概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する漫画家。
作中世界の人気作「君に伝われ」(全101巻)の原作者。
物語冒頭から20年前、後に大注目を集める『君伝(きみつた)』の1話目を投稿し、少女漫画界最長刊行記録を達成した。
だが「安野雲(あんの うん)」という名前以外は、情報が不足している人物のようで…。
謎多き漫画家
後に明らかとなった人物像だが、名は体を表す通り詳細不明(アンノウン)の漫画家だった。
それは担当編集者からのみ知れる情報だが―
- 年齢・性別・容姿は不明。
- 声音も不明。というのも、電話の相手(あんの うん)は無言で担当編集者が一方的に伝えるだけの異様なやり取り。
- 住所だけでなく本名も不明であり、打ち合わせは無言電話と手紙だけの連絡(コンタクト)のみで、関係者は実際に会った事の無い人物…。
それでいて世界的に明白な人気が的証される作品を創りだしているのだから、あんとも神秘的(ミステリオ)な漫画家。そして、これら不明確な人間関係を連載から20年間ずっと続けている奇天烈さ…。
安野作品「君に伝われ」の愛読者・風子も詳細を知らない【謎の人物】だった。
まさかの(ネタバレ注意)
【機密事項】
⚠以下、漫画『アンデッドアンラック』の重大なネタバレを含みます⚠
安野雲の代表作「君に伝われ」には、世界へ深く関わる秘密が隠されていた。
それは―
現行の世界線(ループ)における「過去・現在・未来」が描かれている書物
つまり各国で絶賛の少女漫画「君に伝われ」は世界の生末を記した予言書である可能性が示唆されていた。これは特異な理「ループ」の経験者である組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスが抱いた疑念「現在の世界は自分が経験(ループ)してきた世界線と異なる」により考証された。
だが作者・安野雲は、世界を相手にする組織でさえ、その情報網をもってしても探れない【謎の人物】だった…。
その為、安野作品の愛読者・風子を筆頭にした重要任務で手掛かりを探り、結果は【君に伝われ=予言書】という確証を得られた。
更に第38話より、まさかの安野雲本人から主人公達に接触(コンタクト)を迫る展開へ動く。
プロフィール
誕生日 | 11月3日(📅) |
---|---|
年齢 | 不明 |
身長 | 170くらい |
体重 | 不明 |
趣味 | 漫画描いたり読んだり |
特技 | 早描き |
好物 | アンディと風子ちゃんのやりとり |
能力 | 不■ -UN■■■■■- |
CV | 内山夕実 |
📅出典:2023年8月~9月 アンデラ記念月間【否定者たちの誕生日発表】&アイコン配布 - 公式Ⅹ(前代・Twitter)
容姿
細身の背格好で運動着(ジャージ)にクロックスを履いた大雑把(ラフ)な恰好。左胸に漢字で「安野雲」の名札が刺繡されている。無造作に伸ばした長髪で、一部をアホ毛みたいに結んだ変わった髪型。金髪の碧眼で、どこかのロシア乙女と似た配色。
中性的な美形で、年齢不詳の若々しい人物。第39話の惹句(じゃっく:連載時の扉絵や締めのコマなどにある相手を惹きつける煽り文)や作中で素肌をみせた時の様子から男性のようだ。
人物
一人称は「オレ」な謎の男。名前の「安野雲」はP.N(ペンネーム)で本名不明。
単行本を101巻も制作するだけあって、創作意欲旺盛で不審者並の変人な第一印象。どういった意図があるのか、急な接触(アポイント)を取ってきた来客を前にしても自己優先な言動をする。
作中世界の事情やUMAの存在どころか、主人公勢力が直面している事態・対峙する相手の事など、始めから終わりの事を何でも知ってるかのような物言いをする。初登場時点では主人公の男女に援助する行動を取る。
不可思議な事を有言実行するだけの実力も備えており、
出血しながら愉快そうに語っている。
初登場して間もなく、後述の具現化能力で創った大鎌で自分の左腕を根元からぶった切る異常行動をしても平然としている。それで「腕を切断して漫画を描けなくなるのでは?」と心配されても、本人はケロッとして「片腕あれば大丈夫」と左肩から良く言えば面白(ユーモラス)な人柄に思えるが、背後からだったとはいえ手練れのアンディが顔のすぐ近くまで接近しても気付けない隠密さ、通話越しだが初対面である組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスを手玉に取る狡猾さなど掴みどころがない所もあり、そもそも人間なのかも怪しい一層の不審者感を醸し出しているが…。
能力
「オレが知らない 最高のエンドを見せてくれ‼」
初登場して間もなく【相手の認識から外れるような現象(ルール)】を起こす否定者らしき能力を使っていたが…。
具現化能力
何もない虚空に漫画ペンで描いた絵を具現化する能力。作画の速さは文字通り一瞬で、本物と遜色ない再現度で対象を創造する。
具現化するモノは、首切断台や大鎌などの物体、戦闘機・組織の通信機でもある証(エンブレム)といった機械、更には男主人公・アンディの片腕(しかも彼の不死能力が付与されている)、UMAオータムの爪など非生物・生物を問わず具現化できる。
これは下記の古代遺物(アーティファクト)による効力で、言わば具現化対象を本物そのままに複製しているような性能、一度に創造できるのは一つまでらしい。また創造物の外観・性質などは、使用者(描き手)の技量に左右されていると窺える。
所持品
安野雲が所持している古代遺物(アーティファクト)の一つ。Gペン(付けペンの一種で、漫画やイラストをアナログで描く際の代表的な道具)の形をしている。
最初に触れた者は、現行で起きる世界の過去と未来の周回(ループ)を全て見ることができる。
また、使用者1人につき1つまで物体を具現化する能力や、描いた内容が世界改変の効果に影響されない効果がある。
魂の口径(ソウルキャリバー)
安野雲が所持している古代遺物(アーティファクト)の一つ。形状は片手で持てる大きさの水晶玉で、自身の左胸に埋め込んでいる。
魂に干渉して物質に閉じ込める効果を持つ。
関連イラスト
過去
第47話は、ある家族の物語から始まる。
少年の名は■■■(ネタバレ注意)
Ⅹ(Twitter)の安野先生
公式Ⅹ(前代・Twitter)では本誌連載・関連情報の他、登場人物たちが低頭身(ミニキャラ)になったおまけ漫画(ラフイラスト)などの配信(ポスト、前代・ツイート)もあり―
- 自分で左腕を切った後の姿-しかも≪ピュー≫と出血したまま平然としている-で初登場。恒例の海苔ノルマについて「もしかしたら露出を防げてたかもしれない」と、正座する主人公達を前に突っ込みをしている構図だったが…
- その翌週には、↑とは逆に自分が海苔ノルマを継続させてしまったと反省する正座姿で登場した。その後は、お詫びというか本作の宣伝告知をするサービス精神を発揮した。
余談
- 初登場?
名前だけなら第1話の冒頭で登場している。風子が漫画「君に伝われ」を読んでいる場面で、その背表紙に作者名「安野雲」の表記がある。だがコマ内の小さい描写なため、判読できるかは人によって不鮮明なのでご留意ください。
- 現実にも!?
色々と不明な有名漫画家だが、安野先生ほどではないものの現実世界でも奇怪と思えるような漫画家がおられる。
例えば―
- ある男性漫画家は、連載当時の時代では先行き不安だったが、後に伝説級の話題となった作品を創作した(ジャンルは「君に伝われ」の対極的で色んな意味で濃い漫画)。当の本人は数々の逸話があり、打ち合わせへ来た男は本当に作者本人だったのか、生存しているのか不明慮といった謎すぎるエピソードがある。
- ある女性漫画家は、当初先行き不安だった時期があったけど、後に社会現象にもなった鬼退治の漫画を描き話題となった。だが作者本人は、激しさコミカルな作風と相対して人見知りする方で、担当編集以外は会ったことすらないという。社交性はゼロとまで言われ、あんとも不安を感じさせる人物らしい。
という、漫画家とは想像だにしない機会を手にして酔狂な作品を創れる職業なのかもしれない。
参考
関連項目
世界(アンデラ) UMA(アンデラ) 否定者 古代遺物(アンデラ)
■■■■■エンド・・・安野雲が見たいであろう最高のエンド
似た者たち(安野雲)
渚カヲル(GAINAX原作:新世紀エヴァンゲリオンより)・・・不思議系(ミステリアス)な雰囲気の美少年。初登場時から何かを知ってるような言動、つかみどころのない性格、実は超能力者などといった所が安野雲と似通う。一見は人間のようだが、その正体は案の定な存在だった。
臥煙伊豆湖(西尾作品:物語シリーズより)・・・自称「何でも知っている」と公言する妙齢のお姉さん。その情報網は常軌を逸したレベルで、ありとあらゆる事象・情報を認知している。一応は主人公たちの味方側であるような立ち位置だが、油断は禁物(実際、主人公の少年を刀でぶった切って即死させる予測不能の強行をした事がある)。
岸辺露伴(漫画:JO☆JO_ダイヤモンドは砕けないより)・・・某奇妙な冒険譚の世界で売れっ子の男性漫画家。(アシスタントを雇わず彼一人で)漫画原稿を下書きなしに制作でき、世界の理が崩れる不可思議状況の中でもインクが乾く前に絵が描けるほどの速筆。漫画にリアリティを求めており、新しい事や物珍しい事は自ら体当たりで実行する自己中心的な変人。だが律義である。超能力者でもあり、漫画ペンか能力で発現した分身で「人の記憶や能力を本(辞書)にして読んだり、その本へ言葉(エピソード)を書き加え実現させる事が出来る」能力を持ち、安野雲と似た所が多い。
「彼らがいるから...オレは生きてる‼」
「だから今度は――ボクが助けるんだ‼」