パトベセル
ぱとべせる
『遊撃警艦パトベセル』に登場する警艦。警偉庁102番目の警際署「青空署」の庁舎そのものでもある。
所謂飛行戦艦であるが、軍ではなくあくまで治安機構たる警際の保有物の為、パトクル(警際用車両)よろしくパンダカラーに塗装されている。
本来はジェクト(要するに人型巨大ロボット。一応自動車なのでハンドルで動かす)犯罪の高機動化に伴い、管轄を無視して現場に急行できる「空飛ぶ警際署」として考案された。しかし、現青空署署長である七瀬ヒカリ警偉正(警偉総監・七瀬光一郎の一人娘)が「アレ頂戴」と言ったことで、親馬鹿パワーによりヒカリの私物に成り下がった。
操舵手である端深空が基本的に操縦しているが、オートパイロット機能もある。夜間など勤務外においては常時浮遊したまま位置を保っているらしい。
主な武装は2本の船首の中央に配備された6連回転弾奏式巨大砲ネオ・ナンブカノン。ブリッジの艦長席から飛び出すトリガーを引くことにより、連動してハンマーが下り、発射される。
弾速は発射音の後に着弾しているため亜音速と推定される。射程は最低でも東諒湾の大吊橋から本庁を貫通できる程度はある(現実世界換算だと約4.5㎞)。その威力は衝撃の逃げ場がないほどにギチギチに詰まった状況であればギュエスの一個小隊(下手したら中隊規模)を一撃で爆砕するほどであるが、その威力故に発射する際には艦内全てが反動で揺れるため、署長の事前通告が必要。署員は近くの物に捕まるなどの反動対策が必要不可避。
連射も可能だが、リロードの際には伊月他の整備班が総員で装填する必要があり、乱発は出来ない。
署長がバk…もとい仕事熱心なため頻繁にぶっ放しており、主に本庁が犠牲となっている。基本的に署長であるヒカリの許可なしでは使用できないが、緊急事態に限り操舵手である空も撃つことが可能。
本体も極めて頑健で、上記の大吊橋に突撃しても傷一つ負わず、ロール√で出現した巨大魔人に殴られてもほぼ影響はなかった。
甲板には展望台(吹きさらしにフェンスが張ってあるだけだが)もあり、天気がいい日であれば解放され、都内を一望できる。たまに所長が本庁からのFAXで焼き芋を焼いていたり、夜には宴会なども開催されたりする。
通勤は物理的に不可能なので必然的に全寮制。内部の居住環境は極めて良く、調理係の柚子の料理は警偉庁有数と評される。風呂は男女別。ヒカリの趣味で監視カメラにより内部が筒抜けになっている(まあ、彼女の個別√では笑撃のしっぺ返しを食らうわけだが)。
ヒカリ√最終日では、後述のヘカトンケイルに自爆特攻を仕掛けたことで共に爆散し、東諒湾に沈む。この際にはヒカリも「ごめんね、パトベセル…」と発言している。これに伴い青空署は解散となるが、半年後を描いた同√エピローグにおいて2番艦が完成し、無事に青空署復活と相成った。
本艦完成はいわば作中における「浪漫」に「現実」が追いついたというエポックメイキングな事件であり、この完成に伴い武骨な外見の機体ばかりだったジェクト業界も「じゃあアニメとか映画に出てくるようなカッコいい外見の機体も作れるんじゃねーの?」と変態的な発展を遂げることとなる。その結果として、次章のピースキーパーが完成に至ったわけである。
外見の元ネタは『機動戦艦ナデシコ』に登場するナデシコ。
型式番号 | PJ-PK001 |
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頭頂高 | 7.5m |
重量 | 5.4t |
青空署に試作配備された、警偉庁が運用する最新鋭ジェクト。
重機をそのまま直立させたような工事用ジェクトとは異なり、アニメのヒーローロボットのようなスタイリッシュな外見をしている「白い巨人」。
最新鋭OSにより高い操作性を誇り、人間の用いる柔道などの格闘技を行使することも出来る。OP映像ではジャングルの王者ターちゃんのマネをしている。
背部にはスラスターを装備し、自力での地上からパトベセルへの上昇帰投が可能。ただし、単独飛行は不可能。
コックピットは通常の車両よりやや広めで、作中では無理矢理赤島(主人公)の膝の上にお姫様抱っこのような姿勢でヒカリが入り込んでも、玲於奈とS〇Xしながらでも運用できていた。
作中ではジェクトによる犯罪の他、交通整理などにも出撃させられている。
青空署に配備されている機体は、最低でも7機確認できる。作中では主に赤島の乗る1番機と、黛玲於奈の乗る2番機が使用される。ヒカリ√並びに空√においては全機に伊月、葉澄、柚子、おやっさん等も搭乗し、ギュエス軍団や本庁の量産型PK師団と交戦した。
武装は特殊警杖と、専用散弾銃「モスベルグ」。一部ルートでは対物狙撃銃や捕獲用羅網爆弾「ポンキュッBOM」も登場する。
装甲は極めて頑健で、受け身が取れればパトベセルのネオナンブカノンの直撃にも耐えることが可能(パイロットは気絶したが)。
1番機はツインアイ、2番機はモノアイであり、後に本庁が出撃させた量産型ピースキーパーや、後述するギュエス等はモノアイになっている。
ヒカリ√で登場する、パトベセルを模造した飛行戦艦。
カラーリングはパトベセルを黒く塗装したような外観(言ってしまえば『機動戦士ガンダムSEED』のアークエンジェルに対するドミニオンのようなカラー)で、サイズどころか内部構造まで完璧にパトベセルを模倣している。
某超大国がパトベセルの流出データを基に建造した完全無人ロボット艦であり、内部には警備ロボット「コットス」が天井や壁にまでウジャウジャ張り付いている他、コンソールは銃撃しようがびくともせずハッキングも常時無効化されている。
外部装甲もパトベセルを遥かに凌駕するほど頑丈で、ネオ・ナンブカノンの直撃ですら傷一つ負わない。
日本国政府との裏取引で、軍事演習の為に都内にギュエスをばら撒いて無傷で撤収するという八百長を行うとされていた(なお、この事は警偉庁には完全に隠蔽されていたため、その「表向きの理由」を知った警際は青空署含めて大激怒した)。
だが、その真の目的とは日本政府側との取り決めを反故にして、ギュエスとの戦いで戦力が磨滅した東諒都を完全に破壊し尽くし、そのデータを基としたヘカトンケイルの量産化・戦争兵器としての運用の模索という、もはや虐殺以外の何物でもない「侵略行為」であった。
最終的にその「真の目的」を知った青空署により、パトベセルそのものをぶつけられて大破。東諒湾に水没していき、ギュエスも完全に機能停止した。これにより、ヘカトンケイルのデータもすべて失われた。