概要
人物
空手・居合道初段、柔道三段、抜刀道・小刀護身道四段、刀道七段・教士。幼少の頃には父親から家伝の武術を習った現代に生きる侍。
国民的ヒーロー、『仮面ライダー』こと本郷猛の役で一躍有名人となり、他にも映画『日本沈没』では主役を演じ、セガサターンのイメージキャラクター『せがた三四郎』でブレイクをかまし、『藤岡弘、探検隊』ではお茶の間を沸かせた。その人気は未だ衰えることを知らない。
ボランティア活動にも注力しており、民間ボランティア団体『グローバルレインボーシップ』の理事として、ボランティアに加え、宗教、政治といった分野でも国内外問わず幅広く救済活動を行い、青少年育成や防犯のための講演会活動も精力的に行っている他、武術や武士道を通して世界平和を目指したいと提唱し、自身のホームページで侍道や祖国愛、日本の在り方や国防論について度々語っている。また、日本や日本人の防衛意識(国防意識)の低さを指摘した発言をよくしている。
奥尻島の地震津波災害では「映画撮影の際にお世話になったので」とボランティア用の水などを持てるだけ持って駆けつけ、2011年の東日本大震災の際にも被災地へ1トンの米を寄付している。
顔の濃さや資格の数々から厳格な人物と思われるが、意外と茶目っ気や天然なところもあり、日本テレビのバラエティ番組『笑神様は突然に…』ではある回にて開始早々登場前のため息、自己紹介、待ち合わせしていたローラとの会話で目印の木を「巨木」と表現したことにMCの内村光良が大ウケし、番組進行が一時停滞しかけた。それ以外でも何気なく鳥を撮影していただけで1番ウケをとったと評価されたこともある。
タピオカミルクティーには懐疑的(食わず嫌いだったらしい)で「これはショッカーの飲み物だ!!」という迷言を発している。…ショッカーもさぞビックリだったであろう。
『仮面ライダー』エピソード
藤岡本人の大出世作である『仮面ライダー』については数々のエピソードがある。
バイク事故による負傷交代
アクションの得意な藤岡は変身後の仮面ライダーのスーツアクターも兼ねており(後に仮面ライダーマリカ役で佃井皆美も兼任したが、主役ライダーでは後にも先にも藤岡のみ)、派手な格闘やバイクアクションを披露していたのだが、運悪く撮影中にバイク事故で左大腿部を複雑骨折してしまった(このとき藤岡は反対側を向いている自分の脚を元の位置に戻してから気絶したそうである)。
このため、第一話の放送は病院のベッドで観るという状態になってしまった。
最初にかかった医者には「役者への復帰はまず無理。また歩けるようになれれば御の字」とまで言われたが、あきらめずにいくつもの医者を行脚したところ、ベトナム戦争で開発された手術があると聞き、それを受けることにする。なお、この手術は、藤岡氏が日本で初めての患者であった。
その後第40話で再登板したのだが、まだ脚に固定用のボルトが入ったままの状態で阿蘇山での撮影に臨み、見事復活を果たした。ちなみに撮影中は傷口からの出血で脚が血まみれであり、主治医からも「今ロケに行くなんてとんでもない。下手をすれば一生歩けなくなるかもしれない。」と釘を刺されていたらしい。その後、第53話にて完全復帰を果たした。
この大怪我を機にアクション俳優としての在り方を自省し、もしもこの大怪我が無かったらアクションもできる俳優として鼻にかけた嫌な人間になっていたかもしれないと姿勢を改めている。また、撮影の度に派手なアクションに対して毎回恐怖を抱いていたという。
ちなみに、治癒後の左足は右足と比べてわずかに長くなってしまい、長年の腰痛の元になってしまったらしい。
現在もトレーニングを欠かしていないのは、鍛えるのを止めたらいつまた怪我の後遺症が出るかわからない恐怖心からだという。
苦難と負傷からその身に学んだ事から「仮面ライダーは僕の青春です」と振り返っている。
後年における姿勢
ハリウッドでの活動に注力していた際、仮面ライダーであった過去をあまり表に出さないようにしていた時代もあった。しかしこの活動は必ずしも成功せず、大成しなかったことから自身の考えを反省し、平山の元まで謝りにきて反省の弁を述べたという逸話がある。
このことは事実かどうかは定かではないが、仮面ライダー絡みの仕事でもオファーがあれば比較的前向きに受ける機会が増えたのはこのためという話もある。
仮面ライダー時代の恩師に対しては非常に恩義を感じており、例えば生前に認知症の闘病をしていた平山亨を見舞いに、多忙な中で病院に足を運んだという。その時は目線を合わせて激励の言葉をかけ、平山が喜び勇んで許可を取らずに藤岡のサイン会を開いてしまっても不服や不満を言うこともなく、さらに主治医の手を取って「先生をよろしくお願いします」と一礼して帰っていったという。
海外での人気
東南アジアのタイでは、もっとも有名な日本人としてタイ人の人々から讃えられており、タイでも大人気を博している『仮面ライダー』シリーズの中でも、彼が演じるライダー1号が一番人気となっている。
そのためか、映画『仮面ライダー1号』の冒頭はタイから始まり、本郷猛がそこに滞在していたという設定で登場するに至った。
「、」の意味
90年代に入って芸名として名前の後ろに読点(、)を入れるようになった。
きっかけは、1984年にアメリカ映画『SFソードキル』に出演した際、自身が演じる侍役と日本の侍のイメージの食い違いを目の当たりにし、侍文化の普及とイメージの是正に尽力。結果、パリ国際ファンタスティック&SF映画祭批評家賞を受賞し、日本人初の米国俳優協会の会員となる。そして周囲から「ヒロシさん」と敬意をもって扱われることとなった。
このときの経験から、「周囲に流されることなく立ち止まり自分を見つめる」という覚悟と「『我未だ完成せず』との意味を込めて」自身の名前に読点を付けるようになったという。
また「てんでダメなやつ」という自嘲も込めているらしい。
なお、この「、」は芸名に読点や句点(。)を用いた芸名の先駆けである。まれにモーニング娘。などが先などと主張する人もいるが、年代的には藤岡弘、氏の方が早い。
ただ、藤岡氏本人があまり強く改名をアピールしなかったこともあって、活字メディアでも旧名のまま書かれることが多かった。モーニング娘。の人気で、「芸名に句読点を付ける」というスタイルが認識され、その結果藤岡の改名が知られるようになったとは言える。
関連動画
せがた三四郎CM全部詰め
上記のタイでの人気ぶりがわかる動画
余談
- 実は幼少期の頃のトラウマのせいで蛇が大の苦手らしく、彼の事務所裏には『マムシ注意』の立札が立てられている。
- また上記にある通り、『仮面ライダー』第9話と第10話の間に負傷したとあるが、奇しくもこの9話と第10話に登場した怪人が藤岡氏の嫌いな蛇をモチーフにしたコブラ男だった。
- 上記以外にも蛇に関する余談がある。『仮面ライダー』のラスボスであるショッカー首領のモチーフが蛇、藤岡氏が難色を示したとされる『浅倉威』が変身するライダーも蛇、久しぶりにライダー1号として演じた映画に登場するグリードのモチーフがカナリコブラと同じ蛇と鷲。その挙句にそのオマージュなのか仮面ライダーオーズの変身者の苦手な動物が蛇だったりと挙げればキリが無い。
- 幼少時から、警官であり武道家だった父と、華道の家元出身の母に厳しく育てられる。しかし、ある日を境に父が突如失踪、大黒柱を失ったことで極貧の少年時代を過ごす。これにより、後年失踪理由を知るまで父のことをずっと憎んでいたと語っている。
- ただならぬ勘の持ち主であり、東北地方沖地震の日には鳥一羽飛ばぬ様子に違和感を感じていたという。なお、藤岡氏の勘の鋭さは母親譲りの様で、彼女も妊娠中に同様の胸騒ぎを感じ、空襲を逃れたと言われている。
- 私生活は隠していたが2019年12月4日の『徹子の部屋』で子供たちと出演した。
- 上記にもある通り武芸の段位の他、調理師免許、普通自動車免許、小型船舶操縦士、大型特殊自動車免許、大型自動二輪免許、自家用操縦士免許(航空機の操縦)、スキューバダイビング、アマチュア無線従事者免許、鉄砲の資格を持っている。
主な出演作品
仮面ライダーシリーズ
- 本郷猛/仮面ライダー1号(仮面ライダー)
- 本郷猛/仮面ライダー1号(仮面ライダーV3)
- 本郷猛/仮面ライダー1号(仮面ライダーストロンガー)
- 警視総監(仮面ライダーアギト_プロジェクトG4)
- 本郷猛/仮面ライダー1号(平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊)
- 本郷猛/仮面ライダー1号(仮面ライダー1号)※企画も担当
- 本郷猛/仮面ライダー1号/本郷猛(ショッカー戦闘員 変装ver.) (バトライド・ウォー創生)
- 仮面ライダー新1号/仮面ライダー1号(仮面ライダーバトル ガンバライジング)※2016年映画版
大河ドラマ
その他
- 坂井三郎([[大空のサムライ])
- クマソタケル(ヤマトタケル)
- 石山新三郎防衛庁長官(日本以外全部沈没)
- せがた三四郎(セガサターンCM)
- ポケモンレンジャーと蒼海の皇子マナフィ(ファントム)
- UFO仮面ヤキソボーイ(レジェンド・クロオビ)