概要
生没:永禄11年(1568年)~承応2年1月24日(1653年2月21日)
血液型はA型もしくはAB型であると政宗と息子の遺骨鑑定から推測されている。
伊達政宗の正室(1~2歳下)。通称は田村御前。院号は陽徳院。
東北地方でも一二を争う有力な戦国大名の伊達政宗に12歳で嫁いた幼妻。
しかし正室でありながら、嫡男・忠宗を生んだのは側室であった猫御前よりも遅い30代に入った頃。(初めての子は政宗が長女・五郎八姫で、この時26歳。後に徳川家康六男の松平忠輝に嫁ぐ)
末子・竹松丸(政宗の九男)の出産は42歳の時であり当時の大名の妻としてはかなりの高齢出産という計算になる。
愛姫の実家・田村一族は、力が弱く常に他国からの侵略に曝されていた。そのため父・田村清顕は、伊達家と縁戚関係を結ぶことによって自国の防衛を強化した。
その清顕は愛姫以外に子をなさず1586年に若くして亡くなり、養子にする約束をしていた孫(愛姫の子供)も上記の通りなかなか生まれなかったため内紛が起きるなどしたが、後に愛姫の孫である宗良(忠宗の三男)によって再興された。
嫁いだ当初は、政宗の暗殺事件への関与を疑われ乳母をふくめた侍女達を殺されるなど夫婦仲は悪かったとされるが、京都聚楽第の伊達屋敷に移り住んでからは、政宗に京都の情勢を知らせ、
「天下はいまだ定まっておりませぬ。殿は天地の大義に従って去就をお決め下さりませ。
私の身はお案じなさいますな。匕首を常に懐に持っております。誓って辱めは受けませぬ」
という手紙を送っているなど夫婦仲は良好になったようである。
ちなみに、一時期はキリシタンであったという。
愛姫の遺品の文箱には、政宗から貰った手紙や政宗が幼い頃に書いた手習いの書が大切に保管されていた。
また、政宗の遺言で瑞巌寺に展示されている実物大の伊達政宗像を作るよう指示したのは彼女である。その際、両目を残したままにしろという政宗の遺言を無視し、「ありのままの姿を残したい」と愛姫は右目が白濁している生前の姿で作らせたという逸話が残っている。
晩年に愛姫は、自ら繊細な仮名文字で「いろよきはなのえたをこそみる」(色良き花の枝をこぞみる)と記した。(「陽徳院様御夢想之書付」)
鮮やかな色をした花の枝振りを夕べ夢に見たというような意味で、包紙の上書きに孫の宗良をその母が身ごもった時に見た夢である旨が記されている。つまり宗良により田村が再興されるという愛姫の念願が叶うという瑞夢(良い夢)であった。
ちなみに彼女のネーミングセンスは政宗にも劣らぬレベルでぶっ飛んでおり従兄弟かつ義兄の田村宗顕の次男に男猿(おさる)と命名している。ちなみに宗顕は豊臣秀吉による奥州仕置後に旧領を巡り政宗と揉め出奔したため、男猿は長兄・定広と共に愛姫に養育された。成人後は愛姫のはからいで定広共々片倉姓を名乗った(形式上は政宗の乳母かつ片倉景綱の実姉・片倉喜多の継子である)。また彼は青葉流マタギの祖となったという。
2018年には生誕450年を記念して、彼女の故郷の福島県田村郡三春町ではアニメーションが制作された。
愛姫MEGOHIME 再会の滝桜
監督:福田己津央
愛姫MEGOHIME 第2話『追憶の梅花』
愛姫MEGOHIME 第3話『三春の光』
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関連イラスト
創作上の扱い
独眼竜政宗
その名の通り愛らしい女性だが、政宗正室であることに誇りを持ち、内面の強さも持ち合わせた賢夫人でもあった。本作では一貫して熱心な仏教徒とされ、離縁させられた娘の五郎八にも写経を勧めている。
戦国大戦
伊達家の武将として、Ver2.0「1582 日輪、本能寺より出ずる」から参戦。
上のイラストでわかる通り、和ゴスな衣装に実物イラストでは更に懐刀を携えた、年端もいかない少女(1582年時点で14歳)のイラストで描かれており、台詞回りは長きにわたって夫を支えたことからなのか『貴方を支えます。永遠に……』(開戦時)や、『やっと、あなたに会える……』(伏兵発覚時)など、なぜか少々ヤンデレの要素が強い。
スペックはコスト1 武力1/統率5の竜騎馬隊で、特技は「魅力」と「伏兵」。
武力が低いため、竜騎馬の発砲や突撃の威力は期待しにくいが、開幕の「伏兵」と魅力による士気底上げなど、コスト1であることを勘定に入れれば優良な域に入る。
持ち計略の「壅塞(ようそく)の術」は、士気2を使い、効果範囲内の敵を自城に戻れなくさせる効果。
「三国志大戦」経験者向けに言い換えれば「董白」の「退路遮断」をそのまま移植した形になる。
また、同じ「自城に戻れなくする」効果で考えれば、他家・龍造寺家の「鍋島直茂」が持つ「生殺与奪」がある。
相違点としては、範囲の大きさ(こちらが小さい)・士気の量(あちらは5)・武力低下の有無(こちらは下がらない)という点だろう。
「私の運命は
乱世に舞い降りた竜とともに」
戦国無双シリーズ(コーエーテクモ)
100万人の戦国無双
GREE制作の100万人の戦国無双では、眼鏡に巻物を携えた美人秘書といった容姿で登場(※公式ではSD)。冷静沈着な性格で、口癖は「拒否します」。主に夫である政宗との会話イベントが用意されている。
戦国無双4Empires
2015年9月に発売された戦国無双4Empiresでは、エディット武将と同様の固有モデルを公式より与えられた、100名の『姫武将』の一人として登場する。前出の『100万人』とはだいぶイメージが異なる。ボイスは活発(斉藤佑圭)で、武器は伊達軍らしく大太刀+火縄銃(歴戦の勇士♂)。
なお、敵武将として彼女と対峙した際には「たとえ武器が折れても、懐刀であなたを・・・!」という特殊台詞が再生される。
殿といっしょ
青髪を短く切った愛らしい外見の姫。
もともとは自身の結婚を「政略結婚」と割り切り、「今まで誰も好きになったことも無かったので恐らくこれからもそうなのでしょう」と笑顔を崩さずに父に語り掛けるほど恋愛に疎かったのだが、超眼帯バカの夫・政宗は何故かものすごくタイプだったようで輿入れした瞬間一目惚れしている。
政宗のボケも一々丁寧に拾ってマジレスしたうえで褒め殺すという一番タチの悪いタイプの一途キャラで、政宗は彼女の名を聞いただけで眼帯がはじけ飛ぶほど動転し我先に逃げようとするほど苦手にしている。それ故に小十郎や成実はオタクな主君が珍しく狼狽する「引金」として重用しているが、彼らや喜多をもってしても愛姫の天然ぶりは予想の斜め上であり苦労が絶えない。
しかし政宗を思う気持ちは本当であり、義姫のアホな申し出に対しても、政宗が嫌がることであればスッパリ断るなど、ノロケが絡まなければそれなりに良妻といえる。
政宗さまと景綱くん
初代征夷大将軍・坂上田村麻呂の直系の子孫であり、高飛車なお転婆姫。輿入れが決まった時も「皇室か? 将軍家か? 今をときめく織田家かの?」など無茶な夢を言っているほどプライドが高く、ド田舎(作中で清顕が指摘している通り田村家と大同小異であるが)の伊達家に嫁がされた時には悲憤慷慨していた。しかし片倉景綱の機転により政宗と絆を築き、終生の妻となる。
気が強いが性根は優しく、政宗が元気がない事を聞かされた時には「料理を作ってやらねば」と弓矢を携えて山に向かおうとするほど行動力豊か。
独眼龍改
(現代バージョン)
本作でも坂上田村麻呂直系の子孫とされている。12歳で輿入れしてきたが、とてもそうは見えないほど発育が良く、伊達家の男女を問わずデレデレにしてしまうほどの美貌を有している。
何度も政宗と肌を合わせても子を孕めなかったことに焦りを感じ、鎧に身を包み自ら太刀を持ち戦線に向かい「武者」(所謂別式女)として政宗に認めてもらおうとする。身体能力も極めて高い。
ちなみに最終回で食事中に嘔吐(超婉曲表現)という快挙を成し遂げ、物語の幕を下ろした。
政宗ダテニクル
CV:ブリドカットセーラ恵美
ピンク髪の元気いっぱい娘。11歳の時に田村家から政宗の元に嫁いだお姫様。
明るくて元気でみんなのアイドル的存在。
武将として優しすぎる政宗が心配で、口から出るのはいつも憎まれ口ばかりだが、本当は政宗を思っている。
口癖:このたれかもんが‼(公式ホームページより)