データ
別名: | 騒音怪獣 |
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身長: | 60m |
体重: | 4万t |
出身地: | 宇宙 |
デザイン: | 山口修 |
初登場:『ウルトラマン80』第7話「東京サイレント作戦」
概要
第7話「東京サイレント作戦」に登場。
音を主食とする(※1)宇宙怪獣で、大きな耳で音を探知する。飛行スピードはマッハ5。
好みは新幹線やジェット機、エレキサウンドといった音で、シルバーガルやスカイハイヤーといった騒音対策のしてある音は嫌い。近くにノイズラーがいると、食べられた音が聞こえなくなる。一番の好みはギター音で、矢的猛の学校のバンドのギター演奏に合わせて踊るなどコミカルな描写もある。
武器は目から発射する光線と、カッター状になっている翼。「怪獣空手」なる謎の武術を習得している裏設定がある。
弱点は何とウルトラマンのカラータイマーの音で、これを聞くと大人しくなってしまう。
中央アルプスで超音速旅客機を撃墜した後日本へと飛来、UGMの東京サイレント作戦で眠りについていたが、猛の学校の生徒がギター演奏を始めてしまったため起きてしまい、その演奏を気に入って生徒たちを追いかけまわしたが、ウルトラマン80と交戦。
サイレント作戦の怒りをぶつけるかのように80と戦い、80とボクシング、相撲、空手と様々な格闘技で勝負したが、最終的にはカラータイマーの音を聞いて戦意を完全に喪失、そのまま80に誘導されて宇宙に連れ帰された(※2)。
結果的には旅客機を撃墜したり、市街地に出現して都市機能に大きな悪影響を及ぼすなど人類側に多大な被害を齎しはしたが、ノイズラー自身はあくまで食事を目的に地球へとやってきただけで、破壊や侵略などの明確な悪意を持って行動していたわけではない。実際、新幹線の前に現れた際は興味深そうに持つ事はあったもののそのまま破壊した描写はなく、超音速旅客機の撃墜も恐らく意図せずに起こしてしまった事故だったと思われる。
80が彼を退治せずに宇宙に送り返すだけという寛大な処分に止めたのも、そうした事情を汲んでのことだったのだと思われる。
※1 厳密には植物が太陽光を利用して栄養を作り出すのと同じように、音波を吸収して自身の代謝に利用することで、生存に必要な養分かエネルギーを作り出していると考えられる(『ウルトラビッグファイト』における考察)。もっとも、宇宙空間では音は発生しないため、ノイズラーの吸収している音は人間の考えるものとは別か、あるいは普段は音が伝達する大気のある星で生きているのかも知れない。
※2 この時、明らかに80と会話しているかのような仕草を見せていたことから、他の知的生命体ともある程度は意思の疎通ができる可能性が高い。仮にそうだとした場合、怪獣の中では比較的高い知性を持っていることが考えられる。
ただし、ノイズラー自体は種族単位で特別温厚な怪獣というわけではない。
『80』のときはたまたまカラータイマーの音を聞いて鎮静化し、そのまま80の誘導に従って大人しく宇宙に帰還したからこそ結果倒されずに済んだのであって、状況によっては暴れ続けた故にやむなく80に倒されるという結末を迎える可能性も十二分にあった。レッドキングなどの元来好戦的な怪獣に比べれば確かに大人しいのかもしれないが、あくまでコミカルな描写が多かっただけで、生理行動によって市街地に出現するというムーブ自体は他の怪獣とさほど変わらない。また、東京サイレント作戦によってある程度の被害を抑えられていたことも大きく、もしUGMがノイズラーを放置していた場合、より被害が拡大していた可能性も否定はできない。
憎めない一面があるとはいえ、人間の立場からすれば決して人畜無害な怪獣とは言い切れないのである。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
『80』第7話以来、41年ぶりに映像作品に登場した。
スーツは後述のクラウドファンディングで製作されたものを使用している。
経緯は不明だが、ザンドリアスと共に綾香市に出現。
兄2人がデビルスプリンター捜索のため不在であったことから、ウルトラウーマングリージョと交戦、戦い慣れしていないグリージョを2匹で痛めつけたが、最後は奮起した彼女の猛反撃を受けた挙句、必殺技グリージョショットを浴びせられて、2匹揃って地球から退散していった。
なお、この戦闘シーンの1部はPVでも映っていたため事前情報があり、メンツがメンツなだけに一部ファンからは「優しい世界しか見えない」といった感想も出ていた。
実際、2匹の撤退後にグリージョが「もう悪さしちゃダメですよ」と言っているところを見ても、彼女は最初からこの2匹を倒すつもりはなく、あくまで撃退させることが目的だった模様。
なお、本作では80本人に加え、(登場したエピソードが異なっていたので残念ながら共演はできなかったものの)『タイガ』でスーツの新造されたギマイラも客演している。
ウルトラマンデッカー
第14話「魔神誕生」に登場(OPでも、ミラクルタイプのデッカーと戦闘しているシーンがある)。
『80』放送後、42年ぶりのテレビシリーズ出演となった。
また、『80』怪獣が登場するのは前作『ウルトラマントリガー』のギマイラに続いて2年連続となる。
冒頭、主食である騒音を求めて都市部を襲撃。
ウルトラマンデッカーやテラフェイザーと戦い、目からの光線や高速飛行で抵抗するも、最期はウルトラデュアルソードとTRメガバスターの二段攻撃に敗れ爆発四散した。
初登場から42年、これまで追い返されただけだったノイズラーだが、初のウルトラマンに倒されて死亡した個体が登場することになった。
42年ぶりのテレビシリーズ再登場でありながら、メインとはならずあっけなく退場してしまったため、出番の少なさを嘆くファンの声も聞かれた。もっとも、この第14話ではさらに怒涛の展開が用意されていたため、ノイズラーの出番が前座程度に留められていたのも致し方なしか。
また『80』での愛嬌のあるイメージ故、倒されたことにショックを受けた視聴者もいたようだが、騒音を主食にしている以上、人間社会への実害は避けられず、さらにスフィアのバリアの影響で『80』のときのように宇宙へ送還するという手段も取れないため、明確な悪意がなくとも人間(とウルトラマン)の手によって倒されたのはやむを得なかったのだろう。
なお出番が短かったが故に、どういった経緯で地球に来ていたのか、そもそもいつごろから地球にいたのかといったことも不明のまま終わっている(倒された後に放送されたニュースで名前が出ていた事から、既に存在自体は知られていたようだ)。『80』の時と同じく宇宙怪獣であると仮定すれば、スフィアがバリアを展開するより前に地球に飛来し、そのまま取り残されてしまった若しくは餌が豊富なのであえて帰らずそのまま永住を決め込んだと考えるのが自然だろうか。
ウルトラ怪獣擬人化計画
デザイン担当は富岡二郎氏(上掲のイラストも富岡氏が描き下ろしたもの)。
パンクファッションを思わせる格好をしているのは、ギターの音を気に入ったという原作の設定を反映したものだろうか。なお、所持しているギターは原典で猛の学校の生徒が持っていたものと同じ型番であるという小ネタがある。
アニメ版
声 - 清都ありさ
アニメ版では第2期の8話から登場。
国際怪獣指導組織GIRLSの芸能課に所属している怪獣娘。本名は鳴無(おとなし)ミサオ。
人間として暮らしている時の姿は髪にメッシュを入れたボーイッシュな風貌で、喋り方も女っ気の少ない男っぽい口調が特徴。
音楽を聴くのが好きで、ロックを中心に色々なジャンルの曲をよく聴いている。最近は「DC/AC」というバンドがお気に入りらしい。
バンド好きという設定のノイズラーを演じるにあたり、清都ありさは特にシャウトの練習に力を入れていたという(YouTube等で色々な動画を見ながら研究していたとのこと)。
年齢は不明だが、ザンドリアスと大体同じくらいであると推測されるため、カプセル怪獣の後輩にあたると思われる。
ちなみに、ウインダムのことは初登場時には「先輩」と呼んでいたが、シャドウとの最終決戦時には「ウインダム」と呼び捨てにしていた。
ザンドリアス(同じ『80』出身の怪獣)と意気投合し、一緒に「ザンドリアス&ノイズラー」というバンドを組むことになる(なお、小説版第2作では(直接の面識はなかったながらも)レッドキングも彼女のことを知っており、ザンドリアスとの対面は彼女の仲介があったことが明かされている)。ボーカルがザンドリアス、リードギターがノイズラーという構成のようだ。ちなみに、これはあの国民的バンドのパロディらしい。
なお、2人が対面した時の様子はアニメ内では描写はされず、その後発売された小説版に付属されているドラマCDにて描かれている。
しかし、ライブを間近に控えたある日、ミクラスがガッツ星人(?)に襲われるという事件が発生し、事態が解決するまでライブの中止を申し渡されてしまう。
残念がりながらも、ウインダムに諫められ、団子をご馳走になって帰宅するが、その際に分身体と戦うガッツ星人の姿を目撃する。
目の前でガッツ星人が倒されたのを見て驚くものの、ガッツの分身体が自分たちを駆除しようとこちらに向かってきた際には3人の中で唯一ソウルライザーを構えて戦闘態勢に入っており、割と度胸の据わった性格であることが窺える(ちなみに、この時の彼女の変身の構えは原作で80を相手に空手の構えを取ったシーンへのオマージュ)。
dアニメストアの質問コーナーでは幼少期から父親から色々な格闘技を習っていたという設定がある(言うまでもなく、『80』本編で色々な格闘技で勝負したことにちなんだ小ネタである)とのことで、戦闘がからっきしダメというわけではないらしい(物怖じせずに強敵と対峙できた度胸はこうした自身の経験と実力に裏打ちされたものなのだろう)。
第11話のシャドウガッツとの決戦では召喚されたシャドウをギターから発せられる音波で攻撃しながら戦っていた。
また、ザンドリアスや途中から戦闘に加入したマガバッサーの発破を受け、その勢いで飛翔して(今まで飛翔せず戦い、翼を羽ばたかせるのにかなり力を入れていた事から、ぶっつけ本番か勢いで初めて飛翔出来た模様)シャドウジェネラルが召喚させたコウモリ型シャドウビーストに空中戦を挑み、これを撃破することに成功している。
劇場版
バンドのメンバーに新たにベースにメカギラスを、ドラムにモゲドンを加入させ、充実したバンド活動を行っている模様。
東京都庁の展望フロアで行われたファンイベントにも登壇することになっていたようだが、サツキとブラック指令が屋上に着いた時にはなぜか姿がなかった。
その後、ブラックスターズがGIRLS本部に乗り込んだ際に登場し、施設内で大音量でギターの演奏の練習をしてブラック指令を卒倒させていた(その際の様子や、直後に他のメンバーと合流していないことから、恐らく指令が基地内に忍び込んでいた事には気付いていなかった模様)。
なお、本作では台詞がなく、テレビ版で声を担当した清都ありさも出演していない。
クラウドファンディング企画
『怪獣娘』との連動企画として、昨年度好評を博したザンドリアスにあやかり、今回もノイズラーの着ぐるみをクラウドファンディングで製作しようという企画が行われた(ノイズラーは他のキャラクターよりも若干遅れてキャスト公開されたが、これはこの企画と同時に発表するためであったと考えられる)。なお、該当するクラウドファンディング企画のページは、現在は削除されてしまっており、閲覧することができなくなっている。
企画は2017年12月12日より行われ、目標金額は38万円(前年と同様に登場エピソード放送から38年が経ったことに因んだもの)であったが、企画開始からわずか1日で目標金額に到達すると言う好調だった前回をも上回るスタートを切ることに成功している(前回は目標金額に到達するまでに3日かかった)。
最終的な到達額は127万4400円(目標金額の335%)で、前回のザンドリアスと同様、クラウドファンディングは大成功に終わった。
そして、2018年3月24日に着ぐるみの完成披露会が行われ、ゲストで『怪獣娘』でノイズラー役を演じた清都ありさと、前年度にクラウドファンディングで着ぐるみが造形されたザンドリアスが駆け付けた。
新造された着ぐるみはかつてのようなくすんだ茶色のような配色から一転して、鮮やかな茶褐色になり、縞模様のコントラストがより鮮明になった。顔つきも若干変わっており、凶暴さが前面に押し出されたかつてのデザインと比べると、刺々しさがなくなり穏やかそうな印象を受ける表情になっている。
なお、その後、清都ありさのツイートによると、このクラウドファンディング達成を記念してザンドリアスとノイズラーによるキャラクターソング『Forgive me, kay?』の製作が決定。
2018年6月17日に行われた『怪獣娘’s FES Ⅱ』では新世代シリーズで監督を務めた田口清隆氏の下でミュージックビデオが撮影されたことも明かされ、ライブの際に初上映された(イベント終了後にYouTubeの公式チャンネルでも公開されている)。
なお、このMVがノイズラーの新造された着ぐるみが初使用された作品となった。
スーツ新造後、2020年冬から配信された『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』第3章にて、40年ぶりに映像作品に再登場。また、上記のMVを除けば、スーツが新造されてから初の映像作品への出演となった。
ノイズラーの満を持しての登場には、怪獣娘でザンドリアスを演じた湯浅かえでやノイズラーを演じた清都ありさも喜びのコメントを残している。
そして、2022年放送の『ウルトラマンデッカー』では遂に満を持してテレビシリーズに再登場した。
余談
当初の脚本では80に倒される予定だったが、決定稿で結末が変更された。
なお、『80』第7話は昭和ウルトラシリーズと関わりのあった田口成光氏が最後に携わった昭和シリーズのストーリーでもある。
作中に登場する「東京サイレント作戦」は、ノイズラー対策として無音環境を生み出すために公共インフラや交通機関の停止、さらには外出の自粛を要請するという内容の作戦であった。皮肉なことに、第7話がYouTubeにて公式配信された2020年5月当時も偶然とはいえ似たような状況になっていた。ちなみに放送当時は「戦時中の灯火管制を思わせる」というクレームが入っていたらしい。
撮影後、着ぐるみはザルドンに改造された。
ノイズラーに襲撃された新幹線のミニチュアは、元々は東映の映画『新幹線大爆破』に使用されたもの。