「憶えてねェか!!? 8年前“CP5”で襲撃現行犯『T・ワーカーズ』を逮捕した男さ!!」
「全世界を敵に回して 生きてられると思うなよォ!!!!」
「ワハハハ…!! 逃がすかァ…ブァーカ女め…おれをナメんじゃねェよ…!!!」
「さァ 一緒にくぐろうぜ…!!! 夢の扉を!!!」
概要
かつて世界政府付属機関である諜報機関サイファーポールの1つCP9の司令長官を務め、政府の司法機関エニエス・ロビーのトップでもあった人物。
しかし見た目・言動・行動全てが有能とは言えず、性格もかなり下劣な小悪党(故によくアイスバーグの有能ぶりと比較されており、スパンダムも褒めていた)。
ちなみにスパンダムの実父であるスパンダインもかつてCP9長官を務めており、さらに親子揃ってバスターコールを発動させた事がある(スパンダインは22年前ニコ・ロビンの故郷「オハラ」にバスターコールを発令した他、唯一の生存者であった彼女を見逃さず、それをしっかり報告するなど仕事はしていた方)。
プロフィール
本名 | スパンダム |
---|---|
年齢 | 39歳→41歳 |
身長 | 192cm |
所属 | CP5主管→CP9司令長官→CP‐0諜報部員 |
武器 | 象剣「ファンクフリード」 |
道力 | 9(2年前) |
出身地 | 偉大なる航路 |
誕生日 | 3月11日(パンダ発見の日) |
星座 | うお座 |
血液型 | XF型 |
好物 | ウィスキー、高級ビーフステーキ |
初登場 | 単行本37巻 第355話『スパンダム』 |
CV | 小野坂昌也 |
容姿
ウェーブの掛かった薄紫色の髪、スパンダムという名の通りパンダのように黒い目元と鼻が特徴。アニメでは肌は土気色となっている。
その風貌からよくパンダを連想されるのか(あるいは流れ弾が直撃しながら自己紹介をした結果、自身の名前を言い切れなかったせいなのか)フランキーからは「スパンダ」と渾名された。本人は気にしているようで、呼ばれるたびに「…“ム”だ!!!」とツッコミを入れている。
10年前の船大工トムの裁判の際、激昂したフランキーに猟銃で顔面を全力で殴られたことで完治不可能な外傷を負わされ顔がひん曲がってしまってしまい、以降は革製の保護マスクを被った不気味な出で立ちに変貌している。
性格
政府の重要機関の長とは思えない程小物でマヌケ、卑怯な手段も厭わない、卑劣漢。
悪い意味で非常に潔い人物であり、本来ならば大義名分やオブラートで包んで遠回しに表現するべき自分らの非道ぶりも、堂々と口にして憚らない。
劇中では幾度もロビンの顔を血塗れるほど殴る蹴る、階段から叩き落とす、髪の毛を引っ張り地面に引きずり回すなど、彼女に対してリョナといえる暴力を容赦なく振るうことを全く躊躇わず実行する姿が何度も描写されている(アニメでは特に)。
地位と権力を傘に職権を乱用してやりたい放題というその姿はまさに「虎の威を借る狐」という言葉がよく似合う。
バレたらクビどころか軍法会議で処刑されかねないレベルであり、世界政府の権力の大きさと腐敗ぶりを体現した人物。
父親のスパンダインもそんな感じで、この親にしてこの子ありとはよく言ったもの。
あまりの風格の無さに、(ガレーラ時代の)ロブ・ルッチの知り合いであるチムニーからは「ルッチのお供のヤツ」呼ばわりされていた。
(そして2年後には現実となった)
こんな彼であるが…いやだからこそであるのかCP9のメンバーからの敬意はほとんど皆無でルッチからはバカと見下される、カリファからは存在がセクハラ呼ばわりされるわ挙げ句の果てにはフランキーがスパンダムに噛みついた際には命令されるまで助けに入らない(実際助けろと言った後にクマドリのみ動いた)等、度々威厳の無さが見て取れる描写もまあ多いの何の。
ただスパンダム自身、そのことに対しては憤ったり悩んだりといった描写はなくむしろ革命軍に関しての重大なミス(もっぱらコイツのせい)を正面から叱責したりカリファのセクハラ指摘発言に対してはノリツッコミを入れたり、貴重な悪魔の実2つをCP9強化のためにコネで手に入れたりといった上司としてやるべき事は行っている。
また自分の人望の無さは一応自覚しているようで、ルッチから「自分達があなたの命令に従っているのは、政府があなたを長官が認めたから」と面と向かってバッサリ言われた際も怒ったりせず正論だと認めていた。
そのためかは知らないが、CP9は(麦わらの一味によるエニエス・ロビー襲撃までは)組織崩壊等は起こしておらずなんやかんや上手くやっていた。
能力
ルッチを筆頭に部下たちが当たり前のように使いこなす六式はいずれも体得していないため、戦闘能力を表す「道力」はたったの9と常人と大差ないレベル(ちなみに道力はライフルを装備したエニエス・ロビーの一般兵一人分を10とするが、武器や悪魔の実の能力は含まれない)。
しかし武器として動物系ゾウゾウの実を食べた剣、象剣ファンクフリードを所持。このファンクフリードの扱いには慣れているので、総合的な戦闘能力はそれなり程度。
これに対しては部下たちも、「アレは強ェぞ」と評している。
一応、コネ頼りで成り上がってきた経緯からか、歴史や世界情勢に関する知識量はけっこう豊富。
また上記の性格により的確に相手の邪魔をする策を成功させたり、大胆な計画を立てたりすることもあるなど指揮官としては一応頑張っていた。
そもそもカリファから『長官の弱さは昔から存じております』と言われていたのだが、ぶっちゃけ指揮官は弱くていいのだ。
極めつきはウ…そげキング、街一つ吹き飛ばす爆弾にも耐えたペルを筆頭とした者にも劣らぬ耐久力の持ち主であり、実際、そげキングの火炎星にフランキーのパンチ、ロビンの能力行使での往復ビンタといった攻撃を連続して喰らうといった一般人なら即死レベルな所業も顔が腫れあがる等しつつ耐えきって且つファンクリードに指示し反撃に出るといった場面もあった。
事実、麦わらの一味の活躍によって次々とCP9の構成員がやられていき、ついには激戦の末“最強の男”ルッチがルフィに敗れるといった中最後までコイツはしぶとく悪あがきしていたのである。
活躍
過去編
作中の初登場は過去編から。
CP5主官を務めていた10年前には古代兵器プルトンは我々政府が持つべきだと五老星に説得し、その設計図があるウォーターセブンに自らも乗り込んでいた。
フランキーが祝砲で放った砲撃に命中する、頭からペンキを被ったうえに海に転落したりとドジな一面も露出しつつ諜報員を使った裏工作(カティ・フラムが今まで造ってきたバトルフランキー号の数々を使った司法船の襲撃)によって麦わらの一味の1人フランキーの師匠であるトムさんを死刑に追いやった。
現在の顔の歪みはこのときトムとフランキーによるもの。
ウォーターセブン&エニエス・ロビー編
本編での初登場は、カティ・フラムことフランキーをルッチ達が拘束した際、電伝虫で報告した時から。
CP9長官に就き、全体の敵陣営のトップとして暗躍し、ニコ・ロビンの捕獲とウォーターセブン市長アイスバーグから古代兵器の情報を聞き出すべく、ルッチ達を5年前に潜入させる。
ルッチ達がロビンとフランキーを連れてエニエス・ロビーに到着し、司法の塔で拘束した後、二人を奪還しに麦わらの一味とガレーラカンパニーの職長達、フランキー一家が襲来。その際、ルフィが独断専行で単身侵入。すぐに前門の衛兵から侵入者の知らせを受け、当初は冷静に対処を命じるが、侵入者がルフィと知って慌てふためく。
その後、ルフィは衛兵が1万人もいる島内で暴れまわり、現地の役人から「被害は400人」と被害数を報告されて驚愕。だが、すぐに100人ほど倒されたため役人は訂正しようとするも、吹き飛ばされた味方とぶつかって(「500人」と言おうとして)「5…ニ゛ーン!!(5人)」と伝わってしまい、スパンダムは「被害は5人」と勘違いして安堵する(その際、ロビン達に「麦わらは衛兵を5人も倒した」と嘲笑しながら告げた)。また、その時に電伝虫の受話器を外しっぱなしにしていること(衛兵たちからはよくやるミスとのこと)に気付かず、現地からの情報が届かなくなる。ルフィが1000人の衛兵を倒して裁判所屋上でブルーノと対峙し、一味が裁判所前まで到達した時にようやく役人が直接電伝虫を届けに来たことで事態の深刻さ(被害が2000人強(内、1000人以上はルフィに倒される)、門番のオイモとカーシーの寝返り、一味が裁判所前まで侵入等)を把握する。
ブルーノがルフィに敗れたのを目の当たりにすると至急CP9全員を呼び出すが、ロビンがルフィ達を拒絶すると、それを面白がってCP9を制止し、ルフィ達にロビンの敵の強大さを誇示していた。が、ルフィの命令でそげキングが世界政府の象徴の旗を狙撃し宣戦布告される。
さらに、フランキーが隠し持っていたプルトンの設計図をその場で燃やすという暴挙に激怒して彼を司法の塔から落とすが、そこに突っ込んで来たロケットマンで助かり、そのまま麦わらの一味とともに司法の塔に乗り込まれる。
CP9にそれぞれ手錠の鍵を持たせて麦わらの一味を迎え撃たせ、自身はルッチを連れてロビンとともにためらいの橋を目指す。途中、ルフィが追って来たことに気付いたルッチが足止めで留まり、ロビンと先を進むが、追手が来たことに怒ってCP9を叱責しようと電伝虫を取り出して連絡しようとする。しかし、何故か繋がらないことにいら立っているとロビンが絶句しながら手に持っている電伝虫を指摘する。
何とそれはバスターコール発令専用の"ゴールデン電伝虫"であり、うっかりバスターコールを要請してしまった。すぐに子電伝虫を取り出してカリファにバスターコールを発令してしまったことを知らせるが、誤ってエニエス・ロビー全体に繋がって島内全員に知られてしまう。
すぐにロビンがバスターコールの取り消しを求めたが反発し、子電伝虫がまだ通話状態になっていることを忘れて、
「ああ結構、お前を連行する為にたとえ兵士が何千人死のうとも栄えある未来の為の犠牲と言える!!! 何よりおれの出世もかかってるしなァ!!!」
「そもそも侵入した海賊共を止められねェ能無しの兵士共など死んだ方がマシだバカ野郎!!!」
などという「失言」とか「暴言」というレベルすら越えた事を口走ったのもすべて島の中に筒抜けに(ロビンに指摘されて失態に気付くが、苦し紛れに自分を「麦わらのルフィ」と騙るも、すぐにバレる)。
そしてロビンがバスターコールが掛かったことを知らせたため彼女を殴り倒すも、海兵・役人は我先にと脱走し始めた。
その後は抵抗するロビンに執拗なまでに暴行を加え続け、最終的に立つことすらままならないほどの状態にまで陥れる。満身創痍のロビンを容赦なく引きずりながら脱走を図るも、そげキングの火薬パチンコによる爆撃を受けて足止めされ、更にロビンの手錠をフランキーに外されてしまう。
その後、バスターコールの恐怖で萎縮したロビンに致命傷を与えようとするもフランキーに阻止され、立て続けにファンクフリードを背負い投げた彼によって下敷きとなり潰される。
ルッチら全てのCP9のメンバーが麦わらの一味に倒され、迎えに来たゴーイングメリー号で麦わらの一味が逃げようとした際には「逃がすくらいならニコ・ロビンごと吹き飛ばせ!!!! ……と!! ”大将”青キジより託かっている!!」と偽って海軍に命令した(なお、この時中将オニグモは何かを察していたが特に行動は起こしてはいない)が、ルフィたちの奮闘で阻まれ、最後はロビンの能力で意趣返しと言わんばかりに背骨を折られた。
全てが終わった後、あまりにもボコられすぎた彼はベッドの上での集中治療状態に。それでも懲りずに一連の責任を部下になすりつけ、始末の人員を送り込むが、軽く返り討ちにしたルッチに「今までの『お礼』にいつか必ず向かいます」と言われてしまい、戦々恐々するハメになった。
報いとは言え、哀れな有り様である。
新世界編
ドレスローザ編
それ以降はまったく音沙汰のない状態が続いていたが、2年後のドレスローザにてカク(台詞のみ登場)、ルッチ、スパンダムらしき人物が政府最強の諜報機関CP‐0の一員として登場。
番外編劇場版ONEPIECE FILMGOLD
ほぼコネだろうがCP‐0の一員になり、2年間の間に自身の後ろ盾であったスパンダインが病気になり権力が弱まったため、本当にルッチのお伴のヤツ(腰巾着)になったことも確定した。
今は父親の回復を待ち、いつかはまた上司へ復帰するために日々ゴマすりを頑張っている。
そんななかギルド・テゾーロからは無能とみなされ、ルッチが派遣される原因を作ってしまいやっぱりいいとこなし……と思いきや、海楼石を使った棘チェーンでルフィを拘束するなど地味に活躍しており、リッカ(ゲストキャラの少年)に邪魔されなければルフィを倒していたといった快挙を成し遂げていた。
ちなみにスパンダムはエニエス・ロビーを襲撃しロビンを奪還したルフィを恨んでいるが、相手には顔も名前も覚えられていなかった。
世界会議編
世界会議終了後、サボの顔写真を持って彼を捜索している様子が描かれた。
余談
- 人気
こうした揺るぎない下衆っぷりと、うっかりコーヒーをこぼしたりうっかりバスターコールをかけてしまうドジっぷりのせいか少しからず人気はあるようだ。第一回世界人気投票では163位で、CP9ではルッチ、カク、カリファ、ジャブラに次ぐ順位である。
実際、上記の悪行により嫌う読者もいるが、「悪役としてはNO,1だった」「何故か嫌いになれない」「どうか下衆な性格のままでいて」「生き続けて何かしらの報いを受けてほしい」といったコメントもある。
他にも、海軍の准将以下ですら謁見が許されない五老星の前で啖呵を切ったことから彼の株も上がっている声もある。
- 中の人
スパンダムの声を担当する小野坂昌也氏は、ロビンの回想編で登場する彼の父スパンダインの他、東の海で敵として登場したクロネコ海賊団のシャム、アーロン一味のチュウなども担当している。
このように出演歴が長く感じるが、実際のところはブランク期間にかなり開きがあり、本人も主人公のルフィ以外のキャラの名前を把握しきれていないことを自身の冠番組内で語っている。共演者の神谷浩史氏(同じく作中でトラファルガー・ロー役として第2部以降準レギュラーとして出演が継続している)からロロノア・ゾロについて聞かれても「三刀流の…中井くん?」と答えるほどであった。その後、番組内では麦わらの一味の名前をどこまで認識しているかに挑戦する企画が展開された。
(小野坂氏の最終結果や珍回答については動画を購入してチェックしてみよう!)
また、小野坂氏は同じジャンプ出身作品では『ボボボーボ・ボーボボ』の首領パッチ、『ジョジョの奇妙な冒険(第3部)』のアレッシーとしても有名で、いずれも本作でスパンダムにバスターコールの権限を与えた青雉役の子安武人の演じるキャラクターたちと関連深い人物となっている。
それを受けてなのか、ゲーム『アンリミテッド』ではスパンダムと青雉が同時に登場し、麦わらの一味と戦うという展開も描かれた。先に登場したスパンダムが、青雉の放つ冷気のトバッチリを受けて「ええええええええええ!?」と絶叫したり、青雉の方も自分のせいで凍結したスパンダムを見て「あぁ、いたの?」と軽い反応をするという、前者の作品を意識したようなコミカルなやりとりもあった。
その他、本作のとあるモブキャラもゲームでゲスト参戦した『キン肉マンⅡ世』の主人公・キン肉万太郎としても有名(余談だが、両作品は小野坂氏に限らず主要キャラたちのキャストが被っている例が多かったりする。最近は中の人だけでなく役名まで同じキャラまで登場した。)
- モデル
おそらくモデルはアメリカのプロレスラーミック・フォーリーのギミックの一つ「マンカインド」。
関連タグ
父親
CP9の元部下
ロブ・ルッチ カク ジャブラ ブルーノ クマドリ フクロウ カリファ
ネロ…こいつに至っては一緒にいる描写が皆無。
因縁の相手
彼自慢の武器
バスターコール…実際ゲーム内で必殺技として出てきた
総評価