説明
『SPY×FAMILY』とゴジラシリーズとのコラボ・クロスオーバー二次創作作品につけるタグ。
『SPY×FAMILY』で登場するボンド・フォージャーと『三大怪獣地球最大の決戦』に登場した自称金星人(サルノ王女)が未来予知能力繋がりだったりする。
東宝特撮路線と東宝スパイ活劇
『ゴジラ』シリーズを含め、東宝特撮路線は全般的に人間側の本編では意外とスパイ活劇と相性がよかった。
1954年の『ゴジラ』を皮切りに本格参入した東宝特撮路線・初期の『透明人間』や『ゴジラの逆襲』では、ギャング団の暗躍や銃撃戦・カーアクションと海外輸出を意識したストーリー展開やアクション描写が多く見られそれは後続でも続いた。
変身人間ものでは犯罪スリラー系が特に強く、怪獣・メカものでは冒険活劇調なスパイ活劇が多かった。故に映画全盛期である昭和期の作品陣は、人間の悪人らによるギャング団・スパイ組織や異世界の住人や宇宙人らによる地球侵略、そして世界征服を企む謀略反乱組織との攻防戦が軸だった。
本多猪四郎監督では『地球最大の決戦』だけでなく『美女と液体人間』・『海底軍艦』・『宇宙大怪獣ドゴラ』等で軽妙な作品を残したほか、アクション畑の福田純監督も『電送人間』や昭和『ゴジラ』シリーズ等でも見応えのあるスパイ戦を披露した。
平成『ゴジラ』シリーズにおいては、『ゴジラVSビオランテ』ではG細胞を巡ってスパイ組織が暗躍していた。
東宝一般娯楽路線と東宝スパイ活劇
また東宝クレージー映画でも主に『クレージー作戦』シリーズにおいて『蟻地獄作戦』・『国際秘密警察 火薬の樽』・『ルパン三世 念力珍作戦』でも地道なアクション演出が冴えた坪島孝監督の犯罪アクション喜劇の『クレージーの怪盗ジバコ』や、『青島要塞爆撃命令』のような突撃演出を得意とした古澤憲吾監督による『ジバコ』と同じ犯罪アクション喜劇の『クレージー大作戦』(坪島監督も脚本で参加)や特撮アクション喜劇『大冒険』・『クレージーの大爆発』においても犯罪スパイ活劇を基調にした作品があった。
ためにクレージーキャッツの面々は、暗黒街のギャング団・観光開発調査団を隠れ蓑にした古美術品専門の窃盗団・ナチスの残党等が暗躍し贋札や金塊強奪による経済混乱に乗じて世界征服を企む悪の秘密結社と戦った。
一般映画でも『暗黒街』シリーズ・『国際秘密警察』シリーズなど、東宝は少数ながらも犯罪スパイ活劇シリーズを残していた。
フォージャー家からのプレゼント
そして、2022年…。東宝は『SPY×FAMILY』の製作に関わった上に大ヒット御礼から、その返礼として日本映画では初にして旧・大映の『陸軍中野学校』シリーズと共に数少ない国産スパイ映画である『国際秘密警察』シリーズ・全作DVD化が実現したのだった。
ありがとう。フォージャー家の皆さん…。
共通出演者
声優・俳優名 | SPY×FAMILY | ゴジラシリーズ |
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早見沙織 | ヨル・フォージャー | ハルカ・サカキ(GODZILLA(アニメ映画)) |
浦山迅 | マードック・スワン | 山本常友(ゴジラS.P) |
諏訪部順一 | ガーデン店長 | ムルエル・ガルグ(GODZILLA(アニメ映画)) |
山路和弘 | ヘンリー・ヘンダーソン |
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余談・宿敵のスパイ活劇は?
旧・大映の『ガメラ』シリーズは『ゴジラ』シリーズのようなスパイ活劇はないものの昭和期の『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』では『黒』シリーズ調の犯罪スリラー調の作風を見せ、児童向けにシフトした『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』以降では『犬』シリーズや松竹・東映のヒットシリーズだった『少年探偵団』調の適度なスリラー演出が見られた(東映にとって『少年探偵団』シリーズは東映児童路線への礎になった)。
また『ガメラ』シリーズに限らず旧・大映特撮路線も東宝特撮路線に似た展開が多く現代劇&時代劇で連作された『透明人間』もの・『暴風圏』・『風速七十五米』等は『黒』シリーズ調の犯罪スリラー風だった。
双璧の存在だった『大魔神』シリーズも戦国時代を舞台にしていたためか『忍びの者』シリーズの雰囲気があり、企画頓挫した『大群獣ネズラ』は『ビオランテ』に似た新開発の宇宙食を巡るスパイ戦を目論んでいた。