基礎データ
進化
→ ガラルヤドキング(ガラナツリースを使用)
概要
『ポケットモンスター ソード・シールド』に登場する、ガラル地方の環境に適応し独自の変化を遂げたヤドキングのリージョンフォーム。
正式名称は「ヤドキング(ガラルのすがた)」。
頭にシェルダーが噛みついている点は従来のヤドキングと変わらないが、こちらはなんと口上まですっぽり覆われており、ヤドン本体の目が見えなくなっている。
代わりに原種では後ろ向きだったシェルダーが正面を向いており、まるでこちらが眼の役割を担っているかの様である。
ガラルヤドラン同様、体内のスパイス成分とシェルダーから送り込まれた毒素が化学反応を起こしてどくタイプを得ることになったが、そこに脳から分泌される化学物質の影響も加わったことで、シェルダーの方の知能が飛躍的にアップした。
その結果か、シェルダーの姿はかなり毒々しい外見となり、目つきもアイシャドウを塗ったかのような不気味な雰囲気になった。
ヤドンの方も、尻尾の先と上半身の広範囲が紫色に変色し、より怪しい印象を受ける。
戦いでもシェルダーの方がブレインを担当し、他のエスパータイプを圧倒するほどの強力なサイコパワーを行使できる模様。
以上の点から、シェルダーがヤドンの体を乗っ取っている風にしか見えないと評するユーザーも後を絶たず、図鑑説明によると本当にそうである模様。
ガラルヤドキング同士でコミュニケーションを取る際は謎の呪文で会話するらしく、バトルで技を使う際などにも呪文を唱えており、その内容については未だ解読されていない。
そして食べた物の成分と体内の毒素を混ぜ合わせ、怪しげな呪文を唱えながら、独自の怪しい薬をこしらえるらしい。作った薬はシェルダーの中に溜められ、頭を傾けると殻の角部分から黄緑色の液として漏れ出てくる。
凶悪そうな見てくれに反し、弱ったポケモンにはこの薬を与えてくれる協調性を持つが、薬の効果は材料や呪文などの細かな違いで毎回変化するため、効き目のほどはガラルヤドキング自身も把握していないという。
こういった生態からか、分類も原種の「おうじゃ(王者)ポケモン」から「じゅじゅつし(呪術師)ポケモン」に変化している。
原種の頃から「のろい」も習得できるが、ゴーストタイプではないため「鈍い」になってしまうのが惜しい所。
ゲーム上での特徴
ガラルヤドキングも従来のヤドンと異なり通信交換ではなく、「ガラナツのえだ」を15個集めて作ることができる「ガラナツリース」を使うことで進化する。
「冠の雪原」にはどく使いのクララとエスパー使いのセイボリーが「鎧の孤島」に引き続き登場するのだが、その双方がガラルヤドキングを手持ちに加えており、セイボリーはこちらを切り札に変えている。専用技から見ても、ガラルヤドランがどくタイプ寄り、ガラルヤドキングはエスパー寄りの進化と言えるだろう。
性能
攻撃が10減り、特攻が10出された種族値となっており、特殊主体のヤドキングにとってはイカサマのダメージを減らしつつ火力が高くなるという嬉しい強化を受けた。
専用として持つ「ぶきみなじゅもん」は、相手にダメージを与えるだけでなく、最後に使用した技のPPを3減らすという「キョダイゲンスイ」の上位互換のようなエスパー技。ジュラルドンは泣いていい。
その他サイコキネシス、対特殊受け用のサイコショックの3種のエスパー技を持ち、どく技もヘドロばくだんやヘドロウェーブをしっかりと覚えてくれる。
サブはパワージェム、水技、炎技、氷技の三種の神器にきあいだま、くさむすび、イカサマと呪術師らしくかなり豊富。ここはオリジナルを踏襲している。
補助技は何と言ってもわるだくみの存在が大きく、トリル下で積めば無双が望める。勿論原種と同じくめいそうを積んでなまけるで回復する特殊受け積み戦法を狙っても良い。
特性もこれまた専用の「きみょうなくすり」を持ち、ダブルバトルで登場すると味方の能力変化をリセットする事が出来る。ただし効果があるのはダブルバトルのみで、シングルバトルだと役に立たないため、注意が必要。ヤドンのときくいしんぼうだと変化するもので、他2つはヤドンと変わらない。
使いどころを選ぶ上級者向けのものではあるが、りゅうせいぐんやばかぢからといった威力は高いが能力を大幅に下げる技を使うパートナーと組ませるとこれらの能力低下をリセットしてくれるのでより気軽に撃ちやすくなるという点はありがたい。
また敵からの「ダイマックス技」やいかくといった特性などによる敵からの能力低下もこの特性を発動したらリセットできるのでいざというときの状況の立て直しに有用と言える。
逆に味方の能力上昇も打ち消すので自分で積むタイプの戦法や味方の「ダイマックス技」による能力上昇とは相性が悪いので要注意。この弱点が気掛かりなら代わりにこちらも有用な隠れ特性であるさいせいりょくの方にした方が良いだろう。
第9世代
この世代ではテラスタルを獲得。アシッドボムやヘドロばくだんで崩す戦法とシナジーのあるどく、じめん対策のひこう、ゴースト、あく対策かつクエスパトラのルミナコリジョンを牽制できるあくがテラスタイプとして目ぼしい所。
またどくどくと原種が新規獲得したさむいギャグを思い出し技として取得している。あの国民的芸人が特殊個体にいるヤドン達はともかくとしてシェルダーにはそんな個体はいない訳なので本当に文字通りつまらないギャグなのだろう。
他にも「ワイドフォース」や「だくりゅう」、「サイコノイズ」を習得した。物理技では「れいとうパンチ」以外の二色パンチや「たきのぼり」、「どくづき」などを与えられているが、使用する機会はそうそうないだろう。
ランクマで解禁されたレギュレーションDにおいては、ハバタクカミを意識した特殊受けが流行。一番多いテラスも元のタイプに弱点をついてくるゴーストを意識したノーマルとなっており、次いで一致技による遂行力を高めるためのどくテラスタルが多い。
道具はとつげきチョッキやくろいヘドロが多く、さいせいりょくを生かしてサイクルするのが主な戦術となっている。
一番大きいのはアシッドボムを獲得し、それまで突破に困っていたサンダーを始めとする高耐久の準伝説を崩せるようになった事であろう。
しかしはがねテラスタルが蔓延していることは如何ともしがたく、自慢のアシッドボムが生かせない場面が目立つようになった。また、とつげきチョッキを高種族値ポケモンに取られ、くろいヘドロをドオーやドヒドイデに高性能どく耐久型に譲ることになるなど、持ち物の取り合いに敗れることも増えた。
そうしたことからシーズン8で使用率38位を記録したきり環境から消えた。
使用トレーナー
ゲーム版
外伝作品
ポケモンGO
2021年10月15日より、ガラルヤドンからの進化が実装。相棒設定後に「エスパータイプを30匹」捕獲する必要がある。
進化条件に違わず、こちらはエスパー寄りのアタッカーになっているが、本作では独自のタイプや搦め手をより活かし辛い仕様により、性能的には凡庸といったところ。
アニメ版
- 新無印第97話「ヤドキング!カレーなる遭遇」
ゲスト声優としてあばれる君がCVを担当。新無印編第26話でサトシ達が訪れたヤドンの島にガラルヤドンの群れが上陸してくるという話だが、いつもと様子が違うサトシとゴウが登場するカオス回に仕上がっている。
余談
ガラルのモデルとなったイギリスなどのケルト圏ではドルイドと呼ばれる魔術師(または司祭)の伝承があり、イチイなどの猛毒を持った樹木を神聖なものと見做していたという記録が残っている。呪術師という要素とどくタイプはここから来たものと思われる。
一応ヤドキングなので、一部では相変わらず「ガラル浜田」などとも言われている。
関連イラスト
関連タグ
0198.ヤミカラス→0199.ヤドキング/ガラルヤドキング→0200.ムウマ