概要
勇者装束とは、『結城友奈は勇者である』をはじめとする「勇者であるシリーズ」に登場する変身コスチュームである。表記違いに「勇者服」がある。
本作における勇者と呼ばれる少女達は、戦闘時にこの衣装を身に纏ってバーテックスと戦う。
各時代の勇者装束に共通するデザイン上の特徴としては、「各勇者に設定された花をモチーフとした意匠」「裾の長い外套や腰垂れ(燕尾服に近い)」「靴はオーバーニー、または脛から下までの長さのレッグカバーと一体」などが大きな特徴となっている。
基本的には勇者システムを用いて着用するが、神世紀より300年前の西暦時代には一部例外も存在する。
デザインの変遷
『乃木若葉は勇者である』(西暦2018年)
花をモチーフとした意匠を施した装束と、袖なしのインナー(なお、若葉、高嶋の物はこちらに近いデザインである)、靴のヒールが高いといった共通点はあるものの、それ以外の部分は、
- ミニスカートタイプのワンピース・長袖でショート丈の上着(アームカバーをしているかは不明だが、指先は肌が露出している)(郡千景)
- 袖なしでレオタード風デザインのインナー・襟が大きく肩出しで、長袖(肘から先は布が大きく折り返されている)かつショート丈の上着・腰には若葉達とは違い、腰の後ろ側ではなく前側に丈の長い帯状の物を垂らす(土居球子)
- 袖なしで超ミニスカート付きのインナー(恐らく下はショートパンツか、ショートスパッツを履いているものと思われる)・肩出し&長袖(アームカバー一体型で指先だけ肌が露出)でショート丈の上着・腰回りから下に裾の長い前開きスカートタイプの装束(伊予島杏)
など、モチーフ以外の仕様は各自かなりバラバラであり、最初期ゆえの試行錯誤が見て取れる。
『白鳥歌野は勇者である』(西暦2018年)
デザインは基本的に若葉達が着ていた勇者装束に近い。仕様は以下の通り、
- 袖なしのインナー(下はレオタードかショートパンツ、またはショートスパッツと思われる)・肩出しの長袖(指先までのアームカバー一体型)&裾の長い腰垂れ付きの上着・腰の下辺りで履く丈の短い前垂れ
しかし、意匠は若葉達の物に近いものの、四国以外で活動していた関係で勇者システムが実装されておらず、諏訪の神の力を宿した装束を、普段着から直接着替えて勇者になるというアナログ極まりない仕様であった。
『鷲尾須美は勇者である』(神世紀298年)
装束は、襟元を共通としながらも、それ以外は各人のイメージに合わせた意匠が施されており、
- 装束の袖が着物を思わせるなど、全体的に和風の外套で全身を覆う(ただし、足の動きを阻害しないために、太ももから下辺りからは前開きとなっている)(鷲尾須美)
- 腕の動かしやすさを重視して、肩出しで半袖の外套・前垂れスカート付きの装束(三ノ輪銀)
- 上着は半袖かつ燕尾服タイプ・胸元にはリボン・下はミニスカートなど可愛らしさも重視した装束(乃木園子)
更に、この時代のみの特徴として、装束の下に「首から下を完全に覆うインナーウェアを着込む」という共通点があり(若葉達の時代やその後の時代も、インナー自体は着込んでいるが、大半が袖なしで、太もも辺りに肌の露出する部分がある)、前大戦からの教訓を活かし、物理的な防御性能を高めた重装備となっている。
しかし、これだけの対策を施したにもかかわらず、バーテックスの攻撃に対する防御にはいまだ不十分なのが実情である。
『結城友奈は勇者である』(神世紀300年)
全体の共通点としては、装束の「腋が露出している」点と、「襟元、裾の長い腰垂れ」があり、それ以外は各人に合わせた意匠となっているが、それに加えて、これまでにも装束の下にインナーは存在したが、そのインナー自体を装束のメインに据えた上で布面積をいくらか減らし(主に二の腕や太ももの辺りなど)、インナーに直接装飾を施したかのような意匠に変更された(つまり、インナーの上に装束を着込むのではなく、インナー自体が装束を兼ねている)。仕様は以下の通りで、
- スパッツタイプのインナー・腋が露出しつつ指先まで覆うアームカバー・胸から下を覆う丈の長い装束・レッグカバーは脛より下辺りまでの長さ(結城友奈)
- 袖なしで、首から下をほぼ覆うボディスーツ(太ももに謎の切り欠きあり)・裾の長い腰垂れ・二の腕から指先まで覆うアームカバー・足先は当初、足が不自由だった関係で靴がなくトレンカ状で(下の画像、左側)、後に歩行機能が回復したため靴に変更(同、右側)・当初は歩行機能を補うため、4本の長い帯が垂れ下がっていた(下の画像、左側)(意匠は、前作終盤に行われた勇者システムの大規模アップデート後に採用された物を踏襲)(東郷美森)
- 袖なしインナー(下はレオタード、またはショートスパッツと思われる)・二の腕から手首までを覆うアームカバー・下乳辺りの金具で止め、インナーに直接貼り付けられた前垂れスカート&裾の長い腰垂れ付きの装束(犬吠埼風)
- 袖なしで、下がバルーンスカート状のインナー・腋が露出した長袖の上着と一体化した、胸から下を覆う裾の長い腰垂れ・レッグカバーは脛より下辺りまでの長さ(犬吠埼樹)
- レオタードタイプのインナー・袖口は着物を思わせる長袖で、丈が胸の上までという短さの上着・腰より下で履く超ミニスカート・下乳より下を覆う裾の長い腰垂れ(意匠は東郷と同じく、前作終盤の大規模アップデート後に採用された物を踏襲)(乃木園子)
など、「共通の意匠を伴いつつも各自の仕様がバラバラ」という、ある種、西暦時代に回帰したかのような物となった。
この、「インナーに直接装飾を施す」という手法は、「精霊バリアの実装により、旧型のような物理的防御に頼った重装備である必要がなくなり、動きやすさを重視出来るようになった」事と同時に「デザインの幅が広がる」という副次的効果をもたらした。
『楠芽吹は勇者である』(神世紀300年)
今作では勇者装束の量産仕様である「戦衣(いくさぎぬ)」が登場。これを纏う者は「勇者」ではなく「防人」と呼ばれ、そのデザインは量産性を高めるため、芽吹を始めとする、防人番号の上位8人が着用を許された「指揮官型」を除いて全員が共通仕様となっており、基本的には、
- 首から下を完全に覆うボディスーツ・肩部に装甲板・頭部にはバイザー(原作小説の挿絵では、目元が完全に見えない仮面のような物であったが、『大満開の章』では、形状こそ同じだが目元が見える半透明な物になった)付きヘルメット・腰から下を覆う裾の長い腰垂れ(下の画像のモデルは山伏シズク)
これに加えて、
- 指揮官型は指揮、通信能力を強化するために、ヘルメットに2本のアンテナ状のパーツが追加
という仕様となっている。なお、戦衣は「神樹が築いた結界の外を行動する」という任務の特殊性を考慮し、耐熱・耐火性能を勇者装束以上に引き上げ、首から下の肌の露出は一切ない重装備となっている。
『花結いのきらめき』(神世紀300年)
今作では、若葉達と同じ西暦時代に四国以外で戦っていた勇者達や、終末戦争後からの300年の間に位置する時代を生き、本来は勇者にはならなかった者達にも、本作独自の勇者装束が与えられ、勇者として召喚された。その特徴は「西暦時代の者達は若葉達の仕様に準拠しつつ、その地域に合わせた装飾を施す」、終末戦争後の時代の者達は「神世紀300年の仕様に近い意匠」となっている。以下に各々の特徴を記すと、
- 袖なしでショートスパッツタイプのインナー・アイヌの民族衣装に似た紋様が施された、裾はショート丈で袖は五分丈の上着・指先まで覆うアームカバー・腰から下には裾の長い前開き式スカートなど、戦場が寒冷地のため、太もも以外は露出の少ないデザイン(秋原雪花)
- 露出が高く、一見すると競泳水着またはセパレート水着に近いインナー(実際にゆゆゆいに於いても、下の右側の画像のように、インナーに似た配色とデザインの競泳水着を着たイラストが存在している)・セーラー襟・肩出しで長袖(指先まで覆うアームカバー一体型)・腰から下には丈の短い前垂れ付きの裾の長い腰垂れ・太ももから足先までを覆い、足先は靴ではなく五本指ソックス状のレッグカバーなど、水中戦をしやすいように上着すら着ていないなど、極めて軽装備である。(古波蔵棗)
- ショートスパッツで、腋が露出した指先まで覆うアームカバー付きのインナー・右肩には装甲板と剣に似たパーツが付いた手甲・腰から下には裾の長い腰垂れ(造反神が勇者装束を模して用意した物で、全体的なフォルムは下の画像右側のように友奈の装束に近い)(赤嶺友奈)
- 胸元が開き、腋が露出した指先まで覆う長袖アームカバーが付いたスカートタイプのインナー・インナーに直接付いた五分丈で袖口が開いた袖・腰から下には裾の長い前開き式のスカート・足先はハイヒール(弥勒蓮華)
- 袖なしでスカートタイプのインナー・腰と二の腕の辺りで支える特殊な構造で丈は長く、袖口の広がった長袖付きの外套・靴は身長の低さを補うかのようにハイヒール(芙蓉・リリエンソール・友奈)
- 袖なしで首から下までを覆うレオタード風デザインのインナー(芙蓉友奈のインナーと対になるデザインながら、下の画像右側のように背中が大胆にがら空きなど、露出度の高い物になっている。更に大型のチェーンソーを振り回しやすいように上には装束を着ていない)・肘から下を覆うアームカバーには左右非対称の手甲(左手用の方が大きく、チェーンソーを持つ右手へのカウンターウェイトを兼ねていると思われる)・腰から下には裾の長い腰垂れ・靴はチェーンソーを振るう際に体を支えるためにガッシリとした靴底になっている(柚木友奈)
余談
『花結いのきらめき』では、勇者装束のデザインを大赦の神官達が行っていた事が示唆されている……大赦GJ。
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勇者であるシリーズ 結城友奈は勇者である 乃木若葉は勇者である