『艦隊これくしょん』の五航戦
『艦これ』で五航戦と言えば翔鶴・瑞鶴の翔鶴型もとい鶴姉妹を指すケースが殆どで、pixivでもこの姉妹のタグとして使われている。史実で、翔鶴と瑞鶴の他に所属空母が事実上なかった(厳密には、春日丸/大鷹が一時的に所属していた時期がある)事もあり、他の航空戦隊タグよりも定着している。なお、護衛役であった朧や秋雲などには別のタグが使用されている。→五航戦護衛組
服装は両者共に白と赤を基調とした弓道着を着用しており、裾に縫い目の付いたミニスカート仕立ての袴を穿いている。瑞鶴のみ「改」と「改二」に改装すると紺の上着に茶色の袴となり、史実で施された迷彩にちなんだ迷彩柄の艤装を身に着けるようになる。
胸当てにはそれぞれの艦種を示すカタカナ一文字の甲板識別文字が記されており、機銃砲座と主機の付いたブーツを履いている。使用する弓矢は一航戦や二航戦とは異なり、矢の先端部に艦載機を括り付けている。
ゲーム中では判りづらいが、アニメ第5話のコニシ氏書き下ろしのアイキャッチでは背中の矢筒にマジックアームで繋がれた艦橋と煙突が付いているのが確認できる。
翔鶴と瑞鶴はどちらも2013年5月17日に開催された『艦これ』初のイベント『敵泊地に突入せよ!!』のクリア報酬として初登場し、その後しばらくして特定海域でのドロップと建造による入手が解禁された。
レアリティの高さとドロップする海域の制限から姉妹揃って入手困難(特に瑞鶴)。また、上記の通り、史実において一航戦の艦載機乗りが五航戦を過小評価していた事に由来する加賀の「五航戦の子なんかと一緒にしないで」のセリフも有名である。
ゲーム中では、姉妹共に赤城を上回る艦載機搭載数と高い回避能力を誇るが、それ以外の性能は正規空母としてはごく平凡なもの。特に火力に関しては正規空母中最下位となっており、史実におけるスペックやその奮戦ぶりからするとゲームではパっとしない能力にとどまっている。
また、装備スロットの搭載数に偏りがなく、スロットごとの大小に応じた使い分けが利かないので、扱いにくさを感じる場合もある。そのポテンシャルを最大限に引き出すには特化構成が吉とされる。搭載数自体は多いので、特化構成での能力は高い。
なお、艦載機熟練度システムの導入後は、クリティカル補正が最も大きい1スロット目を含め3スロットが24機(「改」の時)という、航空戦における打撃力が期待できる配置が大きな長所として扱われるようになった。
正規空母で1スロット目に24機以上のスロットを持つのは装甲空母の大鳳、海外艦のグラーフ・ツェッペリンしかおらず、グラーフ・ツェッペリンは2スロット目以降の搭載数が極めて少ないという特徴の持ち主であるため、多数のスロットによるアウトレンジ攻撃を得意とするのは、史実同様、大鳳を含めた新一航戦の特徴となった。もっとも、これまた史実同様に対空装備に優れた艦に遭遇すると大量の艦載機を失う羽目になるのも変わらないのだが……それは彼女達に限った話でもないので欠点とは言いがたい。
ちなみに彼女らも正規空母相応の燃費の持ち主ではあるが(赤城より多少は良いが、それでも誤差程度にすぎない)、入手難易度と時期の問題から兵站が十分な状態で入手する事がが多いためか、あまり大食い扱いをされる事はない。ちなみに公式4コマでは何故か軽空母・空母全員をひっくるめて大食い扱いとなっている。
改二
2015年夏季イベントE-6『反攻作戦!FS方面進出』突破報酬(難易度:乙以上が条件)の一つとして、「試製甲板カタパルト」が登場。描かれている妖精さんが明らかに五航戦の二人である。
かねてより五航戦の二人を改二へと改装する際に必要なアイテムでは?と見られていたが、2015年9月25日のアップデートで翔鶴改二が実装された際、予想通り改装設計図とともに必要なアイテムである事が判明した。そのほぼ1か月後となる10月30日のアップデートでは瑞鶴改二も実装された。どちらも「史実では実用化できなかった空母用カタパルトを装備した」という想定のif改装である。ちなみにこのカタパルト、史実ではあの加賀さんが装備して運用試験を行ったという実績がある。この縁で、加賀さんも改二で試製甲板カタパルトを使用する。
弓道着は従来の筒袖から袂の付いた物に着替え、袂を襷で縛っている。ちなみに襷の色は翔鶴が単色の赤、瑞鶴が縞柄となっている。
艤装は更に重装備となり、姉妹共に左腕には高射装置を身に着け、尻部には腰から提げたベルトに吊られた装甲が加わり、その側面の台座には翔鶴が高角砲を、瑞鶴は12cm30連装噴進砲を装備している。足回りの艤装も大きく変化し、艦首を模したブーツのサイドから伸びるマジックアームには大型のバルジが付き、改二甲では膝付近にも赤いバルジが追加される。
飛行甲板にカタパルトが付いたにもかかわらず依然として弓を使っている事を不思議に思う提督もいるようだが、第二次世界大戦当時において空母にカタパルトを装備していたアメリカでは、時間短縮のため状況によってはカタパルトを使わない発艦も行っていた(カタパルトを使用して1機発艦させるだけでも1分ほどかかり、カタパルトのみで大量に発艦させるにはどうしても時間がかかってしまった)ので、使い分けていると考えれば別におかしな事ではない…かも。
ノベライズ『鶴翼の絆』では「実際にカタパルトでの発艦は行わないが、カタパルトの装備に見合った素早い発艦が身につく」と解釈されている(これを反映してか、艦これアーケードでも普通に弓しか使わない)。
両者とも改二になることで射程が従来の「短」から「中」に伸びる。これまでの空母娘は特定の副砲を装備することでしか射程を「中」にする術がなかったので、副砲なしでも他の空母より先に砲撃できるのは大きな利点となる。また、搭載機数も加賀改に次ぐ多さとなる。
他にも、初期装備は全くない代わりに改二甲へのコンバート改装が可能になるという特徴がある。改二甲となると装甲空母となり、搭載機数こそ減るがスロットの偏りのなさが解消され、火力が大幅に向上する。特に翔鶴の場合は改二甲となることで全空母中最大の火力に達する。更に噴式景雲改や橘花改等のジェット機が運用可能となり、航空戦開始前に先制攻撃を仕掛ける事が可能となった。
しかしながらその分燃費は相応に悪化しており、改二甲状態では長門型戦艦相当にまで膨れ上がってしまう。それに加えてジェット機を運用する際は1回の戦闘ごとに鋼材を消費する点も考慮しなければならない。
改二と改二甲を比較すると、複数のスロットに艦攻を積める分改二の方が最大火力は高いのだが、改二甲は高い耐久力や中破しても攻撃可能な特性から火力の安定性の面で勝る。ただし改二甲は搭載機数が減るので、単独での制空権確保は厳しくなる上、艦載機を消耗しやすい海域では艦攻・艦爆の配置に注意が必要となる。
改二改造のための必須アイテム「試製甲板カタパルト」の入手手段は限られている。期間限定海域(イベント)の報酬を除いて、2022年時点における確実に入手できる任務(クエスト)は2つだけであり、それらは複雑な段階(難関とされるウィークリー任務「ろ号作戦」&「水上反撃部隊突入せよ!」、そして80時間もの期間を要する遠征の「敵母港空襲作戦」を含む)を経て入手することになるなど、非常に時間と手間がかかる。それ以外の任務では基本的に選択報酬となっており、カタパルトを選択した場合は他の報酬を諦めねばならない。加えて、これらの任務の多くは一度限りの「単発もの」である。すなわち、「試製甲板カタパルト」は入手可能な数に上限がある。
このため、改二翔鶴型などの改造にカタパルトを消費する艦を、万が一にも轟沈させてしまうと、再入手が極めて困難である事には、十分に留意しておきたい。さらに、五航戦関連の任務で獲得出来る高性能な艦戦や艦攻は再入手の手段は、現時点では無いので、轟沈によるロストや誤解体などには十分注意が必要である。
余談
ジェット艦載機についてだが、第二次世界大戦中は実用化されて間もないジェット機を艦上運用する技術そのものが確立されていなかったため、当時ジェット機を完成させた日本やドイツはおろか、アメリカでさえも艦載機として運用可能なジェット機はなく(厳密に言えばあるにはあったが未だ試作段階かつ不完全な状態だった。艦載ジェット戦闘機は、戦後間もない1945年12月にイギリスが初めて運用実験を行っている)、実用的な機体の運用が始まったのは終戦から5年後の朝鮮戦争勃発の辺りからである。なお、運用していたのは翔鶴型と同クラスの規模を持つ米海軍のエセックス級であるため、翔鶴型でもできる可能性は高いだろう。
そんな中、2015年11月におけるランカー報酬として「ネ式エンジン」が実装。これは橘花のエンジン「ネ20」のことであり、更に2016年8月発売の月刊『コンプティーク』において2016年秋以降に「新型航空機」が実装されることが告知され、同年12月9日にて後述の噴式景雲改と共に『艦これ』オリジナル仕様となる艦上戦闘機型の橘花改として実装されている。
一方の大重量艦載機については、2015年9月作戦のランカー報酬として配布された装甲空母のみが装備可能な艦上偵察機・試製景雲(この景雲の自重は6,015 kgと、この時点で流星の全備重量より重い)が実装されており、零式水上偵察機や一式陸攻、彩雲等の航空機や膨大な資源と引き換えに改修工廠にて改造を行う事で噴式エンジンを搭載した戦闘爆撃機型の噴式景雲改良が入手できる。
関連タグ
新一航戦 ←ミッドウェー海戦後に一航戦を継いだ際のメンバーを指すグループタグ