福島正則
ふくしままさのり
賤ヶ岳の七本槍や七将の一人。
永禄4(1561)年、福島正信の長男として尾張国海東郡二寺村(現在の愛知県あま市)に生を受ける。母は正信の正室で豊臣秀吉の叔母にあたる木下氏。幼名、市松(いちまつ)。
天正6(1578)年、播磨国の三木城攻略戦において、秀吉の小姓衆として功名をあげて以降、秀吉旗下として各地を転戦。5年後の賤ヶ岳の戦いでは「賤ヶ岳の七本槍」筆頭として勇名を馳せる。
またその後も小牧・長久手の戦い、四国征伐、九州征伐、小田原征伐等数多くの戦いに従軍し、秀吉の為に力を尽くした。
天正13(1585)年、従五位下左衛門尉に任ぜられ、左衛門大夫正則(さえもんのたいふ-)と名乗る様になる。
文禄4(1595)年、秀次事件において、豊臣秀次に秀吉からの切腹命令を伝えている。また同年、尾張国清洲24万石を与えられ清洲城城主となる。
秀吉死後の慶長5(1600)年、関ヶ原の戦いでは徳川家康側につき、黒田長政と共に織田秀信が守る岐阜城攻めを行い、本戦では東軍の先鋒第一番手として西軍の宇喜多秀家隊と交戦し、東軍勝利に貢献。
1614年に大坂の陣が勃発すると、豊臣秀頼から大阪方への加勢を求められるもこれを拒否、一方で大阪方からの大阪蔵屋敷の蔵米8万石の接収を黙認している。しかしこれが家康に露呈し、冬・夏の陣共に江戸での留守を命じられている。
関ヶ原の戦い後は毛利家の居城であった広島城を与えられ、安芸・備後を領する広島藩の藩主となるが、元和5(1619)年に行った広島城の修築の件を幕府に咎められ、信濃・越後に転封されて、川中島の高井野村(長野県上高井郡高山村)に蟄居する。
翌年、息子・忠勝の早逝に伴い越後領を返還し、寛永元年に正則も没する。
この際に、幕府検使・堀田正利の到着前に遺体を火葬してしまった事で、高井野藩は廃藩処分となってしまった。
戦場では決して敵に臆さず武勇に長けていた一方で、短気で乱暴者でもあったという逸話に事欠かず、幼少期に家業である桶職人の修行をしていた頃、喧嘩相手の大人をノミで刺殺したことがあるという。また、安芸広島に入国した際に地嵐に見舞われたことに対し怒り、乗っていた船の船頭を斬り捨てている(当然、自然現象など船頭の知るところではない)。他者を軽んじる発言も多く、ときには加藤清正から咎められることもあったようだ。
また、かなりの大酒飲み・酒乱でもあり、記憶を失うほど泥酔して起こした失敗談も多い。あるときは酒に酔って家臣に「切腹しろ」と命じ、翌朝我に返り死んだ家臣の御首に泣いて詫びたこともあったという。有名所では、仕事で訪れていた黒田家臣・母里太兵衛に大盃に注いだ酒を飲み干すように強要し、その末に秀吉から拝領した天下三名槍の一つ「日本号」を取られてしまう『黒田節』の逸話が存在する。
こうした逸話の数々や、文治派である石田三成との対立などの経緯からか、後世の創作作品では「武勇に長けるが智謀に乏しい猪武者」として描かれることも少なくないが、ときには家臣のために自身の軍功や名誉などをなげうつ気概もみせている。戦後はキリシタンの保護政策を続けたり、西軍に関与した戦没者を弔う海福院を建立している。
基本的には誰に対しても臆せず豪放な人物であったようだが、茶人・千利休については初めて茶会に参加した際に「今までどんな強敵にも怯んだことは無かったが、利休と向かいあっているとどうも臆したように覚えた」と発言している。また、女性問題を起こした際には妻の昌泉院に薙刀で斬りつけられ、このときばかりは慌てて逃げ出したという。
関ヶ原の戦いでは徳川家康を総大将とする東軍側として戦い、戦後も江戸幕府の命による様々な城の築城等に関わり力を尽くしたが、一方で豊臣家の忠義も捨てなかった。豊臣家を守る為に西軍とした戦った石田三成らとは立場は違えど豊臣家を思うという気持ちは同じであった(仲悪かったけど)。
関連記事
親記事
子記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見る- リリカルBASARA StS -The Cross Party-
リリカルBASARA StS 第七十二章
pixivで連載再開してから、今回の話でようやく『にじファン』投稿時の話数を超えました。 とりあえずの目標は目指せ100話越え! それからそろそろ特別編もやってみようかと考えています。 清正「リリカルBASARA StS 第七十二章 絶倫するぜぇぇ!」正則「それを言うなら『出陣』だろ!」17,156文字pixiv小説作品 - 蝶よ花よと言われても
蝶よ花よと言われても 5
相変わらずの正則と左近の女体化災難シリーズ第五話。 とはいえ災難の原因である清正も三成も名前しか出て来ないので、今回も平和…というか、この二人は出てくるとどうしようもなく残念なイケメンでしかないので、いっそ出番がないままの方が良いのかもしれないと改めて思ったり。 なおくのいちと左近が変に仲が良いのは個人的な趣味です。←武田時代の左近が大好きです。2,250文字pixiv小説作品 - 蝶よ花よと言われても
蝶よ花よと言われても 4
正則と左近が災難でしかない女体化第四話。 清正則でみつさこですがイケメン二人は吹き飛ばされたまま今回も出てきません。 ←残念すぎるからむしろ出て来ない方がマシかもしれない。 代わりの甲斐姫がどう頑張っても男前にしかならないのは謝るべきかどうか。 読めれば何でもいいよという方だけ続きからどうぞ。3,020文字pixiv小説作品 - 戦国無双 クリスマス!
戦国無双 クリスマス! 豊臣家
戦国無双でのクリスマスをやって見たかったのだよ!!(三成風w) 特に豊臣家がいいよね!楽しそう!! みなさん、いろいろ妄想しちゃって下さい!! ・・・これって現パロなんかな??3,881文字pixiv小説作品 【腐向け*創作戦国】握り飯【市松×佐吉】
創作戦国でお話書くのはちょっと知識が弱いので恐いなあ…とずっと控えていたのですが、最近再熱してどうしても書きたくなったので。市松が佐吉を気になりはじめた頃。これ、名前タグ入れていいのかな。うちの正三のビジュアルについてはこちらを参照してください。 http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=315904755,238文字pixiv小説作品- 蝉の声が聞こえるか
【戦国無双】蝉の声が聞こえるか 弐
現パロ、若干腐向け。 お久しぶりです。続編やっちゃいました。終わりが見えない物語です。ラブライブ聴きながらぽちぽち打ってました。な、難産だったぜ……( ̄。 ̄;)蝉が出てこない話です。 次回からどわぁぁぁぁぁっと、いけたらいいな。目指せ、戦国無双オールスター。 過去作品にブックマークや評価して下さって、ありがとうございます。読み返すと物凄い誤字脱字が多いのに読んで下さるだけでもありがたいです。これからもスローペースですが、頑張ります!とにかく、これは終わらせたい。 パワーをメテオに!(←疲れている)6,581文字pixiv小説作品 仮染夜ーカリソメシヨルニ・2019ハロウィンー
加藤清正と姫の場合:相手を見ていると向こうも気づいて視線が重なって、そっと指先に口づけをしました。 #ほのぼのなふたり https://t.co/rEk1YFbZ1p うん、これくらいなら夕方へろっと書けそう。← っていうへろっと。 迷走しましたよ。 こんだけエロいことしといて、そこでやっと気持ちに気づくとか…清正さん!!! ふふ、今朝の弦ちゃん書く書くは、どこに行ったのでしょうか?ね? どこいったのかね? ふふ、ふふふふふ(* ̄∇ ̄*)ノマッタ、ゲンジツトウヒシテルヨ。コノヒト1,456文字pixiv小説作品酒とオンナには気をつけろ
酒とオンナにだらしがない学園長におしおきと称して福島正則のお話をする話です。 書き納めです! ずっと前に書いてたやつだけど笑 また来年もよろしくお願いしますm(_ _)m2,554文字pixiv小説作品【戦国無双】さよなら、迷宮
目を覚ますと、そこは見知らぬ世界だった――清正と正則は、そこで官兵衛によく似た、官兵衛ではない男と出会う。 |【ご注意】戦国無双の官兵衛+子飼いで、乙女ゲーム「アンジェリーク」のラジオドラマ「さよなら、迷宮」パロディです。元ネタは知らなくても大丈夫です。むしろ知っていると読む前からオチまで分かってしまう…。カプ要素はありませんが、ギャグっぽく半→官。子飼いは10代前半くらいの設定。21,774文字pixiv小説作品- 戦国無双
【兼続受ネタ】子飼い3人×兼続
子飼い3人(清正・三成・正則)×兼続という小説+ネタの半半ものです◆以前blogで「兼続受カップリング投票」なるものをやっていたときにひねり出したものですが、ふとファイル整理をしていたら見つけ出してぺたっと…◆ネタが秀逸などとは思いませんが;;これはちょっと好きかも知れないという図々しさで失礼します…@2010年7月26日9,775文字pixiv小説作品