曖昧さ回避
本稿では3.について解説する。
概要
小雨大豆の妖怪漫画「九十九の満月」及び前日譚「月歌の始まり」に登場する名家で、軍神(ぐんしん:当為的に造られた妖怪みたいな兵器)といった技術開発、式術(しきじゅつ:文字状の回路を介して様々な効果を発現させる技術)の新規構築などの卓越した知恵者を輩出する家系。肩書きには「知恵の泉」が冠される。
九十九の満月では、風神家(かざがみけ)で開発された軍神や名前だけなど間接的に登場。
九十九の満月から数百年前が舞台の前日譚「月歌の始まり」では、風神家(かざがみけ)が直接に登場する。
また両作品は約600年の時代間があり、これ以前にも存続されているような一族背景から、長い歴史をもつ家柄である模様。
知恵の泉・風神家(かざがみけ)
小雨大豆の妖怪漫画へ何らかの重要な型式で登場する風神家(かざがみけ)。
「知恵の泉」とも冠される知恵者の名家は、陰陽師の中でも誉れ高く、閉鎖的な家柄らしい。そして後述する発明品、才覚の片鱗から畢竟の技術者が輩出される家系なのは確か。
九十九の満月では、味方勢力に高度な自我-そして変態(たつじん)の知性-を備えた人型の軍神(ぐんしん:当為的に造られた妖怪みたいな兵器)に「型継(かたつぐ)」が登場する。男性的な精神形成がされ、体は機械なため戦況に合わせた改造・換装が出来て戦闘力はもちろん、状況分析など高い性能を有している。物語の舞台・おんでこ屋敷での騒動に、仲間と共に多大な活躍?をする。
更に敵勢力が使う軍神(ぐんしん)の中にも、風神家(かざがみけ)が関わった危険な機体が登場する(おそらく奪取された代物と思われる)。
九十九の満月から数百年前が舞台の前日譚「月歌の始まり」では、個人名称が不明の風神家(かざがみけ)が登場する。
日ノ本の新皇になる野望を企てる超危険人物・平小次郎将門を追討する軍団へ参戦する風神家(かざがみけ)の1人は、多彩な機能を搭載した兵器(メカ)の姿で参上。球体の胴体に機械的な手足が生えたような機体。無口だが、電子画面で意思表示や周囲に合わせた仕草をみせたりなど、以外と感情豊かで茶目っ気たっぷり。
なお、この球体型をした風神家(かざがみけ)は完全自立型の機体で中身は無人。単行本14巻現在では、製造者は未登場。
坂東火雷十天衆の技術者・筒画屋大漬之助による回想でも風神家(かざがみけ)が登場。
巻物)は、知性をまるで感じさせぬミミズののたうつような汚い文字で綴られていた。だが、そこに書かれていた内容は天地を揺るがす大発明の連続であった。陰陽師の名家・筒画屋(つつがや)の一粒種にして伊予の神童と謳われた大漬之助には、到底思いつかぬ才能の洪水に悔し涙と、新しい理論の星々へ出会えた事に嬉し泣きだった。彼曰く、その資料は式術(しきじゅつ:文字状の回路を介して様々な効果を発現させる技術)を発展させた新しい学問、日ノ本において軍神(ぐんしん)の技術確立を告げる予測。向こう千年…いや万年続くであろう新技術体系の幕開けと確信する内容であったという。
大漬之助は、風神家(かざがみけ)の誰かが残した研究資料を発見したのを縁に知恵の泉と対面する機会を得る。その資料(これを書いた者は如何な天才か?
如何な変人か?
文字より滲み出る偏屈で破天荒な歪んだ面影に思いを馳せる筒画屋大漬之助。
ある時、念願だった風神家(かざがみけ)と謁見する機会を得る大漬之助。対峙した例の資料(巻物)を執筆した人物は、実に礼儀正しく、実に素直で、実に真っ当な、10にもおよばぬ幼子であった。容貌は不鮮明だが、直に風神家(かざがみけ)の人間が初登場。身振り手振りで語る様は、隅々まで天賦の才が満ち満ちていたと回顧する筒画屋大漬之助。
伊予の神童と呼ばれた大漬之助にとっては、まさに〝真の天才〟を見た恐ろしい出会いであったとの事。
このように風神家(かざがみけ)の片鱗だけ触れても、それは至高の技術を有した不世出の家系と窺える。
関連タグ
スターク・インダストリーズ:架空の軍産複合体企業。創始者一族は卓越した発明家たちで、高度(ハイテク)な理論の産物や人工知能、装備や道具といった数々の発明品を製造。スターク家の功績は、登場物語世界で何かしらな型式で家名や技術が関わっていく。
レオナルド・ダ・ヴィンチ:風神家(かざがみけ)のように、現実世界で彼が生きた時代から幾世紀も先にある技術・理論を構築した万能の天才。