絶滅動物
ぜつめつどうぶつ
絶滅動物の例
人間活動と絶滅
以前は、新生代に発生した氷河期などの気候変動が古生物、とくに大型動物群の絶滅を引き起こしてきたと考えられていたが、とくに海外では近年「人類の拡散」がネアンデルタール人等の人類を含む大量絶滅を起こしたとする意見が主流派になりつつある。地球において大量絶滅は何度か発生してきてしまったが、今回のスピードは史上最速とされている…。
現在、大型動物の多くがアフリカやアジア南方圏に生息しているが、これらの土地は他の地域よりも生物としての人間の歴史が古い場所(アフリカは現生人類が誕生した地域、南方アジアは最初に移住・拡散した地域の一つ)であり、動物達が人間に適応するチャンスがあったと思われる(それでも絶滅種もいるが)。また、これらの地域における疫病が人類の過剰増大化を防いでいたという説もある。
厳密に言うと、人間および進化し続ける石器等の狩猟道具、人間の移動に伴ってきた存在、つまり犬や猫を含む家畜、ネズミなどの小動物、人間やそれらに付随してきた病原体に免疫を持たないまま殲滅されてしまったのが他地域の多くの絶滅動物である。そして、生態系が崩れると「共絶滅」(草食動物などが絶滅してそれが原因でそれ餌にしていた肉食動物なども絶滅すること)が芋づる式に発生・・・というものである。大型動物は目立つゆえに真っ先に狙われてしまうため、そこから崩壊が始まった生態系の該当部には、やはり大型動物が属していた。いずれにしろ、大型動物は繁殖力に優れている訳ではなく、人間による捕殺圧にかなり弱い。現在まで生き残っている野生動物には夜行性の種類が非常に多いのは、他ならぬ人間を避けるためである。
日本列島では、人類活動がめだつようになった旧石器時代後期以降、バイソン数種、ナウマンゾウ、マンモス、ヤベオオツノジカ(縄文時代まで生存の可能性あり)、ヘラジカ、トナカイ、ナツメジカ、カズサジカ、ウマ、オーロックス、バッファロー(水牛)、ゴーラル、サイガ、サイ、ヨウシトラ (ホラアナライオンやアメリカライオンの近縁種)、トラ、ヒョウ、オオヤマネコ(縄文時代まで生存)、ベンガルヤマネコ、本州のヒグマ、佐渡島のイノシシ、エゾオオカミ、ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、ニホンアシカ、ステラーカイギュウ、ヒレナガゴンドウなどが絶滅してきた。琉球諸島も含めれば、キョンやリュウキュウジカ、ミヤコノロジカ、南西諸島のイノシシ、オオヤマリクガメ、ワニ(イリエワニは明治時代まで西表島に少数が漂流定着した記録がある)などもいたとされる。
ちなみに、これ以前にはデスモスチルス、水牛、巨大ビーバー、レミング、巨大レッサーパンダ、南方系のシカやゾウ、シフゾウ、バクなどもいたが、年代的に人類活動が影響している可能性は低いと思われる。
外来種の場合、ケラマジカ、一部の家畜 (野犬や野良猫や馬や牛の一部)などは、結果的には本来の生態系のニッチを擬似的に復元しているが、キョンなどのように野生化した地域が本来の生息地域と異なっている場合もある。
沖縄に棲息したキョンやシカは、「国内」で「外来種」というレベルであれば偶然的に再導入された形である(全ての外来種が害ではないとする意見もあるのは、元々いた生物に近いものが偶発的に導入された場合があるからである)。鹿児島県口之島や長崎県葛島にて野生化している最後の純粋な和牛たちも、現在の国内の畜産種「よりは」祖先のオーロックスに近いとも言われている。
- UMAの範疇に入るが、対馬にいると言われる「ツシマオオヤマネコ」(ピューマなどに近い見た目)や西表島の「ヤマピカリャー」(ウンピョウに近いと言われている)に近い存在も、もしかしたら日本にかつて存在していたのかもしれない。
なお、人類が原因となった絶滅の原因の大半は、意図しない理由によるものである。すなわち、特に潜在資源量を考えずに「その辺にいっぱいいるから大丈夫だろう」と安易に乱獲した結果によるもの(リョコウバトなど)、家畜由来やその他の理由による外来生物連れ込みで、「与り知らぬ」絶滅を助長してしまったもの、開発による環境の激変などである。が、たまに人類自身が害獣とみなした生物を積極的に絶滅させる場合もある。ニホンカワウソも全国的にほとんど絶滅した原因は意図したものではなかったが、最後に残っていた四国の個体群にとどめをさしたのは、漁業被害に悩んだ漁師たちの依頼したハンターによる駆除(密猟)であった。