概要
都市開発や地形の影響等に伴う難聴地域の存在、若年層のラジオ離れ等に対応する為、2009年12月15日に設立された「IPサイマルラジオ協議会」により、IP(Internet Protocol)を利用するストリーミングサイマルキャストサービスの実用化試験配信が2010年3月～11月にかけ行われた。
その結果を受け、同協議会を構成する在京・在阪民放ラジオ局と電通が事業会社として「株式会社radiko」を設立、本格運用が開始された。
システム
IPアドレスにてアクセス者の所在地を確認し、それに準じた放送エリアを自動で設定して、ノイズレスのステレオAM/FMラジオ放送を会員登録無しで無料で聴取できるというサービスである。
エリア制限が掛かる理由は、権利者や広告主との間で「本来の放送エリア内での配信を前提として合意を得ている」という前提があり、エリア外聴取環境の提供はradikoの存続を危うくする行為と見なされ、実用化が困難になる可能性もある為。
一方でユーザーからは「エリアの枠を越えて聴取を行いたい」という要望が根強く、これを受ける形で2014年4月より有料でエリアフリー聴取が可能となるサービス「radiko.jpプレミアム」が開始されている。
radikoプレミアム
月額350円（税抜。税込み378円）を支払うことでエリア制限が解除され、全国のラジオが聞けるようになるサービス。但しプレミアムサービスに登録しても全く、あるいは部分的にしか聴取できない参加放送局がある(下表の注釈参照)。
なお、そもそもradikoに参加していないラジオ局も少なからず存在しており、それらはプレミアムに登録しても聴取できない。
料金が安くなるとの話もあったが…？
伊集院光氏の指摘（記事リンク）にもかかわらず、未だに料金の値下げが検討されているという話は聞こえてこない。「初期投資分を回収できた時点で、値下げしなくてはならない」（上記リンクより）はずなのだが。
対応地域・対応局
※関東 = 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県
近畿 = 大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県
☆ = プレミアム不参加局。
★ = 広島東洋カープの試合中継、及び自社制作番組『RadiPrism』のみプレミアム対応。
同様のサイマル放送・配信サービス
- NHKネットラジオ らじる★らじる：NHKによる試行配信サービス。AM第1・第2、FMが対象。こちらは日本国内であればどの地域でも利用可能。
- JCBAインターネットサイマルラジオ、SimulRadio：それぞれ、JCBA又はCSRAに加盟するコミュニティFMの自主制作番組をネット配信するサイト、およびそのためのプロジェクト名。いずれも地域制限が無く、日本のみならず世界中どこでも利用可能。
- LISMO WAVEラジオチャンネル：auの携帯電話・スマートフォン向け配信サービス。全国の民放FM52局(AM局は非対応)の放送を聴取でき、日本国内で3G、LTE、Wi-Fi回線の何れかに繋がっていれば、地域に関わらず利用可能。税抜月額で1局当たり100円、全局パック300円の有料サービスだが、auスマートパス会員であれば無料となる。番組の配信制限がradikoより厳しい局もある。
- ドコデモFM：キャリア不問のAndroid/iOS向け配信サービス。JFN系列各局及びLove FMを聴取可能。OSにより料金が異なり、Androidは315円、iOSは300円(何れも税抜月額)。
