概要
ゲームや小説の世界を舞台とする物語で、本来の主人公兼ヒロインの肉体を憑依転生形式で乗っ取った、或いはモブキャラとして転生するも原作知識を利用し、そのポジションを奪った性根の腐った女性転生者達の総称。
基本的に悪役もしくは迷惑キャラとして登場し、語源であるヒドインのように物語本筋のヒロインとしてはほぼ扱われない。
一応、転生ヒドインであっても後に反省・認識を改めれられるなら改心の余地はあるものの、中には前世から他人を陥れるのを好む陰湿な性格、極度の面食いかつ他人の恋人の略奪に悦に浸る性根の腐った性格の転生者もいたりする。
尚、ヒロインの肉体も立場も奪えていない状態で、一方的に「この世界のヒロインは私!」と自認しているだけの転生者は含まない。
ちなみに、転生者ではないがお花畑思考のヒロインの場合は『お花畑ヒロイン』と呼ばれる。
特徴
キャラ造形
以下の傾向の内どれか1つで済むケースもあれば、複合型のケースもある。
- 自分至上主義
転生ヒドインは往々にして好きな作品の世界に転生した状況を「自分はこの世界に招かれたのだ、来訪を望まれたのだ」または「望む世界を与えられた」と解釈した故に「自分はこの世界で最も特別な存在なのだ」と思い上がって暴走する。
これはヒロインの立場に憑依転生した事実が当人の中で根拠になる場合もあれば、モブ転生であっても「自分の方が正ヒロインより特別なのだ」とする信念(妄想)によって行動してしまう場合もある。
このような転生ヒドインは「自分が周囲から『至上の存在』としてちやほやされる」状況を求める余り、注目を集めたり愛情を独占する為なら虚言を用いてでも、邪魔と見なした他者を貶め害するのも厭わない。
あるいは前世において(自業自得も含んだ上での本人の主観において)悲惨な人生を歩んでいた場合は「前世の苦労が報われた」「前世の努力の賜物」等の誤ったポジティブシンキングから、このような考えに至るパターンもある。すなわち転生悪役令嬢から主人公補正を抜いた姿の一例でもある。
- 読者・プレイヤー感覚を引きずる
転生者である主人公は自分が今生きている世界を『ご都合主義のフィクションの世界』ではなく、『厳しさも美しさもある現実の世界』と認識し、『キャラクター』達を1人の人間であると理解して向き合うようになる。
一方で転生ヒドインは今の世界をVRのような『フィクションの延長線』としか見ておらず、『キャラクター』達を『自身に都合の良い嗜好品・玩具・舞台装置』としか認識しない。
するとどうなるか。
物語の出来事をイベント扱いして周囲をよく見ずに、ただただ攻略情報に基づいたセリフや行動をするだけで攻略対象を落とせると決めてかかる。
当然ながら事情を知らない第三者から見れば「妄想と現実の区別がつかない頭のおかしい女」「人を人と思わない狂人」としか見られない。そして、想定通りに事態が進まない挙げ句「何でイベント通りにやったのに好感度上がらないの!?」と、下手すると本人の前で喚き散らす。
- 言動が薄っぺらい
これは「周囲から良く思われようとして取り繕っている」パターンと「本人にとっては本気の善意でやっている」パターンがある。
転生ヒドインは一見美しい理想論や情け深さに基づくような言動を取るが、実力や見識が伴わずに事態を悪い方へ引っ掻き回したり、思いが伴わずボロを出したりする。
前述の読者・プレイヤー感覚が合わさっている場合、「シナリオではこうだったのだからその通りにやれば大丈夫だろう」との浅はかな考えから生じる場合もある。
- 同じ転生者である主人公にだけ甘える(=地を晒し寄生する)親友
この迷惑タイプは普段こそ原作ヒロインとしてTPOに沿った振る舞いができるものの、主人公と2人きりになると往々にして「友達だからお願い!」 とばかりに、自分は一方的に欲求を押し付けながらも、逆に主人公の事情を一切酌む意思がない。
自分の目の前で主人公が死ぬような事態になれば、流石に良心に沿った言動を見せるが、逆説的に主人公が死ななければいかなる事情もガン無視する姿勢を貫く。
しかも、欲求の中には「攻略対象を落とす為の必須イベントの消化orアイテム入手の代行」 等々の比較的理解を得やすい内容もあれば、時には「主人公の現状や立場を悪化させるだけの、極めて個人的かつ意味不明過ぎるワガママ」を押し付ける場合もあり、後者であればトラブルメーカーを通り越したDQNや寄生虫でしかない。
酷い場合だと原作知識(あるいは原作ヒロインの容姿や立場)を悪用し、主人公が自分に従わざるを得ない状況を作って、無理難題を押し付けるケースも……
- 推しキャラ至上主義
文字通り推し以外に興味がなく(中には「キャラの中の人が推し=キャラクター自身にも興味がない」 程の極端な声優オタクもいる)、誰とも極力関わりを持たないスタンスを取り続けている為、基本的に無害で主人公に対し明確な邪魔や妨害行為はしない代わりに、万が一推しが不利益に遭う事態になると知るや否や、推しを守る為だけに暴走する場合がある。
あるいは自分の立場(平民である、劣等生であるetc……)を悪い意味で自覚しているのを口実に、自分に代わる別の人(主に主人公やメインヒロインに転生した主人公)に推しを守ってもらうように縋る、無事に推しが守られても口でお礼こそするがそれ以上の行為はしない等々もあり、やはり精神衛生上良くない振る舞いを散見させる。
酷いパターンだと推しが隠しキャラや別シリーズのキャラだった為に、別の攻略対象で妥協しようとした矢先に、主人公の介入や活躍による改変で推しが登場すれば、せっかく攻略したキャラをあっさりと切り捨ててそちらに鞍替えする等、傍目には尻軽な女と見られる。
また、このタイプの中には推しに一方的な思慕を抱く危険人物もおり、仮に推しが主人公に接触する事態になれば、一気に危険度が跳ね上がる(しかも、こうした場合は往々にして、肝心の推し側が主人公を「おもしれー女」扱いして付き纏う為余計にタチが悪い)。
サブキャラorモブキャラ転生の転生者に多いが、積極的に正ヒロインを追い落とそうとせずただ相手役(の1人)の獲得を競うだけ、あるいは「推しさえ護れたら見返りは要らない」姿勢の場合、枠組み的に「転生ヒドイン」ではなく「モブ転生・サブキャラ転生」に寄るとも考えられ分類が難しくなるが、上記の通り玉石混淆もあり判断は読者に委ねられる。
- 派手で男好き
前世からイケメンと高価なアクセサリーに目がなく、顔がよければ攻略対象以外の男にも色目を使う。魅了した男に金銭や宝石を貢がせ、宝石をごてごてに装飾した成金趣味のドレスを好む。
時には主人公にマウントを取ってきたり、最悪の場合には断罪イベントを待たずに学園内で攻略対象と肉体関係を結んだりする。
なんでこんなアバズレが地獄に落ちずに転生したんだろう……
あるいは前世では喪女・デブス・ゴリラであった故の反動で、このような行動に出ているパターンもある。
行動
主に逆ハーレムや推しキャラ攻略の為に物語を引っ掻き回す役が多く、本来の『悪役令嬢』と同等かそれ以上の悪事を働く事態も。時にはラスボスやラスボス(笑)として対峙する作品もある。一時的なギャグキャラや雑魚キャラで終わってフェードアウトするならまだマシな方である。
- 目上の立場の存在に対する礼儀作法の欠如
転生先のジャンルにもよるが、攻略対象のほとんどは王公貴族などのやんごとなき身分故に「カーテシーもなく急に抱きつく」「初対面なのに愛称で呼ぶ」等々の、本来ならば身に着けてしかるべきマナーを一切守らない挙動から「礼儀がなっていない非常識な令嬢」と周囲に白い目で見なされてしまう。
作品によっては後述の方法でコレをクリアできる可能性もあるが、悪事三昧の後に制裁される時は洗脳スキル等に頼ったツケとして、自国や他国に悪事を上乗せで擦り付けられ全責任を負わされるリスクを払わされる。
- 攻略対象の周辺を付き纏う
イベント再現の為に行っているが、対象からすれば自分の行動を予測するかの如く必ず現れるので、相手から鬱陶しがられたり気味悪がられたりする。時にはその攻略対象しか知らないはずの『秘密の休憩所』にさえ押し掛けたりもする為、攻略対象が心休まる暇もない。相手によってはスパイとして疑われる。
- イベントの強行再現の為の暴走
- 我が世の春を謳歌すべく、生前の知識を用いるもイベントが起こらない為に、強引にフラグを立てようと暗躍・裏工作に走る。
- まずやるのは『悪役令嬢』に対し「自分をイジメろ」「悪役に徹しろ」と強要する。将来的に破滅・死亡するかもしれない『悪役』またはその身内からすれば理不尽な言い分である。
- それでも悪役令嬢が動かないのならば、自分の持ち物を自分で壊す・燃やす等しておきながら「悪役令嬢が私に酷い行いをした」と被害者面して攻略対象となるヒーローに泣きつく、マナー違反等への真っ当な注意に対して「イジメてきた」と騒ぎ立てる等々の嫌がらせの捏造を行う。
- そうして(強引かつ無理矢理にフラグを完成させたと思った)タイミングになると、転生ヒドインは憎き悪役令嬢の「悪事」を衆目の下で公表し悪人として吊るし上げる、ざまぁ系の山場たるシーンである公の場で断罪イベントを無理矢理再現しようとする。もっとも、ほとんどは転生ヒドイン側の言いがかりや捏造である場合が多く、それらを白日の下に晒され返り討ちに遭う。大抵は卒業式の最中に行うが、国王を初めとする名だたる貴族がいるパーティーを乱すのは問題行為であるので、そのまま衛兵に縛り上げられ会場から摘まみ出される。
- この際に「清純な少女」の化けの皮が剥がれ、醜い本性が顕になるのを見た攻略対象に失望されたりもする。
- イベントを再現する為に主人公達を暴行、殺害しようとする
転生ヒドインが暗躍する最中、〈自分以外の転生者(主に主人公)〉の存在に気付くと、単純に「自分の計画の邪魔になる」と判断した、あるいは「主人公がいるから攻略対象が自分を好きにならない」等と、自身の問題点を棚に上げた逆恨みの末の暴挙。
酷い時には籠絡した攻略対象をけしかけ、彼等が失敗・死亡しても心配するどころか「役立たず」と罵倒し癇癪を起こす等、この時点で他者の命を奪うのに躊躇しなくなり始める。
特に危ないのが「主人公が手強いならその周囲から潰せばいい」と判断し、本来無関係な主人公の友人や専属メイド等を標的にしたパターン。
主人公が標的ならば周囲の助けを得られて窮地を脱せる可能性が高いが、友人は1人や護衛の少ない移動時を狙い事故や強盗を装った暗殺に遭いやすく、メイドに関しては主人公不在時にあっさり拉致され殺されていたケースも珍しくない。
更には「貴族が暗殺されるのは日常茶飯事、ましてや家臣等が死んでも雇い直せば良い」とする、身分制社会の闇そのものな共通認識から、周囲もメインヒーローすらも大して対応してくれない(そして主人公も異世界の常識に従って「この世界ならよくある事だわ」として、大してダメージを受けていない場合もあるが)。
ただし、そんな面従腹背な環境だからこそ、周囲の人物を大切にする主要人物も居るので、やはり多少なりのダメージになるのも事実である。
- 正史のヒロイン・主人公が使う能力、あるいはプレイヤーの特権etc……の悪用
- ヒロインが作品における「聖女」や「救世主」であった場合、その力やメタ的な特権を利己的な目的の為に行使する。特に好感度を強制的に上げて攻略対象を魅了する行為は、ある意味では最も質が悪く重罪な所業で、これらを王族にも使えば『クーデター』の謗りは免れず、後述の事態にまで至れば『国家転覆罪』となるのは必至。
- 主人公補正の一環として、先天的に『魅了』の能力を使えるケースの場合、作品によっては主人公と親睦を深めた者達ですら術中にハマったりと極めて厄介(特に上記の『目上の立場の存在に対する礼儀作法の欠如』をこれでフォローされると、対象は転生ヒドインの言動を「慣習に囚われない自由な女性」「自分を『王侯貴族の嫡男』ではなく『1人の人間』として見てくれている」等の都合の良い誤認を起こさせ、逆に強い興味と愛執を抱かせる利点に変わる)。
- 課金用の好感度アップアイテムを用いる場合、原作では『攻略対象の好感度が上がる』としか説明されていなかった代物が、実は【依存性の高い違法薬物】や、【人の心を洗脳する禁断のマジックアイテム】だったりする。
- 上記のいずれもない作品、もしくはサブキャラorモブ転生の転生ヒドインであれば、それこそ原作知識を「預言」「未来予知」等と吹聴して活用し、舞台となる国の権益をひたすら上げれば、それだけで攻略対象の王侯貴族や聖職者は、転生ヒドインを『奇跡の聖女』と一方的に礼賛し依存する状況が醸成されていき、下記の惨劇に繋がりやすくなる。
- 魅了した攻略対象の権威を利用し、贅沢三昧の末に国を傾けさせる
上記の状態に至った転生ヒドインは攻略対象の権威の庇護下に居る為、自分は安全圏で待機し他者を顎でこき使うようになり、攻略対象も籠絡により前後不覚に陥っているのもあり、自らの我欲のままに放蕩に耽るようになる。
更に攻略済みの対象の愛情を独占する為だけに、自分以外の女性ネームドキャラクターの粛清を実行する可能性も0ではない。特に主人公への嫌がらせや見せしめの意味を込めて、主人公と仲の良い令嬢が狙われやすい。
作品によっては主人公が最初の犠牲者になるケースも十分にある(無論この後の転生ヒドインには、凄惨な末路が確定される)。
一応、主人公グループの介入が早ければ大事になる前で止められるが、作品の傾向・展開が復讐ものであればあえて敵の自滅促進の為に放置し、国際問題を引き起こし戦争に発展させるか、現状への憂いや不満から『旧体制の打倒』を掲げる騎士団や民草による内乱が誘発される。
もしくはヒーローがいち早く情報を掴むも、運悪く間に合わなかったか、転生ヒドインの尻尾を掴む為に敢えて令嬢を見殺しにする。
- 黒幕と手を組む
もはや修正しようがないほど落ちぶれたりした場合、転生ヒドインの能力あるいは知識チート(未来予知・予言etc……)に目を着けた主人公の対立組織にスカウトされ、ヒロインの座に返り咲くべくそれに乗って暗躍する。
黒幕からすれば「利用価値がなくなればいつでも切り捨てられる駒」 としか見られていないが、時に転生ヒドインの手綱を握れず暴走を許し、却って振り回される事態に巻き込まれる。
- 邪神・魔王等の復活
上記の黒幕が魔族だった場合、彼らが崇める邪悪な存在を復活させる為に平然と犠牲を払う。
末路
改心して主人公達に謝罪し和解したり、笑えるギャグキャラでフェードアウトするならばまだしも、最後まで自分がしでかした行為の意味を見いだせない場合、当然ながら相応の報いを受ける末路を迎える。
- 退学処分
公の場で問題行為を起こし続けた末に学園から追い出され、そのまま実家に引き込むしかなくなる。貴族社会を知らない面倒な大貴族タイプだとその事実を認められず学園や攻略対象の実家に押し入ってくる。
- 賠償金の支払い
多額ではあるが比較的無難な謝罪方法。
- 修道院行き
ざまあ系では一番メジャーで恩情のある普通の罰で、二度と男性に言い寄れないようにふしだらな性根を叩き直すべく入れられる。
修道院なので将来結婚できる確率は低く、娯楽もほとんどないかなり厳しい戒律の下で奉仕作業に勤しむ。
- 貴族席を剥奪され平民になる
爵位が上の家柄に敵対するような真似をしたとして、実家あるいは養父母から事実上の勘当を厳命される。平民時代の実家に素直に帰れればまだ良いのだが、往生際が悪いタイプだと「今更貧乏暮らしは嫌!」と帰るのを拒んだりもする。
時には廃嫡された攻略対象の王子を押し付けられたりもする(作品によっては相手の廃嫡理由が、転生ヒドインとの交流によって才能を持ち腐らした末に堕落・無能となった為もあり得る)。
- 聖女等、主人公の資格・能力を剥奪される
身勝手な振る舞いを続けた末に、本来は人々や世界を救う為に使われるヒロインの能力・選ばれた者の証を「清らかな心ではない」からと神等から没収される。
憑依時期によっては「邪悪な心」を持っていた為にそもそも最初から選ばれなかったりする場合もあり、資格は主人公やヒロインや他者に継承されたりもする。
- 記憶喪失・記憶消去
魔力の暴走の末に肉体が損傷しかねない重症の後遺症として、前世どころか今世の記憶を全て失う。ある意味普通の罰とも悪霊退散とも言える。
更なる末路
上記の罰ならばその後の生活態度(=改心)次第では、穏やかな余生を送れる為まだ温情。
しかし、劇中の悪行が目にも当てられない所業であれば、更に重い罰となり……
- 牢屋に閉じ込められる
普通の刑罰だが、場合によっては無期懲役。
何らかの希少な特殊能力を持っていて始末するにできない場合は、能力だけを封印する措置を施されるか、上記の剥奪イベント後に収容される展開も。
修道院行きと似ているが、こっちは完全な刑罰である以上、劣悪な環境下である場合が多い。
共犯者と共に収監された場合は互いに責任を擦り付け合った後に、醜く殴り合った末に殺されるケースもある。
- 娼館に売られる
ヒドインが実行しようとした悪事の趣向返しにやられる刑罰。仕事の都合上醜悪な男とも寝なければならないので、面食いにとってはこれ以上ない屈辱。
それでも割りきって見目麗しい姿で客を取り続ければ生きていく分には問題ないが、加齢により若さと美しさが陰っていけば客足が遠退く。最終的には性病を貰って衰弱死もありうる。
- 顔を潰される
二度と男を誑かせないようにと、美しい顔に切り傷や火傷を負わせる。もっとひどいと喉を潰され手足を折られる場合も。
- 罪人として鉱山で働かされる
ヒドインが実行しようとした悪事の趣向返しにやられる刑罰。肉体労働による苦痛だけでなく、粗暴な罪人の男性に慰みものにされたりもする等、人間として扱われる保証もない。
また、運良く「過酷な肉体労働に耐えられない」 と判断され上記の苦役を免れたとしても、逆に最低限の防備だけで石綿や辰砂等の毒性の強い鉱物の研磨・加工作業に携わる=事実上の死刑執行を下される末路も0ではない。
- 機密情報源を吐かせる為に拷問
ある意味では知識チート(未来予知・予言・神託も含む)を持つ転生者全員に降りかかる可能性のある代償。転生者と分かって拷問するケースと転生者と分からずに拷問するケースがある。
本来ならば転生者と知らずに最重要人物しか知り得ない機密情報を誰から聞いたのか、あるいは他に話した者がいるのかを調べる為に拷問される。当然ながら「自分は転生者でフィクションの設定を見たから」と真実を告げても信じられるはずがない。
- 暗殺・処刑
上記の拷問で情報が漏洩されないように第三者から、あるいは黒幕から完全に見捨てられた末に、送り込まれた刺客に口封じされる。
- 「国を混乱に陥れた」として民衆の前で処刑される
上述の『魅了』・『洗脳』で国の中枢部を傀儡にした末に内乱・国際問題が発生した場合、争乱の終結後に各国の悪事を上乗せられた上にその全責任を押し付ける意味でも諸悪の根源として処される。
聖女の資格等を剥奪されていれば「聖女を騙った魔女」として、信徒から苛烈な死刑を下されたりもする。
今際の際まで「主人公は私なのに!?」と喚くのがほとんどだが、稀に主人公の親族やシンパの殺害等の爪痕を残していれば小悪党定番の捨て台詞、負け惜しみの勝利宣言、勝ち逃げ宣告する転生ヒドインも居る。
なまじ1度死を経験している為か「死んでもまた生まれ変わる」 と根拠もなく信じていて、処刑を恐れないケースがあり、そうであれば最早唯の悪霊である。
処刑対象が死に戻り能力者と分かっている場合は、死ぬより酷い目に遭い続ける封印を施されるか、記憶消去や悪霊退散等の対処に移行する場合もある。
落ちぶれかけた国家や敵国が、転生ヒドインに全ての責任を擦り付けるのに成功するケースが多く、この場合は悪徳貴族が断罪されないので当然だが今後の禍根や火種が残る(他国や敵国ならその場しのぎにはなるので放置でも問題は少ない)。
- 生け贄
上記の黒幕の計画遂行の為に、邪神復活の生け贄にされ死亡。あるいは復活した邪神の視界に、たまたま映ってしまったせいで最初の犠牲者になる。
- 「世界の秩序を乱した」として異世界の神に肉体もろとも魂を消される。
果ては転生先の神が直々に天罰を下し、二度と転生しないようにと消滅させる(「だったらなんでこんな悪女を転生させたんだ」と思わなくもないが……)。
中には邪神が意図的に彼女らを転生させたケースもあるので、いずれにせよ現地の人間からすればはた迷惑極まりない。
運良く消滅を免れたとしても、既に犯した所業の多さと酷さから、最早魔王や邪神やウィルスと同等の存在と見なされて、存在そのものを厳重に封印される末路もあり得る。
似たケースでは、主人公である転生ヒロインのパートナーが邪神か魔王の作品ならば、そちらに粛清される可能性が高い。
……等々、死か、死ぬよりも過酷な罰が下される末路もある。
該当者(キャラクター名の50音順)
あ行
- アイリス・ペラム(脇役令嬢に転生しましたがシナリオ通りにはいきません!)
- アカリ(悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される)※しかし主人公が事情により減刑を求めた為に収監に留まり、そのまま主人公の親友枠に収まって味方化というウルトラCを遂げた
- アメリア・ローガン(私は悪役令嬢なんかじゃないっ!! 闇使いだからって必ずしも悪役だと思うなよ)
- アリシア(悪役令嬢ルートがないなんて、誰が言ったの?)
- アンナ・キャロル(逆行した悪役令嬢は、なぜか魔力を失ったので深窓の令嬢になります)
- アンネローゼ・ディ・イソルテ(起きたら20年後なんですけど!)(該当する中では恐らく終盤の展開に違わず最も凶悪・狡猾な部類に入る)
- エイミー・フォン・ブレイエス(町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい )※炭坑娼婦送りによる死刑
か行
- ガブリエラ・ユーストス・ヴィランデル(転生したら乙女ゲーの世界?いえ、魔術を極めるのに忙しいのでそういうのは結構です。)
- キャロライン・ラムゼー(弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった)
- 倉橋美緒(お前みたいなヒロインがいてたまるか!)
- クララ・オルタ(残念令嬢~悪役令嬢に転生したので、残念な方向で応戦します~)
さ行
- シャーロット(悪役令嬢(仮)の奮闘)
- シャーロット・クライヴ(破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!)
- ステファニー・モーリア(訳あり悪役令嬢は、婚約破棄後の人生を自由に生きる)
- ソフィア=モルガナ(追放された悪役令嬢は断罪を満喫する)
た行
- デイジー・レイノルズ(悪役令嬢のおかあさま)
な行
該当者なし
は行
- ピクセル・ルノー(私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか?)
- ピナ・ブランシュ(悪役令嬢の中の人)※断罪劇までは完璧な立ち回りで一度は悪役令嬢を精神的に死に追い込んだ。
- ヒローニア・インデロン(自称悪役令嬢な婚約者の観察日記)
ま行
- マリー(乙女ゲームの世界で私が悪役令嬢!? そんなのお断りです!)
- マリエ・フォウ・ラーファン(乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です)(彼女メインの物語がある)※反省して廃嫡された攻略対象の王子達と結婚した。
- マリベル(転生令嬢は冒険者を志す)
- マリン・クロスフィード(いじめられっ子の悪役令嬢転生記 第2の人生も不幸だなんて冗談じゃないです!)
- ミミリア=ボルドール(悪役令嬢に転生した私と悪役王子に転生した俺)
- ミュール・ハーティ(中ボス令嬢は、退場後の人生を謳歌する(予定)。)
- ミュリエッタ・ウィナー(転生しまして、現在は侍女でございます。)
ら行
リリア・レインワーズ (悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました)
- ルシア(残り一日で破滅フラグ全部へし折ります)
- ルーティエ(悪役令嬢?いいえ、極悪令嬢ですわ。)
- レナリア・ダチェス(転生したら悪役令嬢だったので引きニートになります)
- ローゼリア・リーベル(空の乙女と光の王子)
わ行
該当者なし
関連項目
ヒドイン 悪役/ヴィラン 悪女 敵女/ヴィラネス 乗っ取り 悪霊 狂人
知識チート:転生ヒドインが備えるチート。転生先となる作品(乙女ゲームやマンガ等)を知り尽くしている事情もあり、その情報の量と深さは同じ知識チートを備える主人公以上であるのが定番。なのだが、それ以外の努力を怠り、十歳で神童のアドバンテージを捨て、十五歳で才子、二十歳で唯の凡人という流れで最終的に凡人以下に成り下がり自滅や破滅をするのが定番。
転生主人公・転生者:同じく作品世界に降り立ったイレギュラーたる存在。転生ヒドインの不倶戴天の敵。「悪役令嬢が憑依転生者だった為に蹴落とそうとしたら、返り討ちにされたor復讐された」、または「非転生者の悪役令嬢を蹴落とそうとしたら、ノーマークだった転生モブに阻まれ自分が悪者に」等の展開になるのが鉄板。知識チートの強度や活動開始時期は作品によって様々。
悪役令嬢:転生ヒドインが原典通りに破滅させる対象。しかし、ゲーム(原典)ではなく、異世界を舞台にした現実である為、相手が憑依転生者なら人脈やガッツで負け、相手が非転生者なら前述の転生モブによって阻まれた挙げ句、悪役令嬢は原典のメインヒーローである婚約者(王族の御子息)が原典以上に堕落したのを契機に完全に見限り、自分を救ってくれた転生モブに感謝や好意を寄せるようになり、最終的に姿を消そうとした転生モブを貴族の力を使って探し出して引き留めるか、くっつくのが鉄板である(結果は作品によって異なる)。
悪役令嬢もの/モブ転生:転生ヒドインが悪役として登場する作品ジャンル
ラスボス(笑)/小悪党:知識チートや異能だけに頼り、努力を怠る人物だと小悪党か、威厳のない敵と化す。地味な努力を嫌うので主人公やヒロインの身体が持っている潜在能力を発揮出来ない宝の持ち腐れとなる。ラスボスの威厳がある場合はそもそもヒドインと呼ばれず、悪女の部類に該当するだろう。
妲己/ロックブーケ:洗脳・魅了の使い手位であるが、戦闘力による実力も備えており、洗脳要らずの信頼できる仲間までいる総合的に上位的な存在で厄介な悪女。
洗脳/誘惑:洗脳による被害が酷い為、どさくさに紛れて没落しかけた国や各国や悪徳国家によって、ついでに上乗せで全ての罪を擦り付けられて断罪させられる扱いが多い。
魔女教/大罪司教:偶然異能を得て悪行三昧する救いようの無い狂人の集まり。人格破綻者が多く、某所では2chの荒し扱いされる程碌な連中ではない。