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概要編集

レーティング成人向け(つまり18禁)に指定されており、子供には見せられないアニメーション表現ジャンルを指す造語。AVのアニメ版。ポルノアニメ、エロアニメ。

日本アニメではかなりの性的描写も表現の一環となっているが、さらに踏み込んだ具体的な性描写性行為を伴う描写の有無で、その一線が分けられる。


実写ではできないようなあんなことこんなことあれだったりなどなど、アダルトゲームとも違うアニメならではの表現ができる。

基本はOVAとして制作され、映画上映やテレビ放送はない。内容の元はオリジナルよりも、漫画ゲーム原作であることがほとんど。

最近はセルフレジの普及により、レンタル時の心理的ハードルはやや下がったともいえる。

なお日本で独自に生まれ育まれた表現であるため、海外ではエロゲと合わせて特に「変態」と呼ばれているジャンルである。


歴史編集

現存する世界初のアダルトアニメは1920年代、日本初のアダルトアニメは1930年代に誕生しているが、現在意味するところの日本萌え系アニメ絵柄で描写されるそれは1980年代半ばからAVの一種として、自由度の高いOVA形式で活発に制作されるようになり、当時「美少女アニメ」や「ロリコンアニメ」、「AAV」などと称されオタク層に人気を博した一大ジャンルであった。


史上初のアダルトアニメとなるのは、1984年に発売されたワンダーキッズの『ロリータアニメ 雪の紅化粧/少女薔薇刑』だが、ロリコンと称しながらも人気の萌え系絵柄ではなく当時時代遅れだった劇画タッチの濃い作画であったため、マニア層の不評を買い爆死した。

ニッチなジャンルの人気を爆発的に高めたのは、同年発表のフェアリーダストのくりいむレモンの大ヒットによるもので、くりいむレモンがアダルトアニメの先駆けと位置づけられるのはこのためである。

くりいむレモンの人気を受け新たにメーカーが続々参入し、1980年代前半には次々と新作OVAが発売され、アダルトアニメジャンルは空前の活況を呈することとなった。作画脚本のクオリティが極端に低いものも多く、クリエイターも「ロリコンものだけはやりたくない」と明言している者も多かったが、逆に今では考えられないような豪華クエリエイターが結集した作品も、この時期に多数生み出されている。

1987年の『超神伝説うろつき童子』なども高い作画クオリティで特に海外でも人気のあるアダルトアニメの代表作である。


第一次ブーム終焉への落とし穴編集

アダルトアニメ界の状況が一変したのは、1988年1989年にかけ発生した「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の影響である。幼女を対象とした一連の連続誘拐殺人事件だったが、逮捕された宮崎勤の自室の映像には、おびただしい数のビデオテープなどが山積みとなっており、小児性愛を好んだオタク殺人犯の実態としてセンセーショナルに日本中のお茶の間に映し出されてしまった(注)。このショックを受け、成年オタク層に対する世間のバッシングが始まり、諸外国と比較し相当フリーダムであった日本アニメ漫画業界は、性描写への規制に走らざるを得なくなった。

この影響をモロにかぶる形で、1990年代に向け、アダルトアニメ業界の衰退が始まった。


また、格安の賃金で労働させられていたアニメーターがどんどん辞めていき、アニメ業界から人材が減ってしまった影響も大きい。当時はバブル真っ只中であり、過酷な労働でも賃金が安いアニメ業界にこだわらずとも、給料の良い仕事は他にいくらでもあったのである。


注:この事件は陰残なものだったが、例の部屋の報道は印象操作されて報道された事が後に判明している。背景をよく知らずに扱うのは間違いの元になるので注意。


第二次ブーム…その後編集

1990年代に入ると、オタクの間でPC-9800が爆発的に普及したことからアダルトゲームの人気が高まり、『下級生』といったエロゲ原作としたアダルトアニメが人気を集めることになる。逆に漫画原作ものやオリジナルはさらに下火となったが、新規メーカーピンクパイナップルの参入によりOVAリリース本数は年間60本を超えるなど、エロゲ人気と連動し第二次ブームが到来した。またTV放送用に性描写をカットしたバージョンも多く制作されるようになったほか、メディアミックスが多く企画されるようになり、アニメ全般の発展と共に描写や表現の緻密さが向上した。全日帯アニメ不況が深刻化した1990年代後半~2000年代前半頃には第一線のクリエイターや声優が参入し大いに賑わった。


しかしながら深夜アニメ枠が市民権を得た結果、「これもう18禁じゃね?」といった内容の一般アニメも増え、みんなそっちへ流れるようになり、必然的に制作予算が低くハズレが多いアダルトアニメ業界のレベル低下に繋がった。低レベルなアニメーターの掃き溜めとも言われ、同人アニメのほうが作画レベルが高いという状況を招き、現在は下火となっているジャンルである。


声優編集

アダルトアニメの声優は、アダルトゲーム声優などエロゲジャンル専門の声優も多く出演しているが、特に1980年代1990年代あたりの黎明期は、声を聞けばアニメファンなら誰でもわかる有名声優が普通に出演していたため、アダルトアニメの仕事については、追求しないのもお約束であった。

声優名は非公表や別名義(源氏名)であることが多い。稀に本人名義(どちらかというと男性)で出演することもある。

出演当時は伏せていたが後年になって公表する及川ひとみのような例もある。

後に声優自体のギャラが良くなったことや毎年毎クール放送の一般アニメが2010年代になると20世紀よりもずっと多くなったことで一般でよく知られた声優が出演することはごく少数となり、アダルトアニメやアダルトゲームがメインまたは専門の声優の仕事となっている。


作品例編集

(五十音順で表記。他にもありましたら追記お願いします。)


外部リンク編集


各メーカー編集





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