概要
2004年3月18日に発売(廉価版は同年の8月5日に発売)された『アーマード・コア』シリーズの8作目に当たる作品で、対応ハードはPS2。
キャッチコピーは「アーマード・コア、新生! その意思が、すべてを変える」。
メインストーリーを収録した「エボリューションディスク」と、PSACのミッションをリメイクしたものや設定資料・オリジナル&アレンジBGM等のおまけ要素を収録した「レボリューションディスク」のディスク2枚組構成となっている。
他にもハンガーユニット、チューニング、操作方式の追加等の新システム(後述)を採用。
時系列としては『サイレントライン』の時代から約半世紀後の世界を舞台としている。
新たに追加・変更された要素
操作方法がAタイプ・Bタイプの2つから選択可能
旧来からの操作方法(Bタイプ)に対し、新たに加わったAタイプの操作はFPSに近い操作方式となっている。
ハンガーユニット
ハンドガンやブレード等の小型の武器を 内部に格納可能なコアユニットが登場。
右手用と左手用の武器をそれぞれ格納可能で、手持ちの武器をパージした際に自動的に装備される。
チューニング
ガレージ内でACのパーツをチューニングし、性能を上げられるようになった。
ただし、チューニングは有料であり、一度変更したパラメータは元に戻せない(初期機体用のパーツ以外は一度売却すればリセットがかかり、再度調整が可能となる)。
マガジン制の導入
実弾系の武器は、各武器ごとに定められたマガジン分の弾数を使い切るとリロードが発生し、再装填の間に一時的な隙が生じるようになった。
マガジンによる給弾方式ではない筈のガトリング砲タイプの武器でさえも、例外なくこのシステムが取り入れられている。
熱量に関する仕様変更
本作ではブースト移動時にも熱量が発生するようになり、オーバードブースト発動時の熱量も「OB発動時に一定の熱量上昇」から「徐々に熱量が上昇」に変更された為、過去作に比べてブースターを活かした機動戦闘が行い辛くなっている。
特にOB発動時にブースターを噴かすと膨大な熱量が蓄積され、一瞬にして機体がオーバーヒートを起こしてしまう。
更に、オーバーヒート時は過去作とは異なり、エネルギーが減少した後にAPが減るようになっている。
強化人間の廃止
過去作では莫大な借金を抱えたり、特殊なアイテムを装備によって強化人間となり、キャノン系の武器を構えずに発射出来たり、エネルギーゲージが増加する等の恩恵を受けられたが、本作ではプレイヤーの強化人間化が不可能で、一部の敵ACのみが持つ要素となっている。
4人対戦時の環境の変更
従来のPS2シリーズでは2人以上の対戦にはi.LINK接続を用いており、ソフトも最低は2本を用意しなければならなかったが、本作では接続方式がLANに変更され、エボリューション&レボリューションの2つのディスクが同梱されている為、対戦時に必要なソフトも本作が1本あればすぐに4人対戦が可能。
ストーリー
人類が地上に進出してから長い年月が流れた。
復興を目指して新たに設立された「企業群管理機構(OAE)」は、生存基盤の安定と共に力を取り戻した各企業体の思惑によって、その存在意義を失っていった。
その折、新興企業「ナービス」社が急速に力を伸ばし始め、「資源」と呼ばれる旧世代の遺物を発掘。
「資源」をめぐり、新たなる対立が始まろうとしていた。
登場人物
エボリューションDisc
レボリューションDisc
登場機体・兵器
問題点及び批判点
キャッチコピーに偽りあり?
『アーマード・コア新生』と大々的に謳いながら、世界観そのものはアーマード・コア3の延長線に過ぎない為、パーツ自体の目新しさの少なさ(また、新規パーツがあっても、過去作品のパーツのリメイクが大半)に、一部ユーザーから「詐欺紛い」「変わったけど『新生』な程じゃない」と酷評された。
この流れはACLRまで続いた為、結果的に『AC3からACLRに及ぶ数年間、3規格パーツを使い続けた』と、手抜きと糾弾されても仕方ない状況になった。更にACNXの関連書籍には、手抜きを正当化する理論(曰く「一部の強化人間技術の流用により、各部位の内部パーツが大幅に変更されている。それに加えて外装まで大幅に変えた場合、それは既に『AC』ではなくなる」※要約)が記載されていた。
熱量システムの変更(補足)
過去の作品は『相手の攻撃で上昇する』『オーバードブーストで上昇する』程度だったが、上記の通り『ジェネレーターとブースターの項目に発熱量が追加、ブーストを使用するだけで発熱・オーバーヒート』してしまうようになった。
これにより、ラジエーターの性能が全体的に向上し、頭部やコア等の外部パーツにも放熱量が追加されだが、詳細を記すと『ラジエーターの放熱量+外部パーツの放熱量の総合計数値が、ジェネレーターとブースターの発熱量の約2倍の数値でないと意味がない』とする、常軌を逸脱した仕様と化した結果「そもそもまともに動かせない」の意見が大殺到した(一部のレイヴンからは「最初から機動力に劣るタンクACの時代が来た!!」と、喜ばれていたのだが……詳細は後述)。
ロックオンシステムの変更
AC3以降から可能になった『ダブルトリガー』を考慮してか、FCSの新項目に『並列処理能力』が追加された。
この数値が高いFCS程ダブルトリガーに適しているのだが、このせいで並列処理能力が低いFCS=産廃の図式が生まれた。
又、並列処理の高いFCSの装備を大前提にしているのか、メイン武装である右腕銃は軒並みロックオン範囲が狭くなり、逆にサブ武装の左腕銃は広くなった為、ブレード使いからは「ブレードを持つのがより不安になった」、ダブルトリガー使いからも「ダブルトリガーが使い難い」と、どちらの層からも不満が上がる結果にしかならなかった。
パーツのカタログスペックの崩壊
かつて『ジェネレーターの余剰出力は2000あると良い』とされていたが、ACNX以降『余剰主力の500の確保すら無理』とされる程、パーツの消費ENが激増してしまった。
又、APはENとは逆に全体的に減少し、重装甲に定評あるタンクACでさえも、意識しないとAP9000未満になる事態が発生した(これにより、パーツ選択を誤ると『重装備・軽装甲のタンク』が出来てしまう更なる悲劇を生んだ)。
銃器は全体的に弾薬が減少・重量は増加し、EN属性の銃器はオプションパーツによって『やっと過去作品の威力・消費EN』な始末で、当然か「基本的な戦略すらままならない」と批判された。
CPU限定で強化人間技術が施されている
前述の通り強化人間が廃止されたが、CPUの特権として完全に廃止されていない。
強化人間の特性には“ジェネレーター容量の強化”や“機体の冷却機能強化”等の補正があり、上述の問題の多さも相俟って「CPUだけ卑怯」「廃止するなら完全にしろ」と叩かれた(尚、チートで強化人間プレイしたユーザー曰く「とても快適に遊べた」「強化人間前提の難易度」と評された)。
10000発の銃弾戦
ACNX開発当初、佃健一郎氏がプロデュース。2003年に開催されたTokyo.Game.Showでは【自機以外の時間を遅くすることができるコアユニット】を始め、【目標を強制でロックオンするコアユニット】、【自機が被弾した時に反撃するミサイル発射装置】などの新型パーツが発表されていた。
最大の魅力として建造物の大半を破壊できるという要素が組み込まれていたがハードの問題で発表できずお蔵入りになってしまった。