もしかして
そうじゃないなら……
ウイルスとは――
- 核酸とタンパク質から成り、細胞を利用して増殖する構造体。
- コンピュータウイルスのこと
概要
スペルは"virus"
日本ではラテン語であるvirusをそのままラテン語で発音した(うえで長母音を省略した)「ウイルス」表記が正式。ウ"ィ"ルスと表記されることもある。
この他ドイツ語読みした「ヴィールス」や英語読みした「ヴァイラス」の表記が使われることもある。
なお、日本のラテン語学者たちは現代西洋諸語に「訛った」読みでなく「ウイルス」表記を採用したことを称えていたりもする。
ウイルスには細胞が無く、自己複製ができない。その代わりDNAなどに遺伝子を持ち、生物の細胞を利用して増殖する。
そのため、生物であるとも、非生物であるとも言われる。
非常に小さいため、光学顕微鏡ではその姿を見ることができず、細菌濾過器やマスクなどのフィルターも通過してしまう。
マスクはむしろ「喉の粘膜を乾かさないようにすることで免疫機能を保つ」道具である。
形状はいろいろあり、
インフルエンザウイルスなどは球形、タバコモザイクウイルスなどは棒状、
バクテリアを狙うバクテリオファージは月着陸船のような形をしている。
病原体として認知されており、特にインフルエンザやHIVなど、他者から他者へと拡大感染していくものを指す場合が多い。
特に空気感染などで広範囲に繁殖できる病原体が世界規模レベルで爆発的に広がることをパンデミックと呼ぶ。
創作での扱い
昨今ではSFホラーにとって欠かせない存在である。代表格としては『バイオハザードシリーズ』に登場するT-ウイルスで、人をゾンビのように変貌させ、ゾンビ化した感染者が健全な人間を襲い、さらに襲われたがものがゾンビ化するという、ウイルスの感染と吸血鬼の特性を合わせた独特の特性を持つ。以降、SF世界、ギャグ漫画でのパロディのみならず、幻想世界ですらウイルスでゾンビ化という怪現象が一般化している。
ウイルスって、なんだっけ。
主なウイルス
- ノロウイルス、ロタウイルス : 食中毒、胃腸炎、下痢を起こすウイルスの代表格。
- A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス : 肝炎を起こすウイルス
- インフルエンザウイルス : 毎年冬に流行する。ときに変異して新型インフルエンザになることも。
- 鳥インフルエンザウイルス : 鳥類に感染するインフルエンザウイルス。ときに人間にも感染することがあり、その場合は通常のインフルエンザとは比べものにならないくらい危険。
- RSウイルス : 呼吸器に感染するウイルス。赤ちゃんにとっては危険。
- 風疹ウイルス、麻疹ウイルス : 子供がよくかかる感染症の病原体の代表格
- ムンプスウイルス : 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の病原体
- コロナウイルス : 代表的な風邪ウイルス。ときに変異してSARSやMERSのような凶悪なウイルスになることも。
- SARSコロナウイルス : 中華人民共和国で発見された新型のコロナウイルス。重症急性呼吸器症候群の病原体。2003年にアジアとカナダで大流行した。
- MERSコロナウイルス : 中東で発見された新型のコロナウイルス。中東呼吸器症候群の病原体。
- ライノウイルス : 鼻炎(鼻風邪)の原因
- アデノウイルス : 風邪、胃腸炎、プール熱(咽頭結膜熱)などを起こす。
- エンテロウイルス : 手足口病、急性出血性結膜炎(アポロ病)などの病原体。ポリオ(急性灰白髄炎)を起こすウイルスもこいつの仲間。
- コクサッキーウイルス : エンテロウイルスと並ぶ夏風邪ウイルスの代表格。ヘルパンギーナの病原体。
- ヘルペスウイルス : 口や性器の粘膜や皮膚などに水疱(水ぶくれ)を作ったり、ただれさせたりする。水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹のウイルスもこいつの仲間。
- 日本脳炎ウイルス、デングウイルス、黄熱ウイルス、ウエストナイルウイルス : 蚊が媒介するウイルスの代表格
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス : マダニが媒介する危険なウイルス
- 狂犬病ウイルス : 致死率100%の超危険ウイルス
- ハンタウイルス : 腎症候性出血熱の病原体。ねずみが媒介する。
- エボラウイルス : エボラ出血熱の病原体。致死率50%以上の非常に危険なウイルス。
- 天然痘ウイルス : 歴史上、人類が制圧に成功した唯一のウイルス。
- B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス : 肝炎を起こすウイルス。血液や性行為から感染する。
- HIV(エイズウイルス、ヒト免疫不全ウイルス) : AIDS(後天性免疫不全症候群、エイズ)の病原体。
関連タグ
菌…「風邪の菌」「インフルエンザ菌」等と慣用的に言われるが、厳密にはウイルスは菌ではない。