「シンケンジャー…… 丁度良い、我が鉄砲隊の訓練相手でごわす」
データ
概要
第三十八幕「対決鉄砲隊」に登場するぶら下がる炎のような、巻きつく草のツルのような姿を持つアヤカシ。『釣瓶火』という妖怪の伝承のルーツとされる。
上記の姿をより詳細に説明すると、頭部から胸部、両大腿部に掛けて縦一直線に真っ赤な炎のような外見をしているが、両腕と膝から下の両足は緑色で、ツルが巻き付いた様な意匠が見受けられる。
前回登場したモチベトリが関西弁を話すのに対し、こちらは鹿児島弁を話すのも特徴の1つで、「帳外炎鎧銃(ちょうはずれえんがいじゅう)」という鉄砲で武装している。
火縄銃(連射式)で武装したナナシ連中で編成されたナナシ鉄砲隊を操って人々を襲い、自身も上記の帳外炎鎧銃を操る鉄砲の名手。兵法にも長けており、采配一振りで鉄砲隊を見事に統率する優れた指揮官でもある。
劇中での活躍
飛び道具を持たないシンケンジャーに対抗すべく、ナナシ鉄砲隊を編成して出陣。
当初は筋殻アクマロから「野蛮」と苦言を呈されていたが、目的の為なら手段を選ばない骨のシタリから説得され、御大将ドウコクもこれに同意し出陣。
遠距離からの銃撃による相手の殲滅を得意とするが、初戦では肝心のナナシ連中の足並みが揃わなかった為、十分な力が発揮できずに撤退。
しかしこれもシタリの想定の内であり、その後の再戦では登山客の前に現れシンケンジャーと対決。
連れて来ていた鉄砲隊に対し、シンケンジャー側は散開することで狙いを絞らせない戦術を取って対抗する。案の定鉄砲隊は大混乱に陥り、シンケンレッドを先鋒に三方から切り込んだ初期メンバー5人にあっという間に殲滅されてしまう。
イクサズレ自身はシンケンゴールドとの一騎打ちに持ち込まれ、応戦するも全く歯が立たず吹き飛ばされる。
だがこれは作戦の内であり、周囲の高台に伏兵として潜ませておいた別の鉄砲隊により不意打ちを食わせ、ゴールドを変身解除に追い込むと共にシンケンジャーを完全包囲。
「ここからでごわす。飛び道具の神髄は、数と遠距離攻撃にあり!」
そのまま一斉射撃でレッド以外の全員を撃ち伏せるが、止めの直前になって黒子の煙玉に鉄砲隊がかく乱され、さらに陣形の背後からバイクで突っ込んできた彦馬に吹っ飛ばされて失敗。
さらに彦馬が持ってきた新兵器「モウギュウバズーカ」により、自慢の鉄砲隊を一掃されてしまう。
進退窮まったイクサズレは自ら鉄砲を手にするが、突っ込んできたスーパーシンケンレッドに一方的に圧倒された末、スーパーモウギュウバズーカで放たれた「外道覆滅」を受けて敗北した。
直後に二の目となって巨大化するや、今度は巨大な大砲を持つ大ナナシ大筒隊を率いてモウギュウダイオーとシンケンダイゴヨウを圧倒する(ダイゴヨウが参戦を申し出た)。
しかし、今度は「大」のモジカラで巨大化したモウギュウバズーカとバルカン砲の二丁拳銃で大筒隊を一掃された上、シンケンダイゴヨウの秘伝ディスクの投擲で銃を手放してしまい、丸腰になった所へト止めの猛牛大回転砲を喰らい今度こそ爆散した。
余談
モチーフは炎と蔓で、名前の由来は戦+連れる。ただし名前は「イクサヅレ」ではなく「イクサズレ」。
ちなみに「ずれ」は「~の野郎」「~ごとき」的な意味の蔑称でもある(山岡荘八の時代小説などによく出てくる)。
現代の伝承で『釣瓶火』と呼ばれる妖怪は釣瓶の様に木からぶら下がる炎の化け物らしいが、イクサズレの身体に走る赤い模様がぶら下がる炎に見えたのがそのルーツだと思われる。
釣瓶火をモチーフにした怪人は『忍者戦隊カクレンジャー』や『仮面ライダー響鬼』にも前例が無く、このイクサズレが初。
声を演じた秋元氏は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』にて臨獣パンゴリン拳ムザンコセ以来、2年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。更に6年後の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』にて超上級妖怪シュテンドウジを演じる事となるが、こちらも敵怪人が妖怪モチーフの和風戦隊である。
パワーレンジャースーパーサムライではマルタンという名前で登場
ナナシ鉄砲部隊はブラスター部隊という名前に変更されている
関連項目
侍戦隊シンケンジャー 外道衆 アヤカシ(シンケンジャー) 釣瓶火 ガンナー
タクミガミ:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場した火縄銃使いの戦隊怪人としての先輩。
ホムラコギ:スーパー戦隊VSシリーズ『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG!』に登場したアヤカシで、こちらも炎がモチーフ。
東方不敗(機動武闘伝Gガンダム):中の人とおさげから連想した視聴者も多かった。どちらも優れた用兵家であるが、東方不敗は銃などに頼る戦術は好まない武闘家でもある。