アーマード・コア
あーまーどこあ
概要
フロムソフトウェアが開発・販売する戦闘メカアクションゲームシリーズ。主人公=プレイヤーの概念と、自分の組み上げたロボットを自分で操縦する独自の作風、河森正治氏ら著名なデザイナーがデザインした魅力的なメカニック群等から、コアなファンに長年支持される長寿シリーズとなっている。『AnotherCentury'sEpisode:R』、『バトルロボット魂』など外部作品への参戦も果たしている。
ただし、主人公がプレイヤーそのものでパイロットの容姿の設定されていない影響のせいか『スーパーロボット大戦』には参戦していない。
ファンの間では、公式のタイトル表記である「アーマード・コア」よりも、「・」を抜かした「アーマードコア」表記が主に用いられ、pixiv上でも後者の表記での投稿作品が多い。
『デモンエクスマキナ』は兄弟シリーズとも言える。
シリーズとしてのアーマード・コア
初代三部作 | アーマード・コア(無印) | プロジェクトファンタズマ(PP) | マスターオブアリーナ(MOA) |
---|---|---|---|
2系 | アーマード・コア2 | アナザーエイジ(AA) | |
3系 | アーマード・コア3 | サイレントライン(SL) | |
N系 | ネクサス(NX) | ナインブレイカー(NB) | ラストレイヴン(LR) |
4系 | アーマード・コア4 | フォーアンサー(fA) | |
V系 | アーマード・コアV | ヴァーディクトデイ(VD) | |
VI系 | アーマード・コアVI | ||
その他 | フォーミュラフロント(FF) | モバイルシリーズ | |
書籍 | BRAVE NEW WORLD | TOWER CITY BLADE | FORT TOWER SONG |
シリーズは主にPS作品からなる 初代三部作 、PS2フォーマットの 2系 、世界観を一新した 3系 、3系の世界観を流用した N系 、ネクストACが活躍する 4系 、領地・チーム戦がメインの V系 に分類され、同シリーズ間でのデータのコンバートが可能となっている。3、SL、LRの三作は2009年11月19日発売の『アーマード・コア3ポータブル』を皮切りにそれぞれ3P、SLP、LRPとしてPSPに移植され、販売されている。
コンバートについては機体に貼り付けられる『エンブレム』のデータの扱いは特殊な物となっており、2系から各作品へ引き継いでLRまで引き継げた。初代三部作からそれ以外のシリーズへの引き継ぎは、ハードの変更やエンブレムの仕様変更などにより不可能。また、3P、SLP、LRPはこの三作間で引き継ぎが可能でPS2版とのコンバートはできない。
世界観は初代~2AA、3~LR(FF含む)、4~fA、V~VDで、過去作のオマージュがあること以外は独立しており、連なった世界観を有しているが、基本的にどの作品から始めても良いように考慮したストーリー構成となっている。また、小説オリジナルの世界観を持つBNWとFTSもそれぞれが独立した世界観を持っている(因みにTCBはFTSの前日譚である)。
シリーズに共通する感覚
上記のようにある程度は世界観は分離しされているものの
「主人公(=プレイヤー)が傭兵である」
「やがて世界の深部へと踏み込んでいく(巻き込まれていく)」
とする2本柱のスタンスは、全シリーズを通して脈々と受け継がれている。
また、騙し打ちで主人公をはめて追いつめたり、面妖な巨大兵器が登場したりと、シリーズを重ねるにつれて様々な“お約束ネタ”も増えている。
一部作品を除き、プレイヤーが選択したミッションやミッション中の行動によって、ストーリーがある程度分岐する内容になっており、LR、fAではマルチエンディングが採用された。シリーズを重ねる毎に魅力的なキャラクターも増え、特にNXとLR、4とfA ではタイトル越しでストーリーの軸に関わるキャラクターが多数登場したため、よりドラマチックなストーリー展開がなされるようになっていった。
メカニックとしてのアーマード・コア
アーマード・コアは、マッスルトレーサーから発展した人型機動兵器である。
コックピットブロックを有するコアを中心に頭部、腕部、脚部、ジェネレーター、ブースター 、FCS等、様々な部位を用途に応じて換装出来る高い汎用性と拡張性を持ち、MTと比較して高い基本性能を有する。作中では「戦術的な観点から見て最強の兵器」と呼ばれてもいる。しかしあくまで戦術的な観点から見てなので、MTや戦車等の兵器でも撃破は十分可能。
しかし、その高性能故にコストが高く、搭乗出来るのは(一部の例外を除き)ACでの戦闘を生業とする傭兵、もしくは企業専属のパイロットに限られる。更にパーツ換装によってあらゆる状況に対応できるとしても、あくまでもハードウェアとして可能なだけであり、大幅に機体構成を変えればパイロットは別の機体として、相応の訓練を積んで乗りこなさなければならない。
それを即座に乗りこなしてしまう主人公が多くの作品で、イレギュラーな存在であるとの理由の1つである。
基本的にACのパーツ類は企業で作られ販売されているが、V系においては文明レベルが低下しつつある世界を舞台としているため、ACは遥か昔の戦争で使われていた物を発掘・改修した設定となっている。それから100年余りが経過した続編のACVDでは、ACが量産可能となるまでに文明が復興しているが、一部のパーツ類は世界が荒廃する以前に建造された「タワー」と呼ばれる未知の巨大建造物から解析されたテクノロジーが応用されている。
機体のカテゴリ
主に中量、重量、軽量の重量カテゴリーと二脚、逆関節、四脚、タンク型、フロート型の脚部カテゴリーの構成で決まる。
二脚 | 二本足。スタンダードな性能。軽量~重量と選択肢が多く汎用性に富むが特化性が無い。 |
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逆関節 | 鳥足。高いジャンプ力を持ち、空中戦に向く。半面同クラスの二脚よりも安定性に欠け、積載量は少なめ。 |
四脚 | 四本足。移動速度が速く安定性が高い為、接地中に限り構え動作の必要な武器を移動しながら撃てる。代わりに垂直機動が鈍くEN消費が高い。初代からAC2規格まではホバー推進だったが、AC3規格ではフロート型との差別化で歩行推進に変更されている。更にVシリーズでは全く特性が異なる。 |
タンク型 | 戦車。堅牢な装甲と最高の積載量を持ち、構え武器を空中でも移動しながら使用可能。見た目に違わず移動・ブースト性能が低い。 |
フロート型 | 浮遊による水上戦闘が可能になり、地上での移動・ブースト性能に特化する。反面、空中でのブースト性能が低い。 |
※上記はアーマード・コア ラストレイヴンまでの脚部の特徴。
フロート型はPS2タイトルのみに登場するカテゴリであり、4以降はどの脚部でも水上移動が可能となった為、廃止された。
武装
実弾兵器、エネルギー兵器の属性2種類を基準にライフル・マシンガン・バズーカ・レーザーブレードなどの腕部用武装と、ミサイル・ロケット・キャノンなどの背部・肩部用武装に分けられる。更に腕が武器と一体化した武器腕も存在する。シリーズによっては攻撃用の武器だけでなく、敵ACのジェネレーター出力や機動力に影響を及ぼすジャマーや、敵の攻撃によるダメージを軽減できるシールド等の装備も登場する。
V系においては武装の仕様がこれまでとは異なり、ACの両肩部が予備の腕部用武装をマウントするためのハンガーとなったため、従来のキャノン系の背部・肩部用武装は新たに腕部用武装として設定され、ミサイルやロケットはPS2シリーズのインサイドに該当するショルダーユニットに統合された。背部にはAC用の武装としては規格外の大きさと破壊力を持つオーバードウェポンが搭載可能。更に武装の属性が「KE」(Kinetic Energy=運動エネルギー)、「TE」(Thermal Energy=熱エネルギー)、「CE」(Chemical Energy=化学エネルギー)の3つに分けられている。また、武器腕は武器は持ったままに、腕部が変形して武器になる(持っていた武器は手に持ったままハンガーへ移行する)仕様となった。
武装に関するツッコミ
現義ではバズーカ砲はロケット弾を発射する火器なのだが、何故かACではバズーカはロックオン可だが、ロケットランチャーはロックオン不可になっている(もしかしたらACにおける『バズーカ』は無反動砲の総称として使われているのだろうか?)。
背部武装のキャノンのカテゴリーで『スラッグガン』があり、これは散弾を発射する。
恐らく実在する散弾銃の弾丸の1種・スラッグ弾から着想を得ているのだろうが、スラッグ弾は「散らばらない単発弾」であり、ACのスラッグガンとは根本から異なる兵器である。
4系におけるノーマルACとネクストAC
4系ではAMS接続とコジマ技術を導入した「ネクスト」と、両技術を導入していない「ノーマル」の二種類のACが存在し、プレイヤーはリンクスとなって前者を操る。4の外伝小説では模型コンテンツとのタイアップの関係上、4以前のデザインのACを作中に登場させる為に「特殊部隊向けに開発されたハイエンド型のノーマル」が存在するが、「ノーマル」と「ネクスト」のACの区別があるのは4系のタイトルのみであり、4系以外のタイトルに登場するACを「ノーマル」と呼ぶのは誤りである。詳細はネクストACの記事にて。
サイズ・縮尺
頭頂高は、標準的な中量二脚タイプの機体でおよそ10m程とされており、モビルスーツ等よりも小さめのサイズに設定されている。しかし、ゲーム中ではAC以上の大きさの機動兵器と遭遇するケースは稀なうえ、周りの構造物の縮尺が滅茶苦茶なので、あまり意味のある数字ではない。
『アーマード・コアV』では機体サイズが約7mに縮小されているが、同じく縮尺のおかしい箇所が存在する。
pixivでのアーマード・コア
pixivにおいては、アーマード・コアやその他の登場兵器が描かれたイラストの他にも、作中では全く容姿が判明しないキャラクターを想像で描いたイラスト、ゲーム中で機体に貼れるエンブレムを投稿した物等が存在する。