鱗滝「水はどんな形にもなる」「升に入れば四角くビンに入れば丸く」「時には岩すら砕いてどこまでも流れて行く」
概要
鬼殺隊が人食い鬼と戦う為に編み出した、一度に大量の酸素を血中に取り込むことで瞬間的に身体能力を大幅に上昇させ、鬼と互角以上の剣戟を繰り出す“全集中の呼吸”の一つ。呼吸は師である育手もしくは剣士自身の我流により、様々な種類が存在する。
その名の通りどんな形にもなれる水のように変幻自在な歩法が特徴の型であり、それによって如何なる敵にも対応できる受けの呼吸である。型の数も最も多い上に応用も効く為、取れる手数はかなり多い。また、各流派の中で唯一鬼に苦痛を与えず死なせる技が存在しているのも大きな特徴。
水の呼吸の剣士は肩の力を抜いて、水のイメージを描きながら剣を振る事で流麗な剣技を生み出せるという。他にも技を高めるには「水面のように静かな心」も重要とされる。
対応する日輪刀の色は青色で、呼吸音は「ヒュゥゥゥゥ」。使い手が“柱”に就任した際の肩書は「水柱」。
エフェクトは和風な絵柄の青い水流。特にアニメでの浮世絵を思わせる美麗な描写はファンが多い。
多くの流派の基礎となっている五大流派の呼吸の一つで、流派の中では炎の呼吸に並んで歴史が最も古く、炎の呼吸と同じくいつの時代にも必ず“柱”が存在していたという。
鱗滝左近次によると、技が剣術の基礎に沿ったものである為に、特に派生した流派の数も多いとの事で、初心者にも易しく最も多くの鬼殺隊士に使用されている流派である。
数々の使い手の中でも現水柱の冨岡義勇は流水の様な歩法と静かな心を合わせ持ち、始まりの剣士に匹敵する実力となっている上に、独自の型である拾壱ノ型まで編み出している。
型一覧
- 壱ノ型 水面斬り(みなもぎり)
交差させた両腕から勢い良く水平に刀を振るい斬撃を与える。
速度・威力共に安定しており、跳躍状態でも高い攻撃力を保つ基本の技。
- 弐ノ型 水車(みずぐるま)
垂直方向に身体ごと一回転しながら敵を両断する技。
360度全てが攻撃範囲となり、加速が加わって威力も増すため大型の敵に対して有効。
身体を横に傾け、水平方向に回転しながら繰り出す応用技「横水車」も存在する。
- 参ノ型 流流舞い(りゅうりゅうまい)
水流の如く流れるような足運びを駆使し、敵の攻撃を躱しながら翻弄。隙を狙ってカウンター気味に斬撃を与える。
複数の方向への同時攻撃が可能となる上に、攻撃と回避を同時に行える。
派生技に「流流舞い・朝影」が存在しており、ヒノカミ血風譚に於いて錆兎が使用した。
- 肆ノ型 打ち潮(うちしお)
岸辺に打ちつける潮の如く淀みない動きで斬撃を繋げる波状攻撃。複数の対象の頸を纏めて斬り落とす事も可能。
汎用性が高いのか頻繁に使用され、冨岡義勇の得意技としての印象が強い。
空中で斬撃を四方八方に連続して繰り出す応用技「打ち潮・乱」も存在する。
- 伍ノ型 干天の慈雨(かんてんのじう)
斬られた者に殆ど苦痛を与えない慈悲の剣撃。他の流派には見られない鬼に情けをかける唯一の技であり、基本的に鬼が自分の頸を差し出した時にのみ使用される。
炭治郎は初任務の沼鬼戦で、相手を苦しませずに斬ろうという配慮からか、一度自分の頸を差し出していない沼鬼にもこの型を使おうとしたが、直ぐにそんな余裕が無い事を悟って型を切り替えており、以降はちゃんと自分から頸を差し出した母蜘蛛以外の相手に使う事は無かった。
そもそも技の発動も攻撃速度自体も遅いので、最初から死を受け入れた相手以外には有効打になるような技では無い。もしかすると痛みを感じないという点を利用し、死角からの不意打ち技として編み出されたのかもしれない。
あるいは、鬼にされた仲間の介錯のために生み出された可能性もある(水の呼吸は防御に長け、ほかの仲間がやられても生き残る可能性が高いため、必然的に"その役割"が回ってくる事が多くなると考えられる。)
斬撃対象は痛みを感じず、優しい雨にうたれているような感覚になるという。エフェクトも霧雨の様に穏やかな物となっている。
- 陸ノ型 ねじれ渦(ねじれうず)
上半身と下半身を反対方向にねじった状態から、強烈な回転を伴って斬撃を繰り出す技。
水中の様な抵抗のある空間でこそ本領を発揮できる技で、発生させた渦は鋭い斬撃波となって周囲の全てを切り裂く。また、近距離に限定はされるものの全周囲防御としても活用可能である。
回転によって相手の攻撃を巻き込みながらその勢いを利用して斬りつける、参ノ型「流流舞い」との複合技「ねじれ渦・流流」も存在する。
- 漆ノ型 雫波紋突き(しずくはもんづき)
水の呼吸の全ての技の中で最速の突き技。波紋の中心を狙うように突き刺す。
鬼の頸を斬り落とす事には向かないが、シンプルかつ即座に放てる為に、戦闘では主に牽制または敵の攻撃の迎撃用に使われる。
斜め上から弧を描く様に突き下ろす事で、敵の攻撃の威力を相殺する応用技「雫波紋突き・曲」も存在する。
- 捌ノ型 滝壷(たきつぼ)
滝から流れ落ちる水流の如く、上段から真下に渾身の力で刀を振り下ろし斬撃を与える。自身の足元へ接近する敵や、低い足場にいる敵に有効な技。
威力・攻撃範囲共に絶大だが、足元への攻撃である為に、離れた敵には余り意味が無い。
派生技に「滝壷・壊」が存在しており、ヒノカミ血風譚に於いて鱗滝左近次が使用した。
- 玖ノ型 水流飛沫・乱(すいりゅうしぶき・らん)
動作中の着地時間・着地面積を最小限にする事で、縦横無尽に跳ね回りながら斬り付ける。
主に足場の悪い場所や、地形が変形する場所での戦いに適している。特に上下左右に足場のある室内では、某ジャンプの先輩の様に全方位攻撃が可能。
派生技に「水流飛沫・乱 泡沫」が存在しており、ヒノカミ血風譚に於いて真菰が使用した。
- 拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)
うねる龍の如く刀を回転させながら何度も斬撃を重ねる連撃技。回転を重ねる毎に比例して威力が増幅され、より強力な技となる。さらに他の技に切り替えた際も、動きを止めない限り上昇した威力は維持される。
事実上水の呼吸の型で最強の技だが、充分な威力を引き出す為には相応数の連撃やそれに基づく距離なども必要になるなど、デメリットも大きく使える状況は限定されている。
なお、この型のエフェクトは水の竜になる。
ちなみに、名前の由来は横山大観の作品「生々流転」。
- 拾壱ノ型 凪(なぎ)
義勇が編み出した独自の型。
刀の届く範囲内に入った対象全てを斬り刻む、水の呼吸の受けの性質を最大限に活かした技。
詳細は当該項目を参照。
使い手
派生
花の呼吸
蛇の呼吸
源流
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余談
『公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』の各呼吸の斬られ心地取材では、水の呼吸は「優しい」「なんかね痛いのは痛いけど比較的楽」「俺のこと嫌いじゃないなってわかる、一瞬でスッとやってくれる」との事である。類似の感想は花の呼吸からも出ており、水の呼吸を源流とする証明となった。
連載前の名称は「鱗滝式呼吸術」だったが、編集に駄目だしされて現在の名称になった。
ちなみに前述通り、水の呼吸は基本的には防御重視の受けの呼吸である為に、比較的使い手の隊士の生存率は高い。元水柱の鱗滝は五体満足で柱を引退している(途中リタイアした槇寿郎を除けば五体満足の元柱は作中では彼だけである)。
関連動画
パルクールによる再現
関連タグ
ブンブンジャーロボ119:『爆上戦隊ブンブンジャー』に登場する強化ロボの1つでこのロボの必殺技『ブンブンズンズンフィニッシュ』においてこれを思わせる動きを見せた。ちなみに炭治郎の声を担当した花江氏は本作において追加戦士の相棒ビュン・ディーゼル役として出演している。