CV:若本規夫(リメイク版)
概要
頃は幕末、諸外国の脅威にさらされて権威・権力が失墜した徳川幕府。その動乱に乗じて日ノ本を治めんと権力を欲した大名、それが尾手院王だった。
彼は過去の亡霊である宮本武蔵、機械人間のからくり源内、そして淀君や天草四郎と言った妖怪軍団を従え、幕末の要人・とらわれの男こと坂本龍馬の身柄を確保。
院王は龍馬を抹殺して淀に魂を喰わせ、残った皮を源内のからくりに着せる事で歴史を操ろうとしていたが、密命を受けた炎魔忍軍の若手であるおぼろ丸に尾手城へ侵入され、龍馬を救出(進め方次第では逃げた龍馬と合流)されてしまう。
院王は掛け軸から武蔵を召喚し、天守閣への階段に淀君を配置するなど強力な布陣で挑んだが、北辰一刀流の龍馬と、粗削りだが無限の強さを持つおぼろ丸に追い込まれる。
坂本龍馬を救出した場合、尾手は短筒、つまり拳銃で戦いを挑んでくる。したがってレベルは低いが攻撃力は高い。ただし、0人切りで挑んだ場合の院王は乱入した龍馬に銃を吹っ飛ばされるため、鉄扇や日本刀による攻撃をメインにしてくることにより、おぼろ丸の忍法で楽勝である。
だが、「外で思いっきり相手をしてやるわ!」と高笑いした尾手院王は時代劇モノのお約束通りに天守閣へと登り、「これからの日本国を支配する私の姿を見せてやる!」と、ガマヘビ変化を用いて自らも妖怪と化す。毒をメインにした尾手流妖術と、おぼろ丸の忍術・龍馬の北辰一刀流とがぶつかりあった末、敗れ去った院王は天守閣から墜落して死亡。その野望と共に消滅した。
配下
(左上が淀君、左下が武蔵。右上は源内で右下が天草。)
時代劇や歴史ものから取材した敵が多く、特に幹部の4人は実在の人物から命名されている。
二刀流を使う尾手配下最強の妖怪。その正体は最も有名な戦国末期の剣豪にして流派「二天一流」の開祖、宮本武蔵守玄信。
「武」の掛け軸に宿る亡霊として登場し、彼を倒さないと先に進めない。かつての好敵手の得意技を二天一流に昇華させた「2刀つばめ返し」の他、「角行ヒヨドリ越え」「けさがけ2刀流」「奥義・心刀滅殺剣」という強力な剣術を使う。
冒頭の密約に参加していないなど特に悪逆をはたらく存在ではなく、強き敵に倒される事で喜んで成仏していく。
なお、彼をキャラデザした青山剛昌先生の漫画YAIBAにも宮本武蔵は登場するが、デザインは大きく異なる。
尾手院王のブレーンでマッドサイエンティスト。その正体は江戸時代中期の発明家(どころでなくマルチ過ぎる才能を持て余した天才)、平賀源内。攻略本によっては「平賀源内自身が肉体をからくり仕掛けと化した姿(いわゆるサイボーグ)」と解説されている。
ルー語とも麻呂言葉ともつかない変な言葉を話すイロモノだが、「エレキテル放電」などの強力な技を使う難敵。カラクリや兵器は彼の作品らしく、源内を倒すと停止、消滅する(ただしカラクリ丸や、一部の落とし穴は除く)。
尾手院王の姫を名乗る女性。その正体は豊臣秀吉の側室となった織田信長の姪、浅井茶々。
人斬りを厭わないで進め方で行くと人間バージョンで忍者に囲まれているのを助ける事に。その後、「何とお礼を言えば良いのじゃ…そうじゃ、わらわと契らぬか?」とモーションをかけてくる。それに乗ると魂を喰われてゲームオーバーなので注意。龍馬がいると「尾手に娘がいたなど聞いたことがない」と看破してくれ、正体を現して襲ってくる。
なお、リメイク版では何故かこのやり取りが修正されずに行われる(リメイク版はコンプライアンス的な理由でオリジナル版とアイテムや台詞などが変更されている場合が多い。特に性的描写やセクハラ関連)。しかも、誘いに乗る時のおぼろ丸のボイスはかなりノリノリである。
断って人間バージョンのまま斬ると、殺害数にカウントされる。……と、思いきや、後で天守閣への道を塞ぐべく再登場。この時は確実に龍馬がいるので正体がバレて妖怪化する。倒すと、「すると先ほどの姫は人にあらず……」と、おぼろ丸が殺害数を修正するので、実質殺害数に影響はしない。
0人斬りの場合でも天守閣への道を塞ぐべく同様に登場する。色気や恨みの業火などステータス異常を与えてくるので、かすていらがあると便利。倒される時に院王の名を呼ぶ所からすると、かなり慕っていたようである。
総合すると、彼女と対峙するパターンは以下の4通り。
・おぼろ丸一人で誘いに乗ってGAMEOVER
・囚われの男がいる状態で誘いに乗って、正体を現した淀君と戦闘
・誘いに乗らずに人間形態のままの彼女を斬り、その後改めて天守閣への道で正体を現した淀君と戦闘
・忍者に囲まれている彼女を無視し、天守閣への道で初邂逅・正体を現した淀君と戦闘
骸骨が散らばる地下牢に巣食う悪霊。その正体は江戸時代初期に「天草・島原の乱」の総大将にまつりあげられたキリシタンの少年・益田時貞。
「ゴルゴダのイバラ」や「逆さ十字」など聖書に因んだワザを使いこなす。キリシタンのはずなのに悪魔儀式などを扱いつつ、舌の根も乾かぬうちに神へ祈る言葉を捧げるなど、その行動には明らかな破綻が見られる。
「不死の身」を自称するアンデッドで、撃破してもフロア内にのひとだまを吸収して復活してしまう厄介な存在。
……なのだが、ひとだまが一定時間で復活することを逆手に取ったオート経験値稼ぎに使われてしまうこともある。
他の3人がグロテスクないし色っぽい感じなのに対し、彼は可愛らしいデザインの金髪美少年で描かれている。
ただし幹部連中で唯一、進行ルートによっては一切の出番が無くなる。具体的には囚われの男を牢屋から助ける前にからくり源内を倒すルートであり、0人斬りでは必然的にこちらのルートを通ることになる。
武蔵と同じくYAIBAにも登場するが、武蔵に比べれば似たデザインかもしれない。金髪(狐をベースに復活した存在だから)とか。
余談
名前の表記は本来「尾手 院王」(での部分は "手" )が正しいのだが、ゲーム中で登場するアイテム「尾出手裏剣」とその技「尾出流手裏剣術」のみ、誤植なのか "出" 表記にされている。リメイク版では修正された。
また、名前が読みにくいせいか「おで いんおう」「おって いんおう」などと誤読されてしまうこともしばしばある。
正確な読みは「おで いおう」であり、続けて読むと「オディオ」に掛かっている。
ちなみに尾手ならびに変化後のガマヘビ変化のイベントでは、オディワン・リーと同じく、他のオディオボスと異なり何故か「魔王オディオ」が流れない(リメイク版も同様)。
担当声優の若本は同作品でボイスハートの声も兼任している。
関連
織田信長 : ガマヘビ変化をする前の姿がそっくりでありモデルとの説がある(織田→尾手)。ちなみに、『戦国BASARAシリーズ』では若本氏が演じていた。また、第六天魔王を自称した伝承もある。
大御所(サガ2):サガ2秘宝伝説の第7世界「大江戸」に登場する黒幕。決戦は天守閣の屋根という繋がり。
完熟大将軍ノブナーガ:半熟英雄第2作のボス。こちらは上半身が信長で下半身は蛇であり、尾手院王(ガマヘビ変化)の元ネタである可能性がある。
ルビカンテ:時田プロデュースのスクエニRPG、声優、悪役繋がり
スカール:若本氏がおぼろ丸のキャラデザインのモチーフとなったマンガの平成アニメ版で演じた悪役。
ベネット(コマンドー):若本氏が洋画『コマンドー』の『吹替の帝王 第8弾〔スチールブック仕様〕コマンドー ディレクターズ・カット<製作30周年記念日本語吹替新録版>』に収録された吹替の帝王版吹替で演じた悪役。ちなみに、リメイク版でとらわれの男を演じた大塚芳忠氏は、吹替の帝王版吹替でアリアス大統領を演じていた。