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禁断の魔筆の編集履歴

2020-09-17 09:52:38 バージョン

禁断の魔筆

べいんおぶこずみっくふぉーじ

"Bane of the Cosmic Forge"の邦題である。

概要

Wizardryシナリオ#6。

原題は"Bane of the Cosmic Forge"。

発表時のタイトルには『第六作』であることを明らかにするナンバリングが為されておらず、後述の理由からも『#6』ではなく『BCF』と呼称される事が多い。


前作#5#3までのゲームシステムを大きく変化させていたが、BCFではそれ以上に抜本的な改革がなされており、ユーザーの反応は賛否両論に大きく分かれた。


良くも悪くも、従来のWizardryとは別物であり、新作のゲームとしても一定の評価は得ている。


ノベライズは、伏見健二による『サイレンの哀歌が聞こえる』(1992年JICC出版局)と竹内誠による『呪われし聖筆』(1995年ログアウト冒険文庫)の二作がある。

プラットフォーム

IBM PC / Amiga (1990年)

PC-9801 / FM-TOWNS (1991年)

スーパーファミコン (1995年)

セガサターン(『Ⅵ&Ⅶ』収録) (1996年)

windows(『Ⅵ&Ⅶ』収録) (2013年)


システム

#1#2・#3・#5までの共通要素に対し大幅なテコ入れが為されている。

追加要素

従来の「五種族」「八職業」「二系統の呪文」が、「十一種族」「十四職業」「四系統の呪文」に増加。さらに性別も設定され、装備転職等に影響する。

  • 追加種族

フェアリー / リザードマン / ドラコン / フェルパー / ラウルフ / ムーク

  • 追加職業

レンジャー / アルケミスト / バード / サイオニック / バルキリー / モンク


さらに武器関連十種・運動関連六種・学術関連八種の「スキル」が新たに設けられ、当該の行動をとるか、レベルアップ時にボーナスを注ぎ込むことで上昇させられる。


呪文は従来の回数制からMP消費制に変化。呪文名も刷新され、"ENERGY BLAST"や"HEAL WOUNDS"といった英語に統一されている。

全七十九種の各呪文には、(どの職業で習得できるかに関わる)四つの「系統」とは別に、六つの「領域」()が設定されており、MPは各領域ごとに消費する。

詠唱時は六段階の「PL(パワーレベル)」で出力調整が可能。


HP・MPとは別に「スタミナ」という数値が設定されており、攻撃、呪文詠唱、限界重量を超えた荷物運搬によって減少し、休息によって回復。0になると睡眠状態に陥る。


全てのアイテムに重量が設定されており、武器はそれぞれの対応スキルと、「持ち手」(利き腕両手補助)「射程」(短距離長距離射撃)が設定されている。またや投擲武器は、使用する度に残弾数が減っていく。


防具上半身下半身アクセサリーの各部位に装備可能。

削除要素

最も大きいのは「冒険拠点となる地上の」がない事。


HP・MP・スタミナの回復や状態異常治癒は、キャンプコマンドの「休息」か、呪文・アイテムなどを使用する。

アイテムの売買は冒険中に出会うNPCが頼り。

レベルアップは経験値が規定値に達した時点で自動的に発生する。転職も随時行える。年齢は設定されているが、転職しても従来のように加齢はしない。

一つの職業でレベルを上げていくより、低レベルで転職を繰り返したほうがキャラクターを成長させられるようになっている。


パーティー人員の入れ替えは行えず、冒険開始時のメンバーだけで最後まで切り抜けることに。全滅しても救助隊は出せないので、自動的にゲームオーバー(最後にセーブした時点からやり直し)になる。

また「灰化」と「消失」も廃止となり、「死亡」状態になったメンバーを確実に蘇生できるようになった(ただし序盤でその手段を確保するのは困難)。


上に挙げた変更点の多くはwizardryとしては大きな様変わりではあるが、RPGという分野においてはむしろ一般的主流スタイルに近づいたと取れる要素も少なからず見られる。

このため、いわゆる「和製wiz」には、#5以前を基礎として部分的にBCFの要素を採用した、折衷的なスタイルが多くなっている。


ストーリー

舞台はアラム地方。

書いた事が現実になるという、『コズミック・フォージ(Cosmic Forge)』と呼ばれる魔法ペンをめぐる物語。


百と二十年前にこの地を支配した邪悪と、彼に劣らず邪悪な魔法使い

魔法のペンを使うために彼らが用いた方法とは、そして彼らはそのペンで何を書いたのか。

荒れ果てたアラムの古城に全ての謎が隠されている。そして宇宙運命に導かれるかのごとく、城に踏み込む冒険者たち…


これがBCFの始まりである。

冒険

舞台はアラム城からスタートし、ジャイアントマウンテンドワーフ採掘場、アマズール族のピラミッド死者亡者沼地、死者の殿堂、魔法の雄羊寺院と続く。

なお、#7こと『CDS』は本作の直接的な続編であり、見ようによっては悪い冗談のようなエンディングもその伏線になっている。

NPC

城内

  • キャプテン・マティー(CAPTAIN MATEY)
  • クィークェグ(QUEEQUEG)
  • ル・モンテス(L'MONTES)

Gマウンテン&採掘場

  • スミッティー(SMITTY)
  • トール・トロール(TOLL TROLL)
  • ミスタファファス(MYSTAPHAPHAS)
  • * ゾーフィタス(ぜん) *(* XORPHITUS(G) *)
  • ロック・ガーディアン(GUARDIANofROCK)

ピラミッド

  • アマズール・クイーン(AMAZULU QUEEN)
  • クワリ・クボナ(KUWALI KUBONA)
  • マウ・ムー・ムー(MAU-MU-MU)

死者の川

沼地&魔法の森

???

  • じょおうのゆうれい(QUEEN'S GHOST)
  • ??ベイン・キング??(?? BANE KING ??)
  • レ ベ ッ カ(R E B E C C A)
  • * ベ ラ *(* B E L A *)

グラフィック

本作では、モンスターおよびNPCに数コマのグラフィックが用意されており、戦闘・交渉中にアニメーションで動くという演出が採用されている。


SFC版は(静止画像での画質はⅤより劣るものの)、全NPCに専用のグラフィックが描き起こされ、雑魚モンスターも一種ごとに色違いになり、画面上で動きまくる。

SFCの画質とはいえ、末弥純原画のアニメーションというのは地味にレア


一方でSS版は『Ⅵ&Ⅶ』が一枚のディスクに収録されている関係で、PC版CDSに準じたグラフィックが新規に作成されている。画面全体の画質はSFC版より優れているが、モンスターに関してはSFC版BCFと較べてもPS版CDSと較べても見劣りするのは否定できない。


また冒険者の顔グラフィックが表示されるのも本作から。一部の版ではドット絵を自分で作れるエディタもついているが、この機能がない場合はあらかじめ用意されているものから選ぶことになる。


主人公に相当する冒険者人格過去の物語に関して何も用意されていないのは#5以前と同様であり、一切はプレイヤーの想像力に依存する。

このイメージに合致する顔グラの選択肢が「無い」可能性というのは(往々にしてそうなるのだが)地味に致命的


バグ・不具合

多数の新要素を盛り込んだ一方、バランス調整には難がある。特定の種族や職業が冷遇されていたり、一部のスキルがほとんど役に立たなかったりする。

また各移植版ごとに、ゲームの進行が不可能になる極めて重大なバグ・不具合が存在する。

PC版

レベルアップ時に取得できるスキルボーナスを使い切らないとレベルアップの処理が終わらない。つまり「成長させられる全スキルがカンストしているキャラクター」がレベルアップしてしまうと、その時点で詰んでしまう。やりこみ派愛好家ほど陥りやすい罠。

SFC版

PC版での不具合や調整ミスの多くが修正されており、全体的に完成度が高い。さすがはアスキー

ただし、特定の操作を行うと「ゲームを開始することもセーブデータを消去することも出来ない状態」になってしまう(カセット内のバックアップバッテリーを外さなければ解除できない)という、SFC版特有のバグが存在する。

ちなみに『禁断の魔筆』という邦題はSFC版でしか使用されていない。

SS版

難易度設定が存在し、「やさしい」だと戦闘で常時プレイヤー側が先攻、「ふつう」「むずかしい」だと常時敵側が先攻となる。さらに「スロー」の呪文を使用されると、戦闘終了まで一切の行動が出来なくなる。この二つの組み合わせで詰んでしまうプレイヤーは多かった。他にも数多くのバグ・不具合が確認されており、上記のグラフィックも併せてSS版の市場での評価はごく厳しいものとなっている。さすがはデータイースト


関連タグ

wizardry / ウィザードリィ

表記ゆれ BCF

RPG / レトロゲーム



ダンジョンマスター

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