史実に関してはガングート級戦艦を参照のこと。
図鑑データ
「貴様が提督というヤツか。ふん。Гангут級一番艦、Гангутだ。いい面構えだ。いいだろう。」
いいだろう。私が出よう、任せておけ。
2017年5月3日アップデートにて実装、前日から開催されていた春イベ『出撃!北東方面第五艦隊』のE-5突破報酬となっている。
『艦これ』に実装されている艦娘としては(賠償艦であるヴェールヌイを除いて)初のソ連艦であり、なおかつ初の弩級戦艦をモチーフとした戦艦娘である。改造すると、「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ(Октябрьская революция。"十月革命"を意味する)」に名前が変わる(字数制限オーバー故か、カードに書かれた読み仮名は「ガングート」のまま)が、もう一度改造すると元に戻る。
ただし、これは誤りであり、現在の定説では再度の改名はなく、最後まで「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ」だったとされている(後述)
なお、厳密に言えば『ソビエト連邦』生まれではなく、その前のロシア帝国生まれだったりする(ガングートの竣工は1914年で、ロシア革命が1917年)。故に厳密には「ソビエト連邦」の船ではないのだが、彼女は帝政ロシアやロマノフ王朝に特段思い入れがあるような描写はなく、純粋な「ソビエト連邦」人といった趣。
……そもそもガングートが所属していたバルチック艦隊はロシア革命支持派だったのだから、ある意味当然の帰結と言えなくもないのかもしれないが。
2018年3月末現在、あの金剛を抜いて進水日基準で最年長の艦娘である(ただし竣工したのは金剛より後)。また、実装済み艦娘の中では唯一の弩級戦艦でもある。
さあ、行ってみようか。容姿、抜錨する!
頭には白柄に黒つばの海軍将校の帽子を被り、その頭頂部にはアホ毛らしき癖毛が見える。
服装は赤の半袖シャツに、縁に白いラインが入った黒のプリーツスカートを穿き、足には黒いストッキングに靴底の両側にキールのような装甲が付いた黒の前チャック式ブーツを履いている。
更にその上から白のコートを着用。コートは襟と袖襟が黒で縁に金色のラインが入っており、腰部とコート下縁に黒いベルトが入っている。
ちょうどベルトの反対になるコートの内側にはガンベルトのような保持機構があり、そこに魚雷を弾頭を下にして保持している(なお、Октябрьская революция時には雷装値が0になり雷撃不可となるが、中破絵から一応魚雷は持ったままのようである)。
またその両手には黒い手袋がはめられている。
右手にはパイプらしきものを持っており、公式初の喫煙艦娘となる可能性がある。
艤装は長門や陸奥と似たデザインで、腰に艦種を模した基部ユニットを接続。
その上に1本の太い煙突が立っており、その煙突の根本位から両側に向かってY字型のフレームが伸び、30.5cm三連装砲の基部を挟むように保持。
更に砲塔基部からは人の腕のような関節付きのフレームが伸びており、その先端にも30.5cm三連装砲が付いている。
また先端の30.5cm三連装砲の基部外側には艦種を模したガードが付いている。
他にも、左肩から袈裟懸けした肩掛け紐の先には錨が付いている。
Октябрьская революция時
元と大きな変化はないが、帽子の色が変わっている。具体的には黒柄に赤つばとなった。
また砲塔も、上部装甲上に単装砲がV字を描くように3基ずつ追加されている。
Гангут два時
こちらはОктябрьская революция時に準じるデザインだが、着こなし方など一部変更がある。
白いコートは袖を通さず、肩に羽織るだけになった。またそれに合わせてか、腰のベルトはコートからシャツの直巻きに変えている。
シャツもだいぶ着崩しており、胸の谷間とヘソがほぼ丸見え状態になっている。また、コートの袖襟には赤い装飾が追加されている。
艤装では先端砲塔にあったガードが大型化しており、そのガード先端に連装副砲を前後に並べて追加している。
性格、捉えたぞ。艦隊、砲戦用意!
武人・軍人気質で、真面目ながらも剛気な性格。
また、高飛車でプライドが高く、MVPを取るのは「必然」。お触りしようものなら「銃殺刑にする」など、おふざけには厳しい御方。
一方で、お触りも初回は許してくれる寛容さも持ち合わせている。
実際は結構面倒見のよい姉御肌な人物。
дваになるとお触りについても「公私は分けろ」と咎める程度になり、嫌がる素振りそのものがなくなる辺り、「気安いのも性分」と理解すれば受け入れる度量も持ち合わせている模様。
加えてロシア料理にも堪能であり、家事全般もこなせるなど意外と女子力が高い。朝にカーシャ(ウクライナ式の穀物粥)、夜にはボルシチを作ってくれる。昼食は伊良湖が焼いてくれたというブルヌイ(ロシア式の薄焼きパンケーキ。食べる際にいろいろと具材をトッピングする軽食)を分けてくれる。
ちなみにどれもロシアではごく一般的な家庭料理であり、家ごとにレシピに差があるらしい。
また時報を上手く言えて胸を張ったりする調子に乗り易い面や、名前が長いことを指摘されて「名前が長いだと! フンッ!」と言ってそっぽを向く素振りを見せるなど、子供っぽいところもある(外見はハラショーでも、中身はレディー(笑)であったか)。
提督とは対等な関係で、戦友や同僚を思わせる。彼女風に言うならば「同志」か。
関係が進展すると、表面上はいつも通りだが、そのセリフは完全にコレである。
イベントや催事にも寛容……というか、割とノリノリで参加してくる。ただしそのイベントや催事の意味はよく分かっていない事が多い。
「秋の秋刀魚祭り」でも秋刀魚漁支援に積極的に参加の意を見せるが、提督から必要な装備を聞いて何故か急に怒り出す。――まあ、確かに戦艦で装備可能な秋刀魚漁の支援装備というと、探照灯か見張員か戦闘糧食(おむすび)ぐらいなもんだし、主に釣るのは駆逐艦・軽巡・海防艦だから戦艦は敵艦隊の掃討までが限界だしね…
大掃除にも「何だか知らんが任せておけ!」と参加しようとしたが、雑巾を渡された途端「何故私が!?」と困惑していた。
ちなみに酔いが回ると陽気になるクチらしく、クリスマス限定ボイスでは提督に絡みながら上機嫌でシャンパンを飲み干している。
公式4コマではОктябрьская революцияを名乗った際、10月の名を持つ新たな睦月型ではないかと勘違いした睦月に自分の名前の意味は「10月革命」であることを説明した上で「必要な時はОктябрьскаяとして呼んでくれ」と10月枠として(睦月型の)助っ人を買って出たり、ヴェールヌイを海外艦寮へ誘った時に暁が阻止しに来ると、「たしかに姉妹で一緒にいた方がいいな」と謝って「今度食事をしながら響の話でも聞かせてくれ」と続け、彼女の前ではヴェールヌイの名前を出さないようにしている節があったりと、年少者に当たる駆逐艦娘達にとても優しく接している。
……おかげでながもん、もとい長門に新たなライバルとして認識されている節もある。
ふっはは! 性能だな。突撃する、我に続け! Ураааааааа!
性能はいわゆる「低燃費型」で、燃料弾薬が安くつく分、低速かつ戦艦としては低火力かつ低耐久。
正面からの殴り合いでは、実装済み戦艦娘としてはワーストに類する。
しかし旧式艦だけに無改造時は雷装値が存在し、その際の夜戦火力はIowaに匹敵し得る。ただし魚雷自体は装備できない。
Октябрьская революцияに改造されると、雷装値が撤廃され、その分だけ火力と耐久が大きく向上する。
そしてдваになると雷装値が復活。その夜戦火力は同じ雷装能力を持つBismark dreiに比肩し得る領域に達する。
ただし総合能力は依然として既存の改二勢にはいまひとつ及ばないため、イベントでの使用には愛が試されることになる。
しかし、彼女にはある利点が存在する。
30.5cm三連装砲系統のフィットによる命中プラスが命中約+10、2基装備すれば約+20と、改修なし(そもそも改修できない)でも32号対水上電探改を上回るほどの大きな補正がかかるのである。
なので回避が高い水雷戦隊を確実に仕留める為に入用になる事も十分に考えられるだろう。
尤も、これほどの命中補正がないと撃沈が安定しないような敵駆逐艦は普段おらず、真価を発揮するのはむしろ「回避は高いが装甲・耐久が得てして低い」ケッコンした回避100超の駆逐艦や軽巡らに対してである。
逆に演習でガングートを見かけた場合、彼女の火力でも金剛型くらいはワンパンされる可能性があるので、命中補正が高い分「けして強くはないが先に仕留めないと暴れられて面倒」な存在になる可能性も否定はできない。
総じて決戦向きではなく、Warspite同様に平時の出撃で光る性能をしており、ルート制御に高速縛りがない限りは、燃費を抑えつつ高火力を確保してくれる艦となっている。
なお、低速でありながら連合艦隊の編成制限では高速戦艦と同じ扱いとなっており、水上打撃部隊や空母機動部隊では高速化しなくても第二艦隊に編成することが可能。
そのため、連合艦隊でも高い夜戦火力を生かしやすいと言える。
ふん。大した余談ではないが、一応な。
実装直後、ガングートのグラフィックが正常に表示されず、よりにもよって敵陣営の戦艦ル級の画像が表示されるというバグが報告されている(詳しくは「戦艦ル級バグ」にて)。
なお、上記の通り彼女の左頬には小さな傷がついているのだが、ゲーム内のグラフィックではそれがわかりにくいせいか、pixivに投稿されているイラストでは顔の傷があったり無かったりと、まちまちである。
後に半年遅れで寄稿されたやどかり氏の4周年記念イラストでヴェールヌイとのコンビを描かれたが、その絵では左頬の傷がはっきりと確認できる。
初のソ連出身の戦艦娘であることに加えて、本キャラのデザイナーであるやどかり氏は今まで基本的に駆逐艦娘のデザインのみを手がけていたため、ここに来てまさかのやどかりデザインの戦艦娘の登場はちょっとした話題になったとか。
ビスマルク達が日米開戦を知らない、深雪が日独伊軍事同盟を知らないなどのネタがあるが、それを言うとソ連崩壊を知っているのは、現存艦であるアイオワとイントレピッドだけである。
妹艦である「マラート」こと「ペトロパブロフスク」が某「空の魔王」に大破着底させられたのは有名な話だが、実は「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ」も「空の魔王」の急降下爆撃を受けている。幸い彼女に投下された爆弾は不発だったのだが…。
この為かJu87にはトラウマがある様子がうかがえる。そりゃ、よりによって「魔王」に襲われたのだから無理もあるまい。
だがそもそも彼女は帝政ロシア末期の出身で、そこまで真っ赤に染まっていないという解釈もある。その場合は、割と自堕落に資本主義を満喫している姿で描かれる傾向にある。
艦名の変遷(と誤解)
概要で記載の通り、史実のガングートは「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ(十月革命)」に改名後、そのまま生涯を終えたのだが、日本では長く「ガングートに再改名された」と信じられており、『艦これ』での設定もこれを踏襲している。
これは遡ると、1970年代に日本のとある書物で、「ガングート→十月革命→ガングート」と2度改名されたと紹介されてしまったのが原因らしい。どうしてこのような間違いが生じたのかは不明だが、ソ連艦では様々な理由で(名前の由来となった人物が失脚した、など)艦名が変更されるケースは少なくなく、他の改名された艦と“混同”されてしまったとも考えられる(例えば、姉妹艦のマラートは、後にペトロハバロフスク→ヴォルホフと改名されている)
冷戦のまっただ中、“鉄のカーテン”の向こう側の情報は極めて限られ、ソ連崩壊による情報公開後も、「亡国の没落した海軍」と一段以上見下す向きが多く、ソ連/ロシア海軍について掘り下げた研究は進まなかった。まして、既に歴史上の存在となった“戦艦”に関しては、言わずもがなである。
かくして、その後リリースされた『世界の艦船』などの各書物や、Wikipediaなどのネット情報も、先の誤情報の転載に終始し、アップデートが進まぬまま、誤解が“定説”として定着してしまっていた。というより、誰も疑いさえしなかったといったところだろう。
つい最近になって、インターネット上でソ連/ロシア海軍に関して各種情報、知見が普及するようになって、ようやく間違いが露わになったのだが、既に後の祭りだった。
このように、『艦これ』では珍しい“考証ミス”と相成ったわけだが、運営側は公式には艦名の修正は考えていない模様である。
が、ポジティブに考えれば、解釈はファンに委ねられた格好とも言える。
スマホを弄ってる潜水艦娘もいることだし、『艦これ』世界を「現代(に類似した並行世界)」と受け取れば、「ソ連崩壊後に再度、『ガングート』に戻された」という考えも成り立つだろう(史実でも、アドミラル・クズネツォフをはじめ、数多くの艦がソ連崩壊後に名を改めている)
実際に現代ロシア海軍には、戦闘艦ではないものの、“帝政ロシア→ソビエト連邦→現代ロシア”と生き延びてなお現役の、艦齢100年超の異能生存体まで在籍するのだ。
ガングートも「二度の大戦と革命、三つの祖国を生き延び、渡り歩いた古強者」と考えれば、胸に迫る物があるのではないだろうか。
関連イラスト、これはありがたい。спасибо!
同じやどかり艦隊かつソ連に接収され同志となったヴェールヌイとのコンビ・カップリングが多い。ただし、史実では全く縁が無かったりする。
あとロシアって言うと、こういうおっかないイメージでもネタにされる訳で……
何だ、関連タグか? 待て待て、とってやる。
タシュケント(艦隊これくしょん):2018年冬イベント後段作戦で実装された、ガングートと同様に最初からソ連海軍所属の駆逐艦。ただし生まれはイタリアである。
NKVDさんこっちです:彼女の実装に伴って誕生した、「憲兵さんこっちです」の派生タグ。
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル:妹の仇であり、自身も攻撃を受けている。