行け、『ショッカー』の者どもよっ!!
関智一(ネット版スーパーヒーロー大戦乙、春休み合体スペシャル、スーパーヒーロー大戦GP)
テレビシリーズ
ショッカー、ゲルショッカーを影から支配していた謎の存在。一人称は基本的に「私」だが、まれに「わし」、最終話では「俺」も使用していた。
コブラ男の再改造手術を行った下級幹部、綾小路律子を用済みとして処刑させたり、役に立たない戦闘員を怪人の能力の実験台にするなど、冷酷非情な性格で、裏切り者や無能な者、作戦に失敗した者はたとえ幹部でも容赦なく処刑するなど、厳格かつ非情さを持つ一方、自身が認めた相手はたとえライダーでも大いに賞賛を送る一面を持ち、また、失敗続きの幹部に対し、最後のチャンスを与えるなど温情深い一面を持つ。
当初、各地のショッカー基地のショッカーレリーフから指令を送るのみで、末端の構成員はおろか、歴代の大幹部でも直接謁見することはできないほど、その存在は秘密であった。
当初は紅いフードやマントを着用した姿をしており、67話では、各国支部の幹部が出席するショッカー世界会議で姿を現すが、実は1号を東京湾の孤島に誘き寄せ、出席メンバーに見せかけて用意されたライダー殺人人形から改造人間の肉体組織を破壊する毒ガス「アンドロガス」による抹殺計画「V作戦」であり、首領以下すべての幹部はマネキンであった。
94話でも首領の正体に迫ったが、それも罠であった。
最終話では、その姿が明かされる。
浜名湖地下のゲルショッカー日本本部に突入した仮面ライダー1号と2号の前に現れ、紅いフードの下から無数の蛇に包まれた覆面が現れ、さらにその覆面を剥がすと一つ目の不気味な素顔を現し、身体から放つ毒ガスや顔面から放つ不気味な光でダブルライダーを苦しめ、最期は「わしと一緒に死ね!」と自爆する。難を逃れたライダーの前には、眼球のような球体だけが残され、直後ゲルショッカー日本本部は爆破し、ゲルショッカー潰滅と共に劇的な最後を遂げてしまった。覆面→素顔という二重の顔になった理由は、原作者の石ノ森章太郎氏と番組スタッフの間でデザインが一本化できなかったため、最後まで残った二案を併用したからとのこと。
プレイステーションのゲーム『仮面ライダー』では最終ボスとして登場、浮遊した後に放つ念力や毒ガスなどで仮面ライダー2号を苦しめるが、敗れるとライダーダブルキックで止めを刺される。
しかし、ゲルショッカー潰滅後、死亡したと思われていたが実は生きており、デストロン首領として、新組織『デストロン』を結成し、再び世界征服に乗り出していた。また一説には昭和ライダー、1号からストロンガーまでに登場する全ての悪の組織を支配下においていたという(デルザー軍団大首領)。
仮面ライダーZXテレビ版に登場するバダン総統もショッカー首領(=デルザー軍団岩石大首領)と同一の存在とも言われている。
昭和10人ライダーでなんかが起こると、たいていこいつのせい。
『スーパーヒーロー大戦GP』では、1号と2号によりショッカーが滅ぼされ、首領が自爆した直後から物語が始まる。(映像自体は初代最終話の物を使用しているが、ゲルショッカーのシンボルマークが映らないように編集されていた)
また、前日譚である『春休み合体スペシャル』でも、物語の黒幕として登場する。
『仮面ライダーTHENEXT』
テレビシリーズ同様姿を見せず、ショッカーのレリーフから部下に指示を送っている。声は昭和版と同じく納谷悟朗氏が演じている。
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
紅いフードの姿こそ同じだが、フードの下は一つ目に無数のヘビが絡みついた不気味な姿をしている。(昭和版の一つ目の姿にヘビがくっついたような感じである)
昭和から平成のライダーが倒した全ての悪の組織を自身の支配下におき、『ショッカー』をより強力な存在にした。
オールライダーとの決戦では、過去の置物同然だった歴代首領とは桁違いの戦闘能力を見せた。目から火炎弾を放ちまくってオールライダーをたった一人で圧倒、さらに蛇の首を伸ばして電王やクウガを拘束しアメリカンクラッカーのようにぶつけるなど圧倒的な戦闘力を見せたが仮面ライダーオーズの新コンボ、タマシーコンボの前に敗れ去り、空の彼方に吹き飛ばされた。これにより怒りが頂点に達した首領は真の姿岩石大首領へと変貌を遂げ、さらに圧倒的な戦力でオールライダーを追い詰める。しかし、全仮面ライダーによる必殺技『オールライダーブレイク』で遂に倒されてしまった。
S.I.C.HERO SAGA関連
『S.I.C.HERO SAGA』(仮面ライダー電王エディション)
このエピソードでは『クライマックス刑事』の続き。
生き延びていたネガタロスが、ゼロライナーを強奪して1971年4月に跳躍するも強大な力で圧倒し、彼の妨害によって本郷猛を取り逃すものの、桜井侑斗を飛蝗男に改造しようとする。
しかし野上良太郎とイマジンたちの妨害に遭い、彼らをねじ伏せるものの、無理やり憑依したネガタロスが岩石大首領イマジンに変化し基地を崩壊させたことと、ジークの羽手裏剣を喰らい大ダメージを受ける。
しかし命は取り留め、どさくさに紛れて逃走。その後を立花藤兵衛の記憶によって蘇生した仮面ライダー1号が追跡し、歴史の大まかな流れは守られることになっている。
『S.I.C.HERO SAGA』(仮面ライダーオーズエディション)
このエピソードは『レッツゴー仮面ライダー』の続き。
ライダーとの戦いで大幅に弱体化したものの生き延び、仮面ライダーオーズのオーズドライバーのデータで作成した6連ドライバーにショッカー~デルザーまでの各軍団の能力を宿したコアメダルを挿入し、「悪の軍団コンボ」による骸骨状のオーズといった趣で復活する。
プトティラコンボに匹敵するパワーとタジャドルコンボなみの機動力、そしてビッグマシン同様の機械に対する催眠能力によってオーズとライダーマンを圧倒するが、突如参戦した快傑ズバットによって窮地に追い込まれる(この作品はリドルストーリーで、現実とも火野映司の夢ともとれる)。
『仮面ライダーSPIRITS』
バダン大首領JUDOの人格から造り出された自律プログラムという設定。従ってあの目玉おばけはただの人形である。
そしてバダン大首領は、仮面ライダーZXと同じ姿であり、記紀神話に描かれるスサノオそのものであるとされる(村枝賢一は、初期設定ではヒルコの集合体にしたかったのだが、それだとわかりにくいのでスサノオにした、と2012年12月号の『月刊マガジン』で語っている)。
同じく、『スーパーヒーロー烈伝』や『AZITO2』でも単なる傀儡怪人として登場する。
特に後者では首領自ら銀行強盗や幼稚園バス襲撃を行うなどのシュールな光景も拝める(本物のショッカー首領は、「悪」陣営の総帥に資金援助・技術開発を行っており、この「ショッカー首領」なるユニットが何万回死んでも資金さえあればすぐに作り直すことが可能)。
その他
『仮面ライダーEVE』や『S.I.C HERO SAGA』など、早瀬マサト氏(石ノ森プロ)の作品では、デルザー軍団大首領やネオショッカー大首領もショッカー首領と同一の存在とされており、その正体はツングース隕石と共に飛来したエイリアンということになっている。
『EVE』では正体が宇宙から訪れた寄生生命体で、組織が変わるたびに異なる姿で現れたのもそのためとされている。
納谷氏の死去・追悼
2013年3月5日、ショッカー首領の声優を演じられた納谷悟朗氏が慢性呼吸不全のため亡くなった事がNHKのニュースで明らかになった。
この事はファンの間でも話題となり、彼の死を追悼するイラストがpixivに多く投稿され、氏を代表するキャラである銭形警部等と並び、このショッカー首領を描いたイラストも多く投稿された。
ちなみに、彼が仮面ライダーシリーズで最初と最後に演じたのが奇しくも、このショッカー首領であった。
後任
納谷氏の死去後は、関智一氏が実写作品でショッカー首領の声を担当することが多く、現在では彼が後任としてほぼ固定されている。
ちなみに、その再現性は非常に高く、特に『スーパーヒーロー大戦GP』公開後には、関氏の演技があまりにも生前の納谷氏の演技とそっくりであったことから、「納谷さんってもう亡くなってるはずなのに、一体どうやって収録したの?」という疑問を抱いた視聴者が続出したそうな。
なお、関氏はショッカー首領と並行してショッカー怪人やライダーの声も兼任することが多く、その演技力の幅の広さがよくわかる事例と言えるだろう。