正式タイトルは『BRIGADOON まりんとメラン』。WOWOWで2000年7月21日から2001年2月9日まで放送された、サンライズ制作のアニメ。全26話。略称「まりメラ」。
ストーリー
時は1969年。大阪万博の開催まで一年を切ったある日、東京下町の長屋に住む平凡な少女浅葱まりんは突如空に現われた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の生体兵器(モノマキア)に襲われる。
必死で逃げるまりんは、根津神社の祠の中に御神体として祭られていたアンプルを追い詰められた恐怖から思わず投げつける。すると中から別のモノマキアが現れ、まりんを救った。彼の名はメラン・ブルー。まりんを守るのが任務だという。こうして二つの世界の運命をかけた戦いが始まった。
本作で中心に描かれるのは、主人公まりんと生体兵器であるメランの種を超えた絆と愛である。いくつもの伏線が張られており、敵の正体や目的がラスト近くまで謎のまま先が読めない。実際に全てが明かされるのは最終回である。
全体を通してテンションの波が激しく、確実な意味じゃないがあまりに鬱的な描写のため見るに耐えないシーンもあれば、第十五話「極彩サヴマトンカラー」のように完全に公式が病気な回もある。
何人かの登場人物は色にちなんだ名前が付けられており、モノマキアの名前もギリシャ語で色をあらわす単語からきている。
同じく各回のタイトルにも色を連想させるフレーズが入る。ちなみにタイトルの「BRIGADOON」は、スコットランドの伝説「ブリガドーン現象」からであると推測される。またモノマキアとはギリシャ語で『ひとつ(単発)の戦』という意味であるため、ギリシャ神話に詳しい視聴者ならモノマキアは戦闘用であることを即座に連想できるだろう。
海外の一部では『BRIGADOON』というタイトルで放送された。
渡瀬のぞみによるコミカライズもされたが、基本的にはアニメ版とは違うストーリーになっている。
主な登場人物
浅葱まりん(あさぎ まりん)
CV:KAORI
主人公。中学一年生。いつも眼鏡をかけている。
口癖は「あっは~ん!」。重度の妄想癖の持ち主。捨て子であり、長屋の前に捨てられていたところを拾われ、長屋の人たちに育てられた。捨て子であったことや、長屋住まいであることを理由に苛められることもあるが、たくましく生きる前向きで明るい女の子。新聞配達をして家計を助けている。
CV:大塚芳忠
この作品のもう一人の主人公。ブリガドーンの銃剣士とよばれる類の生体兵器(モノマキア)で、まりんを守るのが任務だという。
普段は小瓶のようなアンプルに収まっており、まりんが呼び出した時だけ外に出ることが可能。全体的なシルエットは人と同じだが、体の一部は金属質の素材で出来ており、右手は剣、左手は銃になっている。そのため物を掴んだりする場合は腰の部分に内蔵された作動肢を使う。背中のウイングを展開させることで空を飛ぶこともでき、新幹線を超える速度を出すことも可能。
まりんや長屋の人たちとの暮らしの中で徐々に人間らしい感情に目覚めていく。1食でご飯を50杯も平らげる大食漢であり、笛ラムネが吹けないという意外な一面をもつ。一人称は「僕」。
ロロ
CV:新谷真弓
猫のような姿のブリガドーン人。毛皮に見えるものは実際は衣服で服の色は緑。神出鬼没で(あるモノマキアを使っているため)しばしばまりんの前に現われ、助言や警告を行う。
メランの上司のようなもので、中枢議会のメンバーの一人であり役職は「生活向上委員長」。常にふざけた態度をとることから周囲に嫌われているが、実は優秀で友達思いの優しい性格の持ち主。過去に友人を失った経験がある。
如月萌(きさらぎ もえ)
CV:齋藤彩夏
まりんの親友。まりんのことが大好き。まりんとは正反対に、おっとりしていて内気な性格。家がかなりの資産家で、まりんをあまりよく思わない母親(声・はやみけい)がいる。
亜呂真(あろ まこと)
CV:緑川光
まりんたちを見守る謎の少年。通称「あろま」。ブリガドーンについて詳しく知る、自称「未来から来た歴史観測委員」。いつでも何かを口にしている。
浅葱モト(あさぎ もと)
CV:愛河里花子
長屋に住んでいる、まりんの育ての親。小柄だがパワフルな肝っ玉おばあちゃんでまりんのことを実の娘のようにかわいがっている。異界の住人であるメランをあっさり受け入れるなど広い度量の持ち主。
藍庵秀太(あいあん しゅうた)
CV:田の中勇
長屋に住む老発明家。奇天烈な発明品を製作する。頭の回転が速い。気さくで親しみやすい性格。科学や発明とは人を幸せにするための物という信念を持つ。
マイク・ホワイト
CV:岩田光央
長屋の住人の一人で、秀太を親分と呼び、助手をしているアメリカ人青年。かなり訛りのある日本語を使いその文法は微妙に間違っている。優しく陽気な性格の持ち主で、まりんとは年の離れた友達のような関係。
物語後半、空母ミッドウェイの艦載機のパイロットとして再登場する(平和主義者で徴兵から逃れる為に日本に来ていたことが判明する)。
米たに作品ファンの間では、この人物が『勇者王ガオガイガー』に登場するスタリオン・ホワイト(1978年生まれという設定)、スワン・ホワイト(1981年生まれという設定)兄妹の父親ではないか?との説も上っているが、実際は母がアメリカ人であり間違いである。
桃井ひとえ・ふたえ・みつえ(ももいひとえ・ふたえ・みつえ)
CV:柚木涼香
長屋に住んでいる三つ子の女性。長屋の近くにある駄菓子屋を経営している。
いつも三人揃って行動し、しゃべる時も三人で流れるようにしゃべる。そのためまりんは彼女たちのことを「桃井のおばちゃんたち」と呼んでいる。
小柄でふくよかな体型の、いわゆる「近所の気さくなおばちゃん」的風貌。実際性格も三人揃って気さくで、料理が得意なのも三人一緒。長屋では朝夕の食事は全員で揃って摂っているが、その全てをまかなう長屋の料理番でもある。
長屋に来客があるたび、お茶、ジュース、コーヒーなどそれぞれ別のものを出し、客がどれを選ぶかを競っている。
鴇田純(ときた じゅん)
CV:荒木香恵
長屋の住人。正の娘。看護婦。酒に溺れる父親を抱えて働く苦労人だがそんな雰囲気は見せない。優しく面倒見がいい。まりんの姉的存在。
鴇田正(ときた ただし)
CV:高田裕司
長屋の住人。酔っ払い。働きもせず、昼間から酔いどれているダメ親父。みゆきという奥さんが出て行ってしまったことが原因。素面の時は豪胆で非常に頭がキレる。
真乃みどり(まの みどり)
CV:柚木涼香
まりんの中学の先輩で3年生。よく警察のお世話になるほどの不良。父親がいない境遇からまりんにシンパシーを感じ、何かと気にかけてくれる。
CV:高田祐司
メランと同じ銃剣士で、メラン曰く「誇り高き最強の銃剣士」。メランを裏切り者だと思っている。
CV:荒木香恵
パイオン同様銃剣士で、モノマキアにしては珍しい女性。メランが裏切ったことで銃剣士の誇りを傷つけたと思い、彼を激しく憎んでいる。
CV:神谷明
メランの欠けた穴を埋めるべく製造された銃剣士の最新型モノマキア。しゃべり方はややカタコト。若さゆえに荒削りで戦闘経験は劣るものの、他の銃剣士を圧倒する高い戦闘能力を持つ最強のモノマキア。
CV:岩田光央
移動用モノマキア。メランと同じくまりんを守るのが任務。途中からメランと合流。
CV:柚木涼香
戦闘用モノマキア。メランやポイクンと同じくまりんを守るのが任務。途中からメランと合流。
ララ
CV:西村ちなみ
ブリガドーン人で服の色はピンク。ロロの数少ない友人の一人で中枢議会のメンバーでもあり、役職は「生態管理委員長」。様々なモノマキアを作ることでまりんの秘密を明らかにする。
ルル
CV:緑川光
ブリガドーン人で服の色は青。ララ同様ロロの数少ない友人の一人で中枢議会のメンバーでもあり、役職は「時空観測委員長」。常になにか食べている。