サニーゴ
さにーご
基礎データ
概要
『ポケットモンスター金・銀』(第2世代)に初登場したポケモンで、分類通りの珊瑚、特にピンク色のエダサンゴをモチーフとしている。
南の綺麗な暖かい海に生息しており、水温が下がると南へ移動する。そうして集まったサニーゴ達が珊瑚礁を形成し、小さなポケモンたちの隠れ家になる事もあるらしい。
気に入った環境に落ち着くとその場から移動しなくなるのか、南の国ではサニーゴの集団の上で住居を構えて暮らす人々もいる様で、実際にホウエン地方の「キナギタウン」はサニーゴの群れの上に作られている。
頭のサンゴの角は割と簡単に折れるが、どんどんと育っては生え換わり、1〜3日程で元通りに生え揃うため本人たちは気にしていない。
綺麗な水の養分を取りこんだそれらは、太陽の光を浴びると七色にキラキラ輝きとても綺麗で、宝物として人気が高い。
特にアローラ地方に暮らすサニーゴは、栄養豊富な海のおかげで体色がとても鮮やかで濃く、砂浜などに折れ落ちた角は装飾品に加工されて売られている。
その一方、現地にはサニーゴを好んで貪り食うヒドイデ、ドヒドイデと言う天敵中の天敵たるポケモンも生息しており、アローラでは繁殖して数が増え過ぎたラプラスに代わりこちらが絶滅危惧種となってしまった。
そのためエーテル財団の保護対象にも入っており、サン・ムーンのストーリーをある程度進めると、その天敵によって傷ついたサニーゴのイベントが発生する。
また逆に海が汚れると、美しいサンゴの枝は色がくすみボロボロになってしまう。現実のサンゴ同様、枝からも栄養を取っている為、汚れた海では生きられない。
バトルで活躍するポテンシャルには乏しいが、その可愛らしい姿やデリケートな生態から、現在に至るまで一定の人気を保っているポケモンである。
名前の由来は恐らく「サニー(晴れ)+サンゴ」で、それらに「アミーゴ」を掛けている可能性もある。
ゲーム上の特徴
タイプはオムスターやジーランスなどと同じいわ・みずの複合タイプ。
特性は「しぜんかいふく」と「はりきり」となかなか優秀。
「はりきり」の時はアタッカー、「しぜんかいふく」の時は、耐久型が向いている。
ただ、「ぼうぎょ」と「とくぼう」の種族値はやや高いが、他のステータスは総じてかなり低い。
幸い、技は豊富である。いや、些か豊富すぎると言っても過言ではない。
物理技はタイプ一致技に「アクアブレイク」、「いわなだれ」、「ストーンエッジ」、「もろはのずつき」、「ロックブラスト」、
サブとして「じしん」、「つららばり」、「ふいうち」、「がむしゃら」、「だいばくはつ」、
特殊技はタイプ一致技に「なみのり」と、同タイプ中唯一修得可能な「パワージェム」、
サブとして「れいとうビーム」、「だいちのちから」、「サイコキネシス」、「シャドーボール」、
変化技は四天候全て、オーロラベール以外の壁技全て、積み技に「てっぺき(バリアー)」・「ドわすれ」・「ロックカット」、回復技に「アクアリング」・「ねをはる」・「じこさいせい」・「リフレッシュ」
etc.……本当に能力が低いことが悔やまれるくらい豊富にある。
特性「はりきり」時の「こうげき」の高さはなかなかなので、そこを軸に戦いたいが、主力技の命中率はことごとく下がってしまい、かわいい見た目と反してかなりリスキーな運用が求められる。
基本的には、上記の運に左右される方法を除き、特殊アタッカーにぶつけて「ミラーコート」で反撃する王道スタイルがある。
その場合相手がこの戦法に乗ってこなければ、「だいばくはつ」で相手もろとも退場を狙う。
「はりきり+だいばくはつ」という芸当ができる唯一のポケモンで、特性「はりきり」での「だいばくはつ」は元々低い「こうげき」ではあるが、それでもある程度のポケモンは落とすことができる。
上記の方法を封印する場合は、物理技としては「ストーンエッジ」か「ロックブラスト」を軸に、「じしん」、「がむしゃら」、「ふいうち」など。
上手くすれば耐えてからの「がむしゃら→ふいうち」のコンボができる。次のターンに「だいばくはつ」で去る。
補助技の「めいそう」を積めばある程度の火力の底上げはできる。あくまである程度だが。
その他にも、「リフレクター」や「ひかりのかべ」の壁張りや、「ロックカット」を使えばすばやさの種族値120のポケモンをギリギリ抜かすことができる。
暖かい海に棲む筈だが、第4世代ではどうみても水温が低そうなシンオウにも生息している。
しかも進化で氷タイプがつくパウワウを除きこおりタイプ以外で唯一「つららばり」を覚える。そんなサンゴで大丈夫か?
第5世代では隠れ特性として「さいせいりょく」が追加された。これはポケモン図鑑の説明に準拠している形であるが、実際は戻している余裕などない。
むしろ仕様の変更で弱体化した「だいばくはつ」によって死活問題となっている。
その代わりタマゴ技として「もろはのずつき」を習得した……がこれで代償になるのかどうか。
第7世代ではHP、防御、特防種族値がそれぞれ+10されて65、95、95となった。これにより、多少は動きやすくなった。さらにこの世代から登場した新しい水物理技「アクアブレイク」を遺伝技で習得できるようになった。意外にも水物理技を習得するのはこれが初めてである。
ウルトラサンムーンでは教え技で「じだんだ」「じごくづき」といった物理技を新規習得。
これらの技の実用性はともかく、上記の「アクアブレイク」も教え技として追加されているので、過去作産のサニーゴにも物理水技を搭載することが可能になった。
特にマークなしルールでは「ふいうち」との両立も可能になったことが大きく、サニーゴ使いには嬉しい追加要素である。
現地の環境に適応して姿を変えた他のリージョンフォームとは、少々事情が異なる存在。
詳細はガラルサニーゴを参照。
ポケモンGO
珊瑚のポケモンだからなのだろうか、日本国内で出現するのは、種子島以南の南西諸島、および小笠原諸島のみとなっている。日本国内で、特定地域以外では一切出ないポケモンは初めてである。
世界的にも、北緯南緯31度より赤道寄りのエリアでしか出現しない。
国単位ではなく特定緯度限定で出現するポケモンはサニーゴが初めてとなる。
余談
「サンゴ」と一言で呼んでもそこには多数の種類がいる。
サニーゴの「サンゴ礁を形成する」「枝が脆く簡単に折れる」「枝は折れてもすぐに生えてくる」という性質はそのうちの「造礁サンゴ」のもので、「枝が宝石として使われる」というのは「宝石サンゴ」のもの。
ちなみにガラルサニーゴは…強いて言えば造礁サンゴに含まれるが、枝を持たない絶滅種がモチーフと目されている。サンゴ同様、サニーゴにも色々な種類がいるようだ。
3月25日はサニーゴの日。