概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』で、世界の理(ルール)「親切」を司るUMA。
否定者の集団・UNDER(アンダー)とは協力関係にあった怪物。
当初はカインと呼ばれる巨大な海獣と思われたが、後にUMAカインドネスと判明する。
留意
本表記【カインドネス(アンデラ・UMA)】は、本情報媒体「ピクシブ百科事典」と連動する作品公開場「pixiv」でも詳細検索/タグの部分一致「人外/怪物の類≒UMA」を可能とする区別有りの符応(タグ)。だが慣例「■■(作品名)」から派生(変化)した表現でもある事から、本表記を活用(タギング)するか通例で変わらずかは閲覧者(あなた)の任意、使用強制型の指示ではない事に御留意ください。
UMA像
見た目は正に巨大な鯱(シャチ)で、尾鰭は二叉になった特大海獣(シーモンスター)。
他のUMAの多くが巨大な異形である一方、カインドネスは本当にただ巨大なだけの鯱みたいな外観をしている。
始めは世界の某海域に生息していたと思われる。
生態として息継ぎが必要、下記で触れる利他的行動など普通の鯱と共通点が多く、逆にUMAらしい能力(理の力)は確認できていないが…。
クエストUMA
アンダー + カイン
《秘密結社-UNION(ユニオン)-》と敵対関係にある組織・UNDER(アンダー)とUMAカインドネスは協力関係を結んでいた時期があった。その協調性ある性格から親しみを得ていたからか、UNDER(アンダー)からは愛称・カインで呼ばれてもいた。
物語上でUMAカインドネス(カイン)の初登場となったのは、今次の案件でUNDER(アンダー)が潜入作戦の際、カインの胃の中へ入る形式で乗り移動する戮力(りくりょく)であった。この時は4名を搭乗する予定だったが、生理的に無理-ラト「胃液まみれじゃない!!」-と仲間の女性・ラトラから否定され、彼女ともう一人は別経路で合流になった。運搬役を和協(しんせつ)で行うカインにとっては、ちょっぴり不憫な謂れ用だろうか。
アンダーとカインの共同生活として、アンダーのアジトを丸ごとカインへ飲み込ませることで組織(ユニオン)の捜索を免れる潜伏を主としていたと推察される。正確には、地上に用がある事態では陸上で身を隠し、要件が済めば海中へ潜むためカインの胃袋内に移行するといった隠伏(いんぷく)の過ごし方をしていたと思われる。
時には、下記の所有船艦で海上生活も送っていたのだろう。
古代遺物 D2100
UNDER(アンダー)が所有する潜水艦型の古代遺物。
本編の幕間にて、UMAカインドネス(カイン)はこのD2100を自分と同じUMA(ユーマ)の仲間だと思っており、よく自分が獲ってきた魚を食べさせようと甲板に置いていく母性的な一面もみせている。
とかく怪物(UMA)とは思えないほどの親切である。
さらに別の幕間、甲板で衣服の話題を語り合っている?男達。彼らの後方を注視すると、UNDERのボスがカインへ" ポイ "と餌を投げ与えている。よほどの御馳走なのか、嬉しそうにギャオー♪な感じで大口を開けているカイン。これは組織(ユニオン)から奪取した代物、UMA(ユーマ)にとって非常に栄養価がある食料(キューブ)と推測される。
この様子は簡略化の画風(ラフ)もあって、じわじわ来る愛嬌な一面がみられる。
余談・考察
海洋生物の選択
創作参考にされたと思われる海獣「鯱(シャチ)」は、知能が高く賢い大型哺乳類であり、頂点捕食者(ヒエラルキー)の一種。
生息海域によって生態へ多様性があり、母性本能が高い側面からお節介焼きとも言えるような愛嬌さある習性(しんせつ)が確認されている。一般報告では、(遭遇した状況・シャチの状態にもよるが)人間を無害な存在/餌ではない認識と視ているようで、家族が網(ゴミ)に絡まり動けないのを助けて欲しいという献身(しんせつ)をみせる事例もある(蛇足だが、類似した報告にイルカが他の生き物を助ける事例もある)。
しかし反面に残虐で狡猾な習性-得物を投げ飛ばして気絶させ仕留める拷問的行為など-も確認されている。別名「Killer Whale(キラーホエール)」が冠される程、自身と同等かそれ以上の大型な得物を狩りできる殺傷能力もある。その為に異名『海の殺し屋』『海のギャング』『Orcinus orca-オルキヌス・オルカ / 冥界からの悪魔-』でも恐れられる怪物的な生態も秘めている。
後述の伝説も併せて、物語構成(ストーリークリエイト)の素材「怪物ながら慈愛(しんせつ)も併せ持つ存在」として抜擢されたのかもしれませんね。
UMAとシャチ
本作「アンデッドアンラック」にある主題材が一種【未確認動物:Unidentified Mysterious Animal】との関連。シャチが謎の白い怪物「トランコ」と対決していた伝説、シャチの亜種と考えられている水棲未確認生物「アルラ・ホエール」といった奇譚。
これらは科学的な否定「正体は大型生物の死骸だった等」はされるも、本当だったのではないかという浪漫を感じ、本作に登場する怪物(UMA)にシャチ型を選抜する一端となったのかもしれない。
「親切」の脅威
本作「アンデッドアンラック」の理(ルール)/UMA(ユーマ)とは、第一目的「人間を苦しめる」が為に、世界へ追加される万物の一環。
では「親切」の脅威とは何なのか。
考察の域もあるが、参考例として―
- 無意識の例:場面によっては「親切(てきせつ)」であっても、運悪く有難迷惑となって思わぬ事件(トラブル)へ発展する…。
- 意図的な例:悪党にとって便利な概念(どうぐ)。道端で困っている者へ、建前は「親切心」から手を差し伸べるが、こらが契機に困窮者は更なる視えない危難(じんせい)へ足を踏み入れてしまう……。
- 文化的な例:思想の相違からの悪運。自己にとって「厚意」の行為でも、他者の理解力・文化・状況などから「不快」な行為と受け取られる。言い換えれば相互不理解状態(ディスコミュニケーション)から、当たり前の親切が原因で不和となり、人間関係を悪化させる引き金となってしまう・・・。
といった感じか。
え?説明の仕方が諄い?酷すぎる?
いやいや、こちらは親切心で皆に解るようにしてだね、
何!? それを言ったら戦争だろうが――!!!!
\ドッカーン/
※仮想(フィクション)の事例です・・・表向きはね
関連項目
親切による苦難例
地獄への道は善意で舗装されている 悪意のない悪意 ディスコミュニケーション
■■■のリソース
物語が進み、主人公たちが世界の真理へ近づいた事で発覚した世界の仕組み、絶対理(マスタールール)と呼ばれる絶対的な世界の理(ルール)があると解った。
これを司るUMA(ユーマ)(上位階級)が討伐されたとしても、他のUMA(ユーマ)とは異なり、化身となった理(ルール)は世界へ変わらず残り続ける理屈(システム)があった。
これは制定者・SUN(サン)にとって多大な管理・整理(リソース)が掛かる方式。
もし絶対理(マスタールール)を司るUMA(ユーマ)が討伐された場合、他の理(ルール) / UMA(ユーマ)で補う
この真実から整合すると、UMAカインドネス / 世界の理(ルール)「親切」の役目が読み取れる。解釈を拡大すれば―
といった概念的(コンセプト)な補足処理がされる1要素の怪物(UMA)と推し量れる。
即ち、物語の表舞台へ上がらない時期になっても、物語の裏舞台で活躍し続けるUMAの一体とも受け取れるだろう。