ブラックペッパー(プリキュア)
ぶらっくぺっぱー
「おっ…お…お、オレは… 私は…“ブラックペッパー”だ!」
CV:内田雄馬
概要
『デリシャスパーティ♡プリキュア』にて第13話より登場するクックファイターの一人。
某作品のタキシード仮面を思わせる謎の人。プリキュア達の助っ人として神出鬼没に現れる。
実は本作主人公の和実ゆい/キュアプレシャスの幼馴染である品田拓海が、デリシャストーンによって戦士の力を得た姿なのであるが、プリキュア達を含む作中の登場人物達にはその正体は隠されている。理由はのちほど。
なお、TVの前の視聴者に対しては初登場の時から彼の正体は拓海だと明かされている。
白い紳士服に身を包み、銀色の短髪で目元に黒い仮面を着けている。マントの色も白色、内側はパープルピンク色をしている。
華満らん/キュアヤムヤムは彼のことを「ブラペ」と略しており、それが視聴者の間でも愛称として根付いている。
一人称は「わたし」だが、これは後述の「キャラ作り」によるもの。
本当は「オレ」であり、一瞬言いかけていた。口調も落ち着いた紳士口調を心掛けている節があり、素のそれが出そうになると言い直す事がある。
ブラックペッパーの行動原理は「ゆいの笑顔を守る」のが目的なので、本人の意思を最大限尊重するというもの。そのため、ゆいとその仲間達の力だけでピンチを脱せると自らが判断すれば現場に居たとしても姿すら見せず、後述の様に援護そのものを自粛する事もある。
その姿を見たローズマリーはシナモンという名前の人物を連想している。
上述の様に初登場は第13話だが、放映前に公開された本作のファーストビジュアルにすでにその姿は確認出来る。放映が始まった後は毎週流れるOPにもしっかり登場していたが、公式HPにおいても人物紹介はおろか、名前すらも一切公開されていなかったため、謎の存在としてファンの間では話題となっていた。
(ただし、顔つきが明らかに拓海と同じだったので、まぁぶっちゃけバレバレではあった)
「ブラックペッパー」と言う公式名が判明するまでは、「白タキシード仮面」「タキシード仮面様」などの仮名で呼ばれていた。
登場からしばらくの間は基本的にプレシャスのピンチを助ける形で戦闘に割って入っており、立ち位置はまさしくタキシード仮面に近いものとなっていた。
しかし第22話で拓海の身近な人物が事件に巻き込まれてからはブンドル団の悪行そのものを許さないよう参戦動機が変わり、以降はプリキュアに並ぶ5人目の戦士として戦闘に参加しプリキュア全体を臨機応変にサポートするようになっている。そのため立ち位置としてはスーパー戦隊シリーズの6人目の戦士に近いものとなっている。
ただし拓海はレシピッピ強奪を察知できるレーダーのようなアイテムは所持しておらず異変を見つけてから自力で事件現場を探し当てる必要があり、また後述の理由もあってゆい達に正体を明かせず完全な協力体制をとれないため(そしてメタ的には商品展開に殆ど関わっておらずプリキュアに活躍を譲る必要があるため)、戦闘への参加率は現在においても半分程度である。
またシナリオ的にはゆいと拓海がコンビとして扱われているため、第22話以降もプレシャスのピンチに駆けつけて登場するのが通例となっている。そのため皆で騒ぐ回やゆいが中心となる回以外ではそのお約束を挟みづらいのか、ほぼ(とくにゆい以外のメンバーが完全に主役となる成長回では全く)登場することはない。これもあってか一部ファンからはいまだに「プレシャスがピンチじゃないから来ない」と言われてしまっていたりする。ある意味たしかにその通りではあるのだが。
実は来てたけど空気を読んで出ていかなった、というネタ絵も…。
誕生の経緯
品田拓海は幼馴染である和実ゆいが、ここ最近になって何やら隠し事をしている様子に気づく。
それはローズマリーと名乗る異邦人がおいしーなタウンにやってきてから後のことであり、また同時期に街中で謎の怪物が目撃される騒ぎが起こるようになったことから、拓海は「ローズマリーがゆいを怪物騒ぎに巻き込んでいるのでは」と訝しむようになった。
第11話では、ゆいにそれとなく「ローズマリーが怪物騒ぎの犯人なんじゃないか」とカマをかけるが、ゆいはそれに対して真剣に否定する。ゆいは真っ直ぐな心の持ち主なのでその言葉を拓海は信じるようにするが、逆にそれは「ゆいとローズマリーが怪物騒ぎに対して何かの秘密を共有している」ことを拓海に確信させることになった。
第12話では、ローズマリーがデリシャスフィールドを展開し、さらにゆいがその内部に侵入するところを目撃。ゆいはこの話でライバルであったジェントルー(現・菓彩あまね/キュアフィナーレ)と決着をつけたのだが、なんとデリシャスフィールドの中に入って隠れていた拓海がその一部始終を全て目撃していたのである。一般人では入れないはずのデリシャスフィールドになぜ彼が入ることができたのか… それは、彼が握りしめていたある宝石に秘密があった。
第13話では、拓海の回想シーンとして、この宝石の話が描かれる。この宝石は元々は自分の父・門平が持っていたものであり、一年前に拓海が偶然にこれに触れてしまった際に謎の共鳴現象を起こしたのだという。
その様子を目撃していた父・品田門平は、この宝石はデリシャストーンといい、石に選ばれた者のみに力を与えるもので、拓海はこの石に選ばれたのだと説明する。困惑する拓海だったが、門平はさらに驚くべきことを語る。なんと門平はクッキングダムからやってきた異世界人であるのだという。そして、石が自分の息子を選んだ以上はこれはお前のものだと語り、この石は大きな力を秘めているがおいそれと使ってはいけないとも警告した。
遠洋漁船の漁師である門平はそれからすぐに漁船に乗り組んで遠洋の漁に出てしまったので、それ以上の細かいことは聞けていない。その後拓海は父の警告を守り、石の力を利用しようとはこれまで考えてはいなかった。
しかし、ゆいがプリキュアとして戦っていることを知った今、自分もゆいの力になれないものかと思案した末に、石の力を使い自らも戦士として活動することを決意したのである。
容姿
視聴者の間からはその様相から「白タキシード仮面」などと揶揄されがちであるが、彼の衣装のモチーフは正確にはタキシードのそれではなく銃士服と思われる。
衣装のカラーリングはところどころにアクセントとして配置されている黒を除くと、その色面積こそ違えどキュアプレシャスの衣装と同じ配色となっている。
帽子に付けられているピンクのハート型の飾りがデリシャストーンである。
この服装およびデリシャストーンの飾りの形状は、クックファイターの一般兵士、ローズマリー、フェンネルのいずれとも異なったものである。
拓海の部屋のクローゼットにブラックペッパーの衣装が隠されている為、プリキュア達の様に変身しているのでは無く普通に着替えていると推測されることも。
このことについては『アニメージュ』2022年8月号掲載の拓海役の内田雄馬とローズマリー役の前野智昭の対談記事でも話題になっており、内田がシリーズディレクターの深澤敏則にブラックペッパーの変身バンクの有無について尋ねたところ「ないんですよ」と明言されたと語っている。そこから2人は「プリキュアのみたいな不思議な力で変身するのではなく、デリシャスフィールドの隅っこでリアルにせっせと着替えているのでは」と推測している。
ここで問題になるのは拓海はこの衣装をどうやって持ち運んでいるのかという点である。流石に拓海が衣装をそのまま常に持ち歩いている様子はなく、かといって自宅に取りに帰っている描写もない。何らかの形で自宅から手元に取り寄せることも想像できた。
結論から言えば、深澤SDが『アニメディア』2022年9月号でのインタビューで「デリシャストーンに収納しているイメージ」と語っている。つまり、デリシャストーンの力によってあらかじめ衣装を格納しておき、普段はその形態で持ち歩いているが、戦闘時にはストーンから取り出して着替える、ということになる。
この着替える工程が意識されているためか、拓海がゆい達とほぼ同時に事件現場に到着した場合でもブラックペッパーの登場はプリキュア達の変身完了から1シーン以上遅れたタイミングとなっている。
第13話で拓海は自室のクローゼットの中にかけておいたこの衣装を見ながら「確かにコレを着るのもなぁ…」とつぶやいているあたり、当の本人はこの衣装を恥ずかしがっている様子。
だが、それでもこの衣装を着て活動しているということは、この衣装を着ないとクックファイターとしての力は発揮出来ないと考えられる。そういう意味では、プリキュアたちの変身と殆ど同じ様な物と言えるだろう(そもそも、髪の色が変わるので、単なる変装では無く、変身の様な物であるのは間違い無い)。
……という数々の憶測が流れたが、満を持して視聴者に分かる形で変身した第40話ではデリシャストーンを掲げた瞬間、光に包まれたのち一瞬で着替え終わるという、プリキュアの変身バンク省略のような描写だった。
「名前にブラックって付いているのに衣装がホワイトじゃないか」と突っ込んだ視聴者も多いと思われるが、そもそも彼がこう名乗ったのは、キュアプレシャスに「あなた、誰なの?」と尋ねられた際、自分がゆいを助けに来た事を知られるのが気恥ずかしいと思った拓海が、「お、俺は……私は……ブラックペッパーだ!」とその場で適当な名前をでっち上げてしまった為である。
因みに、この回で拓海が料理によく好んでかけている調味料も胡椒であることが判明しており、自分が良く使っている調味料を咄嗟に名前に使ってしまっただけなのだろう。因みに名前と容姿の相違について作中人物達からは特には突っ込まれていない。尚、キャラも名前も即興で作ったものであること、第13話における介入の様子から本来はプリキュア達に姿が目撃されないように活動するつもりであった可能性が高い。
第14話でローズマリーがブラックペッパーの姿を初めて目撃した際、「シナモン」と呼ばれる人物の面影を思い出している。この事から、この衣装は元々はシナモンと呼ばれる人物の物であった可能性が高い(もっとも、シナモンの色は赤茶なのでそれはそれで白には合わないのだが)。ちなみに先述の対談記事で内田は「お母さんが拓海仕様に衣装の丈直しをしてくれていたのでは」とも推測している。
第22話では「ローズマリーのいう「シナモン」が父親のことなら下手に関わるとまずい」とも考えており、父親が過去にクッキングダムを追われたことを少なくともある程度までは聞かされており、それが仮面をつけて変装しゆい達に頑なに正体を明かさない理由の一つとなっているようである。
第41話では幼少期のシナモンの髪が銀髪であったことが判明した。少なくともクッキングダム時代はシナモンの地毛は銀髪だったようである。つまりブラックペッパーの髪色変化は特殊な変身というよりはデリシャストーンのパワーが体に満ちることで先祖返り(クッキングダム人化?)のようなことを起こしているのかもしれない。
戦闘能力
拓海のデリシャストーンの扱いが上達するにつれて能力が増えており、現在までに判明している能力は以下である。
・空を飛べる
・手から光弾のようなものを打つことができる
・プリキュアとほぼ同等のパワーと肉弾戦闘能力(中学生4人を片手で持ち上げられる)
・マントによるエネルギー弾の防御と反射
・スペシャルデリシャストーンによって人形に変えられた人物をもとの姿に戻す
・自己治癒能力の強化および他者の治癒
・高速移動
このうち光弾の攻撃力と狙撃能力はとくに際立っており、溜め光弾でモットウバウゾーを数十メートル以上吹き飛ばしたりプリキュア3人の隙間を縫って狙撃を成功させたことがある。また、その破壊力の高さゆえに第22話で光弾を弾き返された際にはプリキュアの足をかなり引っ張ってしまうことにもなった。これらの事から、基本的には遠距離狙撃を得意とする戦士と思われる。なお光弾は第26話時点で3個まで同時発射可能である。
治癒能力に関しては第38話で初めてお披露目。プリキュア不在の中一人でゴッソリウバウゾーと対決することになり、奮闘するも気絶するほど痛めつけられてしまった。その際にこの治癒の力で全身の傷はあっという間に消えた。この力は父親であるシナモンの固有能力が遺伝したものであるらしい。
シナモンが帰還してからは幕間で癒しの力の使い方について教えを受けており、第42話では傷つき変身解除されたプリキュアたち4人の傷と体力を回復させた。自己治癒、他者の治癒ともに治癒を行うとブラックペッパーは疲れた様子を見せており、治癒を行う術者本人は体力を消耗するようである。
セクレトルーにつかまってしまったコメコメたちを助ける為に高速移動が40話にてお披露目されたものの、あまりの速さ(?)のせいか、ほぼ目しか描かれないという悲劇が起きた。
デリシャストーンのパワーによって身体能力や衣装の強度も強化されており、プリキュアに横並びに混じってモットウバウゾーや幹部と肉弾戦を繰り広げたり、マントによって人ひとりを攻撃から防御したり攻撃をはじき返すことも可能なため、ウバウゾーの浄化とレシピッピの解放以外は単独で全てこなせる戦士と言えなくもない。
ただし前述の狙撃能力とプレシャスとのタッグのために誕生した後述のペッパーミルスピンキック、そして治癒能力を除いては、パワー、シールド防御の範囲と応用力、遠距離攻撃の手数やバリエーション、格闘技能はそれぞれプレシャス、スパイシー、ヤムヤム、フィナーレに及んでおらず、本編中での総合能力としてはプリキュアと同程度の戦力を持ちさまざまな局面に対応できるサポート戦士であるといえよう。
このように規模は大きくないものの一通り何でもこなせるのは、器用に様々な料理を作る拓海の特徴が反映されているためと思われる。またオープニングでプレシャスとのコンビが強調されていること、プレシャスがパンチ主体であるのに対してブラックペッパーがキック主体であることから、力のプレシャスに対する技のプラぺという対比や、ピーキーで一点突破型なプレシャスを多彩な技で支えるブラックペッパーというイメージ作りが意識されているのかもしれない。
ちなみに拓海の父親のシナモンはブラックペッパーとほぼ同レベルのデリシャストーンを用いてプリキュア4人を圧倒したゴーダッツと互角に渡り合ったため、現状のブラックペッパーの強さがデリシャストーンの能力の限界というわけではないようである。拓海もこのまま鍛え続ければ父親のようにさらに強くなるのかもしれない。
活躍
初登場は第13話。プリキュア達がウバウゾーの攻撃でピンチに陥りそうになった瞬間、どこからともなくウバウゾーに光弾による攻撃が放たれ、それによりウバウゾーは怯んでしまい、プリキュア達は九死に一生を得た。この時点では何者がウバウゾーに攻撃をしたのかは明かされておらず、TV画面でも彼の姿は描かれなかった(マントだけが見切れるように写っていた)
第14話からは本格的にプリキュアの前に姿を現すようになり、以後はプリキュアがピンチになった時にサポートする役割を果たすようになる。
この第14話のエンドカードでは、ブラックペッパーと拓海が揃って描かれていた上、本編ではゆいやローズマリー達に正体を明かしていないにもかかわらず14話放送後、公式サイトにある拓海のキャラクターページにも追加されていた。
このことからブラックペッパー=拓海である事実は公式サイトをもって確定する情報となった。
続く本編第15話で、ゆい達が「ホントカッコいいよね〜!突然私達の前に現れて!」と話していたのを聞いて「もしかして…俺のこと?」と反応をしていた(実際にゆい達が話題にしていた相手はここねの家の執事の轟であったが)事から、本編においてもブラックペッパー=拓海である事が確定した。尚、この回ではプリキュア達の前に直接現れていなかった事と攻撃直前にスパイシーが射線上に現れたために攻撃を断念したこと、そのスパイシーのおかげでピンチを乗り切ったため活躍らしい活躍はしておらず、プリキュア達も彼が来ていたことに気づいていなかった。因みにこの時ヤムヤムだけではなくプレシャスからもブラペと呼ばれていた。
第17話では偶然ナルシストルーの出撃に居合わせたこととモットウバウゾーの強化に伴い、よりプリキュアとの本格的な共闘をした。
不意打ちでダメージを与えるも押し負けてしまい、間一髪でキュアプレシャスに助けられるという一幕があったが、気にするどころか嬉しそうに「サンキュ……ありがとう」と返している。その後もローズマリーの指揮による4人での的確な連携プレーで勝利を収め、ブラックペッパーとプリキュアは男女関係無くお互い対等に支え合う戦士であることを改めて視聴者に示した。尚買い物途中の出来事だった為、浄化後は1人でさっさと退散している。
第19話ではモットウバウゾーに捕まったブレシャスを救出しようとしたが、自身が救出する前にキュアフィナーレが救出した為、特に戦闘での活躍は無かった。が、戦闘終了後、ローズマリーから、「シナモンと関係があるの?シナモンに謝りたい」と言われるが、「私とは関係ない」といい、去っていった。
こっちのシナモンと勘違いしたわけではない…はず。
第21話ではかつて無いプレシャス絶体絶命の危機に駆けつけ、過去最大級の活躍をした。
第22話では冒頭の戦闘で自身の光弾が跳ね返され、プリキュア達の足を引っ張ってしまう。そしてナルシストルーに「プリキュアの邪魔になっているんじゃない?」と煽られ、屈辱を味わってしまう。しかし二度目の戦闘ではマントを使って跳ね返された光弾を逆にカウンターし、更にそのカウンターをウバウゾーではなくナルシストルーに返し、冒頭での雪辱を果たした。その後もプリキュア達と共闘し、新技「ペッパーミルスピンキック」を披露するなど、かなり活躍していた。
第38話では、プリキュアとローズマリーが不在の中、ゴッソリウバウゾーと対決することに。奮闘するものの、戦闘中にかなり痛めつけられたのか全身傷だらけの状態で気を失ってしまう。その時にできた傷は、前述の治癒の力で一つ残らず消えた。
第40話では遂にローズマリーとプリキュアに正体を明かすことになる。まず初めにブラックペッパーの正体を見破ったのは、ローズマリーだった。父のシナモンからデリシャストーンをローズマリーに渡すよう言われ、最初は従ったが、まだ納得できずにいた。ところがセクレトルーが現れてエナジー妖精達とレシピッピを捕え、さらにはローズマリーも手首を拘束されてデリシャスフィールドの展開ができない状態に。ゆいもプリキュアに変身することが不可能な中、ゆいの前で「見ているだけなんて嫌だ!」とブラックペッパーに変身。エナジー妖精とローズマリーを救出した。戦闘ではプリキュア達をサポートし、プリキュアメンバーに完全に混じってゴッソリウバウゾーに合体キックを食らわせた。戦いの後にはここね・らん・あまねにも正体を明かし、皆を驚かせた。
第42話では、父・シナモンとともにプリキュア達の傷を癒し、復活させる。しかしゴーダッツにシナモンを倒され怒りを露にするブラックペッパーはワープ空間へ逃亡するゴーダッツの跡を追い、プレシャスとローズマリーも続けて跡を追う。
ゴーダッツを追うブラックペッパーだが、そこでプレシャスに掴まれ止められる。父を裏切ったゴーダッツを許せないというブラックペッパーの言葉にプレシャスも手を緩め、ブラックペッパーはその場を後にした。
玉座へ辿り着いたブラックペッパーはゴーダッツと対峙。ゴーダッツに圧倒されるが忠誠を誓えという誘いに反発する。そこにプレシャスとローズマリーが現れる。ゴーダッツと対峙するローズマリーにプレシャスと対峙するブラックペッパー。ローズマリーと相討ちとなったゴーダッツにとどめを刺そうとするも、プレシャスの説得により憎しみの心を振り払った。
しかしプレシャスを苦しめる機をうかがっていたゴーダッツにその隙を突かれてブラックペッパーは致命的な一撃を受け、倒れ変身解除してしまう。さらに今度はプレシャスも変身解除され絶体絶命のピンチに。その時、転移能力を捨て身で発動したコメコメによりゆいの部屋へ避難するも、コメコメもまた力尽きてしまった。
第43話ではデリシャストーンが身代わりとなり拓海の命と引き換えに壊れてしまったことが判明した。戦闘参加が不可能となり、復活したプレシャスを励まし送り出した。
しかし第44話ではほかほかハートの蓄積装置の力により石が修復されたためシナモンとともに戦闘に復帰し、追い詰められたプリキュア達の傷を治癒した。そして最後の決戦に参加し、プリキュア達に混じって前線で戦闘を繰り広げ、暴走するゴーダッツの放つ波動に対してフィナーレとの合体キックを食らわせてプレシャスが突撃する道を切り開いた。
第45話(最終回)では事件解決の報告のためにゆい達やローズマリー、シナモンとともにクッキングダムを訪れ、クッキングからの感謝の言葉を受けた。また事件解決を祝うパーティーに参加し、シナモンとともに正規のクックファイターたちと交流した。
この回では目を隠す黒いマスクは外しており、素顔の状態でブラックペッパーの姿になっている。
またデリシャストーンを手放すような場面は描かれなかったため、これからも必要とあればブラックペッパーになることが可能な形で物語が終わっている。
本編終了後では
『プリキュアオールスターズF』の終盤に登場。
公式グッズ
全国の玩具店にて、2022年6月11日より「クックファイター・ブラックペッパーぬいぐるみ」が全国一般発売された。
プリキュアシリーズで男性キャラクターの公式ぬいぐるみグッズが販売されるのは『ヒーリングっど♥プリキュア』のダルイゼン以来となる(こちらはプレミアムバンダイによる通販限定販売)。
また、アクリルスタンド等も販売されている。
そしてついには誕生日グッズやアクリルキーチェーンまで発売されるに至っている。さらにはこれまでプリキュアのみであったアクリルアートボードにもプリキュアとともにラインナップされた。
声優について
拓海/ブラックペッパー役の内田雄馬氏と言えば、キングレコードアミューズメントクリエイティブ本部所属の歌手として知られている(歌キュアを参照)。またキュアブロッサム、キュアマジカル、キュアパルフェ、キュアエトワール、キュアコスモとは、中の人が全員同じレーベル所属と言う共通点があり、今回でプリキュア側としては通算6人目となった。
備考
プリキュアシリーズは当初「タキシード仮面のような男性の助っ人ポジション」を置かないという前提で製作されていたのだが、12年前の作品で絶望先生仮面様によりそのルールは崩されている。以後は複数の作品で戦闘を助ける男性キャラクターが登場してきたが、戦闘力がプリキュアに大きく劣るか、もしくはプリキュアと同等レベルの戦力を持っていても1~2回限りのゲスト的な参戦であった。
これまでのシリーズではプリキュアと同等かそれ以上の戦闘力を持ち、かつ日常と戦闘の両方において主人公の少女と深い関わりを持つレギュラーの男性キャラクターは、ほとんどの場合において敵組織の幹部やボスキャラクターの役割であった。
そのためプリキュアとほぼ同等の戦闘力を持ち、主人公の対となってレギュラーとして参戦する男性ヒーローは、プリキュアシリーズではブラックペッパーがシリーズ初となる。
深澤SDのインタビューによると、製作開始時に深澤SDは中学生が抱く程度の恋愛要素を担当し本筋にも絡む男性のメインキャラを登場させたいと思っていたが、戦わせることまでは考えておらず、戦闘への参加はプロデューサーからのアイデアだったそうである。
また、いろいろな設定が詰められていない非常に初期の段階では拓海は"オタスケマン"的な登場をするような形で制作が進められており、登場するにふさわしいだけの動機を設定するにあたってゆいの幼馴染という設定やクッキングダム人を父親に持つ設定が作られていったようである。
プリキュアの生みの親にして本作の企画担当である鷲尾天氏は、2022年6月24日に行われた東映アニメーションの株式総会の質疑応答でブラックペッパーについて「新たな試み」と言及している。
- 2022年9月18日に放送された「声優パーク建設計画 メタバース部」『映画デリシャスパーティプリキュア豪華コラボ!!』に出演した和実ゆいを演じる声優・菱川花菜はブラックペッパーについて「男の子版プリキュア」であるという認識を述べている。
- そしてこの翌年のひろがるスカイ!プリキュアではシリーズ初となる男子のレギュラープリキュア・キュアウィングが登場した。つまりブラックペッパー投入による「新たな試み」はウィング投入を見越したワンクッションやレギュラー男子戦士をどのように動かすべきかのモデルケースの構築あたりだったのだと思われる(放送開始時には翌年のプリキュアの制作が開始していることを考えるとウィングの性別設定に影響を与えたかは微妙なところである)。ブラックペッパーが浄化技以外プリキュアとほぼ遜色ない戦闘能力を持ち、ラストバトルまでプリキュアと並んで活躍し続けたのはレギュラー男子プリキュアのプロトタイプという役割もあったからなのだろう。
余談
関連タグ
クックファイター・ブラックペッパーぬいぐるみ:公式グッズ
プリキュアシリーズ
- シャイニールミナス…当時はプリキュアではないとされていた追加戦士。ブラペもワンチャンあるかも?
- 満と薫…プリキュアではないがプリキュアに近い戦闘力で最終決戦にも参加した番外戦士。光堕ちキュアのプロトタイプであり、ある意味ブラックペッパーと似た立場にある。
- 黒ミューズ/調辺アコ…11年前の謎多き仮面を被った戦士。
- 絶望先生仮面様…同じくプリキュアシリーズで、主人公のピンチに現れる謎の男性繋がり。
- ダーク誠司…男の子のメインキャラで、終盤洗脳されてプリキュアと敵対する戦士となった際の名前。
歴代プリキュア番外戦士
キュアトゥモロー←ブラックペッパー