同じくキャンペーンで登場したオレンジショルダーの「ハイネ隊仕様」のザクとともに、ブレイズウィザードを装備して活躍する姿が、レクイエム中継コロニー付近での戦闘で確認できる。
ディアッカ機
HDリマスター版に登場。
色はTV版に登場したディアッカ専用ザクファントムと同じくファントムグレー。
ヴァレ機
漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』に登場。
パーソナルカラーは不明、両肩がスパイクアーマーとなっている。
武装はシグー用の細身の重斬刀、76mm重突撃機銃、500mm無反動砲。
時期的にC.E.72の制式配備前であるため、ヴァレの言葉通り「存在しないはずの機体」である。
オープ国際救助隊のエクリプスとの戦闘で追い詰められた際に煙幕装置を起動し、パイロットは煙幕に紛れて脱出、残った機体は仲間のエールカラミティの高出力ビーム砲によって破壊された。
アスランモード(produced by AKIRA ISHIDA)
「!?」となる人も多いかもしれないが、これは「月刊ニュータイプ」の創刊20周年を記念した2005年3月号付録として新たにデザインされたアスラン役の石田彰氏によるデザイナーズカラーである(本人曰く「おいしそうなザクが出来た」)。
ベースはコレクションモデルだが、イエローグリーンとエメラルドグリーン二色をベースに豪快に四色も使用しているという気合の入りよう。ダクト部が黄色でガンダムっぽいのも特徴。
ザクファントム
エース専用の高性能機で、額の角と両肩共通のシールドが特徴。
性能的にはウォーリアを引き離しているわけではないが、高品質な部品を使用したことによるスペックアップと、通信や指揮機能の強化が行われている。
パーソナルカスタム
レイ機
パーソナルカラーである白に塗装された機体。
パイロットのレイは好んでブレイズを使用した。
こちらも目立った戦果を劇中で上げることはできなかったが、ネオのエグザスとは序盤で死闘を繰り広げた。
ハイネ機
グフ受領前のハイネの愛機。パーソナルカラーはオレンジで、使用ウィザードはブレイズ。DESTINY本編では再度の連合・プラントの開戦であるフォックストロット・ノベンバーでしか登場していないが、スペシャルエディションなどでは活躍シーンがさらに追加されている。
イザーク機
白服に昇格したイザークの愛機。番組後半でグフに乗り換えるまで本機を使用した。パーソナルカラーはスカイブルー。
スラッシュを使用し、奪取されたカオス・アビス・ガイアを相手に引けを取るどころか圧倒して見せ、シンに「これがヤキンを生き抜いたパイロットの実力か」と言わしめた。
グフ受領後の所在は不明。
ディアッカ機
番組後半にファントムグレーの本機に搭乗。
ディアッカが私的なコネクションを駆使して入手し、部下を持たない遊軍指揮官機として運用している。
本編ではブレイズを使用していたが、漫画版ではガナーを装着している姿が確認できる。
リーカ機
パーソナルカラーは桃色で、シールドにウサギをリーカに似せたパーソナルマークを付けている。
ブレイズを主に装備していた。
紫のザクファントム
搭乗者不明。パーソナルカラーは紫色。
マディガン機
機体に走る白い十字のペイント、剣・盾・銃の役割を備える鋭角な両肩のブレードシールドなどを装備した機体。
パイロットであるカイト用にピーキーな調整がなされており、各種ウィザードも使用可能。
この機体以外にもカイトはもう1機ザクファントムを保有しており、これはノクティルーカウィザード専用に調達したらしく、この機体とは別である。
イライジャ機
サーペント・テールのイライジャ・キールが、大破した専用ジンの代わりにカイト・マディガンから譲り受けた機体。
過去のイライジャの戦闘データを元に、被弾率の高い部分に絞って部分的にPS装甲を起動するというTP装甲に近い仕組みになっており、起動した状態の姿は前の愛機であるジンと似たような赤い文様が浮かんだ姿になる。またPS装甲は任意での発動も可能であるため、使いこなせばバッテリーの消費を大幅に抑えられる。
頭部には、イライジャ専用機おなじみのバスターソードを搭載。
VSASTRAYにて、カーボンヒューマンとして復活したグゥド・ヴェイアに強奪され、彼の乗機になってしまう。(その代わり、イライジャはヴェイアが置いて行ったヴァンセイバーを手に入れそれを乗機にした。)
派生機・バリエーション
ザク量産試作型
MSV出典。
史上初の「核動力搭載型量産機」を目指して試作された、ザクのプロトタイプ。こっちが先輩である。
PS装甲を搭載し、大戦後、生産された47機が秘密裏に各地の戦場でテストされたと言われている。のちに「ユニウス条約」の締結でお蔵入りとなった。その後はザフトの新兵器「ニュートロンスタンピーダー」開発のためのほぼ全機が解体され、核動力が転用された、または核動力からバッテリーに変更されたと言われているが、詳細は不明。
形式番号がZGMF-X999Aである事から通称「9ザク(キュウザク)」と呼ばれることも。
ザクスプレンダー
インパルスの前身とも言える機体で、分離・合体機構の実証実験及びデュートリオン送電システムの実験のために建造された。
しかし本機のコアスプレンダーは戦闘機というよりは「脱出ポッド」とでも言うべき粗末なもので、上半身・下半身も完成体であるインパルスに比べて飛行性能を著しく欠く。
コマンドザクCCI
通信や索敵に特化した機体。広義の意味ではこの機体の装備もウィザードシステムの一つとなると思われるが、ウィザードシステムとして扱われてはいない。
パラボラアンテナやアンテナガンなど、偵察に特化した周辺機器が特徴。その上、この装備を運用することを前提に機体の基本構造から手を加えられているため、通常機とはほぼ別物となっている。
装備しているアンテナガンは、それ一丁で通常のザク1機分に相当するコストがかかる代物。
プロヴィデンスザク
第二世代ドラグーンシステムの試験機で、「超人的な空間認識能力に依存しない新型ドラグーン」を実戦投入するための実証機。ウィザードシステムではドラグーンシステムのポテンシャルを引き出せないという判断の下、機体本体に大幅な強化改修を施し、動力源にハイパーデュートリオンエンジンを採用している。
レジェンドの前身にあたり、フォルムやディテールもレジェンドとのつながりを感じさせる。
立体物
1/144コレクションシリーズでは一般機、ルナマリア機、レイ機、イザーク機、ハイネ機、オレンジショルダー(限定品)、アスランモード(上述したアニメ誌付録)が、1/144HGでは一般機、ガナー、ルナマリア機、レイ機、ライブ仕様、ディアッカ機がリリース。
1/100ではブレイズとガナーの2種類のウィザードが同梱された一般機、ルナマリア機、レイ機、ハイネ機がリリース。
実はDESTINY放送時、無印とは打って変わってガンダムが全然活躍しない話が目立ったのもあってガンプラが全然売れないという事態に陥っており、セカンドステージシリーズ5機の内1/100化がインパルスとカオスで打ち止めを食らうほど赤字市場となっていた(逆に無駄に出しゃばっていたフリーダムの旧キットだけが一方的に爆売れしたという)。ちなみにTVアニメ放送後のスペシャルエディション発売時にセイバーは1/100化が実現している。
そのため、金型流用が簡単に出来るのでコストダウンになるという理由で1/100スケールはデスティニーとストライクフリーダムが出るまでしばらくザクの色替えで何とか食いつないでいたという苦い歴史がある(その証拠に、メインウィザードの一つでありながら出番が少ないスラッシュウィザードの1/100モデルだけ出ていない)。特に目立った出番がないハイネ機までもが一般発売されているのはこれが原因。
BB戦士シリーズでは、レイ機、ルナマリア機、一般機が販売された。レイ機、一般機にはブレイズウィザードが同梱 ルナマリア機にはガナーウィザードが同梱されている。※一般機は指揮官型⇔ノーマル型を選択式で組み上げることができる
2019年9月ではルナマリア機がマスターグレードに登場。アナザーガンダムの量産機がMG化されるのはGN-X系以来である。後にイザーク機と一般機、レイ機がプレミアムバンダイ限定商品として登場。また、マスターグレードでありながら動力パイプ部分にリアルグレードと同じアドヴァンスドMSジョイントを使用している。
そして、2021年3月にはガンダムベース限定商品としてまさかのライブ仕様もMGで登場。
ネタ要素の強い機体にも関わらず、いや、かえってネタ要素の強さが反響を呼んだためか(ガンプラ市場が転売ヤーに狙われているご時世なせいもあるが)各地で完売が相次ぐほどの人気商品になっている。