「立ち上がれ、吠えろ、牙を剥け・・・!」
「人間共が作ったもの全て・・・この世界を破壊するのだ!!」 (第7話)
データ
概要
はるか昔のアニマルタウン周辺に生息していたオオカミ(ニホンオオカミ)達の群れのリーダーにして、ニコガーデンに棲んでいたキラリンアニマルやニコアニマル達を黒き獣へと変貌させた本作の事件の黒幕。
今は寂れて朽ちかけている山中の遠吠神社の御神体にその魂が長らく宿っていたようであるが、第1話直前の時点でニコガーデンに闇の波動を放って、住人達を黒き卵に変貌させてアニマルタウンの各地に放った。
卵から孵化したガルガル達がアニマルタウンの人間社会に破壊と混乱をもたらすことを目論んでいたが、わんだふるぷりきゅあの妨害でガルガル達は次々と鎮められ続けたため、業を煮やしたガオウは第29話にて御神体を依代に受肉する形で現世に復活。
そして、眷属であるザクロとトラメの魂を呼び寄せて狛犬像を依代に受肉させ、二人にガオガオーンを使役して人間社会に破壊と混乱をもたらすよう指示する。
人物像
一人称は「我」。
自分達を絶滅に追いやった人間達に激しい憎悪を抱いている。
ガオウの目的は、かつて自分達が住んでいた「この地」に現在のさばっている人間達の社会を破壊することであるようだ。
「この地」は現在のアニマルタウンに該当する場所だが、アニマルタウンの発祥が鏡石の伝説にあることから、この地には古くから動物と人間が共存するコミュニティがあったことが示唆されている。
ガオウは人間全体を恨んでいるが、特に「鏡石のあるこの地の人間」への怨嗟が強いようであり、闇の獣であるガルガルやガオガオーンはアニマルタウン周辺にしか出現していない(ただし、例外としてクレヨンしんちゃんにおけるコラボエピソードにおいて、ガルガルに変貌したとある某豚が別の街で出現したことがある)。
容姿・能力
ガルガル達と同型のアイマスク(配色は白地に青い目)を装着する和装姿の男性だが、人間への憎悪からか狼の獣人の姿をしている。体色は青。手には炎が閉じ込められたような水晶の宝玉を持っており、これを使って力の行使ができる。掌は人間に近いが指先はオオナマケモノを思わせる程に長く鋭い。
帯は水引のようになっており、結び切りのような形で結ばれている。
結び切りは一度結んだらほどけないことに転じて「これっきり、一度きり、二度とは繰り返してはいけない」などの意味合いが込められており、慶事や見舞いや、なにより弔事等のお悔みで多く使われる。
対するプリキュア達の衣装モチーフに、何度繰り返してもよい贈り物に用いられる蝶結びのリボンが使われているのは皮肉に思える。
正体が判明するまでは目を赤く光らせた狼(あるいは狼男)の影のような姿で描かれていた。
各話エピソード
■第7話
■第11話
■第16話
■第19話
■第23話
- 本拠地が鏡石神社よりもさらに山奥にあるニホンオオカミを祀っていると思わしき遠吠神社であることが仄めかされた。
■第29話
- 今話でその全貌が判明。奥山の奥地に存在するニホンオオカミ達を供養するために建てられたと思わしき「遠吠神社」を拠点としていることが確定した。
- そして、ニコガーデンの創造主が復活した事と、解き放った黒き獣達の破壊活動が進展せず、人間達の悲鳴や慟哭がまるで聞こえてこない事に苛立ち、力を蓄えるまでの間、神社に設置された左右二体の狼像にかつての同胞達の魂を現世に呼び戻し、現状を確かめさせた。
モチーフについて
彼らのモチーフであるニホンオオカミは、かつて日本全土(※)に生息していた絶滅種である。
大型の肉食獣の一種として日本国内の生態系の上位に君臨してバランスを保ち、地域によっては古来より神として篤く信仰されてきたが、江戸時代の1732年には狂犬病に感染したニホンオオカミが人間を襲うようになり、明治時代に入ると人間の生活圏の拡大による森林破壊、更に牛や馬、鶏等の家畜を襲う害獣として疎まれて次々と駆除されていき、又、狼信仰のある地域ではニホンオオカミの骨を魔除け等に用いる為に乱獲される等、複合的な要因が絡み1900年代の前半に絶滅した為、人間を恨むガオウの気持ちはあながち間違いではないと考えられる。(※中には高額な報酬目当てや毛皮欲しさでオオカミ狩りをする人もいた。)
他にも絶滅理由には明治以降海外から輸入された犬から流行した犬ジステンパーというイヌにとっては致死的なウイルスによる絶滅説がある。
ちなみに21世紀の現在では、ニホンオオカミの生き残りとも思われる動物の目撃情報が山間部には多く生存説が囁かれているが、その殆どが野犬、タヌキ、キツネ、アライグマ、ハクビシンの見間違いだと考えられている。(※アライグマは特定外来生物に認定され国内の生態系に悪影響を及ぼしている。)
彼らが絶滅した後の日本では、ニホンジカやイノシシと言った獲物の数が膨大に増え続け、農作物にも影響が出ているのも事実である(何の因果か、シカはキラリンアニマルのモチーフに採用されてもいる)。
又、現在日本国内にはニホンオオカミの剥製が国立科学博物館に2体、東京大学農学部に1体、和歌山県立自然博物館に1体と合計4体が現存している。しかし、どの標本も体格と顔つきがそれぞれ異なり、特に和歌山県の剥製は日本犬の顔つきに似ていると指摘されている。因みに国立科学博物館の2体目の剥製は当初ヤマイヌの一種と考えられていたが、2024年にニホンオオカミの剥製と判明した。
※北海道と沖縄県は除く。北海道には同亜種のエゾオオカミが生息していたが、ニホンオオカミと同様に1900年代の前半に絶滅している。
そのニホンオオカミの復活計画については、オオカミ再導入論が有るという話がある。ニホンオオカミを復活させるには、魚の一種であるクニマスのように熱心に見つけるか、やむを得ずコウノトリやトキのように放獣及び放鳥すべきかといずれにせよ、ニホンオオカミも復活して欲しいものである…。
前述の通りシカやイノシシの食害に悩まされている農家の人にとっては嬉しい話なのだが、外来種が増えれば、生態系が破壊されるのか、逆にオオカミが日本の動物達を食べてしまったらどうなるのかという死活問題になり兼ねない状況なのは事実なのである。
余談
名前の由来は肉食獣の咆哮を現す「ガオー」+牙持てる者達の王からと思われる。
犬は元々狼を飼い慣らして生まれた存在である。また今回のプリキュアになった動物達は人間に拾われ救われた存在であり、ガオウ達は上記したように人間に疎まれ、絶滅させられた存在である。こむぎとガオウは、ちょうど対の存在と言える。
声優について
演じる大塚剛央氏は本作がプリキュアシリーズ初出演。
過去作の敵首領役はベテラン声優がキャスティングされることが多かったが、大塚氏は1992年生まれの(第29話時点で)31歳と本作のプリキュア声優とほぼ同世代であり(声優としての活動期間でみればメイン声優6名+敵幹部・怪物役3名の計9名全員と比べて後輩)、ガオウよりもさらに上の立場にある黒幕が登場しない場合はふたりはプリキュアSplash☆Starの真の支配者ゴーヤーン役の森川智之氏(当時38歳)を抜いて歴代最年少で敵首領に起用されたことになる。またその場合、敵首領役の声優としては初の平成生まれともなる。
関連タグ
わんだふるぷりきゅあ! わんだふるぷりきゅあ!の登場キャラクター一覧
ガルガルの親玉(正体発覚前の仮称)
プリキュア関連
ウルフルン:同じく、オオカミモチーフのプリキュアの悪役。
プリキュアシリーズ歴代首領
カイゼリン・アンダーグ/カイザー・アンダーグ←ガオウ(暫定)→???