概要
『小説家になろう』で連載されているライトノベル。
2015年6月からオーバーラップ文庫で出版されている。
作者は秤猿鬼氏。イラストはKeG氏が担当している。
また、コミックガルドにて漫画版が2017年7月から連載されている。
こちらの作者はサワノアキラ氏が担当している。
『なろう』の小説によくある異世界転生もので、主人公は最初からレベルカンストの最強なのだが、最大の特徴は、主人公による無自覚な世直し。
骸骨姿故にあまり目立ちたくない主人公の行動が、本人が知らない所で世界に影響を与え、悪党を成敗する形になる事は、本作ではいつものことである。
更に、主人公アークは見た目こそ骸骨騎士だが、ドジだったりお茶目だったりと人間臭く、また目の前の悪事を見逃せない正義感もある。
『なろう』のレビューによると、読みやすくて一話一話の完成度も高いとの事。
なろう版は2018年7月にて連載終了となったが、書籍版は第2部として連載を継続する事になり、2022年4月現在では、10巻が発売されている。
あらすじ
オンラインゲームのプレイ中に寝落ちした主人公。
しかし、気付いた時には見知らぬ異世界にゲームキャラの恰好で放り出されていた。装備していた最強クラスの武器防具以外はアイテムもお金もない現状に放心状態。そしてさらに悪い事に主人公は、課金して変更していた特殊アバター『全身骨格』アバターの骸骨人間状態のまま異世界へと来ていた。
主人公は目立たないように生きていく事を決意するが、ひょんな事からダークエルフのアリアンという女性と知り合い、彼女の依頼を受ける事になる。
(『小説家になろう』でのあらすじより)
MMORPGプレイ中に寝落ちしてしまい、目覚めるとゲームキャラの姿で見知らぬ異世界に放り出されていた「アーク」。
その姿とは、見た目は鎧、中身は全身骨格の骸骨騎士!?
―――正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!
目立たず傭兵として過ごすことを決意したアークだが、目の前の悪事は捨て置けなかった。
襲撃された貴族の美少女たちを救出! 軍隊出動レベルのモンスターを討伐!!
さらには、盗賊たちを殲滅―――!? と、ゲームで鍛えたスキルで快刀乱麻の大活躍!
そんなある日、彼はダークエルフの美女アリアンに雇われ、囚われたエルフ族の奪還作戦に協力することに。
だが、その裏には王族の策謀が渦巻いており―――!?
最強の骸骨騎士による無自覚"世直し"異世界ファンタジー、ここに参上!!
(株式会社オーバーラップの小説概要より)
登場人物
メインキャラクター
主人公の骸骨騎士。普段は兜をかぶっている。
MMORPGプレイ中に寝落ちし、目が覚めたら何故か異世界にいた。
見た目に反して割とお茶目な性格。
傭兵として目立たず過ごすと決めていたのだが――。
後に縁あってエルフの里であるララトイアに籍を置くこととなり、エルフの慣習に倣って『アーク・ララトイア』に改名する。
とってもキュートな精霊獣。通称「綿毛狐」。
出会ってからはいつでもアークと一緒。
癒し系。
ダークエルフの美女戦士。言うまでもなくダイナマイトボディ。
エルフ族奪還作戦のため、アークを傭兵として雇う。
炎と土の精霊との契約による魔法と剣技を駆使して戦う。
後にララトイアの里に移籍し、『アリアン・グレニス・ララトイア』と改名する。
謎の獣耳忍者少女。
正体は山野の民と呼ばれる獣人族で、帝国の隠密部隊の末裔・刃心一族の六忍の一員。
水遁の術の使い手。
紫電
ファブナッハ大公国にて出会った、六本脚のトリケラトプスに似た恐竜『疾駆騎竜(ドリフトプス)』。
元々疾駆騎竜は虎人族が生涯の相棒とする生物であり、騎乗するには力比べに勝って主と認めさせる必要がある。
本来ならエナ一族という虎人族が所有していたものだが、迷子の所を港町プリマスの商人に保護され、虎人族に返してくれるという条件で無償で入手した。
アークとの力比べに負けてアークを主人と認めており、後に虎人族との友好の証として正式にアークの所有となった。
カナダ大森林
ディラン・ターグ・ララトイア(CV:鳥海浩輔)
ララトイアの里の長で柔軟な指導者。アリアンの父。
普通の人間の二十代後半から三十代くらいの外見をしている。
娘の使命を助けてくれるアークに感謝と信頼を寄せており、協力を惜しまない。
アニメ版おまけコミックにて下戸である事が判明した。
グレニス・アルナ・ララトイア(CV:皆口裕子)
ディランの妻にして、アリアンの母。
おっとりとした性格だが、かなりの武闘派。
アークからの頼みで、彼が戦術を学ぶための修行相手を勤めてくれる。模擬戦とは言えアークを剣技のみで完封し、アリアンとチヨメのタッグを軽くあしらうほどの強さを持つ。
アニメ版おまけコミックによると、下戸であった夫に対して彼女はかなりの酒豪。
イビン・グレニス・メープル(CV:大久保瑠美)
アリアンの姉。既婚者。
アリアンを「アリンちゃん」と呼び、彼女の交際相手は自分より強い人であるべきだと断言する程溺愛している。そのため、当初は彼女の側にいるアークを悪い虫と見なして不信感を抱いていた。
アリアンとは異なり、水と風の精霊と契約している。体術、魔法ともに妹を遥かに凌ぐ実力を持っており(事実、コミック版でアリアンと手合わせした際は、アリアンがなす術もなくフルボッコにされている)、ある事情から手負いの彼女を拘束するためだけに故郷メープル中の精鋭の内3分の1が投入される騒ぎになった程で、グレニスと並ぶ作中屈指の達人として描かれている。
ファンガス・フラン・メープル(CV:亀山雄慈)
カナダ大森林の大長老の1人にして、グレニスの父でありアリアンの祖父。
ダンカ・ニール・メープル(CV:江口拓也)
アリアンの同僚であるエルフの戦士。
人族に拐われたエルフ達の救出を行っていた。
初対面にアークがうっかり背後を取ってしまったため、以降不信感を持たれてしまうが、綿毛狐のポンタがアークになついていたため一応信頼はしている。
コミック版では意外とグルメな一面があり、人族と結婚したエルフに祝福を送っていた。
刃心一族
ゴエモン(CV:竹内良太)
刃心一族の六忍の一員にして、チヨメの同僚。
寡黙でストイックな筋肉質の獣人。瞳がない。人里での諜報の際は、ターバンで獣耳を隠している。
アークとは初対面から意気投合し、やや暑苦しい友情を築いている(特にコミック版やアニメ版)。書籍版ではアーク達と同行する事が多くなっている。
土遁の術の使い手で、体を硬化させての肉弾戦を得意とする。
原作・書籍版では獣人の里にて、とあるトラブルでアークの正体を知ったが、コミック版では再会した時には既にアークが骸骨姿である事を知っていた。
名前の由来は石川五右衛門。
サスケ
刃心一族の六忍の一員。風遁の術の使い手。
六忍の中でもかなりの実力者で、チヨメから兄として慕われている。
ヒルク王国を調べようとして、消息不明になる。
名前の由来は猿飛佐助。
ハンゾウ
刃心一族の頭領。初代ハンゾウから代々襲名した獣人の老人。
名前の由来は服部半蔵。
ツボネ
刃心一族の六忍の一員。豊満な体つきの獣人の美女。
ゴエモンとは同期である。
相手の精神や行動に働きかける陰遁の術の使い手で、武器は体を覆い隠せるほどの巨大な扇。
コミック版ではゴエモンに想いを寄せているようで、彼がもしアンデッド化した時には、懇意にしている恋物語を参考にワカらせようと企むほど。そして大食漢である。
名前の由来は初芽局。
ローデン王国
ユリアーナ・メロル・メリッサ・ローデン・オーラヴ(CV:大西沙織)
ローデン王国第二王女。
人族とエルフ族の友好を願っている。
その性格からか慕う人間が多く、エルフ族にも名が知られている。
自身の兄であるセクトの企みで暗殺されるが、偶然通りかかったアークの蘇生魔法で生き返る。
その後はファンガスとディランとの会談を経てエルフ族との強力なパイプ役となり、彼女のおかげで人族とエルフ族との仲を保てていると言っても過言ではない。
セリアーナ・メリア・ドゥ・オーラヴ・ティシエント(CV:山根綺)
ローデン王国第一王女。
リンブルト大公国の大公に嫁いでおり、王位継承争いに参加していない。妹のユリアーナとは仲が良く、彼女が賊によって暗殺されたと聞いて心配していたが、生還していたことを知り喜んだ。
セクト・ロンダル・カルロン・ローデン・サディエ(CV:河西健吾)
ローデン王国第一王子。自身の手でローデン王国を更なる発展に導くため、東の大国・レブラン大帝国の後ろ盾を得、次期王位を虎視眈々と狙う。
自身も策謀に優れた謀略家であり、次期王位を争うユリアーナとダカレスを排除しようと目論むが、上述の通りユリアーナが生還したことで失敗に終わる。
その後、ユリアーナがエルフ族との強固なパイプ役になったのを受け、彼女の支持がますます高まるであろうことを察したことで、大局を見据えて王位争奪から降りることを決めた。
ダカレス・シシエ・カルロン・ローデン・ヴェトラン(CV:濱野大輝)
ローデン王国第二王子にしてユリアーナの兄。
ローデン王国では禁止されている筈のエルフの誘拐・売買を裏で行っていた。
しかし、アーク達の活躍で配下や協力者が次々と成敗され、終いには兄のセクトと繋がっていた部下セトリオンの裏切りで暗殺され、ユリアーナ暗殺事件の濡れ衣を着せられてしまう(もっとも、ダカレスもセクトやユリアーナを殺そうと企んでいた)。
彼のやってきた事は、人族とエルフ族・獣人族との共存を壊し、他国に付け入られる可能性を高めた事で、ローデン王国にとってはマイナスにしかならなかった(そもそも、ローデン王国は過去にエルフ族と戦争して返り討ちにあい、後に和解して交易する仲になっているため、尚更エルフ・獣人売買は許されざる行為である)。
ローデン王国のルビエルテ子爵の長女。
リタの事が大好き。おっとり優しいお嬢様。
1巻で登場してから長らく出番がなかったが、9巻にて再登場した。
自分とリタを助けてくれたアークを命の恩人として慕っており、彼がエルフだと知ってもその気持ちは変わらない。
ルビエルテ騎士団長の娘であり、ローレン付きの侍女。
しっかり者で機転が利く。
ルビエルテ領ラタ村に住む少女。
健気で心優しい。
カーシー・ヘルド(CV:田丸篤志)
レブラン帝国近辺の人族の街ブランベイナで魔獣の研究に没頭するエルフの男性。快活だがどこか食えない変わり者。
研究成果を通して街の安全にも貢献しており、領主や住民から並ならぬ感謝の念を抱かれている(ブランベイナ自体が珍しくエルフを差別していない街というのもあるが)。
自身を訪ねてきたアークたちに、事情によって滞っていたサンドワーム調査の護衛を依頼する。
人族の街で生活しているのは人族が好きだからであり、エルフ族と人族の共存を願っている。
ペトロス・ドゥ・ランドバルト
レブラン帝国近辺の港湾都市ランドバルトの若き領主。
父である先代の領主ルンデスに奴隷として買われたトレアサに一目惚れし、ルンデスを国法を犯した罪で幽閉して彼女を救い、彼女と結婚した。
コミック版とアニメ版はダンカやカーシーから伝えられる形で一瞬しか出番がない。
トレアサ
ランドバルトに奴隷として売られたエルフの女性。
ペトロスに助けられ、彼と結婚する。二人の仲は相思相愛。
こちらもコミック版とアニメ版では出番が一瞬だけ。
ラキ
幸運に恵まれた行商人の青年。
お人好しだが勘が鋭い。書籍版のみに登場する。
神聖レブラン帝国
ドミティアヌス・レブラン・ヴァレティアフェルベ(CV:石田彰)
神聖レブラン帝国の若き国王。軍閥出身の傲慢な野心家。
ローデン王国のセクトと繋がっている。
魔獣を操る魔道具「使役の鉄輪」を使い、何やら企てている。
ノーザン王国
リィル・ノーザン・ソウリア
「わらわ」が一人称の古めかしい口調で喋る、ノーザン王国第一王女。
外見は十歳前後の幼いながらも聡明な少女で、王国の危機に対しても毅然とした態度で臨む。
ノーザン王国ではエルフや獣人の奴隷売買を禁じていると知っているが、それが表向きだけなのは知らない。しかし、アークとの取引で裏で奴隷にされている獣人の解放を持ちかけられると、自分の名に誓って約束を守った(彼女の父親も、ヒルク教に追求されるのを承知で獣人達を匿っていた)。
王国の窮地を救うために、自分たちを助けたアーク一行の実力を見込んで取引を持ち掛けた。
龍王
ウィリアースフィム
龍王(ドラゴンロード)の一体。男性。
アークの拠点の社がある龍冠樹(ロードクラウン)をねぐらとする。
平時はその外見通り、昂然たる振る舞いを崩すことはないが、想いを寄せるフェルフィヴィスロッテのこととなると、急にしおらしくなる一面も。
コミック版では天騎士のスキルを使いこなすために、アークの修行相手を引き受ける。修行の間は、アークの料理に舌鼓を打っている。
フェルフィヴィスロッテ
ウィリアースフィムを遥かに凌ぐ巨躯を持つ龍王の一体。女性。
千年以上の時を生き、エルフ達を守護する存在。初代エルフ族長老とも知己の関係であり、その人物から教わったという京言葉に似た口調で喋る。
露出度が高い美女の人間形態を取ることもあり、人前ではもっぱらそちらの姿で現れる。
コミック版オリジナル
樹王
ファブナッハ大公国の南側に広がる『黒の森』の一角を縄張りとする王の一体。樹人(トリエント)の中でも、悠久の時を生きた強大な古樹人(エルダートリエント)。
ウィリアースフィムとは旧知の仲。
本体は黒の森に聳え立つ巨大な大樹であり、普段は温厚で自分から動くことはないが、外敵が現れると食肉植物を操って捕食する。ただし、弱肉強食の概念から、生態系が崩れるレベルの一方的な殺戮と破壊でなければ(捕食や料理などで死肉を放置せずに有効活用するなど)、眷属が狩られても容認する。
エルフや獣人と同じくアンデッドを気配で察知することができ、アークがアンデッドではないことを認識していると、コミックのおまけ小説で語られている。
バルトードに体を乗っ取られ、樹木の体を持つ少女の姿をした分体に意識を移し、アーク達に助けを求めた(植物なので樹王本人に性別の概念があるかは不明)。
事件解決後はウィリアースフィムと共にアークの修行相手になり、彼と同じくアークの料理を気に入る。
悪党
トライトン・ドゥ・ディエント(CV:宇垣秀成)
ディエントの街の領主にして、第二王子派の侯爵。
白髪を後ろに流した髪型に白い髭を蓄えた、でっぷりとした体型の初老の男性。書籍第一巻の悪役を務める。
ダカレスと共に国で禁じているエルフの誘拐・奴隷販売に手を染めており、他の派閥の貴族の排除も目論んでいた。ローレンを襲った盗賊も、ルビエルテ領地に現れた2体のジャイアントバジリスクは彼の仕業である。
自身もエルフの奴隷を購入する客であり、自分を見下す目をした気の強い女性を媚薬で屈服させるのを好むというゲス野郎。計画の足手まといにしかならない息子のウドランを「バカ息子」と罵倒しており、小説版では死んでも然程気にせず、コミック・アニメ版ではおめおめと戻ってきた彼の前でエルフを陵辱しようとするなど、親子関係が完全に冷めている。
しかし、アークによってローレン暗殺や魔物襲撃作戦も失敗に終わり、歓楽街にあるエルフの収容施設が陥落し、ついにはアークとアリアンに城を襲撃され、アリアンと解放されたエルフ達によって制裁され(コミック・アニメ版では何度も金的されている)、その後は(おそらくチヨメ達の仕業で)城も爆破された。
アニメ5話のオマケ漫画によるとこの時に死亡したようだが、原作では生死不明。しかし、奴隷エルフの売買証明書がエルフ族の手に渡り、エルフ族と交流のあるユリアーナ姫の調査もあるため、どのみち国法に違反した罪で裁かれる運命であったことは容易に想像できる。
なお、このような悪徳領主であるが、兵士や奴隷施設関係者を除いた町の住民達は総じて善良である(おまけ漫画では、正体を隠していたとはいえチヨメとゴエモンを気に入ってサービスするほど)。
セルシカ・ドーマン(CV:秋谷啓斗)
トライトンの部下である執政官。痩せていて神経質そうな青白い顔をしている。トライトンに作戦失敗の報告をした。
その後、城に侵入したアークとアリアンにふっ飛ばされて退場した。
ウドラン(CV:高梨謙吾)
トライトンの息子。絵に書いたような悪徳貴族のバカ息子そのものな性格。
エルフ誘拐に勝手に同行し、盗賊相手に威張り散らしていた。エルフを救出しに現れたアリアンに対してエルフの子供を人質にして脅すが、背後に転移してきたアークによって成敗された。Web・書籍版ではここで死亡した。
コミック・アニメ版ではアークの鎧ラリアットを食らって吹っ飛んだが生還しており、おまけ漫画にて生還して逃げ延びていた盗賊に再度アーク達を襲うように命令するが、命が惜しい彼らに見捨てられる。しかも、運悪く子供たちを連れ戻しに来たエルフの戦士に見つかってしまい、制裁を受けた。
本人は父親の権力があれば我儘し放題だと思っていたが、父親は完全に息子の事を見下しており、彼の目の前でエルフを陵辱しようとしていた。しかし、そこへアークとアリアンが襲撃してきたため逃げようとするが、アークに回り込まれ、壁ドンされて気絶した。
アニメ5話では今際の際の父親からハーレム王国を作ることを託されたが、3話のおまけ漫画と同様に父親が陵辱しようとした2人のエルフの女性に見つかり、粛清された。
仮に生きていたとしても、父親同様に国法に違反した罪で裁かれる事であろう。
エツアト商会
ローデン王国の王都オーラヴ近辺の森の中に拠点を置く奴隷商会。第二王子のダカレスと裏で繋がっており、国王達の目を盗んで獣人の奴隷売買に手を染めていた。
しかし、仲間の救出しにきたチヨメ達刃心一族と、彼女達を助太刀したアークとアリアンの手で奴隷達を取り返され、本拠地も破壊された。
そして、この混乱を利用され、ダカレスは密かにセクトと通じていたセトリオンに暗殺されるのであった。
元ネタは、時代劇の悪役でお馴染みの越後屋と思われる(越=エツ、後=アト)。
フンバ・スドゥ・ロゾバンヤ(CV:中井和哉)
レブラン大帝国・ライブニッツァ領に雇われている、北方出身の魔物使いの男。黒髪のドレッドヘアーで、長身の体には刺繍が刻まれている。
好色で権力を盾にして娼婦を侍らせており、アリアンに目をつけ、欲望全開に迫った。コミック版では更に外道となっており、エルフの奴隷や侍らせていた娼婦の1人を戯れにヒュドラの餌にしていた。異世界において、アークが初めてブチギレた相手である(組織を含めるなら、エツアト商会に続いて2回目)。
多数の魔獣を操るものの、フンバ本人の戦闘能力は低く、使役する魔獣がいなければどうしようもない。アニメ版ではアニオリのシーンにてその描写が強く描かれており、フンバ自身のコンプレックスとなっている。
最初はインプを使ってアリアンを操り、アリアンを取り戻された後は多数の魔物を操ってアーク達に襲わせたが尽く倒され、切り札のヒュドラすらもアークが召喚したイフリートによって倒されてしまう。
フンバ自身も、多数のセクハラ発言と短い間とはいえ操られた事(コミック・アニメ版では同胞に対する非道な仕打ちも含む)で怒り心頭のアリアンに焼き殺された。アニメ版では体の入れ墨に複雑な魔法陣を描いて自身の魔物使役能力を強大にさせていたが、複雑故に一部でも切り傷などで欠損すると効力を失うというデリケートな弱点を持ってしまった。
ヒルク教国
タナトス・シルビウェス・ヒルク
ヒルク教国の教皇。第一章のラスボス。
枢機卿を暗躍させてアンデッド軍団を操り、隣国への侵略を企む。
アークのように上級魔法を無詠唱で繰り出すことができる。
時折、「イベント」や「ユニット」、「プレイヤー」と意味深な単語を口走る。
その正体は……?
チャロス・アケーディア・インダストリア
ヒルク教の七枢機卿の1人。ファブナッハ大公国での宗教活動を任されており、タジエント領の教会を根城にしていた。
蛙のような容貌をしたでっぷりとした男。我儘で怠惰で幼稚であり、気に入らないことがあると周りに当たり散らす。
無数の口と腕を持つ醜悪な肉塊の様な本性を持ち、この姿になると空腹に襲われ、目の前のものを無差別に喰らい始める(コミック版では体の口から食われた人々の嘆きの声を放つ)。
その所業故に、異世界においてアークが二度目にブチギレた相手である。
マルコス曰く、七枢機卿の中でも最弱だったらしい。
七枢機卿はミドルネームから七つの大罪がモチーフと思われ、彼は「怠惰」に当たる。
パルルモ・アウァーリティア・リベラリタス
ヒルク教の七枢機卿の1人。ノーザン王国での宗教活動を任されていた。
整髪料で整えた黒髪が特徴の、豪奢な法衣と眼鏡を身に着けた神経質そうな男。エルフや獣人を下等種族と見下しており、ノーザン王国が彼らを密かに匿っていたことを知ると激しく憤った。
加えて自尊心が非常に高く、たとえそれがアークの言う安い挑発であっても、少しでもプライドを傷つけようものならあっさりと挑発に乗ってしまうほどの激情家。
彼もアンデッドであり、正体は嘴のような口と筋肉質な肉体を持つ4つ腕のリスザルのような怪物。
七つの大罪の「強欲」に当たる。
マルコス・インヴィディア・ヒュマニタス
ヒルク教の七枢機卿の1人。
身長が190cmもあって枢機卿の中でもかなり体格がよく、整えられた金髪に無精髭の軍人のような男。戦闘狂。
正体はパルルモと同格なくらいの巨躯を持つ狼男と言うべき姿である。
コミック版ではアンデッドモンスターに合成改造したエルフの実験を行っていた。逃げ出した実験体を追う内に、彼女たちを介錯したアリアンとイビンと交戦する。
自慢の実験体をイビンに瞬殺され、自身も覚醒したアリアンに倒されるが、タナトスの介入もあって一時的に撤退する。
七つの大罪の「嫉妬」に当たる。
アウグレント・イーラ・パシエンティア
ヒルク教の七枢機卿の1人。
齢50はある白髪の老人だが、マルコスを凌ぐほどの筋肉質な体を持つ。己の肉体を鍛え上げることを好む筋肉至上主義。なお、筋肉は人間が鍛え上げるものが至高と捉えており、差別対象であるエルフや獣人が鍛えた筋肉を邪道と捉えている。
コミックではヒルク教国を調べていたゴエモンを襲撃し、彼と共に崖下へ落下した……が、戦闘中に専門的すぎて常人にはわからない筋肉の名称を口走り、落下の様子も二人が笑いながら肉弾戦を繰り広げつつ落下するという、傍から見ればギャグでしかない状況であった(その報告を聞いたハンゾウとチヨメは困惑し、ゴエモンが絶対に生きているだろうと確信していた)。
七つの大罪の「憤怒」に当たる。
バルトード・スペルビア・ヒュミリタス
ヒルク教の七枢機卿の1人。
髪の毛を剃った坊主頭を持つ、黒縁眼鏡の痩せた男。タナトスを病的に崇拝している。
コミックでは『黒の森』にてタナトスに献上する魔物を探し回っており、その過程でアークと交戦した。正体はクラゲのような怪物で、魔物に寄生して体を操る。
七つの大罪の「傲慢」に当たる。
ティスモ・グーラ・テンペランティア
ヒルク教の七枢機卿の1人。
小柄な子供だが、かなり残忍な性格。一方でコミック版では、筋肉一辺倒なアウグレントのツッコミ役に回るというコミカルな一面を見せている。
本性は古代魚のような奇怪な頭部を持った二足歩行の獣のような生物で、同じ形の複数の身体を持ち、戦闘の際はそれらで連携して襲い掛かってくる。
七つの大罪の「暴食」に当たる。
エリン・ルクスリア・チャスティタス
純潔の名を冠する、ヒルク教の七枢機卿の紅一点。
肉感的なプロポーションの上に薄衣を羽織った扇情的な容姿をしている。
その美貌で使節として遣わされた先の要人を篭絡する一方、コミカライズでは目ぼしい男性を誘惑しては文字通り「つまみ食い」する様が描かれており、その際は蛇女のような本性が露になる。
七つの大罪の「色欲」に当たる。
アニメ
2021年4月17日にはテレビアニメ化が発表された。
2022年春アニメとして、TOKYOMX、サンテレビ、AT-Xに加えてBS11にて放送された。
描写はコミック版を踏襲しつつ、アニメ独自の流れになっている(原作やコミックでは暴漢に襲われた令嬢を助けてから街にたどり着いたが、アニメでは先に街に着いてから令嬢を救っている)。
また、コミック版ではボカされたパロネタがアニメ版ではあからさまになっている(特に、ポンタを宥めるシーンや笑いながら盗賊を追い詰めるシーンなど)
また、コミックガルドの公式サイトにて、期間限定でアニメの裏話的な漫画が掲載されている他、Youtubeでもオーバーラップ公式チャンネルが、アニメの内容を短く纏めた、『超訳!骸骨騎士様』という動画を投稿している。
スタッフ
原作 | 秤 猿鬼(オーバーラップノベルス刊) |
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キャラクター原案 | KeG |
原作コミック | サワノアキラ(「コミックガルド」連載) |
監督 | 小野勝巳 |
シリーズ構成 | 菊池たけし |
キャラクターデザイン | 今西亨 |
音楽 | eba、伊藤翼 |
アニメーション制作 | スタジオKAI×HORNETS |
主題歌
オープニングテーマ
「嗚呼、我が浪漫の道よ」
作詞:hotaru
作曲・編曲:eba
歌:PelleK
※深夜アニメでは珍しく、歌詞テロップ付き。
なお、OPでは少女を襲ったオークをオーバーキルしたり、荷馬車を手で引いてドラゴンから逃走したりと、アークがやりたい放題しているが、アニメ版のオマケ漫画でアニメ最終回後に実際にあった出来事であることが判明している。
エンディングテーマ
「僕らが愚かだなんて誰が言った」
作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
編曲:kz(livetune)
歌:DIALOGUE+
余談
『ゲームキャラの姿で異世界転生』、『主人公の見た目は骸骨』という設定から、同じなろう小説の『オーバーロード』と、主にニコニコ静画の公式配信コミックなどでよく比較されている。
両方の中身を読めば一目瞭然だが、共通点が上記の2つだけで両作とも作風が全く異なるため、流石に時間が経つにつれて、そういったコメントが少なくなった(あるにしても、大半がネタや冗談である)。
魔王ムーブで政治を諮るアインズと冒険者ムーブで世直しをするアークは真逆の存在である。
Web版ではコウモリだけが知っているヒーローを意識して骸骨アバターに設定した事になっているためか、アニメ版ではOPや第1話にてアークが高笑いする描写がある。
そのため、原作をよく知るユーザーからは「オーバーロードより黄金バットやワッハマンに近い」と評されている。
なお、コミカライズを担当するサワノアキラ氏は、過去にエロ漫画を担当した事もあり、コミックではそういうシーンはかなり気合入れて描写されている(まあ、その後ナイス骸な騎士様が悪党を成敗するのだが)。
フンバの声が当時ネットミームとして有名になっていたキャラと同じ声だった事もあり、ニコニコ動画の配信で彼が登場すると、そちら方面のコメントが溢れていた。
アニメの本放送の方で偶然ではあるが、本アニメが放映した後に、2022年夏アニメにはオーバーロードⅣが放映され、同じ骸骨主人公のアニメとして連続視聴ができた。
関連イラスト
関連動画
アニメ第一弾PV
アニメ第二弾PV
関連タグ
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…:なろう版では完結したが書籍版は継続・コミカライズ化とアニメ化繋がり。
暴れん坊将軍、水戸黄門:悪党に苦しめられている町民を、理由あって正体を隠している主人公が助けるという部分は、多くの時代劇に共通する。原作でも、アークは暴れん坊将軍が好きだったと語っている。
黄金バット:上記の通り、主人公のモチーフとなっているという設定。そのため、特にアニメ版は『令和の黄金バット』と一部ファンに呼ばれている。
マンダロリアン(ドラマ):素顔見せない冒険者と緑色のマスコットのコンビを組んで世界を渡る子連れ冒険の物語繋がり。