「無駄ダ……諦メロ…… 」
ストーリーに関してはウルトラマンメビウス外伝アーマードダークネス参照
データ
概要
ウルトラの星との再戦に備え、かの暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人のために鋳造された甲冑。
左右非対称の三日月型の角を持ち、赤い目をした悪魔のような形相の兜に、豪奢かつ禍々しい漆黒のボディ、そして両端に巨大な三つ又の穂を備えた長大な直槍と、まさしく大皇帝の戦装束に相応しい偉容を呈する。
鎧でありながら明確な自我を持ち、本来の主人に代わって己を着るに相応しい者を求めて動き回る。
無論中身は空洞であり、動く際に出す不気味な唸り声のような音はただの摩擦音か虎落笛である。
この鎧が建造された年代は不明だが、少なくとも『ULTRAMANREGULOS』及び『ウルトラマンレオ』の時代には制作され宇宙中にその名を轟かせていたことが明かされている。
装着した者のパワーを何十倍にも引き上げる効果があるが、エンペラ星人以外が長時間着ていると鎧に食われてしまうため、死の鎧として恐れられている。
魂だけの存在であるレイブラッド星人やあのお方のように、憑依などの特殊な方法を用いれば本来の装着者以外でも使いこなすことは可能だが、それでも鎧を逆に飲み込むほどの力が無ければ魂だろうが生身で着た愚か者よろしく消滅するのがオチである。
さらに、体内に蓄えられた強大な暗黒エネルギーを使い新たな怪獣を生み出すこともできる。
皇帝のためだけに存在する一品だけに、並の者では太刀打ちできない凶悪な戦闘性能を秘める。
先述の槍と左腰に提げた両刃の剣ダークネスブロードを振るい、大質量を感じさせない俊敏な動きで軽快に立ち回る。槍の名はダークネストライデントと言い、伸縮自在の長柄でリーチを無限に伸ばせる他、人間と一体化していないウルトラ戦士を無に帰す暗黒破壊光線「レゾリューム光線」を放つ。
これをダークネストライデントの両端から増幅して「ギガレゾリューム光線」を放つ事ができる。
防御力も折り紙付きで、あらゆる攻撃を撥ね返し、アーマードダークネス自身の武器でしか傷を付けられないとさえ言われている。ただし絶対という訳ではないようで、惑星ハマーの戦いではEXゴモラとEXレッドキングの必殺の一撃を立て続けに食らったり、スペースペンドラゴンのペダニウムランチャーを浴びたりしてボディを大きく損傷している他、他の攻撃でもダメージを受けている描写がある。そのため、これについては単に硬すぎて並の攻撃が通らないためにできた逸話であり、装甲の耐久限界を超えた攻撃ならば鎧通す事は可能だと思われる。(核爆弾ですら傷一つ付かないような鎧すら貫くペダンの科学は相当やばい)
厄介なことに自己修復能力まで備えており、強大な闇の力さえあれば何度でも再生し復活できる。
この能力ゆえに、皇帝亡き後も宇宙に混沌と恐怖を招き続けているのだ。
劇中での活躍
『テレビマガジン』掲載ストーリー
エンペラ星人亡き後、本拠地があったとされる「ダークプラネット」と呼ばれる惑星の神殿に安置されていたが、「装着すれば全宇宙を支配できるほどのパワーを得られる」という噂を聞きつけた多くの凶悪宇宙人がこれを手に入れようと神殿に殺到。これを阻止せんとするウルトラ戦士と争奪戦を開始する。
そして不埒な盗掘者の一人、ババルウ星人が様々な障害を突破し入手。装着し、その圧倒的パワーでウルトラ戦士たちを圧倒、窮地に陥らせるも、上記の通り、エンペラ星人にしか鎧の力を使いこなすことはできないため、生命エネルギーを吸い尽くされて絶命。この事が切っ掛けで自我に目覚めたアーマードダークネスは体内に蓄えられた強大な暗黒エネルギーを使い、宇宙苦無獣ザラボンを生み出し、怪獣とウルトラ戦士(メビウスとゾフィー)が戦っている隙に逃亡、正当な装着者(エンペラ星人)を探し、宇宙を荒らし回る。
メビウス外伝『アーマードダークネス』
長い放浪の末、エンペラ星人が地球の衛星軌道上に乗り捨てていた宇宙船『ダークネスフィア』に辿り着く。これが切っ掛けで、『ダークネスフィア』が起動し始め、地球に危機が訪れる。
この異変を察知したウルトラマンヒカリが駆けつけるも、逆に新たな装着者として取り込まれてしまう。しかし、同じく駆けつけたウルトラマンメビウスとCREW GUYSの熱血バカ、もといアイハラ・リュウの活躍により失敗。ヒカリが脱出した際、一度はバラバラにされるも、直後に再結合し襲い掛かるが、フェニックスブレイブになったメビウスによってダークネスブロードを奪われ、激しい剣戟戦の末にダークネストライデントまでも奪われ、頭部から股までをダークネスブロードで一刀両断されたころへメビュームナイトシュートを受け爆発、消滅する。
『てれびくん』掲載のストーリー
『ダークネスフィア』は光の国で処分されたようだが、アーマードダークネスは処分できなかったようで、ウルトラの国で厳重に保管されていた。しかし復讐の機会を虎視眈々とねらっていた『ジャッカル軍団』の残党たちに盗まれ、軍団員の一人が鎧の一部を装着し宇宙警備隊員を襲撃する。その後、メビウスがジャッカル大魔王(2代目)に反撃するために取り返した鎧の一部を装着。さらにメビウスインフィニティーとなり反撃に出るがこれが原因で宇宙に散らばっていた全てのパーツが引き寄せられ、メビウスインフィニティーに融合、吸収されそうになる。するとそこへウルトラマンキングが駆けつけ、ウルトラベルの力により力を完全にコントロールされ、大魔王(2代目)を退けることに貢献した。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル
ところがどっこい、(おそらく)この強大な力に目を付けたレイブラッド星人に二度盗み出されたのか、惑星ハマーに(恐らくブルトンのギャラクシークライスの影響で)別時間軸から持ってきた『ダークネスフィア内部』に安置される。ネオフロンティアスペースの分岐世界からやってきたダークネスフィアの内部にやって来た『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』の主人公「アサマ・アイ」に発見されるも、これを奪取せんとやって来たグローザムをパワーアップさせ、さらに鎧の力を欲したザラブ星人を取り込み、復活してしまう。主人公に襲いかかるが、異変を察知したセブンに阻まれ、彼が装着者になる事で一時的に封印される。
その後、レイオニクスバトルから脱落し、失意の内に惑星ハマーを彷徨っていたメフィラス星人(RB)が、偶然先の戦いで失ったダークネスブロードを発見。剣を介した精神感応で彼を支配下に置き、禍々しい鎧を纏った姿へと変貌させ、封印を解かせて復活を果たす。その後、レイたちと遭遇し対決する。その圧倒的な力でレイたち一行を窮地に陥れるが、自己修復が完全でなかったのか、レイが放ったアイスラッガーで体の一部を破壊され、意識を取り戻したセブンにより動きを封じられたところを、ゴモラの超振動波を受けて砕け散った。
しかし第12話「グランデの挑戦」にて、復元した後にレイブラッド星人が回収し、最終決戦の切り札とするべく惑星ハマーの最奥に配置していた事が判明。
アーマードメフィラスとのバトルを制したレイが自らの跡目を継ぐ事を拒否するや、レイブラッドに憑依されて再びレイに襲いかかる。ゴモラはおろか、途中加勢したグランデのレッドキングすらも寄せ付けず優位に立ち回るが、正気に戻ったメフィラスの助力によって決戦の地へ到達したスペースペンドラゴンにペダニウムランチャーを受け怯んだ隙に二大怪獣はEX進化を発動させ、遂に形勢が逆転。一切の反撃を許さない波状攻撃の末に槍と剣を叩き落とされ、EXレッドキングのフレイムロードを受けて怯んだ所へEXゴモラのEX超振動波をブチ込まれ、爆砕された。
『大怪獣バトルウルトラコロシアム』
ハマーでの戦いの後、惑星モーン・スターに漂着し、モーン・スターの時空の狭間に封印されていたが、メフィラス星人のレイオニクス(ハマーの個体とは別人)がそうとは知らず時空の狭間から様々な怪獣を呼び寄せてレイオニクスバトルの再演を行っていた影響でまたしても復活。ザムシャーを一蹴し、再び宇宙に災厄をまき散らす惨事になりかけるが、主人公の奮闘により再びバラバラにされ、危機は防がれた。
『ウルトラゼロファイト』
その後、宇宙を漂い、怪獣墓場へと漂着。同じくそこを彷徨っていたウルトラマンベリアルが仮初の肉体として憑依、実体化するための触媒とされた。詳細はこちらも参照。
なお、ウルトラコロシアムはウルトラギャラクシーの25年後とされており、ウルトラゼロファイトがそれまでの間に起こった出来事なのか、それとも、AC版以降の出来事なのかは不明である(少なくとも、『キラー・ザ・ビートスター』時点でスペースペンドラゴンメンバーがそれほど歳を取っていないため、コロシアム版の前だと考えた方が自然か)。
派生作品
『ウルトラマンフェスティバル2008』第1部「宇宙最大のピンチ! 倒せ!悪魔の鎧」ではメビウスとの激闘(OV版の映像が使用されている)の末にパーツが宇宙に散り散りとなり、メフィラス星人軍団に狙われるが、アーマードメフィラス配下のザラボンとガロウラーによって一箇所にまとまった所を破壊されるが、残っていた左腕がフェニックスブレイブに装着され、アーマードメフィラス撃破の切り札となった。
『ウルトラマンプレミアステージ2』でも装着すれば強大な力を得ることの出来る鎧として登場。
その無双の力を欲する宇宙人軍団に狙われるが、宇宙人軍団にはとても手の終える代物ではなかった為、まず手始めにババルウ星人をメビウスに化けさせて宇宙人少年ニコの母親を殺害。ニコの憎しみを煽ってアーマードダークネスの力を欲するよう仕向け、続いて鎧の糧とすべくマンとセブンを磔に、最後にヴィオラ姫を攫って復活に必要なフロスエナジーを注ぎ込む事で制御しようと目論むが、フロスエナジーはニコを救おうとするメビウスの方に答え、ニコを救い出すことに成功。宇宙人軍団も壊滅し、計画も潰えたかのように見えた。
しかし、死に際に宇宙人軍団が鎧の糧となってしまった事から暴走を始め、16人ものウルトラマンを相手に苦戦させる程の戦闘力を発揮するも、ウルトラマンキングの助言を受けてフェニックスブレイブとなったメビウスの敵ではなく、最期はメビュームナイトシュートを始めとした光線の一斉発射で完全に破壊された。
『ウルトラマン超闘士激伝新章』でもエンペラ星人の鎧コレクションとして登場。エンペラ星人専用だけあって、数々の甲冑の中でもひときわ巨体である。皇帝空間に侵入してきた闘士ゾフィーを殺すため、怪獣司祭ジェロニモンにより本来の力を上回る戦闘力を持たされてほかの鎧たちと共に暴れだした。
ゾフィーの真の力に畏怖したジェロニモンは海軍参謀バルキー星人の霊魂を憑依させ、モルドwithブラック指令、ジュダwith自分自身と共にゾフィーを襲撃するが、渾身のブラックストリームM87により皇帝空間にブラックホールが発生し、死にようがない彼ら暗黒魔魂が永遠に封じられる結果を招く。怯えたバルキー星人はアーマードダークネスを切り離し脱走するも、霊魂として「存在」していたがために無限の引力に吸い込まれ、物言わぬ鎧となったアーマードダークネスや他の幹部、そしてゾフィーと共に亜空間に投げ出されてしまう。
『ロストヒーローズ2』では財団Xによって手中に収められており、メフィラス星人が紛失した未来のコアメダルとの交換を持ちかけられるが、取引の際に暴走を引き起こしてしまう。そこへ現れたカイザーベリアルによってベリアルウイルスを注入されてベリアル軍の傘下に入り、マウンテン・キューブ地下に囚われていたメビウスを取り込んでダークネスフィアでヒーローを迎え撃ったが、メビュームダイナマイトで内側から破壊されてしまう…が、完全には破壊されずに復活し、死闘の末にヒーローに敗れた(ダークネスフィアが登場するものの1と2の両作品ではエンペラ星人は登場していない)。
その後、デストロイ・キューブにてベリアルの鎧として再び登場。ヒーローとの敗北後はベリアルがゼロに乗り移り、ゼロダークネスとなるが、原作通りにシャイニングウルトラマンゼロによって撃破された。
テレビマガジンでの雑誌展開ではエンペラ星人が装着し、そちらではグリッターティガとメビウスインフィニティーに敗れているほか、ウルフェス2009ライブステージではアーマードダークネスを纏ったエンペラ星人がウルトラマン、ティガ、ノア、メビウスを圧倒した後ウルトラマンベリアルに敗北しているなど外部作品ではエンペラ星人が装着することも。
『ULTRAMANREGULOS』ではマグマ侵略軍提督ヴォルカンがコピーしたアーマードダークネスを装着している。偽物ながらもかなり頑丈であるところから見てもマグマ星人の技術力の高さがうかがい知れる(なお、『大怪獣ラッシュ』によればマグマ星人は鎧の鋳造に長けていると言う)
余談
本エピソードは東宝ビルトにて撮影された最後のウルトラシリーズ作品となった。