概要
2009年12月4日、ダイヤモンド社・刊。表紙イラストは「ゆきうさぎ」。
ドラッカーの経営学書『マネジメント』を元に、野球部のマネージャーとなった女子高生が、弱小野球部を改革していく。
よくある「難しいことを萌えで表現した作品」の一つであるが、多々ある類似品の中でも群を抜いてベストセラーになった。
著者の岩崎夏海は秋元康の事務所でAKB48のプロデュースにかかわっていた人物であり、一部の登場人物はAKBのメンバーをモデルにしていることを公言している。
AKBは今作のメディアミックスで、アニメでは声優、実写映画では出演・主題歌を担当している。
主な登場人物
人物名 | アニメ声優 | 映画キャスト | |
---|---|---|---|
川島 みなみ | 日笠陽子 | 前田敦子(AKB48) | モデルは峯岸みなみ |
宮田 夕紀 | 花澤香菜 | 川口春奈 | モデルは大島優子 |
北条 文乃 | 仲谷明香(AKB48) | 峯岸みなみ(AKB48) | モデルは渡辺麻友 |
陳 花江 | 門田幸子 | データ不詳(以下????表記) | |
加地 誠 | 津田健次郎 | 大泉洋 | |
浅野 慶一郎 | 柿原徹也 | 瀬戸康史 | |
柏木 次郎 | 陶山章央 | 池松壮亮 | |
星出 純 | 細谷佳正 | 入江甚儀 | |
二階 正義 | 浅沼晋太郎 | 鈴木裕樹 | |
朽木 文明 | 赤澤涼太 | 矢野聖人 | |
桜井 祐之助 | 中西英樹 | 西井幸人 | |
新見 大輔 | 内匠靖明 | 松島庄汰 | |
田村 春道 | 新垣樽助 | 野村周平 | |
宮田 靖代 | 平田絵里子 | 西田尚美 | |
小島 沙也香 | 西口杏里沙 | ???? | |
奥沢 桃 | ???? | ???? | |
玉川 茉莉 | 中島愛 | ???? |
漫画
『スーパージャンプ』(集英社)2011年第2号から連載を開始。その後『グランドジャンプPREMIUM』2011年12月創刊号へ移籍し再び連載。既刊2巻。
作画は椿あす。
アニメ
2011年4月から5月(当初は同年3月中旬辺りに初回放送の予定だったが直前に東日本大地震が発生した影響で延期)にかけてNHK総合TVで集中放送された。全10話。なお放送直前には各界の著名人達を迎えての当アニメに関するトーク付きのPV特番もOA。また後に初回放送したNHKは勿論、CS放送局のキッズステーションでも再放送された。
アニメ版の正式タイトルは原作と同じ「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」であるが、長大なため番組表などでは一貫して略称の「もしドラ」が用いられており、タイトルロゴのデザインもこの略称を強調したものとなっている。
スタッフ
原作 - 岩崎夏海
キャラクター原案 - ゆきうさぎ
監督 - 浜名孝行
シリーズ構成 - 藤咲淳一
キャラクターデザイン・総作画監督 - 宮川智恵子
プロップデザイン - 幸田直子
美術監督 - 大野広司
色彩設計 - 田中美穂
撮影監督 - 荒井栄児
編集 - 植松淳一
音楽 - 佐藤準
音響監督 - 平光琢也
アニメーションプロデューサー - 大上裕真
アニメーション制作 - プロダクションI.G
制作統括 - 斉藤健治、柏木敦子、石川光久
制作・著作 - NHK/NHKエンタープライズ/プロダクションI.G
主題歌
オープニングテーマ「夢ノート」/ 作詞・作曲・歌 - azusa
エンディングテーマ「大好きだよ」/ 作詞 - 瀬名恵、作曲 - 若林充、編曲 - 佐藤準、歌 - momo
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | みなみは『マネジメント』と出会った |
第2話 | みなみはマーケティングに取り組んだ |
第3話 | みなみは人の強みを活かそうとした |
第4話 | みなみはイノベーションに取り組んだ |
第5話 | みなみは過去の高校野球を捨てた |
第6話 | みなみは戦略と現状について考えた |
第7話 | みなみはマネジメントのあるべき姿について考えた |
第8話 | みなみは人の強みを活かそうとした |
第9話 | みなみは大切なものをなくした |
第10話 | みなみは高校野球に感動した |
映画
2011年6月4日公開。配給は東宝。
劇中は真夏という設定だが、撮影時は真冬であった。
スタッフ
総合プロデュース - 秋元康
エグゼクティブプロデューサー - 濱名一哉/吉田正樹
企画プロデューサー - 森川真行
プロデューサー - 大原真人/渡邊義行/渡辺敬介/石塚清和
ラインプロデューサー - 鈴木嘉弘
監督・脚本 - 田中誠
原作・脚本 - 岩崎夏海
音楽 - 服部隆之
撮影 - 中山光一
照明 - 市川徳充
美術 - 小泉博康
録音 - 小原善哉
編集 - 大永昌弘
スクリプター - 吉田久美子
テクニカルプロデューサー - 大屋哲男
VFXスーパーバイザー - 道木伸隆
助監督 - 塩入秀吾
製作担当 - 齋藤大輔
企画監修 - 吉田正樹事務所
製作協力 - 東宝映画
製作プロダクション - ファインエンターテイメント
製作 - 『もしドラ』製作委員会(TBSテレビ/電通/東宝/ファインエンターテイメント/吉田正樹事務所/毎日放送/秋元康事務所/中部日本放送/AKS/太田プロダクション/キングレコード/ダイヤモンド社/ワタナベエンターテインメント/RKB毎日放送/TBSラジオ&コミュニケーションズ/北海道放送)
音楽
主題歌「Everyday、カチューシャ」作詞 - 秋元康 / 作曲・編曲:井上ヨシマサ / 歌 - AKB48
挿入歌「Flower」作詞 - 秋元康 / 作曲・編曲:若田部誠 / 歌 - 前田敦子
外部リンク
関連タグ
余談(ネタバレ&酷評多めです。閲覧注意‼︎)
アニメ版の放送前の時の多くのアニメファンの声は、原作者が以前からAKB48のプロデュースに深く関わっていた事で原作がAKB色がとても強かった(のが嫌な予感がする不安を少なからず感じた)とは言え、あの予算潤沢かつ民放の様にスポンサーの圧力の心配もまずは無い安定安心の高品質で大ヒットアニメ作連発で名高いNHKで、それも集中放送とは言え深夜前のプライムタイム帯で総合テレビでの放送(それに加えて上記に書いてあった通りアニメ放送直前には各界の著名人達を迎えての当アニメについての話を含めたPV特番もOAして大々的に宣伝させた)、しかも制作会社がこれも数々のメガヒットアニメ作を産み世に出し続けていたプロダクションI.Gであった事、そしてテーマが「ある都立高校の弱小野球部がドラッカーのマネジメントで甲子園に行ける‼︎」と言う、とてもユニークで興味を湧かせる様な印象的なフレーズだった事もあって多くの視聴者の期待感は放送直前の当時、とても高かった。しかし…。
いざ蓋を開けて見たら、弱小野球部がドラッカーのマネジメントで書いていた一眼見てこれはカッコ良さげな短い単語や文章だけでトントン拍子で最も簡単に飛躍的に上達して短期間で強豪チームクラスに化けた位に勝ち続けて、そして最も簡単に都大会で優勝して甲子園出場を勝ち取った。それも出来るビジネスマン風に急に化けたかの様にに専門用語を適当に解釈して野球部員達に教え込んだという、マネジメントや野球を知る者達は勿論そうでない視聴者達も唖然とするやり方だった。(例:野球部や部員を顧客に例える…、インタビューでかなり引く位にマネジメント信者化する…、正にちんぷんかんぷんである。)
しかしこのマネジメント風なやり方で一番視聴者達を愕然とさせたのは、そう、あの(悪名高く)有名な「ノーボール・ノーバント作戦」である。極端にこの戦法を簡単に説明するとその作戦の名の通り打者(勿論全ての選手)はアウトを確実に相手にあげてしまう理由で送りバントは絶対禁止(但しセーフティバントはアウトを相手にあげないで出塁を取れるからOK)、投手は野手の守備範囲内に(それも前身守備で)打たせてアウトを取る為に一切のボール球を投げないで投球する(しかも主人公側の野球部は豪快な豪速球も伸びる様な快速球も魔球の様な変化球も抜群のコントロールも持っていないごく平凡な投手陣で、守備陣もどのポジションの選手も守備力は決して特別に高い訳ではないせいぜい都立の各高校野球チームの中では甘めに見ても中の下レベルである)というモノ。この方法を取り入れただけで上記にも書いてあった通りこのアニメの舞台となった都大会(現実世界での東東京・西東京に該当)で全国でもトップクラスの屈指の強豪校が多く存在して(無論現実世界でも日本全国屈指の超が付く程の強豪校揃いの激戦区)それらのチームに勝ち続けて優勝して甲子園出場を勝ち取ったのだ。え、マジで…、これだけで…。確かにノーバントの方はかなり前からアメリカのMLBや日本のプロ野球等世界中の多くのプロチームで(または大学や社会人野球・独立リーグ等のノンプロでも)盗塁やエンドラン等を絡めせて打たせた方がアウトを相手に与えて進塁させるより得点が多く出来る確実が高いデータや論理が沢山出て来る様になったので、これを参考にしてこの戦法を取り入れている(これはMLBのオークランド・アスレチックスの再建に成功したビリー・ビーンGMが提唱し世に広めたマネーボールの影響も大きいのもあるが)。が、実はかなり前から現実世界(や他の架空の学生野球漫画やアニメ・ドラマも含めて)での高校野球でもノーバント戦法は多くのチーム(チーム全体の強さの強弱問わず)で普通に行っているので、このアニメの主人公側の野球部が目新しい事をやっているのでは、決して無い。そしてもう一方のノーボール作戦だが…、これは正直超一流のMLBや日本のプロ野球の投手達もこの戦法で強豪チーム相手にアウトを取り続けるのは非現実過ぎてあまりに無謀でどう考えても無理でほぼ実現不可能だ。理由は野球に詳しい方々は御無事の通り、多くの(国やプロアマ、強弱問わず)野手(打者)達は(だが場合によってはあのチートクラスな二刀流選手の様に打撃の良い投手達もだが)、近年(特に2000年代から)、スポーツ医学や練習方法の劇的発展、打撃に使う道具(バットやバッティンググローブ等)のかなりのパフォーマンスアップ、パソコンやスマートフォン・タブレット端末等の高性能な最新機器での自身の打撃フォームや相手投手の投球の研究等も一昔前までに比べたら手軽に可能、トレーニングや食生活もとても向上改善する、等と飛躍的進化を遂げているからだ(勿論これは打者達程ではないが投手達もその恩恵を受けているのだが)。だから今では高校野球の数多くの(強豪校は勿論そうで無いレベルのチームの)打者達でも余程の回転数の多さ(言われるポップする様な快速球)でもない限り、一昔前までなら高校生バッター達ではまず攻略不可能と言われた150km代のストレートでも悠々と鋭く強い当たりのゴロやライナーを放つ事が出来て、更には飛距離100m以上のフェンスオーバーはおろか場合によっては特大場外弾クラスなホームランも多く放てる様になる位のパワーと技術が身に付いている程にバッター達の打撃技術のレベルが飛躍的に向上しているのだ。だから今の時代の野球(国やプロアマ関係なく)の投手達は驚異的に進化した打者達に対抗して、スピードやキレの良い速球や変化球やムービング系(カットボールやツーシーム等)の鍛錬やコントロールの向上に加えて、ボール球も巧みに使いながら上下左右のストライクゾーンに相手打者の裏をかき尚且つ緩急をつけながらながらアウトに取る投球術が上手く出来る様に日夜切磋琢磨していると言っても過言では無い。だから安易にボール球さえ投げなければどんな相手の打者達を抑えて優勝して甲子園出場は現実世界での驚異的な打者達の飛躍的進化を考えたら、ハッキリ言ってたとえフィクション作品であってもかなり無理があったと言わざるを得ないだろう。
それと作画の方もあの悪名高きテニスコートの野球場やミカン箱モダン(?)椅子が目立った様にかなり崩壊していた…。なお、テニスコート球場やミカン箱イスの方は流石にパッケージ版や再放送では無事(?)訂正されたとか…。そして主人公側の野球部の応援団の応援…。マジで現実世界なら明らかな(それも学生スポーツに詳しくない人でも解る位に)ルール違反続出って…。この世界でのスポーツや応援とは一体…。
正にNHK、そしてプロダクションI.Gの黒歴史と言っても過言では無かったAKBと言う(悪い意味での)政治色もたっぷりのトンデモ野球×マネジメントアニメだった…。当然アニメ版放送終了後に公開された映画実写版も評判は散々だったとか…。次いでに原作本の方も実は多くのマネジメント書物愛好者やアニメファンから不評だったとか…。何方もあの内容では納得…。現に原作者の対談企画でゲストに呼ばれた今は亡き強打者かつ名捕手かつ名将で鳴らしたレジェンドが「この人は本当に野球を知らないんだな…。」と苦笑した位だから…。
また、上記の通り、主人公は峯岸みなみをイメージしているにもかかわらず、実写映画版では当時のAKB総選挙の結果という、ある意味で「政治的な理由」により、主演は前田敦子、主人公のモデルである峯岸みなみは脇役という配役になってしまっている。