「ラゴーン様、どうか皆の者を解放して下さい!」
「我々スズナリ一族は、暴魔百族でも古くからラゴーンと対立して来た。ラゴーンを倒さない限り、我々一族に平和は無い!私は1人でも戦う!」
登場話:第27話「少女暴魔リン」
概要
暴魔獣の1体で、黄色い鎧に身を包んだ仏像を思わせる姿を持つ。
彼女もまた、アラクレボーマやカセキボーマと同じ反ラゴーン派の暴魔獣の1体でヤシノミボーマやフジミボーマ同様にスズナリ一族と言う一族がおり、しかもその姫君である。姫君としての立場故か、姫暴魔ジャーミンに対しても旧知の仲でタメ口を利き、プライドも相応に高い。
その能力は「鈴鳴りの術」と呼ばれ、相手が心を許すと光を放ち、その光が頂点に達する時、人間を自由に操ることができるとされる強力な物である。
上記の通り、彼女は反ラゴーン派の暴魔獣だったが、土鈴に封印された一族を人質に取られた挙句、その解放の条件としてジャーミンの手でリンと言う人間の少女に変えられた上でスパイとしてターボレンジャーに接触し、鈴鳴りの術で彼等を操る彼女の作戦に利用されてしまう。
活躍
姫観音像に封じられていたのをジャーミンの手で解放されると、一族が眠る土鈴から皆の者を解放する様にラゴーンに懇願。ここからジャーミンの傀儡として動くことになる。
リンと言う人間の少女に姿を変えられ、ジャーミンとウーラー兵に襲われる芝居でターボレンジャーに助けられて太宰研究所に潜入。傷の手当てを受けつつも自身が反ラゴーン派の暴魔獣であると告げる。そんなリンに対して洋平はシンパシーを感じていた。
その後、誰もいないのを見計らって傷を治したところをシーロンに見つかったため、彼女を攻撃して研究所を脱走しようとするが、洋平に呼び止められて彼と海岸へツーリングする。
だが、バイクで海岸へ向かう2人とすれ違った力達はシーロンがリンにやられたことを通信で知ってしまう。
その頃、海岸へやって来た洋平に対してリンは、何故暴魔である自分に優しくするのか尋ねる。
すると洋平は、リンの鈴の音が大好きだった自分の先生からもらった鈴の音とそっくりだったからと答えた。洋平が心を許した今なら鈴鳴りの術で彼を操れる。そう思ったリンだったが、洋平のターボブレスに「リンは敵のスパイだ」という力からの通信が入り、作戦に綻びが生じてしまう。
迷いの中で洋平から説得されかけるリンだったが、其処へ現れたジャーミンに術の行使を促され、自身の一族が眠る土鈴まで人質に取られる。それでも鈴鳴りの術を使えなかったリンはその場から逃走。駆けつけた力達がリンを追おうとするが、洋平がそれを止めるのだった。
一方、リンは作戦が失敗した事でジャーミンからムチで折檻された挙句、「お前の失敗の責任を仲間に取ってもらう」と言う言葉と共に一族の封じられた土鈴まで破壊されてしまっていた……。
その後、スパイであるリンをかばった責任を力達に問われ、バイクで彼女を捜しに出ていた洋平の元に現れると、今度こそ鈴鳴りの術を掛けて操り、同じく彼を捜しに磯へやって来た4人をブルーターボに変身した状態で攻撃させる。
ブルーを操り、反撃のできないレッドを追い詰める事に成功するもリンだったが、残るブラックターボ達3人に自身の姿を発見され、ターボレーザーで鈴を破壊されたため、ブルーは正気に戻る。
ブルーの元へ駆け寄ろうとするリンだったが、そこへ現れたジャーミンからムチを浴びせられ、スズナリボーマとしての正体を5人に晒すことになる。だが、非情なる蛇であるジャーミンの制裁はそれだけに留まらず、自身の一族が封じられた残りの土鈴も全て破壊された上で処刑されてしまった。
直後にジャーミンが放った暴魔再生巨大化光線で再生巨大化すると、巨大戦ではターボロボとの格闘の末に、武器を奪い取られるも負けじと超音波攻撃で苦戦させるが、結局はターボカノンで鈴を撃ち落とされることで破られてしまい、そのまま止めのターボクラッシュを叩き込まれて爆散した。こうしてスズナリ一族の姫君は、より狡猾で邪悪な蛇の手で一族諸共滅亡すると言う理不尽極まりない最期を迎えた。
「リン、たとえ最初は騙すつもりでいたとしても、最後は俺に術を掛けるのを戸惑った。俺は、あのリンを信じたい…」
スズナリボーマの死後、洋平はリンの鈴を拾って海に向かって投げ捨てると、彼女の心を踏みにじった暴魔百族に対し、新たな怒りを覚えるのだった……。
余談
ジャーミンの術の影響とは言え、本編で初めて人間態を取った暴魔獣であった。
のちの第29話ではジャーミン自身もまた、スズナリボーマとは別の形で破滅的な末路をたどることとなった。
声を演じた松本女史は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となり、続く第31話のオマモリボーマの声も兼任している。
関連タグ
高速戦隊ターボレンジャー 暴魔百族 暴魔獣 少女暴魔リン 女怪人
キメンボーマ:こちらも人間の姿に変身した暴魔獣であるが、スズナリボーマと違って己の意思で変身していた。
暗闇暴魔ジンバ:スズナリボーマとは逆に元人間である暴魔百族の幹部。
天風星・リン:同名のスーパー戦隊キャラ。こちらは戦隊ピンクである。
ミリア星人ソーラ:翌年のスーパー戦隊で登場したゲストキャラの女性であり、敵幹部に利用されて悲しい結末を迎えるといった共通点を持つ。
高速鬼:『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵怪人の1体。ターボレンジャーをモチーフとした怪人で、スズナリボーマとは逆に怪人に変貌した人間。
有言実行三姉妹シュシュトリアン:容姿がリンに似ている特撮ヒロイン。
伽部凛:こちらも人間態を持つ怪人で名前の読みが「リン」という共通点を持つが、人物像がジャーミン以上に邪悪である。
ククル:同じく同胞を人質に取られてやむ無く悪事に走った哀しき悪役。