概要
2020年現在の人口は約154万人。市としては全国で6番目。
臨海部を除き市域のほとんどで宅地化が進んでいるため、人口密度が極めて高く、ゴミ処理や騒音など多くの都市問題も抱える。
1924年(大正13年)7月1日に市制施行。戦後人口が急速に増加し1972年(昭和47年)4月1日に政令指定都市に移行。当初の区分は川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区。人口増加のため、1982年(昭和57年)、宮前区、麻生区が誕生し現在に至る。
地勢
北西から東南に極端に長細く、小田急線沿線・田園都市線沿線・東横線沿線でそれぞれに独立した生活圏を築いている。市内交通では市域を縦断する唯一の旅客路線としてJR南武線があるが、並行して貨物専用のJR武蔵野線が走る(かつては川崎市営地下鉄の計画もあった)。
中心市街地は川崎駅周辺であるが、この他、武蔵小杉・溝の口・新百合ヶ丘も商業地として発達している。特に武蔵小杉はタワマンが数多く建設されるなど発展著しい。
治安問題
東の川崎、西の尼崎と言うように何かと治安が悪いというイメージを持たれがちであるが、それは東南に位置する川崎区・幸区及びその周辺のみの話である。
元々出稼ぎ労働者の多いブルーカラーの街のため、昭和期は非常にガラが悪かった。現代ではかなりマシになったほうで、武蔵小杉や溝の口といった地区にはセレブ層が多く住むようになり、地価が高騰した。
2015年、男子中学生がいじめの末殺害された事件は世間を震撼させ、イスラム国に準えて川崎国なるフレーズが誕生した。
川崎市は日本で初めて外国出身者へのヘイトスピーチが罰せられる(国のヘイトスピーチ解消法は罰則なし)ヘイトスピーチ禁止条例が制定された。川崎駅周辺では支持派と反対派による衝突がしばしば発生したが、その多くは川崎市民ではなく東京都など外部から集まってきた人々であったようで、市は「川崎が戦場になれば市のイメージが悪くなる」と懸念していた。
近年、左右の政治勢力の対立の中で、その矛先が自治体に向かうことが多く、川崎市に限らず多くの主要都市が頭を抱えている。
各区の特徴・名物
川崎区
市の臨海部に位置する。
大型ターミナル川崎駅の所在地である他、関東のローカル線鶴見線の終点扇町駅もある。川崎駅周辺は繁華街となっており、市役所もこちらに立地する。かつてプロ野球で2球団(大洋ホエールズとロッテオリオンズ)が本拠地としていた川崎球場を改修した川崎富士見球技場、川崎競馬場などがある。海の方へ向かうとり、臨海部の埋め立て地は工業地帯になっており、初詣参拝ランキング第3位の川崎大師もある。
川崎駅周辺の再開発で高層マンションが建ち人口が増加している一方、風俗街も抱え風紀の悪さを感じさせる地区も多い。昭和の時代はヤクザの抗争などが頻発し、その後も貧困外国人の流入などで治安は悪い。2015年には「川崎国」発言で有名になった川崎市中1男子生徒殺害事件の現場にもなってしまった。
木更津市から伸びる東京湾アクアラインがこの場所まで伸びているため、房総半島側の千葉県民の利用者も多い。
川崎区の駅
- 川崎駅/京急川崎駅(JR線/京急本線/京急大師線)
- 八丁畷駅(京急本線/JR線)
- 浜川崎駅(JR線)
- 川崎新町駅、小田栄駅、昭和駅、扇町駅、武蔵白石駅、大川駅(JR線)
- 港町駅、鈴木町駅、川崎大師駅、東門前駅、産業道路駅、小島新田駅(京急大師線)
幸区
「さいわいく」と読む。川崎駅西口、つまりラゾーナ川崎はこちらの管轄。
川崎駅には経由しない横須賀線が伸びており、かつては操車場だった新鶴見信号場が位置する。現在は操車場跡地がある新川崎駅を中心に再開発が進行中。
駅数は少ないがいずれも乗換駅である。
幸区の駅
中原区
ここ数年で最も発展した区。
かつては庶民的な住宅街だったが、武蔵小杉駅に横須賀線新駅が出来湘南新宿ライン停車駅となった事やこの区にのみ停車する東急東横線の副都心線とみなとみらい線直通の影響で地方から移住者が殺到し、再開発が進行したことから地価が高騰し、川崎市一の高級住宅街に変貌を遂げた。将来的には東急目黒線を介して相鉄・東急直通線の停車駅ともなるためさらなる発展が期待される。
サッカーのJリーグで川崎フロンターレがホームタウンとしている等々力陸上競技場もこの場所に位置する。(ちなみにかつてヴェルディ川崎というチームもあったがホームタウンを府中市に移転して東京ヴェルディとなった)
中原区の駅
高津区
かつては中原区よりも栄えていた。
1980年代初頭のコミックマーケット開催地だった川崎市民プラザがある。
天体戦士サンレッドの舞台である溝口もここ。
高津区の駅
宮前区
走っているのは東西を横断する東急田園都市線(と鶴見貨物線)のみで、唯一乗換駅を持たない区。南北部は陸の孤島化している。
東京メトロ半蔵門線の車両基地である鷺沼車両基地はこの区にある。
ブルーラインが最も近い。
宮前区の駅
多摩区
この区間から小田急小田原線がメインになる。他の区と比べるとやや田舎で、かつては遊園地向ヶ丘遊園が栄えていた。
横浜方面や東急との繋がりは弱く、逆に区名通り東京都の多摩との結びつきが強い。工業地帯もこのあたりになると少なく、むしろ有名大学の地方キャンパスが多く立ち並ぶ。京王電鉄の駅があるのはこの区のみ。
一部宮前区にまたがる生田緑地は首都圏有数の巨大な都市公園で、園内に岡本太郎美術館、日本民家園がある。
また、旧向ヶ丘遊園跡地には藤子・F・不二雄ミュージアムがある。
現在登戸駅を中心に再開発中。
長年川崎区とは対照的に市内では治安の良い区だったが、2019年5月に20人の死傷者を出した通り魔事件が発生し衝撃を呼んでいる。
多摩区の駅
麻生区
読みは「あさおく」であり、「あそうく」ではない。
小田急小田原線と多摩線の分岐点である新百合ヶ丘駅がある。宮前区と共に南武線が通っていない区。
一部が町田市を介して飛び地になっている。