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むかし賀茂の大路をおぼろ夜に車のきしる音しけり

出てみれば異形のもの也

車争の遺恨にや


(今昔百鬼拾遺)


概要編集

 鳥山石燕による『今昔百鬼拾遺』に掲載された妖怪

 牛車の前面にドデカいがくっついているという凄まじいインパクトの妖怪だが、それ以外の情報は不明。少なくとも人間を轢き殺す妖怪である確証はない。

近年の妖怪図鑑では車争いに敗れた貴族の怨念が牛車に取り憑いたいわゆる付喪神で、朧月夜に現れるとされ、これに出会った人間は病に侵されるという。


創作作品における朧車編集

ゲゲゲの鬼太郎編集

CV:山口奈々(第1期)/佐藤正治(3期)

 原作漫画『朧車』では敵妖怪として登場。

このエピソードは元は漫画『墓場鬼太郎』の一エピソード「ボクは新入生」がプロトタイプとなっており(アニメ版『墓場鬼太郎』の第10話としてアニメ化)、アニメ3期では脚色され、『激突!!異次元妖怪の大反乱』として映画化、アニメ第4期では第70話 『怪気象!妖怪ぐわごぜ』としてリメイク。墓場版、ゲゲゲ版に共通して怪気象に巻き込まれた漫画家水木しげるセンセイとその妻子が主人公として描かれている。


(第1期では水木宅上空、第3期では国会議事堂にて)怪気象を引き起こしていた原因でその正体はお化けはまぐり(の事。原作では蜂の巣に似たバケモノ)であり、目から怪光を放って鬼太郎を石にしてしまう強敵。

第3期では石化を解くには朧車の涙が必要という設定が追加され、カロリーヌを轢き殺したが、鬼太郎に敗れる。


なお、アニメ版で本物の「朧車」が登場したのは4期のみとなる(後述)。


第4期・第25話「古都の妖怪・おぼろ車」では編集

『あの丘は壊させんぞぉぉぉぉぉぉ!!!!』

CV:大友龍三郎

4期の朧車は怒り狂った状態で京都の街中を暴走し、交通事故を誘発させていた。

その正体は博物館の木片から復元された牛車で、老朽化した博物館の閉館と共に立地していた故郷の丘が土地開発で崩されることに怒っていたのだった(なので、車体を構成する古い木片が本体である)。ちなみに、他の展示物は別の博物館へ引き取られたが、牛車のみ大きすぎるために引き取り手がいなかった。おまけに

最後は工事現場へ向かうトラックに高速で突っ込み、トラックを横転させたものの、その衝撃で自らも粉々に大破してしまう。しかし、時代の流れによる土地開発は止めることはできなかった。朧車は再び木片だけとなってしまったが、その境遇に同情した博物館の館長の手で大事に保管されることになったのがせめてもの救いだろうか…。

朧車は本質的には人間が嫌いだったわけではなく、かつての戦乱で自身が木片となってしまった事は受け入れており、主人に大切に扱ってもらった事や自分の故郷で復元してもらった事には恩を感じていた。この件は鬼太郎や館長だけでなく朧車に頭を悩まされていた市長と警察署長も複雑な顔をしており事態は解決したのにいまいちスッキリしない終わり方だった。


アニメ外では編集

GBA作品のアクションゲーム、「ゲゲゲの鬼太郎 危機一髪! 妖怪列島」ではステージ8の中部地方に登場。画面外からいきなり鬼太郎目掛けて高威力の体当たりをかましてくる。BGMをかき消す程のゴロゴロという大きな音が鳴るので存在は分かりやすいが、図体が大きくジャンプでは避けれない。こちらの攻撃力が低いと必ずダメージを受けてしまうので危険。折り返して再び体当たりをかましてきたり、たまに手前で止まって放物線状に飛ぶ飛び道具を出してくることもある。


PS作品では学校編のボスとして登場。


PS2作品のシミュレーションRPG、「ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚」でも仲間妖怪として登場する。こちらでも怪気象発生装置という扱いだが、黒幕は吸血鬼エリートである。


漫画版の国盗り物語では鬼太郎の乗り物として登場(こちらは前輪がある)。鳴き声はブップー…お前牛車だろ!


ぬらりひょんの孫編集

 奴良組門下の妖怪として複数個体が登場。


鬼灯の冷徹編集

茄子親子のスキンシップについて考えてみる。実写朧車・・つくっちゃった。

 地獄に勤務するや妖怪たちが利用する「朧車タクシー」が登場。

 また、ある主要人物の出生にもかかわっている。


忍者戦隊カクレンジャー編集

【カクレンジャー】オボログルマ【妖怪】

 黄色いタクシー型妖怪として登場。詳細は当該記事にて。

侍戦隊シンケンジャー編集

外道輪炎の怪

 朧車の伝承の元になったという設定のアヤカシホムラコギが「シンケンジャーVSゴーオンジャー」で登場。

手裏剣戦隊ニンニンジャー編集

妖怪メダル33

 巨大妖怪ガシャドクロ6体を素材にして作られた。頭にはロケット砲を持ち、ローラーを押す上級妖怪オボログルマとして登場。


女神転生編集

イクで ありまァァァァァァァす!(修正)

デビルサマナー葛葉ライドウシリーズに”雷電属”オボログルマとして登場。外見は壊れかけたタクシーで、運転席には白骨化した運転手が乗っている。満月時に栗須坂(くりすざか)に出現するが、これは旧作に登場した「外道クリス・ザ・カー」が元ネタであるためである。

タクシーがモチーフである点はカクレンジャーの物とそっくりである。


地獄先生ぬ~べ~編集

原典では顔が前面についているが、本作は後ろについており前面では骸骨の牛が牛車を引いている。平安貴族女性の牛車の場所取り合い「車争い」によって生まれた妖怪。クラスメイトの稲葉郷子細川美樹が妖気にあてられ争い始めてしまう。かなり質量があるように描写されているが、実際は朧のように実体の無い妖怪である。

争い合っていた矢先に朧車に轢かれそうになった美樹が響子に助けられ、二人は危ない目に合わせたぬ~べ~に抗議するも、「実体がない」というタネが分かってからは争っていたことがバカバカしくなって二人は元の仲良しに戻っ……たように見えたが、すぐさま落ちていた硬貨の取り合いでケンカしていた。


大復活祭編集

鉄道型で、序盤にハンターに退治された怪異。


カルラ舞う!編集

奈良怨霊絵巻に登場。


妖怪ウォッチ編集

あれれ~?どっちだっけ?こっちだっけ?

朧車をモデルにした妖怪「迷い車」が登場。


遊戯王編集

地属性のアンデット族のモンスター『轍の魔妖-朧車』として登場。


妖怪百姫たん!編集

流石に美少女ゲーでは「牛車に乗った美女」という無難なデザインになった。

飄々とした振る舞いが魅力の令嬢だが、意外と芯が強い性格。


バトルスピリッツ

黄色のブレイヴ『朧ギッシャー』が登場。顔は人間の顔ではなく牛の顔。


少年陰陽師編集

朧車によく似た妖怪が登場。大人しく臆病な性格をしており退治に来た安倍昌浩に見逃せられて車之輔という名前を与えられた。平成の時代でも存命。


ネタとして編集

蒸気機関車 きかんしゃトーマス

朧機関車トーマス

タクシー 自動車

朧車

戦車 自転車 キャンピングカー 痛車

朧戦車朧自転車朧屋敷痛車

ジャガーノート


関連項目編集

妖怪 付喪神  牛車 CARS

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