- 漫画『魔法先生ネギま!』の登場人物・神楽坂明日菜の別名。バカレンジャーも参照のこと。
- スーパー戦隊シリーズのレッド戦士の種類のこと。ここで説明する。
概要
上記のようにスーパー戦隊シリーズの「バカ」なレッド戦士のことである。
ただし、当初の意味合いは単純な馬鹿なレッドの総称ではなく、塚田英明プロデューサーの作風を表す言葉だった。
スーパー戦隊におけるレッドといえば伝統的には「正義漢に燃える頼れるリーダー」というイメージが強かった。率先してぐいぐいチームを引っ張っていくタイプ、冷静に大局を見てチームをまとめていくタイプなど違いはあるものの、完成された人格者にして頼りがいのある、リーダーシップに満ちた男がレッドのポジションを務めてきた。無論、『超獣戦隊ライブマン』の天宮勇介(レッドファルコン)や『忍者戦隊カクレンジャー』のサスケ(ニンジャレッド)のような軟派レッド、『激走戦隊カーレンジャー』の陣内恭介(レッドレーサー)や『電磁戦隊メガレンジャー』の伊達健太(メガレッド)のような馬鹿寄りのレッドは存在していたものの全体的に見れば20世紀は熱血タイプが主流であった。
しかし、塚田Pが戦隊シリーズを担当するようになった2000年代前半以降の戦隊シリーズでは様々な意欲的要素やキャラクター性を模索していくようになり、その中で「頼れるリーダー」ではなく「考えるよりも先に動いてみんなを引っ張るムードメーカー」的なレッドというキャラ付けも頻繁に成されるようになっていった。そして、往々にしてそうしたレッドの特徴を直に言うと「バカ」であり、『特捜戦隊デカレンジャー』からの塚田Pがメインで担当する戦隊レッドの総称(またはガキレッド)として使われるようになった。アクの強い塚田戦隊の代表要素と言える。
主な特徴
作品ごとに違いはあるが、基本的に
- 「後先考えず思うままに行動し先陣を切って突っ走る猪突猛進タイプ」
- 「他のメンバーよりも立場が低く精神的にも幼い新人(ルーキー)的存在」
- 「トラブルメーカーになりやすい」
と設定され、 必然的に第一話で最後にチームに加入する事が恒例となっている。分かりやすく言うと「成長型の少年漫画の主人公のイメージ」的な性格である。
このようなレッドは成長を描きやすい。
一年と言う長いスパンをもって放送されるスーパー戦隊。そこでストーリーを展開していくにあたっては、最初から完成された頼れるリーダーよりも馬鹿で前に引っ張る方の主人公の方が成長を描きやすいのである。また塚田Pが『デカレンジャー』のインタビューでレッド以上に他のメンバーを成長させる意図があったとも語っており氏の得意とする少年漫画展開にも持っていきやすかったという都合もある。
但し劇中では赤座伴番(デカレッド)より胡堂小梅(デカピンク)の方が遥かに問題児だったり、『魔法戦隊マジレンジャー』の小津魁(マジレッド)は年相応に思い詰める部分も持ち合わせていたり、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の漢堂ジャン(ゲキレッド)も境遇から見ればむしろ頭は良い方だったりするなど極端な馬鹿としてのみ描かれているわけではない。
これらのバカレッドはメイン視聴者である児童層の視点からすれば、こちらのタイプのレッドは感情移入しやすい、身近で親しみを感じられるキャラクターという位置づけとして定着した反面、性格やトラブルメイカーにストレスを感じたり、リーダーシップを発揮する大人のレッドを好む放送当時の古参の戦隊ファンや特撮ファン層から嫌われることもあり、『轟轟戦隊ボウケンジャー』の明石暁(ボウケンレッド)や『侍戦隊シンケンジャー』の志葉丈瑠(シンケンレッド)など一時期のリーダーらしいレッドが人気が出たのもバカレッドへの反動が理由の一つ。この為、塚田戦隊ファンには「バカレッド」という表現が批判として受け取られる可能性もあるので注意。
塚田Pの担当以外の『炎神戦隊ゴーオンジャー』以降バカレッドタイプのレッドが複数登場したことで、「単純に馬鹿なレッドの総称」という井上ワープのように塚田作品であることが問われなくなっており、定義も「馬鹿」のみであるので『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の伊賀崎天晴(アカニンジャー)のように馬鹿だが自分もそれを理解しておりトラブルメーカーになることが少ないレッドでもバカレッドに入っている。