概要
てんとう虫コミックス23巻及び、藤子・F・不二雄大全集19巻に収録。
初めて掲載されたのは『てれびくん』の1980年7月号で、この時のサブタイトルは「ミニ水族館」だったため、大山版もこのサブタイトルになっている。
ストーリー
スネ夫に遊びに行った先の海底公園の自慢をされ、うらやましくなったのび太とジャイアンと静香だったが、のび太はジャイアンとしずかから連れて行ってもらえるようドラえもんに頼んで欲しいと頼まれてしまう。だが家の自分の部屋に帰るとドラえもんは昼寝をしていて、しかも尻尾がピコピコ動いていたので、機嫌が悪いんだなと悟ったのび太は、起こさないようこっそりとポケットに手を入れどこでもドアを借りることにした。
しかし出て来たのは声カタマリンやスモールライト、手ばり、おざしきつりぼりと全く関係ないものばかりだった。これにより強引にポケットに顔を突っ込みどこでもドアを取り出そうと思ったが、ドラえもんが起きてしまい「無茶するな。ポケットが壊れる」と突き放されてしまった。
だが訳を聞くと、おざしきつりぼりで魚を釣ってスモールライトで小さくし、ミニ水族館を作って潜水艇で見物するのはどうか言い出したため、のび太も「そうなんだ」とこれに便乗。さっそく釣りを始める2人だったが、ドラえもんはカジキマグロを釣り上げたために海中へ引きずり込まれてしまい、ずぶ濡れになった上にさっきのび太が無茶したせいで蓋が壊れポケットにも海水が大量に入ってしまった。
更に部屋もびしょ濡れになってしまったので、ポケットを乾かしている間、スモールライトで予め魚を小さくしておき、潜水艇に網を取り付けて出航させ海中の魚を大量にゲットした。水槽に入れたこれらを潜水艇の中から楽しんでいた2人だったが、マッコウクジラの尻尾に跳ねられ水槽のガラスに衝突したことで潜水艇が故障し深海魚がいる底の方まで落ちてしまった。
更に乾かしていたポケットを付けてくるのを忘れたため外へも出られず、また自分達が小さくなっているために外は本当の海底と同じ水圧が存在しているため、ピンチに陥ってしまった。そんな中ママがお使いを頼みに部屋にやって来たので、必死に助けを求め叫ぶ2人だったが、小さくなっているので当然聞こえていなかった。
だがその時のび太は、持ってきた声カタマリンを飲んで助けを求める方法を思いつき実行。ママは少し気付きかけたものの、出しっぱなしだったおざしきつりぼりに落っこちたことで怒って帰ってしまい、とうとうのび太はパニックになてしまった。一方その時しずかとジャイアンがやって来て、先ほど叫んだ文字に気付きはしたが、順番が崩れ「ケテスタ」となってしまったので意味は伝わらなかった。
2人の姿が見当たらなかったため、しずかは2人が自分達だけで行ってしまったのかと思い始め、ジャイアンは待つことにしびれを切らして水槽を蹴っ飛ばしたが、このことでドラえもんとのび太は、やっと助かることができた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年12月1日に、水田版は2015年6月5日及び、2021年7月10日にそれぞれ放送している。
1980年版
- 冒頭でスネ夫が自慢話をした際のしずかの台詞はほぼカットされていて、ジャイアンの閃きに「それはいい考えね」と言っただけだった。
- ドラえもんは四次元ポケットが壊れてしまった際、怒鳴ってはいない。
- ドラえもんが今の自分達には外が本物の海底と一緒であることを説明したり、ママがおざしきつりぼりに落ちる描写は描かれていない。
- しずかはドラえもん達が先に行ってしまったとは考えておらず、ジャイアンはおざしきつりぼりに落ちてびしょねれになったことで腹が立ち、水槽をここに投げ入れた。また助かった後のび太はジャイアンに抱き着きながらお礼を言っていて、愛してるとまで言っていたがジャイアンは気持ち悪いと言っていた。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんがチョウチンアンコウの上に乗り、片手を上げながらこちらにウィンクしているというものだった。
2015年版
- スネ夫が皆に海底公園を自慢する下りは、ドラえもんに訳を聞かれた際に回想シーンとして流れていて、スネ夫は海底公園の様子を自分の家のテレビで皆に見せていて、皆がドラえもんに頼んでと言う下りも省略されている。ちなみにスネ夫は海中公園と言っていた。
- のび太は手ばりとおざしきつりぼりの間にジャンピング潜水艦も取り出している。
- ドラえもん達はマッコウクジラに近づく前にカクレクマノミやハリセンボン、マンボウを間近で観察している。またドラえもんはハリセンボンの針は鱗が変化したものであることや、マッコウクジラは歯がある動物では世界最大であることも説明していた。
- のび太が外へ出ようとする描写と、どこでもドアを使おうとする下りは順番が逆になっいる。
- しずかとジャイアンは、びしょねれになったママに少し驚いていた。
- 声カタマリンはこの2人が来た際に始めて使用していて、更に2人の名前も叫んで助けを求めたが、リュウグウノツカイによって文字が崩れてしまい「オンチジャイアン」となってしまい、これに怒ったジャイアンは水槽を蹴っ飛ばした。
2021年版
- サブタイトルが「つくろう!おざしき水族館」に変更。
- スネ夫は空地で海中公園に行った映像をタブレットで皆に見せていて、バブルリングを出しているシロイルカとのツーショットの動画も自慢している。ちなみにスネ夫は両親と行っていて、去り際には「君たちは平凡な夏休みを過ごしたまえよ」とも言っていた。
- のび太が手ばりとおざしきつりぼりを取り出した順番は逆になっている。
- ドラえもん達は初めにイワシの大群を目撃していて、マッコウクジラと写真も撮ろうとしていた。
- 海底に落ちた際もドラえもんは記念撮影していて、大口を開けた深海魚に驚くのび太や、ダイオウグソクムシも撮影している。
- ママが部屋に来たのはスイカを持ってきてからで、一方のび太は声カタマリンでママの名を叫ぶも跳ね返って来てしまい、ダクトへの穴を利用して改めて助けてと叫んだ。
- 野比家に来た時、ジャイアンはアロハシャツ姿で首にはカメラを提げていて、しずかはワンピース姿に麦わら帽子をかぶっていた。また、2015年版と同じく、びしょ濡れになったママに少し驚いていた。
- 2人がそれぞれ叫んだタスケテの文字は、水面で崩れタケとテスタケとなってしまった。そしてジャイアンが2人が戻るまでスイカを食べたり漫画を読み始めたりしたので、腹を立てたドラえもん達が再び叫び「ワガママズウズウシイゴリラジャイアン」と浮かんできたため、怒ったジャイアンはつりぼりに向かって水槽を投げ込んだ。