「へぇ───… 活躍してはりますなぁ…
ウチの未来の… 旦那さん♡」
CV:ゆきのさつき
概要
関西でトップクラスの財力を有する大岡家の令嬢で、執事の伊織無我を従えている。
京都泉心高校2年の17歳。
緩くウェーブのかかった明るい色のショートヘアと、派手めのネイルが特徴。美女好きの小五郎は勿論のこと、少年探偵団の面々にも「かわいい」「アイドルみたい」と絶賛され、平次をして「キレイな人」と言わしめるほどの美貌の持ち主。また、着物姿ではそれほど目立たないが、かなりの巨乳とされている(詳細は後述)
過去の関わりから服部平次に一途な想いを寄せており、彼の事を「未来の旦那さん」と自負して憚らない。同じく平次に想いを寄せる彼の幼馴染みである遠山和葉の事は揶揄い半分に自分の名前と比較して「葉っぱちゃん」と呼ぶ(「和葉ちゃん」と呼ぶこともある)等、初対面よりかなりライバル視している。
祖父はかつて内閣総理大臣を務めており、そのこともあって大岡家は鈴木財閥程ではないが政財界にも権力を持つ。羽田秀吉が養子に行った東京の資産家である羽田家の主人とも深い縁があり、また羽田家は烏丸家と何らかの繋がりがある為、今後何らかの形で黒の組織に関わってしまう可能性を持ち合わせている。
名前の由来はおそらく大岡越前から。「遠山の金さん」こと遠山金四郎のライバル的立ち位置とされることが多く、名前からして和葉のガチなライバルであることが窺える。「紅葉」という名前も「和葉」に対応させたものだろうか(日本のミステリー女王の娘で2時間サスペンスの裏女王が由来ではない様子)。
『コナン』のキャラクターでは初となる、初登場話(原作)がアニメ化される前に劇場版で登場するというパターンである。
人物
おっとりとした性格で、立ち振る舞い等も淑やかで礼儀正しさを見せている事からも、育ちの良さを窺わせている。その一方で、調子に乗っている人間等に対しにこやかな表情で遠慮せず嫌味を交えて毒付く等、何処か腹黒さを感じさせる面や気の強さを持ち合わせている。
しかし、和葉本人のいない所で彼女を気にかけたり、御守りにしているパスケースを落とした際に届けてくれた毛利蘭には恩義と親しみを感じる等、心根は真面目で優しい人物である。
競技かるた「百人一首」のチャンピオンであり、京都でも名高い百人一首の団体「皐月会(さつきかい)」に所属している。派手目のネイルをしているのは、競技かるたに備え普段において爪を傷めない為の配慮からである。
幼少期より競技かるたに携わってきた経験から耳が良く、加えて高い洞察力や集中力・精神力・記憶力・観察力・反射神経等も持ち合わせており、初登場の劇場版では伊織との電話越しに聞こえた小さな音を正確に認識し、それを根拠として推理を披露した事もある。
ただし、死体を前にすると(当然ながら)悲鳴を上げるなど、本質的にはか弱い乙女である。深窓の令嬢であるため武道に関する心得もなく、物理的な障害は傍にいる伊織が全て対処している。
劇中での活躍
突然の原作登場
初登場は「コナンと平次の鵺伝説」のラスト2コマ。
服部平次が殺人事件を解決したことを報じるネット記事を読みながら、いきなりの「平次は未来の旦那さん」発言(上述)。
サンデー掲載時、そのコマの横には「平次&和葉のラヴを脅かす新たなライバル出現…!?」と記されていた。
その大胆な発言や外見から、読者の間で大きな話題となった。
2度目の登場は「謎解きは喫茶ポアロで」。平次が自分の「未来の旦那さん」に相応しい人物であるか否かを見極めさせるため、彼を伊織に尾行させていた模様。
事件発生の直前、伊織との電話越しに微かな音を聞きつけ、現場にいたコナンや平次や安室透よりも先に真相を明らかにした。ヒントとなる“ある和歌”を伊織に詠ませ、コナンたちを真実へと導いた。
この時点での原作では明言されていないが、その卓越した聴力や和歌の知識から、紅葉が百人一首の相当な実力者であると推測できる。同時に、コナンが「ワトソン(=伊織)のバックにいるホームズ的な存在」と考えるほどの推理力を持つらしいことが示唆された。
それから間もなく「恋と推理の剣道大会」にて、平次が出場する剣道大会に応援のため駆けつける。個人戦に出場中の彼のため、サプライズで「帝都ホテルの最上階での優勝祝賀パーティー」を準備済みであった。
他にも平次の優勝のため、裏で手を回しているかのような描写が見られたが、事件の捜査に夢中になっていた彼が沖田共々不戦敗となり、あっさり撤収。
「未来の旦那さんとはもっと良い舞台で会いたい」と残し、ここでも平次に会うことなく去っていった。
劇場版登場への伏線
平次と紅葉と言えば、引っかかることがあった。
劇場版第20作『純黒の悪夢』の上映終了後、恒例の次作予告で平次が台詞を読み上げているのだが、その時流れている映像は綺麗な満月、そして紅葉。
このことから、大岡紅葉が早くも来年の劇場版に登場するのではないか……という声が挙がっていた。
そしてその劇場版第21作のタイトルが『から紅の恋歌』(以下『から紅』)だとサンデー本誌上で発表され、恒例の原作者の青山剛昌氏作のポスターも公開された。
そのポスターに、他の誰よりも大きく描かれていたのが紅葉であった。
その後『エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』(2016年12月放送)内で流れた特報や、新たに公開されたメインビジュアルにおいてアニメ版の紅葉がお披露目される。
百人一首の高校生チャンピオンであり、「平次の婚約者を名乗っている」という設定が明かされた。
『から紅』本編では
未来のクイーン間違いなしと言われる百人一首の実力者として登場。元は京都に存在した少数精鋭の競技かるた会「名頃会」に所属しており、会の代表であった名頃鹿雄の失踪後は「皐月会」のメンバーとなった。
皐月会が主催する「高校生皐月杯争奪戦」では2年連続で優勝している。
師匠である名頃を現在でも慕っており、ピンク色のパスケースに彼の写真を入れ持ち歩いている。
プレイスタイルも名頃の生き写しで、「狙った札は必ず手に入れる」という名頃の教えを実践している。非常に攻撃的な「攻めがるた」と呼ばれる戦法が特徴で、得意札(=絶対に取り逃さない切り札)も名頃と全く同じ「紅葉」が歌い込まれている6枚。2人ともこの6枚を取り逃したことは一度もないらしい。
物語中盤には元クイーンである平次の母・静華にも勝利している。しかし、彼女が自分の想い人の母親(彼女主観では未来のお姑さん)とは知らなかった様子。
平次と和葉の関係を「幼馴染で恋愛ごっこ」と評し、恋愛に対する姿勢は常に強気で、ここでも名頃の教えが活きているとわかる。
平次との思い出を他人に話す時には顔を赤らめさせており、彼への想いは一途な恋心そのもの。
また、ポスターの表情をはじめ、平次に想いを寄せる描写で涙をこぼすことが多く、かなり涙もろい面もある。
その彼女がここまで平次に惚れ込むようになったきっかけはというと、幼い頃に2人が出場したかるた大会の決勝戦で紅葉が平次に負けたこと。当時既にかるたの腕に自信を持っていた紅葉はこの予想外の敗北に大泣きしてしまい、それを見た平次に「今度会った時はヨメに取ってやるから」と励ましの言葉をかけてもらったから。
……ということらしいが、実は平次はその時の勝負では微妙に手加減していたらしく、それが彼女には気に入らなかったのかと誤解して「(次は)“強め”に取ってやるから」と釈明。それを紅葉がこれまたプロポーズと勘違いして受け取っただけだったということが判明する。
流石にこれには彼女も落胆し、直後に伊織に電話して撤収した(ちなみのこの時の車の後ろには海外の結婚式でお馴染みの空き缶の束がついていた)。
とはいえ、それで彼女が心変わりするようなことはなく、今後も彼へのアプローチは続けていくつもりらしい。
その後は
「紅の修学旅行」にて、修学旅行で京都を訪れていた新一たちの前に現れ、ようやく主人公勢との対面を果たした。
天狗の面をつけた男に襲われた際には恐怖で泣き出してしまったが、新一たちを悩ませていた暗号を見た際には重要な手がかりとなる発言をしている。
(ちなみに初対面の世良は、終始紅葉の巨乳に目を奪われていた)
更にその直後、クラスメートの沖田(元々は『YAIBA』のキャラクター・六代目沖田総司)との共演も実現。
平次の剣道のライバルである彼も巻き込んでまさかの四角関係になるのでは……との声も挙がったが、他と比べやや辛辣な態度で接しているように見受けられた。一方の沖田も紅葉のことを「オッパイ」という渾名を付けており、自身の想い人のことを内緒にするよう蘭に願い出るなど、紅葉をやや煙たがっている面がある(沖田曰く、「バレたらやいのやいの五月蝿いからとのこと」)。
その後、『犯人の犯沢さん』にて鉄刃と沖田の決戦で京都が焼き尽くされたため髪を焦がされ、アフロになってしまった伊織と共に彼に静かに怒りながら報復に向かった模様。
余談
少年サンデー2017年21・22月合併号での「から紅の書」にて、紅葉のデザインや設定の変遷が明かされている。
事実上劇場版が初出のキャラクターで、初めて彼女が映像化された特報の時点でもまだキャラ設定は完全には決まっていなかったという。
元々はツリ目だったが、原作者の青山氏による「もっとタレ目に!」という指示で現在の容姿になった(ちなみにアニメスタッフからの案では、伊織は当初老人だったのを青山氏が赤井秀一や安室透と同年代のイケメンに変更した)。彼女の第一声「にぎやかで楽しそうですなぁ… まるでカフェにいるみたいやわ…」も青山氏の指示。
また青山氏は、紅葉が巨乳であるという設定に非常に強いこだわりを持つ。平次に「わっ!この姉ちゃん乳デカっ!!」という台詞を絶対に言わせてほしいと直筆で指示している他、青山氏が行ったスタッフのセル画の修正点でも彼女の胸が挙げられていた。上記の世良の第一印象(世良の場合貧乳というコンプレックスもあるが)、沖田からの渾名などにも顕著な他、新一や蘭の同級生である中道が世良の貧乳と蘭の巨乳について話題にするシーンの後、紅葉が姿を見せる描写などで伏線も張られていた。胸の大きさでは和葉を上回り、少なくとも蘭と同じくらいの大きさであることは間違いないようである(蘭の巨乳にも青山氏はこだわりがある)。
紅葉の声を担当したゆきのさつき氏自身も、百人一首が得意。小学生の頃から年末年始は家族で百人一首をするのが恒例行事で、四人兄妹だから盛り上がったという。