概要
注:本項目は正史とレジェンズ(いわゆる非正史)の設定が混同された状態になっています。正しい設定は各自検索してみましょう。
いわゆるレーザーソード(エネルギー光の刀身を持つ、普段は柄だけの剣)の、文句ナシの代表的存在であり、後の機動戦士ガンダムのビームサーベル等の元ネタとなっていたりもする。
表記ブレにライトセイバー、ライトサーベル(旧三部作ではライトサーベルと発音される)。また、初期の小説作品やラジオドラマ等では「電光剣」と表記されていることもある。
また旧3部作(Ep4~6)を含め、最近の翻訳でビームセーバーと呼ばれることも。
構造
金属製の柄だけの状態からスイッチ起動することで、純粋なプラズマで構成された光の刀身が発生する。
このプラズマ刃はブラストドアを灼き切るほどの高熱を発するが、周囲に熱を放射することはない。
仕組みは外装に当たる金属の筒とバッテリー、それからエネルギーの刃を投射するクリスタルから成り立つ(このクリスタルは正史、非正史で異なる為、後述)。
基本的に光刃の色はジェダイであれば青か緑、シス(とダーク・ジェダイ)であれば赤という三色のいずれかである事が多いが、これは実写映画において視覚的にわかりやすいという理由からのものであり、他の色のライトセーバーも少数ながら存在している。メイス・ウィンドゥは紫のライトセーバーを使用している他、アニメ「クローンウォーズ」「反乱者たち」では黄色や白、黒や茶色の光刃も登場した。また、ゲームフォールン・オーダーでは、主人公カル・ケスティスが自身のライトセーバーを作成する際にブレードの色が選べ、その中には既出のブルーやグリーンなどの他に、シアン、マゼンタ、オレンジがある。
1基のライトセーバーに使用されるクリスタルは1~3個。複数個のクリスタルを内蔵したライトセーバーの場合、クリスタル同士の配置角度を調節することで、刃の長さを変更することが可能である。
アナキン・スカイウォーカーが作り、後にルーク・スカイウォーカーが使用したライトセーバーには3つのクリスタルが使われ、右手とともに父のライトセーバーを失ったルークが新たに作ったものにはクリスタルが1つ使われている。
ライトセーバーのエネルギーは光刃となって光刃放射プレートから発射され、光刃の先端で折り返して再び戻ってくるので、物体を切断しない限りエネルギーを消耗しない。ライトセーバー同士で切り結んだり、ブラスターのエネルギーボルトを偏向してもエネルギー残量に影響はない。このため、ディアチウムパワーセルと呼ばれる部品に蓄積されたエネルギーは、3標準年分ほどにもなる。
また、万が一エネルギーが払底しても充電コネクタを介して再充電できるほか、ジェダイ特有の充電方法として、フォースを使って空気中のエネルギーを収束し、電気エネルギーに変換して一気に充電するという芸当も存在する。
クリスタル
非正史では主にオッサスやイラムで産出されるアデガン・クリスタルやイラム・クリスタルが用いられるが、熟練のジェダイならば簡単な炉と材料さえあれば人工的に合成することが可能。ルークは右手とともに父のライトセーバーを失った際、ベン・ケノービの家で発見した日誌を基にして、この家の炉で新たなライトセーバーに必要なクリスタルを作り上げた。ライトセーバーの刃の色はこのクリスタルの種類によって決定する。ちなみにシスの暗黒卿は必ずジェダイへの憎しみを込めた人工クリスタルを使用しており、シスのライトセーバーの刃が赤いのはこの為とのこと。正式なシス以外にも、シスによって暗黒面のフォースの訓練を受けたダーク・ジェダイについても同様である。
また、エネルギーを収束する性質を備えた物体ならクリスタルの機能を代替することもでき、必ずしもクリスタルを使用する必要はない。
正史ではライトセーバーに使われるクリスタルはカイバー・クリスタルと呼ばれ、古代のシスはこのクリスタルを使ってエネルギーを収束させる技術を超兵器にも転用していたとされている。
また、旧共和国時代末期や銀河帝国時代には同様にこの技術をライトセーバー以外の兵器に利用する研究が行われており、デススターの主砲であるスーパーレーザーやファーストオーダーの新型スター・デストロイヤー、スターキラー要塞などにこうした技術が使われている事が語られている。
他にもライトセーバーに使用するカイバー・クリスタルを人工的に作成する事は不可能とされており、ライトセーバーの作成時に天然のクリスタルを作成者のフォースと調和させる必要があるという。
クリスタル及び光刃の色はこの時に調和したフォースの性質に応じて決定される。特にこのカイバー・クリスタルはライトサイドのフォースと調和しやすい性質を持つため、強引にダークサイドのフォースと調和させる「ブリーディング」と呼ばれる行為を行うと赤く変色するという設定がなされた。特にシスにおいてはジェダイを殺害するなどしてジェダイが作成したライトセーバーを入手し、そこから取り出したクリスタルにこの「ブリーディング」を施して新たなライトセーバーを作成する事が通過儀礼として扱われているという。
アソーカ・タノが銀河帝国時代に作成したライトセーバーは、白色の光刃をしている。これは彼女が倒した尋問官が使用していたライトセーバーから「ブリーディング」が施されているクリスタルを取りだし、「浄化」した物が再利用されているため。
ただし正史・非正史を問わず、既に完成したライトセーバーを単に起動するのみの場合には使用者のフォースがクリスタルに影響する事はない。映画や正史のアニメでも他の人物が作成・使用しているライトセーバーを借りて(あるいは奪って)起動したり、アナキン・スカイウォーカーのようにダークサイドに転向したジェダイがそれ以前に作成したライトセーバーを引き続き使用したりといった場面が存在しているが、光刃の色は変化していないのはこのため。
なお、「カイバー・クリスタル」という用語自体は非正史のスピンオフ作品にも登場しているが、そちらでは「惑星ミンバンでのみ発見されている、フォースを増幅させる力を持つ特殊なクリスタル」とされており、その定義は正史とは全く異なっている。
安全装置
全てがカスタムメイドであるため、千差万別の特徴を持つ。
手から離れた時点でスイッチが切れるものもあれば、放り投げても光刃が発生し続けるものもある。しかし前者の場合でも、熟練のジェダイなら手から離れてもフォースによってスイッチの操作が可能である。
また、フォースを使わなければ起動できないよう、起動スイッチを内部に設けた構造になっているものもあるらしい。
より簡素な安全装置であるハンドガードについても、アナキンやダース・ベイダーなどが製作したライトセーバーのように使用者の手が光刃に触れないよう円筒状の覆いが設けられているもの、ドゥークー伯爵が製作したブレード状の部品が設けられているようなもの、逆に光刃放射プレートがむき出しになっているものなど千差万別。
デザイン
すべてハンドメイドかつ基本的にはありあわせの材料で作るということもあり、同一人物が同時に複数作成する場合でもない限り、全く同じデザインのものは存在しない。
また、ジェダイのライトセーバーはマスターへの敬意の表れとして、マスターのライトセーバーのデザインをモデルにして作られるのが慣例である。パダワン時代のオビ=ワン・ケノービのライトセーバーはクワイ=ガン・ジンのそれに、ルークが作ったものは壮年から晩年のオビ=ワンのそれに酷似しているのはこのため。
ただし、アナキンのライトセーバーはオビ=ワンのものとはデザインに共通点が全く見られない。これは彼の黒を基調とした服装と同じく、反骨精神を表したもの。
また、ダース・シディアスのライトセーバーは豪奢であると同時に本性を隠すため、袖の中に隠しやすいよう小ぶりにできている。
威力
一部特殊な例外を除く、ほぼ全ての物体を両断・貫通することが可能。
しかしブラスターのエネルギーボルトやエネルギーシールド、ライトセーバーの光刃などといった同じエネルギー放射によるものは斬ることが出来ずに弾かれる。
ジェダイらはこの特性を利用し、フォースによる予知も合わせてブラスターのエネルギー弾に対する防御策としても使っている。そのため彼らはブラスター弾を弾いて逸らしたり、直接射手に叩き返したりといった離れ業ができるのである。
また「焼き切る」性質上、対生物戦では腕や脚を斬り落としても致命傷に至らない事が多く、状況次第では敵に反撃の機会を与えるというリスクにも繋がり得る。ただしジェダイは相手の命を奪う事無く無力化させるために、敢えて相手の腕や武器を斬りおとすのみに留める場合も多い。
使用方法
使用方法は簡単。スイッチを入れて振り回す。ただそれだけ。
ジェダイやシスでなくとも使うことはできるが、重さが柄の部分にしかないことやエネルギーの刃が独特なバランスを生み出すことで、何の訓練も受けていない者が使用するのは極めて危険。
単純にほぼ全ての物質を切断できるとは言え、その効果範囲は手の届く範囲+光刃の長さのおよそ半径3メートルほどに限られるうえ、訓練を受けていなければ自分の肉体を切断してしまう危険性が高い。
武器として使いこなすには、身体的な技量に加えて高いフォースの素養も求められるため、スターウォーズの作品世界では、フォースの加護を受けずにライトセーバーを使うことは非常に不遜な行いとされている。
ただし、単純に起動して何かを切断するだけなら誰でも可能であり、劇中ではエピソード5でトーントーンの腹を裂くために、ハン・ソロがルークのライトセーバーを起動している。
なかでもグリーヴァス将軍は、元々の高い戦闘センスとサイボーグ化に伴う機械による脳へのアシストを生かし、4本ものライトセーバーを同時に振り回す戦法を得意とした。
白兵戦の訓練を積んだ者ならばフォースの使い手ほどではないにしろある程度使いこなせる描写も存在し、アニメ「クローン・ウォーズ」では、高度な格闘技術を持つ傭兵部族マンダロリアンの伝統を受け継ぐ分派の一つであるデス・ウォッチのリーダー、ヴィズラ総督も使用している(ヴィズラ家の祖先にター・ヴィズラというジェダイが存在していた他、後の代の祖先がジェダイ聖堂から盗み出したため)。ファーストオーダーのストームトルーパーとして訓練を受けたフィンも、相手が負傷していた事に加え精神的にも動揺していた状況とはいえ、カイロ・レンを相手にある程度斬り結ぶ活躍を見せている。
また、ジェダイから盗み出されたライトセーバーが裏社会において高値で取引されていることが、劇中で語られている。
なお、エピソード1制作時の設定として、「完全に水没するとバッテリーが放電されてしまい再充電が必要になる」というものがあり、実際に若き日のオビ=ワン・ケノービがライトセーバーを沼に落としてしまったためバトルドロイドとの戦いで起動できなくなりクワイ=ガン・ジンに叱咤されるという没シーンも作成されていた。
しかしその後、「防水対策を施す事で耐水性を持たせる事が充分に可能である」という設定が追加され、正史の映像作品においてはエピソード2において豪雨の中で、クローンウォーズでは水中でライトセーバーを起動する場面が描かれている。
型
レジェンズ(非正史)の設定としてライトセーバーでの戦い方に7つの型(フォーム)がある。それぞれ得手不得手があり、一つの型を極める者、複数を修めて状況に応じて使い分ける者と様々。
フォーム1:シャイ=チョー
別名サルラック戦法または決意の型
ジェダイの武器が、フォースをしみこませた金属の剣からライトセーバーへ移り変わる過渡期に誕生したフォーム。そのため、金属の剣の使い方と共通する部分が多い。
攻撃、防御、受け流し、動作の訓練法など全ての基礎が集約されており、全てのジェダイが最初に学ぶ。基礎を徹底的に突き詰めた性質ゆえに、極めれば殆ど無駄も不足もないフォームともいわれ、キット・フィストーなどの熟練のジェダイにも使用者は多い。
フォーム2:マカシ
別名イサラミリ戦法または競争の型
対ライトセーバー戦に特化した型。
ライトセーバー同士の白兵戦に特化したフォーム。極めて精密で峻烈な剣捌きに加え、軽快なフットワークやフェイントといった緩急自在の動きが特徴。始動時は片手で持ったライトセーバーを顔の前に掲げ、もう片方の手を体の後ろに回す構えを取る。
他のどのフォームを相手にしても有利に戦えるが、峻烈な剣捌きをこなすために片手持ちで戦う性質から、後述するシエンやジュヨーなどのパワフルなフォームに対しては押し負けることもある。
また、古いフォームなので対ブラスター戦が想定されておらず、こちらもあまり得意ではない。
シスが滅んだと信じていた旧共和国のジェダイたちはこの型をほとんど重要視しておらず、師匠と弟子の稽古くらいにしか使われなかった。反対にシスはジェダイとの戦いに備えて全員がこのフォームを必ず修得し、昇華させている。
中でもドゥークー伯爵はジェダイであったころからこの型に熟練しており、達人といわれる。
フォーム3:ソレス(ソーレス)
別名マイノック戦法または立ち直りの型
防御とそこからの反撃を重視した型。ライトセーバーを持つ手を大きく後ろに引き、反対の手の人差し指と中指を伸ばして前へまっすぐ伸ばす(もしくはチョキ)という、弓を引き絞ったような構えをとる。
銀河系の標準武装がブラスターに移行した時代に開発された為、ブラスターを使う相手との戦いや集団との戦いに真価を発揮し、足場が広く安定した場所を得意とする。ソレスを極めた者を傷つけることは理論上不可能とされており、「最大限の防御で身を守り、最小限の反撃で倒す」というジェダイの理念を体現したフォームとされている。
一方で、対ライトセーバー戦に特化してフェイントを駆使するマカシとは相性が悪く、ソレスを極めた者=『ザ・マスター』と呼ばれるオビ=ワンですら、ドゥークー伯爵には圧倒された。
また、オビ=ワンのソレスは長年一緒に戦ってきたアナキンの使うシエンの影響を受け、やや攻撃寄り。ダース・ティラナスの教えを受け、変幻自在にライトセーバーを使いこなすグリーヴァスに打ち勝つことができたのはこのためといえる。
フォーム4:アタロ(アタール)
別名ホーク=バット戦法または侵略の型
フォースを使って極限まで身体能力を高めて素早い跳躍によって相手を翻弄する、非常にアクロバティックな型。両手でライトセーバーを握り、右肩付近で垂直に立てる八相の構えを取る。
変則性や奇襲・強襲性に特化し、目まぐるしい動きで翻弄しながら息もつかせぬ怒涛の攻撃を繰り出す。それにより、牽制や威嚇の効果も高い。
反面、四方八方に相手の周囲を飛び回るため、広い空間でなければ真価を発揮し辛く、敵に背中を見せる機会が多い分隙も大きい。加えてフォースの加護があるとはいえ体力の消耗も激しいため、使用には相応の危険が伴う。特に牽制や威嚇が通じない達人が相手の場合、非常に危険である。
主な使用者にヨーダがいる。彼は全てのフォームを極めているものの体が小さく、それをカバーするために攻防一体にまで昇華させたこの型をメインに使っている。他に、クワイ=ガンやダース・シディアスもこの型であるとされる。
フォーム5:シエン
別名クレイト・ドラゴン戦法または忍耐の型
ソレス、アタロから派生した、力による攻撃威力に特化した型。主な使い手はアナキンとその弟子アソーカ。力によって銀河の平和を維持しようと考えたジェダイたちによって編み出された。
防御を崩すほどに力強い振りや、ブラスター弾を積極的に相手へ打ち返すなど、攻撃性の高さが特徴とされ、それゆえ戦闘では切り込み役が向いている。ライトセーバーを両手で握り、斜めに構えた構えが一般的だが、ジェダイ・マスターのアディ・ガリアやアソーカの様に、片手で逆手に構える構えもある。
その力強さゆえに、時として剣術の最高峰ともいえるマカシに対しても有利となる。このためか、エピソード3序盤でアナキンがマカシの達人であるドゥークー伯爵を圧倒している。いっぽうで防御に秀でるソレスとは互いの長所を潰しあう形となり、アナキンとオビ=ワンの戦いが長引いた一因ともいわれる。
また、アナキンのシエンは長年一緒に戦ってきたオビ=ワンが使うソレスの影響を受けており、防御にも力を割くようになっているとのこと。
弱点としてはどっしり構えて攻撃に集中するためにフットワークが利きにくく、機動力に乏しくなることである。また、足場が不安定な場所では踏ん張りがきかず、力を発揮しづらい。
ルークは正規の訓練を受けていないが、自然とこの型に近い戦い方をしていたと思われる。
また、その攻撃的な性質ゆえに、ジュヨーに次いで使用者をダークサイドに誘いやすい。
ドジェム=ソ
シエンを更に攻撃に特化させた型。主な使用者はアナキン。
関節の可動も駆使して腕やライトセーバーを鞭のようにしならせ、より苛烈な攻撃を繰り出すことができる。光刃が腕の振りより遅れてくる性質から、予測を外す効果もある。反面、シエン譲りの機動力の低さに一層拍車がかかってしまっている。
ムスタファーの戦いで生身の四肢を全て失ったアナキンもといダース・ベイダーが、この型を使用できなくなったことから、手足をサイボーグ化すると使用できない様である。その為、サイボーグ化後のベイダーは、シエンを使っている。
フォーム6:ニマーン
別名ランコア戦法または中庸の型
フォーム1~5を組み合わせ、バランスよく発展させた型。
戦乱のない平時においては、ジェダイは紛争の調停という役目も担っており、外交官としての能力も要求されるようになっていた。ニマーンは「ひと通り習得する」段階までなら修行による負担が他の型に比べて軽く、他の外交技術などを学びながら訓練しやすいため、外交官の型とも呼ばれる。
ただし、多くを取り込み過ぎたためか、この「ひと通り習得する」段階を越えて「完全に極め使いこなす」という境地にまで至るには呑み込みの早い者でも最低10年はかかると言われる上、器用貧乏な面が目立つ。このためジオノーシスの戦いにおいては、この型を使っていたジェダイのほとんど全員が戦死してしまい、実戦における力不足が露呈した。
ただし逆に言えば、本来は前述した5つの型の長所を組み合わせた良い所取りの強力で理想的な型であり、極めればあらゆる状況に臨機応変に対応できる、究極ともいえる力を発揮する。また、他の型の長所を取り込んでいることから、他の型との連携やサポートも得意。旧共和国末期においては外交技術の片手間にこの型を修練していた生かじりのジェダイを生み出す結果となったものの、古代においてはシスの暗黒卿エグザ・キューン、クローン大戦においてもジェダイ・マスターのシャアク・ティやセイシー・ティンのようにこのフォームを使いこなし大きな武勲を挙げた熟練者もいるため、長所を十全に発揮したこの型が如何に優れたものとなるかは想像に難くない。
ジャーカイ(ジャルカイ)
ニマーンにおける、複数のライトセーバーやダブル=ブレード・ライトセーバーを操る技術。
二刀流の際には二本のライトセーバーを攻撃・防御に使い分けたり、二刀でもって激しい連続攻撃を加えたりする。
これを得意とする者には普段から二本のライトセーバーを携帯する者もおり、アサージ・ヴェントレスやアナキンの弟子としてある程度修行を積んだ後のアソーカ・タノがその代表例である。
フォーム7:ジュヨー
別名ヴォーンスカ戦法または残忍の型
全てのフォームを極めた達人のみが制御し得るとされる、究極の型。ライトセーバーを片手に持ち、両腕を大きく広げるという一見隙だらけの構えを取る。
興奮や憤怒といった、ジェダイにとっては本来忌避すべき感情を織り交ぜることで、静と動の相反する特性を兼ね備えた挙動を実現する。結果として身のこなし、太刀筋ともに極めて予測が困難な動きとなる。
感情の昂りを利用する性質上、この型を使うことは必然的にフォースの暗黒面に近づくことになるため、修練を許されるのは高位のジェダイマスターのみ。しかし彼らをもってしても暗黒面は徐々に心を蝕んでいき、使用者の多くは焦りや不安といった負の感情を無意識に増幅させがちで、感情的になりやすくなってしまう。
ダース・モールはこの型の達人。他に使い手としてメイス・ウィンドゥなどが存在する。ちなみにアナキンは感情が昂ったときに自然とこのフォームに近いものを使っており、同様に激情に駆られたジェダイがこのフォームに近い動きを見せた例は多く見られるとされる。その性質故に、シスが使用するとデメリットが無いと言える。
ヴァーパッド
先述のジュヨーの使い手であるメイス・ウィンドゥが、自身の弱点を補うためにソーラ・バルクと共に編み出したジュヨーの発展型。厳密には独立したフォームでは無く、あくまでジュヨーの一部とされることもある。下段または脇構えに構えて腰を落とす、ジュヨー以上に一見隙だらけの構えを取る。
ヴァーパッドという名称は、惑星サラピンの月に生息する獰猛な生物の名に由来している。
獰猛な獣の動きを参考にし、防御を顧みない突撃や高速の連続攻撃を繰り出す。死への恐怖すら高揚感として取り込むために、ジュヨー以上に極限まで暗黒面に近づかなければならず(光明面と暗黒面の中間、いわゆるフォースのグレーゾーンに身を置くとの表記も)、修得および制御には高度な戦闘技術以上に強靭な精神力や信念を必要とする。
その動きはシエンより一層アグレッシブでいてアタロのような精巧な見た目はなく、細切れになった不連続な動きに見える。また、その激烈な動作ゆえに消費するエネルギーはどのフォームより大きく、少人数における短期決戦を想定した型といえる。
これを修得したジェダイは考案者のメイス、完成を手伝ったソーラ、そしてウィンドゥの元弟子デパ・ビラバのみ。しかし、そのうちソーラとデパは後に暗黒面に堕ちてしまっており、生涯ジェダイとしてヴァーパッドを使用し続けたのはメイスのみである。
正史における型
正史(カノン)ではデパ・ビラバが暗黒面に堕ちずにオーダー66で殺害された事や、「第三の型」を得意とし、この型に拘っていた事が言及されている他、非正史同様に七つの型の存在が記述された資料も発表されている。
ただし、こうした型が上述する非正史(レジェンズ)の設定と同一かは現状不明。
思想
ジェダイはライトセーバーを自身らの象徴であると共にブラスター等とは違う「洗練された武器」として一種の神聖視をしている面があり(剣道家や居合道家等にも同じ事が言える)、粗末に扱ったり紛失したりする事は勿論厳禁である他、自分の専用ライトセーバーの制作が訓練の通過儀礼の一つとされている。
そのため、どれも切れ味の面では他のあらゆる武器を圧倒しているように見えても、一定以上の使い手の目にはその出来の粗悪が如実に見えてわかり、持ち主の技量そのものを計るものさしにもなっている。
一般的にライトセーバーには出来損ないは一つもないといわれている。しかしオビ=ワンが若い頃に製作したものは前述した通り防水性が不十分だったため、ナブーの沼地に着水した際に完全に放電されてしまって起動できず、クワイ=ガンと合流した時はSTAPに搭乗したバトルドロイドを破壊できずに追い回されていた。
また、友情の証として他のジェダイと交換することもある。
ナー・シャッダ出身のイリドニアン・ザブラクのジェダイ・マスター、イース・コスとメイス・ウィンドゥは若いころにライトセーバーを交換しており、数年の後(ナブー封鎖の後)、メイスがマラステアの任務に赴く際にそれを返却しあった。
エピソード1でメイスが持っている地味なデザインのライトセーバーは、彼のものである。
なお、イースはメイスのライトセーバーを使用していたわけではないようで、エピソード1でも師コスル・アヤダのライトセーバーを原型にしたものを使用していた。
シスの暗黒卿であるダース・シディアスはそうしたジェダイの思想とは対照的に、ライトセーバーを単純な道具として扱い、それどころか「ジェダイの武器」と蔑んで極力使用を避けた。手練れのジェダイ・マスター数名を瞬殺し、ヨーダと互角以上に切り結ぶほどの剣技の持ち主であるにもかかわらず、である。これは彼が類稀なる強大なフォースの使い手で、強力な念動力や必殺の電撃を操る自身の力に絶対の自信を持っているがゆえである。
歴史
ジェダイはもともとフォースという未知の力場を研究する学者集団だったが、フォースを利用するようになってから平和の守護者へと徐々に変化していった。
そうした中で、彼らの武器も金属製の剣からエネルギーの刃を放射するライトセーバーへと変化していったのである。
初期のライトセーバーは光刃を放射する柄の部分からコードが延び、背負った大きなバッテリーからエネルギーを供給するという大型のものだった。
また、それを用いる技術も金属製の剣を用いる剣術とほぼ共通のフォーム1から、旧共和国末期にはフォーム7まで生み出された。ジェダイは全ての基礎となるフォーム1を学んだ後、それぞれが望むフォームを修得し、極めていくことになる(オビ=ワンのソレス、メイスのジュヨー及びヴァーパッド、ヨーダのアタロ、ドゥークーのマカシ、アナキンのシエン及びド・ジェム・ソなど)。
ただし、それらを作り上げた旧ジェダイ・オーダーが崩壊した後にルークによって創設された新ジェダイ・オーダーにも、こういったフォームがきちんと継承されているのかは不明である。なぜなら帝国の徹底したジェダイ弾圧により、ジェダイに関するあらゆる記録が破壊されてしまったためで、旧ジェダイ・オーダーに関する記録はごく僅かに残されたホロクロンや旧ジェダイ・オーダーの生き残りしかいないのである。
特異なライトセーバー
ダブル=ブレード・ライトセーバー
32BBYにジェダイの前に現れ、クワイ=ガン・ジンを殺害したシス卿ダース・モールは柄の両端から光刃を放射するライトセーバーを使用していた。
パッと見はライトセーバーの柄2つを繋げて一つにしたような形状。光刃は片方だけ使用する事も可能で、仮に片方が破損しても残ったもう片方で使用を続けられる。
ジェダイは主に練習用として稀に使う程度だが、クローン大戦でジェダイ騎士団と共和国を裏切った、4本の腕を持つベサリスクという種族のジェダイ・マスター・ポング・クレルはその巨躯によるパワーと手数を活かし、2本のダブル=ブレード・ライトセーバーを同時に使用する戦法を得意としていた。
また、ジェダイ・テンプル・ガードは構造のよく似たライトセーバー・パイクを標準装備している。
レイがデス・スターの残骸の中で出会った自身の暗黒面の幻影はグリップ部分が二つ折りにできるタイプのダブル=ブレード・ライトセーバーを使っており、戦闘中に巧みにギミックを作動させる事で相手のライトセーバーを挟んで絡めとる事ができた。
非正史の設定では、ダブル=ブレード・ライトセーバーが初めて製作・使用されたのは旧シス戦争の時代まで遡る。エグザ・キューンというシスの暗黒卿が製作したのが最初であり、彼はシス・ホロクロンを用いて通常のライトセーバーの柄を改造し、ダブル=ブレードにしたとされる(時代が経つにつれて柄が現在の形状まで長くなった)。
銀河帝国時代にシスの直接の命令に従い、オーダー66を生き延びたジェダイの捜索と抹殺を任務とする「尋問官」の役職に就いていたダーク・ジェダイ達は円形の柄を持ち、2本の光刃を回転させる事で投擲した際の殺傷力を上げたり飛行したりできるダブル=ブレード・ライトセーバーを使用していた。
アサージ・ヴェントレスやカル・ケスティスのものの様に、スプリット・セーバーと呼ばれる、二つのライトセーバーの柄頭を結合させる事でダブル=ブレードにする事が可能なものも存在し、二刀流とダブル=ブレードの切り替えによる変幻自在な戦法が可能となる。
ファントムメナスでダース・モールの物として初登場したこのタイプのライトセーバーは、最初に製作されたプロップではグリップの長さが通常のライトセーバーと大差ないものだったが、ダース・モール役のレイ・パークがより取り回しがしやすいように長くしてほしいと要望したため、最終的に通常のライトセーバーの2倍程度の長さのものになった。
両刃の光の剣という事で時空戦士スピルバンのツインブレードを思わせるが、SWが元ネタではなく、実はあちらが先らしい。
カーブド=ヒルト・ライトセーバー
ダース・ティラナスとしても知られるドゥークー伯爵や、彼に師事していたダーク・ジェダイのアサージ・ヴェントレスらが用いたライトセーバーは柄が湾曲している。
これは対ライトセーバー戦に特化した伝統的なライトセーバーの作りで、湾曲した柄によって片手持ち時の取り回しの良さを高める意味をもつ。重心も通常のライトセーバーとは若干異なり、軽く握りや力加減を変えるだけで振り幅が変わるため、相対した相手に光刃の長さを誤認させたり斬撃のキレを増したりといった利点がある。また、スイッチを押すことで瞬時に光刃を短縮できる機能が備わっており、フェイントなどで効果を発揮した。
反面、手首の角度で振り幅が大きく変わる特性上攻撃の防御には向いていない形状であり、この形状のライトセーバーの使い手の多くはブラスターによる被弾が多かったとされる。
アサージはこのタイプのライトセーバーによる二刀流の使い手であり、彼女のライトセーバーは二つの柄を繋げることで上記のダブル=ブレード・ライトセーバーとしても使用できるようになっていた。
レジェンズのスピンオフ作品の設定ではこのライトセーバーはアサージ自身が作成した物ではなく、ドゥークーの元弟子であるコマリ・ヴォサが使用していた物を彼女が殺害された後にドゥークー伯爵が回収し、後にアサージに贈ったとされている。
現実でもサーベル等で柄が湾曲したものは存在し、またドゥークー伯爵が用いる剣術「マカシ」もそういったサーベルやレイピア等を用いた西洋剣術に類似したものとなっている。
クロスガード・ライトセーバー
別名フォークド・ライトセーバー。通常の光刃の他に左右に短い光刃を2本、鍔のように投射する。劇中では主にカイロ・レンが使用。
カイロ・レンのライトセーバーに組み込まれているクリスタルにはひびが入って不安定化しており、そのせいで生じた余剰エネルギーを左右から放出する構造となっている。なお、この構造自体はカイロ・レンが考案したものではなく、彼が古代のシスのライトセーバーの設計図を基に組み立てたとされており、アニメ「反乱者たち」でも惑星マラコアに存在する古代シスの寺院において、このタイプのライトセーバーが確認されている(ただしこのライトセーバーは光刃の色が緑であり、シスではなくジェダイが作成した物である事が示されている)。
もちろん左右の光刃にも殺傷力はあり、鍔迫り合いの時に相手に押し付けてダメージを与える事が可能。
セーバー・ケイン
ジェダイ・マスターのテラ・シヌーベ、老年期のダース・モールが使用する仕込み杖の様なライトセーバー。現実の仕込み杖の様に杖としても使用可能で、セーバーとして使用する際は杖の部分を取り外してから光刃を起動する。シヌーベのものは外見が完全に杖で、光刃を起動するまでライトセーバーとわかり難いが、モールのものはダブル=ブレード・ライトセーバーの片方の放出孔に木の棒を無造作にねじ込んだ程度のものでしかない。
使用者はいずれも老年期の人物で、自らを無害な老人に偽装する為にこのタイプのセーバーを使っている。
ライトセーバー・ショート
単にショートとも。柄と光刃が標準よりも短いライトセーバー。主な使用者はヨーダとアソーカ・タノ。主に前述のジャーカイの使い手がサブのセーバーとして使用する。ヨーダは自身の体格に合うセーバーとして使っている。
その他
他にも少数存在する特殊な形状のライトセーバーとして、
・光刃が黒く、日本刀のような形状をした旧式のダークセーバーと呼ばれるタイプ。
・ケイナン・ジャラスが使用する、不使用時には2分割可能なタイプ。
・エズラ・ブリッジャーが作成した、ブラスターとしても使えるタイプ。
・ガード・ショート或いはライトセーバー・トンファーと呼ばれるトンファー型のタイプ。
製作裏話
今でこそ超大作のSWだが、第1作目当時は低予算および過密な撮影スケジュールであり、小道具はほぼ有り合わせの機材で作られた。
ライトセーバーもその例に漏れず、ルークやベイダーのセーバーはカメラのフラッシュガンを用いて製作された(オビ・ワンのものは水道のパーツなどを組み合わせて製作)。撮影スタジオの近所に昔イギリス軍が使用していた廃墟倉庫があり、そこにあった使い古しのカメラやストロボを再利用したものである。
備考
pixiv内ではこれが転じて、エネルギー光刃の剣で武装しているキャラが描かれているイラストにこのタグが付けられている場合が多い。