概要
村枝賢一の漫画『仮面ライダーSPIRITS』に登場する悪の組織「バダン」が作り上げた改造人間。劇中にはいくつかのタイプが登場し、いずれも同型が多数存在している。
通常タイプ（仮称）
劇中では第2部の冒頭を皮切りにかなりの数が登場したZXに最も酷似したタイプ。個体数も多く、登場期間も最も長い。
ZXに似てはいるが、黒いマスク、白いマフラー、ZXの胴体にある切り欠きが無いことが外見上の特徴。
ZX同様の構成であれば、脳以外の全部が機械であると思われる。
性能
外見こそZXに近いが、第11話・第12話「彷徨(さすらい）の雷鳴」で登場したエリートサイボーグ（後述）程では無いようで、第2部第3話、第4話では襲撃の現場に駆けつけた歴代ライダーにはあっさり破壊されている。
しかしいわゆるライダーの戦闘員枠として評価した場合、なかなかの高スコア。対ライダー戦を抜きにすれば、人間勢力相手の作戦ではその殆どを成功させている。
また防御力は歴代仮面ライダーシリーズの戦闘員の中でもトップクラスで、アメリカ軍のバルカン砲、大砲、バズーカ砲などの攻撃も全く通用しなかった。が、第4話ではライダーマンのマシンガンアームと、滝の使うショットガンの銃撃を受け破壊されたかのような描写もあるため実態は不明。
改造人間としての武装の全容は不明であるが劇中使用しているのは十字手裏剣のみ。人間用の装備も使用可能らしく、劇中では銃器や酸素マスクと足ヒレといった潜水用装備を使う場面もあった（→第2部第20話）。
乗機はヘルダイバーとほぼ同形状のバダン製バイク。ヘッドライトには常人なら一瞬で焼き切る火力を持つビーム砲が装備されており、飛行も可能。
劇中の活躍
初登場は第2部第1話「強襲」で、JUDOによって洗脳された村雨良（ZX）とタイガーロイドに率いられて多数の同型が出撃。航空戦力に脆弱性を持つバダンの魔法陣運用のための制空権を確保すべく、全世界の空軍基地を襲撃し徹底的に蹂躙し尽くした。
戦闘員クラスの宿命として、敵の攻撃はもちろんのこと味方からの八つ当たりや口封じ、攻撃の巻き添えを食ったりなどでよく死ぬ。
その後、新生バダンが発足するまでの間に徐々に数を減らし、バダン分裂後にはコンバットロイドに置き換わった。
簡易型（仮称）
「死ニテェヨォォォ」「殺シテクレェェェ」
第1部第2話「たった一人の戦場」に登場した簡易型とでも言うべき改造人間。頭部こそZXに酷似しているがアンテナは無く、大きな第3の目があるのが特徴。頭部のカラーはモスグリーンで、似た色の人民服のような簡素な軍服らしきものと白いマフラーを着用している。
性能
首から下は外見上は人間のままに見えるが強化されているようで通常兵器の拳銃弾などは通用せず、仮面ライダー2号に迫るジャンプ力を発揮する。頭部への衝撃や、偽装用の表皮を剥ぎ取ることでこの形態となる。
改造人間としての武装は肘からの十字手裏剣のみだが、アサルトライフルやコンバットナイフなど人間用の武器も使用。
劇中の活躍
如何なる経緯があったのかは不明だが、ガモン共和国内で活動するゲリラたちが素体とされており、クモロイドに改造されたゲリラの首魁・グィン将軍へ戦車やライフルなど共に戦力として将軍に与えられていた。
第2部第1話『強襲』では上記のZX似のタイプがガモン共和国内にてグィン将軍の残したプラントを捜索中、「CR（コマンドロイド）」とこの改造人間を呼称している。
自我や意識がわずかに残っており、人間への偽装時も偽装解除後も涙を流し死を切望するという非常に気の毒な怪人として登場した。
クモロイドの指示により仮面ライダー2号へ攻撃を加えるが勝てるわけもなく、交戦の末順当に葬り去られた。当初現れた一隊が全滅後も26名が戦車5両、装甲車１両と共に補充されたが、復帰した２号と交戦し全滅。
彼らの境遇を自身に重ね合わせた2号からは「お前たちは（化け物なんかではなく）人間だ」と哀れみを向けられてはいるが、コイツらの前身は民間人への被害お構い無しのクッソ迷惑系ゲリラということを忘れてはいけない。
エリートサイボーグ（仮称）
第1部第「彷徨(さすらい)の雷鳴」前・後編（11話、12話）に登場した上級改造人間。「選ばれた改造人間部隊」を自認している。第125話では三影から「コマンドロイド」と呼称されている。
同型の12体と仕様が異なるコマンダー（村雨良）の計13体でチームとして登場。
頭部の外見はZXに酷似しており、武装もほぼ同等。ただし、首から下は特殊部隊の戦闘服の物に似たプロテクターとなっており、コマンダーのもののみ形状が異なる。
「雨の中、12人の悪のライダーと1人の正義のライダーが戦う」というシナリオは、勿論漫画版『仮面ライダー』内のエピソード『13人の仮面ライダー』へのオマージュである。
性能
仮面ライダーストロンガーとほぼ同等の戦闘能力を持ち、後発の通常タイプコマンドロイドをはるかに上回る性能を有する。
劇中の活躍
神奈川県で仮面ライダーストロンガー抹殺計画に従事し、舐めプの末1体を破壊されながらも、ストロンガーを瀕死に追い込むが、決死の技である超電子ウルトラサイクロンに巻き込まれ11人まとめて吹き飛んだ…が、村雨の生首は三影（後のタイガーロイド）に回収され、ZXのボディに組み込まれることとなる。
余談
仮面ライダーBLACKRXのリメイク版のマスクド・ライダーではチャップの名称がコマンドロイドという名になっている。
