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中華一番!

ちゅうかいちばん

『中華一番!』及び『真・中華一番!』とは、料理を題材とした漫画作品。
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概要編集

週刊少年マガジン』(講談社)で1995年から1999年にかけて連載されていたが、掲載途中で「マガジンSPECIAL」に移籍したり「真・中華一番!」と改題したりしている。作者は小川悦司


本作に登場したごく一部のキャラクターは、「フードハンター双雷伝」などにも登場する。また、翻訳版は中国と台湾にて原作マンガとアニメ、それぞれが出てている。

連載終了から18年経った2017年11月より、続編「中華一番!極」が週刊少年マガジンの無料漫画アプリ「マガジンポケット」にて隔週連載中。


中国語圏では「中华小当家」と言うタイトルで出版されており、2005年に実写ドラマが製作・放映されている。


ストーリーと世界観編集

清朝末期、動乱の最中にある19世紀の中国が舞台。

四川省の少年、劉昴星(リュウ・マオシン)が特級厨師(中国料理界の最高位)になるために広東省の広州にある陽泉酒家へ修行に赴き、それから様々な料理人と出逢い、成長していく。

中華料理の料理人たちが、料理を通じて争い、友情を深め、人々を幸せに導く料理冒険ストーリー。

ただし、イメージとしてアニメ版ではサーフィンが登場したり(サーフィンそのものは存在していたが、まだ世界的なスポーツではなかった)、「3D」などその時代の中国では一般的に使われていない、存在しないはずの外来語が登場する事も。(おそらくはわかりやすさを優先させた演出の一つ。)


登場キャラクター編集

担当声優は前者がフジテレビ版、後者が真(毎日放送版)。


マオ一行編集

漢字表記は『劉昴星』。

四川省にある「菊下楼」の料理長パイの子。

登場人物全屈指の味覚を持ち、齢十三の最年少で最難関とされる広州の特級厨師試験に合格。


漢字表記は『趙梅麗』だが、中国語版では『美莉』。

明るい快活な少女で、陽泉酒家の看板娘。師匠ことチョウユさんの一人娘。

母親に瓜二つとの事。

料理は壊滅的に出来ないが、味覚まで壊滅的ではない。


漢字表記『四郎』で、中国語版では『志郎』。

日本人の父と中国人の母から生まれたハーフ。

日本人であることを誇りに思っているのか、日本のことを『神国日本』と呼んでいる。

父とは死別しており、未亡人となった母が唯一の家族。


『鋼棍のシェル』の異名を持ち、若くして特級面点師となった厨師。

中国語版では『解師』または『紫龍』。

金髪で少々浅黒い肌をした大柄で明るく豪放磊落な好青年。顔の左頬に縦に走る古傷がある。



中国語版では『雷恩』または『利安』。

元々は裏料理界の麟厨師をしていた白い肌と銀髪の青年。年齢は17歳。

もみあげあたりの髪を左右三つ編みにしている。異名は『七星刀のレオン』。


漢字表記は『蘭飛鴻』。

それを準拠とし中国語版も同じ表記であるが、愛称は『飛依(フェイの意味)』とも表記される。

黒と赤の色合いが印象的な服を纏い、亜麻色の長髪をした美青年。17歳。

出番こそ多くはないものの主要キャラクターの一人らしく、度々マオの窮地に現れては彼に助言を残している。


広州「陽泉酒家」編集

一行や主人公達の実質的なホームであったりする飲食店。一応架空の店らしい。ちなみに、龍鎮酒家は現実世界かつ現代の上海に行けば、ちゃんと存在してたり。


漢字での表記は『周瑜』で、中国語版では『趙友』だったり『丁油』だったりもする。

ヒロイン・メイリィの実父であり、その上に陽泉酒家の副料理長という高い地位に着く、広州屈指の料理人をされているものの、常にマオの成長物語でありたい作中では、あまりその腕を発揮することは無い。

そして、続編の極でようやくまともに料理勝負をする姿が描かれたのだが、その強さは圧巻の一言

マオや五虎星であったジュチ、敵組織の重鎮達ですら手放しに称賛しており、トドメに彼が料理勝負に当たった話のサブタイトルが「チョウユ無双」と、作中でも最上位の実力者である様子を改めて知らしめる形となった。

マオがリー提督からの推薦で陽泉酒家に入門する際、その推薦状で鼻をかみ、さらにマオに課した最初の課題でマオが作った「青梗菜炒め」に一切手をつけないなど冷徹な一面を見せるが、内心ではマオと陽泉酒家の料理人たちの成長を願っており、刀工と火工を徹底的に叩き込む。

京劇役者のような強面で、ほぼ全ての場面でしかめっ面をしている。寡黙な性格で多くを語らないが、多くの料理人に慕われている。

最大の特徴として、とんでもない程度の大食いである。そういうことを裏付けるかの如く、朝食に肉そば三杯を平らげ、最終巻に収録された外伝的位置付けの漫画では、毎年の大食い大会で余裕の優勝を数回連続でやり遂げていたという。

尚、その他に含まれる関連人物にレイカやリエンの名前が挙げられる。


中国語表記では『羅鋈』『羅添』等複数ある。

謎の老人。普段は単なる呑んだくれ。しかし、確固たる実力と力強さを誇っているために、その腕の良さや熟練した技術や長老の知恵等を見込まれており、陽泉酒家の料理長及び広東厨師連合(広厨連)次席を務める。

彼の意向により、陽泉酒家の伝統は「伝統を覆す事」という大変ユニークなものとなっている。曰く、「この店には守るべき味は存在しない。常に創意工夫を持って古き味を打ち破る姿勢こそ陽泉酒家の料理人に相応しい」とのこと。裏料理界との戦いを決意したマオたちに伝説の厨具の存在を教え、旅立ちを促す。

出番は少ないが、それなりの重要性と物語の鍵を持っている人物であると言えよう。


チョウユの妻にしてメイリィの母。現在は故人。リエンが想いを寄せていた人だったが、彼女は既にチョウユと恋仲にあった。リエンの純真すぎる恋心を踏みにじりたくない思いから本当のことを言い出すことができず、そこへ父親の干渉を受けてしまう。

彼女の父親は頑固で厳格な性格ゆえ、チョウユにメイカを任せられるかを試すために、龍蝦三争覇をリエンとチョウユの間で開催させた。メイカはチョウユを勝たせたい一心からリエンに痺れ薬を用いてしまう。後に彼女の行いを知ったチョウユもあえて真実を語らず、彼の憎しみを一身に引き受けることにしたが、これが更なる禍根と悲劇を招くこととなってしまった。

一連の行為は心労となって徐々に己の身を蝕ばみ、メイリィを出産後、病に倒れる。亡くなる直前まで悔い続け、チョウユにリエンに会うときがあったら、真実を伝えてほしいと頼み「ごめんなさい、本当にごめんなさいと伝えて」と涙を流した。


漢字表記は『唐三傑』で、中国語版だと愛称は『阿Q』。『あっち』ではそうらしい…。

上海にある名店『龍鎮酒家』の跡継ぎで、良い料理の腕を持つ当主になるために、陽泉酒家で修行をしていた。

しかし、かつて刀工(※包丁捌きについての技術のことを中国ではこう呼ぶ)で大怪我をし、それがトラウマとなり料理自体に恐怖を持つ。それ故料理関係の鍛錬をサボっており、それが常習となっている程やさぐれていた。

周囲は『料理人としてダメな奴』と一方的な決めつけていたが、マオはそんなサンチェを見捨てることが出来きず、協力して青椒肉絲の課題に合格。その後料理人として再出発を図るため、実家の「龍鎮酒家」に戻る。

上海にて若手料理人のホープと目されるまでに成長しマオと再会。刀工技術も恐怖症を克服するどころか、刀工超人の異名を持つレオンに「これほどの刀工ができる者を、自分以外には知らない」と感嘆する程まで洗礼されていた。

余談だが、他のメンツと共に『フードハンター双雷伝』にも、外部出演している。その中で、サンチェは代表的立場として誰が見ても分かるように優遇されている。更には、その作中で少し(かなり?)成長した姿を見せくれる。


四川省国営菜館「菊下楼」編集

主人公の実家。清朝政府から資金が出ているという裕福な料理店。だが、しかし…。

中国語表記は『劉嘉霊』または『精霊(又は)珂玲』。

主人公の実姉。作品では、ショウアン等と共に、記念すべき第1話から登場。特級厨師の試験を直前に控えたマオの前に現れ、母を通じて「国士無双」のイメージを閃くきっかけとなった?

中華大陸全土を長い間旅していたりする主人公のマオに代わり、母親から受け継いでいる店を切り盛りしている。味オンチとされているが、某メガネが本体の弟を持つ姉さんのような、『全部黒焦げの卵焼き』を作るほどの腕前では無い。むしろ、料理人として平凡すぎて、最高に美味い料理が作れないと意味である。なんと、相対的に理不尽な基準であろうか。

あまりにも要求されているレベルとハードルが高すぎるのである。


中国語表記は『貝仙女』等いろいろある。

主人公の実母にして特級厨師。四川省随一の国営菜館「菊下楼」を料理長として切り盛りしていた。詳細はリンク先参照


各地の厨師他編集

  • ジャン・バジャール

フランスの名シェフ。本国フランスより領事館の役員が連れてきた。「ジャン・バジャールの料理を食わずしてフランス料理は語れない」とまで言わしめているほどの高名な料理人であるが、有色人種を蔑視する白人主義的な思想が目立つ。

領事らを前に炒飯とピラフの米料理勝負で西洋の食材を使用したマオに敗れ、解雇されてしまったためにマオを逆恨みするようになった挙句、陽泉酒家に放火。

尚、歴史上最後に就役したフランスの戦艦に『ジャン・バール』というのがある。…それが元ネタだろうか?

ちなみにTVアニメ版には登場しなかった。


ウォン・セイヨ(CV:龍田直樹/越後屋コースケ

本作のトリックスター的な存在な感じのいかにも胡散臭い中国人。同じく、二流でありながら三等厨師。財力にものを言わせる典型的な「嫌なやつ」。大体悪事を働いているところに、マオが現れ料理勝負に負けて退場と言う流れが御約束。

福建省の特級厨師を騙ってフカヒレの権利独占し暴利を貪っていたが、マオとシェルの端切れフカヒレを使った「竜巻魚翅(トルネード・フカヒレ)」や焼売に大敗を喫し、これまでの悪事が明らかになり捕まった。高級食材をきっちり使いこなすあたり実力は確かにある。ただ、人間性と器が小さすぎるだけである。立ち去る直前に悪態をつく事を忘れないあたり、全く反省も後悔もしていない様子。

一行が伝説の厨房探しをしていたときに九華山にてアワビ魔神として再登場しているが、その時は、伝説の厨具に認められることは無いはずだが、それでも魔銅聖器を扱うことが出来た(炉に入れられて解かされそうになった魔銅聖器を助けたことで、恩返しされた)という説明がある。マオらか扮する「彗星神」の「彗星炒飯」によって信仰を、シェルとレオンら「破壊神」の暴力の前に宮殿を失い、悪役の御約束として星になって退場する。

そしてカイユ、エンセイとの最終決戦となっている紫禁城での料理大会の予選にも登場。その時は『魔勒如来』の二つ名を掲げて十二神将を率いてマオらに挑むが、マオ本人と駆けつけた仲間たちの前に力尽き、予選落ち。最終回のエピローグでは相変わらず何処かに君臨している姿が描かれている。

アニメ版(第1作)では、裏料理界に挑むサンチェの技量を確かめるためにトルネード・フカヒレが作られた為、初登場したのがアワビ魔神の時であった。


中国大陸を旅して、各地で美味い餃子を作っている厨師の兄弟。

名前が著している通り、餃子の専門家であり、兄のカラオが基本の味付けと餃子作りを、弟のアルが小麦粉を捏ねるという餃子の生地を担当しているようだ。主人公のマオとはごく序盤で描かれた旧正月の陽泉酒家再建をかけた餃子大会で出会う。しかし、勝利の為なら手段を厭わず、前回優勝店の悪評を広めたりチョウユを闇討ちしたりするなど、人間性においてかなり問題がある。

特に兄の方は、人当たりの良い風なのだが、実は性格は悪いため、いくら美味い餃子を作ろうとも、その点を批判されて、それが向かい風となり餃子大会の優勝を逃した。そして、同点決勝の品目「竜の餃子」においては、チョウユにひけをとらない元江南省特級厨師の名に恥じぬ刀工を発揮したが、「食べる人の事を考えた」マオの最後の一押しの差でまさかの完全敗北。その後は素直に負けを認め勝者となったマオを讃えた。

…だが、最終巻で描かれたカイユとエンセイ等率いる梁山泊の麟厨師軍団が、清朝中国時代の首都であり、今現在のでもある北京に向かう途中に、その頭領カイユが搭乗する馬車から、轢殺されそうになった子供を救うために登場する。最終的には夢組の一員として共闘した。

アニメでは特級厨師という設定がなくなっており、特級厨師ほどの腕前という表現のみにとどまっている。


詳細はリンク先参照


清朝政府編集

前述しているが、史実とはかなり違う。料理関連を司る特殊な役職が存在し、いわゆる表料理界と言える存在。即免許取り消し、生涯料理禁止などの掟が多く、腕の無い料理人はおろか、相応の実力者さえも切り捨てまくりな欠陥制度をしいており、ある意味裏料理界発展に貢献している。

漢字表記は、明らかに『李提督』。名前の方は依然不明。

宮廷料理界のお偉いさん(重鎮クラス)だったりする。

マオの実母、パイ仙女とも昔からとても深い縁がある。かつて一兵卒だった若い頃、飢え死に寸前で、行き倒れていたときに、パイ仙女に麻婆豆腐をご馳走になっているのだ。

最後に、提督は提督だろうとも、所謂海軍的な用法のアドミラル(Admiral)の方とは、一切関係無いことにご注意を。

↑より前に、宮廷料理界の重鎮を勤めていた老人。本作では、序盤の時点で既に、伝説的権威となっている。

…だが、政府の高官という地位に付いている割には全く威厳が無く、誰にでも対等に接するくらいに気さく過ぎて、逆にこっちがいいのだろうかな…と思ってしまうくらいの良い感じすぎる老人。

儒学の教えている礼儀というのは、どこにいったのだろう。…膠のように凝り固まった清朝中国の社会性には、アレくらいがちょうど良いかもしれない。…多分!

漫画版にのみ登場。

史実に名を刻む実在の人物。事実上、清朝の政治を取り仕切っている最高権力者。

原作で『西太后の御誕生日祝い』として開かれた料理大会は、本作における最終決戦の舞台となった。


裏料理界編集

中華料理界の極道的存在。山東省にある闇の迷宮「梁山泊」を本拠地としている。

表料理界が簡単に料理人を切り捨てる制度を取っている為、その受け皿にもなっている。

裏料理界を牽引する絶対不敗の5人の猛厨師・五虎星、特級厨師をも凌ぐ1108人の麟厨師、その他の一般厨師で構成され、総勢5000人が所属している。

五虎星は同格とは言い難く、実態は裏料理界の長であるカイユと手下の四天王。

五虎星(猛厨師)編集

裏料理界の長。「裏料理界の頭脳」「最強の料理人」「恐怖の将星」「裏の総司令」「中国料理界の元凶」など無数の二つ名を持ち、そのどれもが比肩するものがいないほどの悪名と実力による称号にもなっている。

五虎星の筆頭であり、他の五虎星への指揮権を持つ別格の存在。

得意料理は「薬膳料理」及び「毒膳料理」。

他の五虎星が誇る超感覚を全て備えた超人であり、頭脳明晰な知力と奥深い教養を持つ。

その背景と蛆虫どもの王的なオーラを持つ、作者曰く『絶対悪』をコンセプトにした巨悪。作中の人々からは、排他的かつ独善的な改革と急進派そのものを体現した危険思想を持っているとされている。

一見して女性のような長髪と甘いマスクを持つ筋肉質の男。

アニメ版第1作では登場しないが、彼に相当する裏料理界の首領(CV:中田譲治)が代わりに登場した。

鎧姿の巨漢。爆炎厨師の異名を持つ炎の巨人。火工全般を極めている。

五虎星としての超感覚は『超触覚』。

生きた牛を当身(チェストなチョップ)で解体して食用の肉へとおろしてしまう程の怪力。挙句の果てには、青魚を何匹もリコよりも重いだろうに鎖に繋いで、豪放磊落にぶん回して、焼き魚へと調理してしまう。

触覚という名の感覚は、他の四つある感覚の中で、その感覚を形ある概念的存在として、掴みづらく捉えづらく、その上に一番複雑で抽象的(少なくとも言葉や絵図では上手く表現できないだろう)である為に一般読者向けに教えることを含めても、色々と分かりやすく易しい説明が難しいので、それについては、全く描写や人物の台詞から語られておらず、詳細は一切不明である。

マオとの最終決戦後、カイユに見捨てられる形でマオを救出すると同時に梁山泊に水没。

しかし最終回で生存が判明した。

五虎星としての超感覚は『超嗅覚』。蒙古特融のサバイバル料理を得意とする。

蒙古出身でありながら、なぜか関西弁を話す少年。そばかすのある気の良さそうな顔をしているが、カイユの命を受け、マオの心を壊すために様々な悪行を重ねる。

カイユに拾われ、猛教育により料理の才能を開花させて頭角を現していたが、高熱に襲われて味覚を喪失。絶望しかかったところ騎馬民族の血により匂いだけで料理の状態や位置を判断する超嗅覚が目覚め、若くして五虎星にまでのし上がった。しかし自分の料理に喜ぶ人々の姿と、自分では味わうことの出来ないギャップのジレンマから、料理に憎しみしか感じなくなる。

マオに敗れてからはカイユに毒膳の実験体にされるも、マオの手により回復し良き仲間として「紫禁城料理大会」でマオのサポートとして活躍する。

  • 青眼虎・ミラ(密拉)(CV:遠藤綾

五虎星の紅一点。通称「鏡のミラ」。常に相手と同じ料理を作る。

インド系褐色人種の血を引くミステリアスで美しい少女。

五虎星としての超感覚は『超視覚』。見た者の動きを寸分たがわずコピーする事ができる。

比較的にまだ幼い頃に、仄暗く狭苦しい洞窟の中で外のことを知らないで、細々と生きることを強いられながら、最終的に、カイユの手によって凄まじい実力を持った女性麟厨師として、五虎星の地位へと叩き上げられた。その間に、目の前で同業者の麟厨師が、料理対決に敗北して処刑されていく凄惨な場面を、数多く見ている。

そんな儚げで憂いを秘めている彼女だが、裏料理界の梁山泊に君臨する頂点として五虎星の一人である為、マオ一行撃破の命令を受け、シルクロードに愛され、砂漠に囲まれた街の敦煌でシェルとレオンと料理で対決(恒例)。シェルには勝利したが、次に戦ったレオンには敗北し…。

だが、その後、レオンとの料理対決後のことがきっかけで本当に、シェルの彼女になった(感じの)ようである。

謎だらけの中年男性。得意料理は揚げ物。

いわゆるオヤジ系であるが、それなりの美男子。しかし中身はというと、酒ばかり飲んだくれている怠け者の面倒臭がり屋オヤジとしか言いようが無い。

五虎星としての超感覚は『超聴覚』。

カイユが唯一恐れる男と紹介されていたが、実際にはカイユの能力の方が明らかに凄く、カイユにも普通に忠誠心を持っている。

鱗厨師編集

麟厨師1108名の内の一人。

通称「仮面料理人」。

その正体はかつてはチョウユとならび「竜虎」と呼ばれた若手料理人のホープだったが、今は復讐に身を焦がす裏の料理人。ハトと偽った毒の赤蛙料理でメイリィや広州料理界の重鎮らを人事不省に陥れる衝撃の登場を果たす。

彼が裏料理界に堕ちた理由はメイリィが生まれる前にまで遡る。かつてチョウユの妻メイカに惚れ込み、彼女の父が提言したメイリィの夫の座を賭けた「龍瑕三争覇(ロンシアさんそうは)」に挑むが、その最中に食材に仕込まれた毒で惨敗を喫し、全てを失った事でチョウユへの復讐のみに心を費やし表舞台から姿を消した。そんな彼でも、裏でやっていくには相当の無理や覚悟があったらしい(チョウユ曰く「戻って来ただけでも奇跡に近い」)。

作中では、チョウユとの料理対決で積年(※自分勝手に積まれた)の復讐を晴らそうとするが、意趣返しかのようにチョウユを蠍で調理不能に仕向けたやり方がマオの逆鱗に触れ、「試合放棄する気か」と言うマオの言葉に乗り、勝負を引き継いだマオに全勝され敗北。

その後、毒から復活したチョウユに殴打され、マオが開いた(アニメ1作目ではチョウユの口から)過去――すなわちメイカの罪を知り、自らの過ちを悟り仮面を外し心を取り戻す。しかし、既に自らは毒をあおり瀕死の状態。最期はメイカが幸せであった事、メイリィが悲しいほどメイカに似ている事、チョウユにリエンと名で呼ばれた事に満足しながら、燃える館に消えていった。

…こんな薄幸と悲運の麟厨師であるリエンだが、代わりにといっては何なのだが、容貌や造形等、数多くの儚なげな魅力に、とても『幸運にも恵まれた』男性キャラクターである。特に、リエン関係の本気と力の入れように関して、途轍もなくアニメ版第1作は凄まじい。更には、担当した声優も『速見奨』という、これまた素晴らしい御方を声に持っているのである…。

中国語版では『向恩』。

"一丈青"の異名を持つ裏料理界の女麟厨師。恐らくは水滸伝の美女がモデル。

露出度の高い装束に身を包み、妖艶な色香とプロポーションを持つ姐御肌の美人だが、勝つためには卑劣なことも色仕掛けも厭わず、自らのために人の命を奪うことにもためらいのない危険で冷酷な性格。

レオンとの対決時に用いた第二の「七星刀」のエピソードからも危険性がよくわかる。

宴席料理対決では3番目の相手としてレオンと対決。上海ガニを用いた料理対決では何の変哲もないかに玉を作り、その後で超高濃度カニスープを全部飲ませて審査員の味覚を疲労させるという、料理人として最低な行為(マオ談)を行い、後から食べたレオンの蟹料理を審査員に「まずいぞコノヤロー」と言わせて判定勝ちとなった(なおレオンが作ったのは柔らかい蟹の殻に蟹肉をたっぷり詰め込んで揚げ、カニミソと蟹の卵を味付けに使った甲羅揚げなのだが、蟹の味が凝縮された料理だったため、シャンの濃厚スープの所為で蟹の味が全く感じなくなってしまった)。

作戦が失敗続きとなり作中の終盤では、カイユから罰を受けるなどあったものの、なんだかんだで付き従っていた。彼が死んで墓に入ってしまっていても、彼女はロウコやエンセイとともに、礼儀正しく墓参りをしている。

アニメ第1作では上海での作戦失敗で後が無い状況となっており、メイリィとマオを岩塩の洞窟に閉じ込めた後、彼らの命と交換条件で伝説の厨具を手に入れようとするが、無水鍋で作ったお粥で生き延びたマオ達の脱出を許してしまい、最後のチャンスを失ったため裏料理界に戻れなくなり、崖から身を投げていった。

麟厨師1108名の内の一人。

"錦毛虎"の異名をとる巨漢の麟厨師で、自称:湯皇帝。

宴席料理決戦では最初の相手として登場し、サンチェとスープ対決を行う。煮立ったスープを素手で味見し、豚骨を歯で噛み砕き、包丁の代わりに両手に鉄の爪をつけて豪快かつ繊細に羽毛を捌く「羅漢虎爪抜」という裏の技を見せつけた。

予め煮込んだ鶏ガラと豚骨スープに、椎茸等を詰め込んだ鶏肉を投入し、アクを卵白で取り続け澄みきったスープの皇帝「頂湯(ティンタン)」を作り、その極上の味で審査員たちを唸らせた。

しかし、コース料理の何たるかを理解しておらず、サンチェに敗北してしまい、シャンから『難吃(ナンチー)印』(難吃とは「不味くて食えない」という意味)を腹部に烙印される。

アニメ版1作目では鉄の爪ではなく右腕が機械の手(義手)になっており、それでスープを作っていた。サンチェに負けてシャンから烙印を押されるのは原作と変わらないが、その後はフェードアウトしてしまい登場しなかった。

2作目の「真!」ではなんと、一切登場せずサンチェとのスープ対決が丸ごとカットされた。

麟厨師1108名の内の一人。

白羅家最後の末裔であり、年齢は100歳を越えている。時には、『生きた化石』と呼ばている。

「面点王」の異名を持つものの、自分すら知らない点心の奥義があったことに魅力を感じ裏料理界に属する。もっとも奥義のみを欲していたため忠義などはない。

宴席料理決戦では2番目の対戦相手として登場。得意の饅頭料理でシェルと対決し、1600年の時を経た酵母「蜀漢老面(しょっかんラオミェン)」とナマコ等の8大海鮮を使用した「四神海鮮八宝饅」を作り出し、シェルの作った笑う饅頭「黄金開口笑」と激突。

しかし、あまりにも両方の饅頭が美味なために審査員が優劣をつけられず、「矛盾」と称したため結果は引き分け。対戦後はシェルと憎まれ口をたたきながらも、互いの技量を認め友情を育んだ。そして裏料理界から離れ、シェルと10年後の再戦の約束を交わし「中国全土味修行」の旅に出る。

アニメ第2作では前述の通りロウコとサンチェのスープ対決がカットされている為、最初の相手として登場。

麟厨師1108名の内の一人。

主人公マオの兄弟子で元四川省特級厨師。パイの一番弟子で、彼女が心血を注いで四川省特級厨師にまで育てあげた弟子である。

菊下楼の総料理長資格を賭けたマオとの幻の麻婆豆腐対決で敗北し、心からマオを恨み、憎悪している。

その後裏料理界へと入り、体に無数の傷を作りながらも、異例の大出世を遂げる。上海にて再びマオと対峙。卓越した技量を見せて作り出した「豆腐三重奏」で、マオに負けを覚悟させるほどにまで追い詰めるも、結果として再度敗北してしまう。

敗北後は船の自爆装置を作動させてしまい、マオたちを道連れにしようとするが、自分を救おうとしたマオの姿にパイの面影を見て改心。パイの料理書をマオに渡して、東シナ海にその身を沈めた。

アニメ版では上級厨師に格下げ。アニメ版は餃子兄弟も特級厨師設定がなくなっており、恐らくはマオが特級厨師試験を受ける前の敵対者を特級厨師にはしたくなかったという事なのだろう。

実は原作だと、マオは特級厨師試験を受ける前から特級厨師2人に勝利している状況にあった。つまり、亀仙人を倒した後に亀仙人に弟子入りするような話になっていたのである。

麟厨師1108名の内の一人。

アルカンに従う女麟厨師、"瓊矢鏃"の異名を持つ15歳の美少女。彼とのコンビネーションは抜群である。「神の舌」と呼ばれるほど厳しい舌を持っている。明るい性格でマオ達に対しても人懐っこく(悪く言えば馴れ馴れしく)接する。敵でありながらマオにやや心惹かれた描写もあったが、その絆は強く最後までアルカンと運命を共にした…かに見えたが最終話でアルカンと共に旅する姿が1コマだけ描かれている。


伝説の厨具編集


本作の真!あたりで登場しはじめた、1000年前ほどのシュウリという鍛冶職人によって、隕鉄(宇宙から飛来した未知の金属)から製作された魔法の調理器具。


一見、現代の調理機械にも似た、古びた複数の調理器具であるが、どれもが、九十九神のような性格とキャラクターとしての意志を持ち、使用者や己を使う者を自分で選ぶというとても神秘的な道具である。あと、食材以外の生物を調理するとその効力を失う。


続編である「極」にてそれぞれの厨具の力を最も引き出して扱う事の出来る「宿星厨師」とされる人物が登場。その人物が使用すると形状まで変化したりなど更に超常的な現象を起こす。


伝説の厨具一覧編集


  • 永霊刀

作中で一番最初に登場した伝説の厨具。見た目は普通の中華包丁だが厨具が所有者として認めた者が手にすると刀身に龍の図が浮かび上がる

魚介類の調理に適しており、人知を超えた切れ味と切った食材は時間経過によって失われた味まで取り戻すとされる。


  • 転龍壺

見た目は龍がとぐろを巻いて壺の形状になった厨具。

宇宙の気を集め短時間の熟成、発酵を行うとされる。作中では食材を入れて秘伝の醤を一瞬で作る様子が描かれた。


  • 魔聖銅器(白虎壺)

見た目は蓋の無い鋳鉄鍋の様な厨具。

乾物(特に乾貨と呼ばれるアワビやナマコ等の天日干しした海産物)を一瞬で調理に最適な状態まで戻す(通常は数日間を要してようやく戻しが終了するとされる)。

炉に溶かされそうになったところをウォン・セイヨに助けられたことから能力を使っていたあたり義理堅い。

「極」にて本当の名前が「白虎壺」であり、同時に八厨具の中で最も扱いが難しいと言う事も明かされた。


  • 迦楼羅刀

永霊刀と同じく見た目は普通の中華包丁。厨具が所有者として認めた者が手にすると刀身に鳳の図が浮かび上がる。

鳥類の調理に適しており、同じように人知を超えた切れ味と旬を過ぎた食材の味を戻す事ができる。


  • 貪狼壺

現代で使われている電動式調理器具のフードプロセッサーやミキサーのように、壷の中にいれた食材を調理してくれる、当時としてはオーバーテクノロジー的な伝説の厨具。

「極」にてさらに楽器としての機能も有する事が判明する。


  • 霊蔵庫

基本的には冷蔵庫と同じ働きしており、名前もふざけているのだが、食材をいくらでも詰め込むことが出来る上に、中に入れて保存してある食材は腐敗もせず、干からびたりすることもない凄い伝説の厨具。


  • 玉龍鍋

詳細や効力は不明だが、他の伝説の厨具をそろえて、この伝説の厨具で調理すれば、不老不死になると言われているため、やはり他のと同じ『食材の時間に関っている能力』を備えている、と推測されている。


TVアニメ編集

中華一番!編集

1997年4月から1998年9月にかけてフジテレビ系列局(ただしテレビ大分除く)に加えて日本テレビ系列局の山梨放送で放送された。

アニメーション製作は日本アニメーション(制作協力はスタジオぴえろ)。


基本的には日曜19:30-20:00に放送されたが、系列外の山梨放送はともかく系列局でもテレビ宮崎は放送日時を差し替えていた(本来の放送時間帯にテレビ宮崎は他局の番組を放送していたため。ただし件のテレビ局と番販協定を結んではいる)。プロ野球中継や特別番組により休止と延期が相次ぎ、全52話が1年半かけて放送された。


本作を最後に、1969年4月に設置された(記念すべき第1作目が「どろろ(→どろろと百鬼丸)」)日曜19時台後半のアニメは一旦廃枠になった(その後、1999年10月に復活し、2004年12月まで放送された)。


オープニングテーマ編集

「空」

作詞・作曲・歌 - 大黒摩季 / 編曲 - 葉山たけし

「息もできない」

作詞 - 坂井泉水 / 作曲 - 織田哲郎 / 編曲 - 葉山たけし / 歌 - ZARD

「君さえいれば」

作詞・作曲 - 小松未歩 / 編曲 - 池田大介 / 歌 - DEEN


エンディングテーマ編集

「青い空に出逢えた」

作詞・作曲 - 小松未歩 / 編曲 - 古井弘人 / 歌 - 辻尾有紗

「ミネラル」

作詞・歌 - 七緒香 / 作曲 - 松本孝弘 / 編曲 - 松本孝弘、徳永暁人

「風のように自由 〜free as the wind〜」

作詞・作曲・歌 - 宇徳敬子 / 編曲 - UK Project


真・中華一番!編集

2019年2月、22年ぶりに『真・中華一番!』のタイトルでアニメ化されることが発表された。同時にティザービジュアル第1弾も解禁。

その後、同年4月にはティザービジュアル第2弾とティザーPVが公開された。


ニコニコ版はこちらから


アニメーション制作はNASプロダクションI.Gに、放送局は毎日放送TBSBS-TBS(アニメイズムB2)に変更されている。また、dアニメストアによる配信も実施。

2019年10月から同年12月にかけて放送された。

それから一年経ち、第2期が2021年1月から同年3月まで放送されている。なお、東京都での放送局はTOKYOMXに、BS波での放送局はBS日テレに、それぞれ変更された。

サウンドトラックとビデオ販売にはDMM.COMDMM PicturesDMMmusicが関与している。


オープニングテーマ(第1期)編集

「光福論」

作詞・作曲 - 森彩乃 / 編曲・歌 - クアイフ


エンディングテーマ(第1期)編集

「パラダイムシフト」

作詞・作曲 - 森良太 / 編曲江口亮、Brian the Sun / 歌 - Brian the Sun


オープニングテーマ(第2期)編集

「Tough Heart」

作詞・作曲・編曲 / Q-MHz / 歌 - 小林愛香


エンディングテーマ(第2期)編集

「COLORS」

作詞 / ムツムロアキラ、作曲・歌 / ハンブレッダーズ / 編曲 / ハンブレッダーズ、うき


余談編集

コノヤロー!編集

登場人物の一人張大人のセリフ。旧アニメ版で最も多用され、原作や新アニメ版ではそれほど叫んでいないセリフ。島田敏氏の通りのいい声と合間って耳に残りやすい迷言の一つ。

「美味えじゃねえかコノヤロー!!」、「船が沈むぞコノヤロー!!」、「行き止まりじゃねえかコノヤロー!!」、「高ぇじゃねえかコノヤロー!!」、「まずいぞコノヤロー!!」と言う風に「〇〇じゃねえかコノヤロー!!」「〇〇だぞコノヤロー!!」といった構文がほとんど。


関連タグ編集

アニメイズムB2

荒ぶる季節の乙女どもよ。(2019年夏)→本作(真・中華一番!)(2019年秋)→ランウェイで笑って(2020年冬)


外部リンク編集

『真・中華一番!』アニメ公式サイト

『真・中華一番!』アニメ公式Twitter

wikipedia

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