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魔術士オーフェンの編集履歴

2021-03-16 14:31:46 バージョン

魔術士オーフェン

まじゅつしおーふぇん

魔術士オーフェンとは、著:秋田禎信、イラスト:草河遊也によるライトノベル及びそれを原作とするアニメ作品。

概要

秋田禎信の初の長編ライトノベルおよびその番外編を含めたタイトルの総称。

イラストは草河遊也が担当。

1994年に富士見書房より刊行され、シリーズ累計1400万部を突破したダークファンタジーで、90年代のラノベ界を『スレイヤーズ』と共に支えたといっても過言ではない作品。

破天荒なキャラクター達と緻密な世界観で人気を博し、2度のアニメ化をはじめとしてCD、ゲームなど大規模なメディアミックスが行われた。

かつては富士見ファンタジア文庫で出ていたが、現在はTOブックスにて発刊中。


作中世界の根幹に関わる用語には、北欧神話からの引用がいくつかある(ノルニルフェンリルスレイプニルヴァルキリーなど)。


長編

正式タイトルは『魔術士オーフェンはぐれ旅』(1994年~2004年、2011年~2014年)。

第一部・西部編、第二部・東部編が'94年から'04年にかけて、そして2011年から新シリーズが再開され第四部・原大陸編が刊行された。なお第三部は新大陸開拓時代の出来事で執筆予定はない


世界の成立にかかわる魔術の秘密が仲間との冒険譚として描かれた。


短編

主なシリーズとして「無謀編」「プレ編(プレオーフェン)」「まわり道」の3種があり、短編では破天荒なキャラクター同士の絶妙な掛け合いがコメディタッチで描かれている。


無謀編

「ドラゴンマガジン」で連載。

オーフェンがトトカンタに来てから「はぐれ旅」が始まる直前までを描く。

レギュラーキャラクターとして、コンスタンス・マギーボニー・マギーキース・ロイヤルダイアン・ブンクトなどが登場し、彼らを含めたゲストキャラクター全員が人格破綻者のドタバタコメディ。


プレオーフェン

「無謀編」をまとめた文庫の巻末書き下ろし小説として展開。

オーフェンが牙の塔キリランシェロとして過ごしていた学生時代を描く。特に前後のつながりはない短編シリーズ。

初期はコメディ色が強いエピソードが多かったが、中盤以降からはシリアスな内容のものが多くなった。


まわり道

KADOKAWAが2000年代に展開した手のひらサイズの文庫本「角川mini文庫」で書き下ろし小説として展開。後に「秋田禎信BOX」に収録。

「はぐれ旅」の合間にオーフェンたちが遭遇した事件を描くコメディ。


物語

第一部(西部編)

ここはキエサルヒマという大陸の南西部に位置する商業都市・トトカンタ。そこでもぐりの金貸し業を営んでいるオーフェンという男は、黒魔術士の最高峰「牙の塔」出身であると噂される。平和なこの街を強大な怪物が襲い、しかもこの事件はオーフェンの過去と関連しているらしい。超エリート魔術師機関の出身で、しかも戦闘力もあるこの男が、何故その道を捨てたのか。彼の過去にかかわる怪物出現事件の真相では一体何が起こっていたのか。オーフェンは己の過去と向き合うべく牙の塔へと旅立った・・・しかも弟子のマジクばかりか、事件に巻き込まれただけのクリーオウとかいう娘まで好奇心任せについて来やがった!三人の珍道中は何処に向かうのであろうか。


第二部(東部編)

キムラックでの死闘を終えたオーフェン一行は、アザリーを探して大陸東部を回る旅に出る。やがて一行は、オーフェンの師・チャイルドマンのルーツである「聖域」と「最接近領」に関わる戦いに巻き込まれていくことになる。


あいつがそいつでこいつがそれで(キエサルヒマの終端)

聖域と最接近領の事件後、人類は外洋への開拓を開始する。反逆罪を背負わされたオーフェンが大陸を出奔すると知ったクリーオウは…。


第四部(原大陸編)

キエサルヒマの人類による原大陸開拓開始から20年。原大陸で魔術学校の校長を務めるオーフェンのもとに、義姉・レティシャの息子・マヨールが訪れる。


キャラクター

※CVは記述がない限り、1990年代のTBS版 / 2020年のはぐれ旅のもの。

<第一部・西部編>

はぐれ旅御一行基本の三人組

【登場人物】

オーフェン

CV:森久保祥太郎

極悪極貧黒い黒魔術師様

本作の主人公

粗暴でニヒルなモグリの金貸し。

だが元は戦闘訓練を受けた凄腕の魔術士でもある。

消息不明の姉アザリーを探し大陸を放浪する。


クリーオウ・エバーラスティン

CV:飯塚雅弓 / 大久保瑠美

レキ〜

メインヒロインを務める金髪の少女。

良い見方をすれば活発で明るく天真爛漫、斜めの見方をすればわがままで常識外れのじゃじゃ馬。

オーフェン一行の旅に興味本位で付いて行く。


マジク・リン

CV:南央美 / 小林裕介

マジク(・∀・)

金髪碧眼の14歳の美少年。

少し気は弱いが自立心が旺盛という思春期なお年頃。

魔術の才能はずば抜けており、オーフェンに魔術を習うために共に旅に出る。


レキ

CV:吉田古奈美TBS版)

レキ

大陸最強と呼ばれるディープ・ドラゴン種族の子供。

種族の斥候としてオーフェン達について行く。

クリーオウに良く懐いており、とんでもない命令を聞くこともしばしば。


アザリー・ケットシー

CV:篠原恵美 / 日笠陽子

オーフェンの姉、レティシャの従姉。

その苛烈な性格と最高クラスの魔術の腕前から天魔の魔女と呼ばれ恐れられていた。

無断で行った天人種族の遺産の制御に失敗して怪物の姿となり追われることになる。


レティシャ・マクレディ

CV:三石琴乃 / CV:伊藤静

オーフェンの義姉でアザリーの従姉。

妹とは違い神経質で生真面目な性格。

物語開始時は牙の塔の権力争いと距離を起きながら二人の帰りを待っている。


サルア・ソリュード

死の教師

魔術士と敵対するキムラック教会の幹部”死の教師”の一人。

一見すると軽薄なお調子者だが大陸でも屈指の剣の達人。

説教が大好き(本人は否定している)。

教会を再生するためメッチェンと行動を共にする。


メッチェン・アミック

気乗りしないわね・・・

CV:鬼頭明里(はぐれ旅)

サルアと同じ死の教師。その中でも最も実践経験が豊富。

本来は信仰の厚い人物であるが、教会のあり方に疑問を抱き立ち上がる。


ボルカン&ドーチン

CV:伊倉一恵&椎名へきる / 水野麻里絵&渕上舞

キエサルヒマ大陸先住民である地人種族の兄弟。

本来、地人は家名を持たない筈なのだがボルカノ・ボルカンと名乗っている。

強者にはへつらい、弱者には高圧的という典型的な小悪党。

逆に弟のドーチンは博識だが気が小さく、兄のおバカな行動につき合わされている。

事件に巻き込まれては魔術で仲良く吹き飛ばされるのがお約束となっている。


<第二部・東部編>

東部編TO THE WORLD'S END

【登場人物】

ロッテーシャ・クリューブスター

エドとロッテーシャ

旅の途中で立ち寄ったナッシュウォータの剣術教練所の師範。

エドの妻だが剣の継承権を巡って争っている。


エドコルゴン

数年前にナッシュウォータの剣術教練所に現れた謎の男。

ロッテーシャの夫で剣の継承権を巡り小競り合いをしている。


ライアン・スプーン

軽薄でハッタリじみた話し方を好む剣術教練場の練習生。

ある目的からロッテーシャの剣術教錬所に潜り込んでいる。


ジャック・フリズビー

ドッペル・イクスと呼ばれる一派に属する殺し屋。

凄まじい体術のみを武器として戦う。


ヘルパート

レッド・ドラゴン種族でドッペル・イクスの一員。

ドラゴン種族最悪と呼ばれるほどの暗殺者。


アルマゲスト・ベティスリーサ

最接近領の領主と呼ばれる貴族。

強力な部下を携えドッペル・イクスと暗闘を行う。


ダミアン・ルーウ

領主に仕える白魔術士。

精神体でありながら何十年もの間消滅を免れてきた。


ウィノナ

領主に仕える非公式騎士。

アルマゲストに心から忠誠を誓っている。


プルートー

宮廷魔術士≪十三使徒≫の長。

王都の魔人と呼ばれ、チャイルドマンと双璧をなす強力な魔術士。


<無謀編>

魔術士オーフェン・無謀編無謀編復活!

【登場人物】

コンスタンス・マギーコギー

CV:飯塚雅弓 / 高橋美佳子(2000年代ドラマCD)/小山百代


あいつがそいつでこいつがそれで|

マギー家の次女。通称コギー。

犯罪を取り締まるエリート集団である派遣警察官である…はずなのだがとにかく無能。

オーフェン達と毎日ドタバタ劇を繰り広げている。


キース・ロイヤル

CV:緑川光(TBS版)

お前はいったいなんなんだ!?

マギー家に仕える銀髪の執事。

その行動は神出鬼没、変幻自在、理解不能。

彼の手にかかるとどんな小さなトラブルも凄まじい規模で拡大していく。


ボニー・マギー(ボギー

CV:大原さやか(TBS版)

忘れられた・・・。

マギー家の3女。通称はボニー。

でマギー家の財産が無くなったため、マジクの実家の宿屋でウェイトレスのアルバイトをしている。

オーフェンに恋し、乙女チックな愛に生きる女。妄想が突っ走っては、はた迷惑な騒動を引き起こす。


ドロシー・マギー・ハウザー

(CV:斎賀みつき)

マギー家の長女。

何事にも動じない鉄の女にして大会社の経営者。

夫エドガー・ハウザーとの夫婦愛は周囲を(色んな意味で)恐怖のどん底に陥れる。


<プレオーフェン>

チャイルドマン教室

チャイルドマン教室

牙の塔にある最も優秀な生徒が集うエリート教室。

王都の魔術士の台頭により権威を失うことを恐れた牙の塔が宮廷に対抗するために創設した。

最強と呼ばれた魔術士チャイルドマンをスカウトし、彼の技能を7人の生徒に受け継がせようとした。

ちなみに生徒たちは優秀だがかなり個性的な問題児ばかりである。


【登場人物】

キリランシェロ

チャイルドマンの戦闘・暗殺術をすべて叩き込まれた魔術士の暗殺技能者。

その能力の高さから≪鋼の後継≫と言う二つ名を持つにまで至り、大陸中にその名を轟かせる。

性格は真面目で純情、お人よし。同世代のハーティアとは親友にしてライバル。

実はオーフェンの子供時代の姿。


ハーティア

CV:置鮎龍太郎 / 坂泰斗

赤毛でそばかすが特徴的な少年。

”チャイルドマン・ネットワーク”と呼ばれる特殊な情報網の補佐を担当する。

女性に惚れっぽく軽薄な性格。キリランシェロとは馬が合うのか仲が良い。

第三部以降は アーレンフォードの家名を名乗るようになる。


アザリー(アザリー・ケットシー)

ブラウンの瞳と癖のある黒髪を持つ茶目っ気のある女性。

チャイルドマンの持つ天人の遺産及び知識を受け継ぐ。

黒魔術だけでなく白魔術も扱う教室内で最も優れた魔術士。

同時にチャイルドマン教室きってのトラブルメーカーでもあり、

ついた二つ名が“天魔の魔女(ウィッチ・ケイオス)”。


レティシャ

優等生タイプの正統派美人。

キリランシェロが”攻める”戦闘技術を学んだのに対し

、主に戦争で生き残るための”受ける”戦闘技術を学んだ生徒。

潔癖すぎてたまに周囲を巻き込んだ癇癪を起こすことがある。

激昂すると無意識に魔術を発動してしまう悪癖があり、

“死の絶叫(キーニング)”の異名を持つ。


フォルテ・パッキンガム

CV:前野智昭(はぐれ旅)

教室最年長で落ち着いた雰囲気の男。もっともそれは上辺だけで冷静さは足りないらしい。

特殊な情報網”チャイルドマン・ネットワーク”を継承した。

後輩たちの面倒見はよく、あとでフォローを入れたりするなどして教室をまとめている。

術者としては正統派で穴がなく、“ザ・ベスト”の異名を持つ。


コミクロン

CV:安田陸矢(はぐれ旅)

男性だが髪を三つ編みのお下げにして白衣を着込んでいる。

自称・科学者で人造人間シリーズという名のガラクタを作ってはキリランシェロに戦いを挑み

返り討ちにあう日々を送っている。

文字通りの変人だが、医療魔術に関しては右に出るものがいないスペシャリスト。


コルゴン

“迷惑来訪者(ナイトノッカー)”の二つ名を持つ。

性格は天然で放浪癖があり牙の塔にはほとんどいない。いる時は屋根裏部屋のサボテンを育てている。

チャイルドマンから秘密裏にキリランシェロと同じ戦闘法を受け継いだもう一人の暗殺者。

当時のフルネームはユイス・エルス・イト・エグム・コルゴンらしく、それぞれの名前を任務によって使い分けている。


本音の話のその後【チャマリ】

チャイルドマン・パウダーフィールド

CV:中田譲治 / 浪川大輔

名実共に大陸最強の大魔術士にして元暗殺者であり、チャイルドマン教室の教師。

長身で感情のない完璧超人。25歳という若年ながら牙の塔を事実上掌握している。

出自など謎の多い人物だが、大陸を左右する重大な使命を胸に抱く。


マリア・フウォン

CV:百々麻子

マリア教室の教師で、イールギットイザベラの師匠。

ある任務をきっかけに、チャイルドマンに興味を持つ。

落ち着いているように見えるが、実は“天魔の魔女(ウィッチ・ケイオス)”の元祖。

そのせいか、アザリーからは何かと敵対視されている。

術士としては塔最強の1人。後に《十三使徒》でプルートーに次ぐ立場となり、

“鉄でできた女(キャット・オブ・スティール)”の異名で呼ばれるようになる。


<第四部・原大陸編>

5日後の終焉へ新シリーズ

【登場人物】

マヨール・マクレディ

マヨ吉!

第四部の主人公

フォルテ、レティシャの息子。

母にそっくりな容姿を持ち、エリート主義を地で行く優等生。

だがベイジットに手を焼かされてきたこともあるため、柔軟な考えも出来る善良な青年である。

妹を連れ帰るため新大陸へと渡る。


ベイジット・バッキンガム

フォルテ、レティシャの娘。マヨールの妹。

兄とは対照的にあっけらかんとした性格で、目的のためなら嘘をつくことも厭わない。

魔術士だが落第生であり魔術士としての自分に劣等感を抱く。

同時に魔術のみで価値が決まる魔術士社会に反発している。

力を求めて新大陸へと密航する。


イシリーン

イシリーン

マヨールの婚約者。

負けん気が強い美人。口は悪いが気骨のある努力家である。

マヨールを信頼し、共に行動する。


オーフェン・フィンランディ

魔王オーフェン

第一部、第二部の主人公。

“島”を救う代償として旧体制を破壊し、結果として戦争を起こしたことで魔王と呼ばれている。

開拓団を率いて新大陸での開拓を成功させた。

現在は様々な役職を兼任する原大陸の最高権力者にして世界最強の魔王術士である。


マジク・リンブラディ・バース

マジク

スウェーデンボリー魔術学校の教師兼魔術戦士。

第一部、第二部では半人前だったが第四部では伝説と呼ばれるほどの魔術士にまで成長した。

オーフェンの片腕としてその実力を発揮している。


エド・サンクタムコルゴン

≪戦術騎士団≫の隊長。

“牙の塔”ではコルゴンと名乗っていた暗殺者。

かつては目的の違いからオーフェンと対立したが、紆余曲折を経て和解した。

相変わらずの変人にして危険人物。

原大陸で3本の指に入る魔術士でもある。


フィンランディ三姉妹

フィンランディ三姉妹

ラッツベイン・フィンランディ

オーフェンの長女。

父親譲りの魔術の才能と母親譲りの破天荒な性格を併せ持つ。

マジクを師匠に持ち魔術戦士として活躍する。


エッジ・フィンランディ

オーフェンの次女。

父オーフェンを尊敬していてとてもプライドが高い。ややファザコン気味。

邪法の体術と精密な魔術を行使する魔術戦士でもある。


ラチェット・フィンランディ

オーフェンの三女。

マイペースで勘の鋭い天才児。現在は魔術学校の生徒。

実は歴史上屈指の白魔術士であり、それ故か、他人から見るとおかしな行動を起こすことがある。


クリーオウ・フィンランディ

オーフェンの妻。

新シリーズでは結婚し3人の娘をもうけている。


レキ

魔王とレキ

呪いから解き放たれクリーオウと共に生活している。


イザベラ・スイートハート

マヨール、イシリーンの先生。

気難しい性格ながらも二人を見守る。

「スイートハート」の家名は亡き親友のものを引き継いだ。


ケシオン

オーフェンの秘書。

その正体は・・・


シスタ

腕利きの魔術戦士の一人。

顔つきの厳しい真面目な女。

エドに惚れている。


クレイリー・ベルム

戦術騎士団の幹部で、スウェーデンボリー魔術学校の副校長。

オーフェンに露骨にゴマをするため”おべっか使い”と揶揄されている。

汚職に手を染めるなど問題はあるが有能な人物である。


世界設定

魔術

世界を術者の理想とする現実に改変する力。

基本的に、すべての魔術は「魔術構成を編む」→「“媒介”を通じて魔力を流し込む」の2ステップで発動する。


すべてを可能とする力を「魔法(ソーサル・ロウ)」と呼び、限定的な力である「魔術」とは明確に区別される。

この「魔法」と「魔術」の存在はキエサルヒマの秘密に大きく関わってくる。


作中には大きくわけて

・人間が扱う「音声魔術」

・ドラゴン種族が扱う魔術(6種類)

・魔王術

の計8種類の魔術が登場する。


音声魔術

人間の魔術士が使用する魔術は「音声魔術」と呼ばれる。

「音声」を媒介とする為、術の影響を及ぼしたい場所に届く音量で呪文を唱える必要がある。


あくまで情報を飛ばすことが目的なので、発動時の呪文に特に意味はない。ぶっちゃけた話、術の構成さえ適切に編んであればただの叫び声や鼻歌でもOK。

その為、詠唱文句は完全に術者の趣味の反映でしかなく、術者それぞれに特徴的な呪文が生み出されている。


基本的に集中力が必要な上、発動までタイムラグがあるため接近戦では使えない。

よって自らの身を守るためには肉体を使った戦闘技術が必須である。

音声魔術には物質への干渉を行う黒魔術と精神支配を行う白魔術が存在する。主人公のオーフェンを始めとする多くの魔術士は黒魔術士である。

オーフェン曰く「紙を燃やすのが黒魔術で、紙を別のものに変えるのが白魔術」らしい。

また、白魔術士のうち「肉体を捨て、精神のみの存在となる」事で物理的な現象や制限に囚われない力を持った存在を「精神士」、肉体を持つ術士を「肉体士」と呼ぶ。


ドラゴン種族とそれぞれの魔術

オーフェン「ドラゴンと言えばトカゲみてーな姿をして、火を噴いて、財宝を溜めこむ。そんな風に思ってるだろ」


マジク「そうですね」


オーフェン「だがありゃ作り話だ。でかいトカゲなんてのはただのダイナソアに過ぎない。本物のドラゴンは魔術を使う者をさす言葉なんだよ。言うなれば俺達魔術士も広義の意味ではドラゴンだ」


『魔術士オーフェンはぐれ旅2 我が命に従え機械』より


ドラゴン種族

本作におけるドラゴン種族は、哺乳類に似た姿をした6種の種族を挿す。神々の持つ全能の力「魔法」を盗み出し、彼らなりの「世界改変能力」である「魔術」を作り上げた。その結果、6種族はそれぞれその代償として健全な肉体を失っている。


  1. ウィールド・ドラゴン「ノルニル:通称「天人」。人間に非常に近い種族で、緑色の髪を持つ。数百年単位の寿命を持つ長寿の種族だが、既に絶滅している。使用する魔術は「魔術文字(ウィルド・グラフ)」を媒体とする「沈黙魔術」。人間の魔術士は全て人間とウィールド・ドラゴンの混血者の子孫である。魔術と引換に失ったものは明示されていないが、劇中で登場するのは女性のみであり、恐らくは種族としての純粋な血を残す為に必要な異性を喪失していると思われる(魔術を得た時点から純粋種を残せなくなった為、残った者達の寿命と共に種が途絶えてしまった=絶滅)。
  2. ウォー・ドラゴン「スレイプニル:通称「鋼鉄の軍馬」。巨大な黒馬の姿をしており、思考だけで全てを無に帰す「破壊魔術」を持つ最強の種族。一説には「思念」を媒介とする、と考えられているが詳細は不明。「意識」を奪われているらしく、キエサルヒマ南端の地人領・マスマテュリアに棲息し、ゴロゴロと寝ながら冷気を吹き出すばかりの存在となった。
  3. ディープ・ドラゴン「フェンリル:通称「深淵の森狼」。巨大な漆黒のの姿をしている。食事排泄呼吸も必要とせず、集団で暮らす。「視線」を媒介とし、無生物にも影響を及ぼす精神支配で世界の法則を塗り替える「暗黒魔術」を行使する。成人(成獣)の個体数を増やす力を失っており、子が成熟する為には親の死が必要となる。が、劇中では親の死を経ずに成熟した個体が登場した(一匹増えた)。
  4. レッド・ドラゴン「バーサーカー:通称「密林の果て無き放浪者」。自分の「肉体体液」を媒介とし、自らの肉体の全て又は一部を自由自在に作り替える「獣化魔術」を使うことが出来る。赤いの姿をしていることからこの名がつけられたが、実際元の姿を見たものはいない。
  5. フェアリー・ドラゴン「ヴァルキリー:通称「深紅の獅子」。小さな赤い鬣を持つライオンの姿をしている。 「契約」を媒体とし、自然界の法則を使役する「精霊魔術」を使うことが出来るのだが、五感の全てをはく奪されており、今や「聖域」に少数が生息するのみとなっている。
  6. ミスト・ドラゴン「トロール:通称「不死の獣」。を背負ったのような姿をしており、頑健な肉体と強力な火力を持つ一斉奏射を得意とする。「匂い」を媒介とし天候を操る「大気魔術」を使用する。高い知能を有するドラゴン種族の中でこいつらだけ非常に本能剥き出しであり、神々により「知性」を奪われたのではないかとする説もある。

上記のように、ドラゴン種族は音声以外の様々な媒介を魔術に使用する。


魔王術

第四部に登場する魔術。ドラゴン種族の魔術や音声魔術が“世界そのものに錯覚を起こさせる”ことで理想を実現する欺瞞的な術であるのに対し、魔王術は“常世界法則そのものをダイレクトに書き換える”ことで理想を実現する。ゆえに実現可能な事象は他の魔術が比較にならない程広く、因果にすら縛られないため、魔王術は極めて「魔法」に近いと言える。

それだけに、術の適正者はかなり限定される。「魔術」そのものを媒介とし、「偽典構成」と呼ばれる極めて複雑な構成が要求されることから、原理を理解することすら困難。白魔術はこの魔王術の初歩的な技術とされる。

また、術の行使にあたっては例外なく、術者は「契約触媒」と呼ばれる“何か”を代償として奪われる。この“何か”は、「身体の一部」「魔術能力(一定期間)」「血液」「人間関係の断絶」など術者によって異なり、術の規模が大きくなれば奪われる量も大きくなる。


その他

このように本作では、魔術には発動手順や原理などの「説明」がなされているほか、空間転移や飛行など一般的なファンタジーの魔法で出来そうな事の多くが制約されているのも特徴の一つである。


作者インタビューによれば、魔法が魔法であるという理由で説明をやめてしまうのが普通のファンタジーだが、それに理屈を付けて説明をしたものであり、それが変わったものに見えたのでは、とのこと。


こういった設定は、90年代初期には非常に斬新なものであり、それまでの剣と魔法といったファンタジー作品とは異なる独特の世界観とリアリティを生み出すのに一役買った。

さらに2000年代以降は本作の影響からか「魔法と魔術を区別する」「魔法(魔術)といえども、その現象を成り立たせている法則や定義が何らかの形で存在する」「魔法(魔術)といえども法則に縛られる以上は、法則の穴(セキュリティホール)を突くなどのウィークポイント(弱点)がある」という作品が爆発的に増えた。

そのため、本作はそうした世界観を持つ作品の嚆矢として上げられる事がある。


舞台

第二部までの舞台は、キエサルヒマ大陸と呼ばれる巨大な大陸である。

大都市といえる都市は、無謀編および第1巻の舞台である商都トトカンタを始め王都メベレンスト・自治都市アーバンラマ・古都アレンハタムの四大都市の他、黒魔術士の本拠であるタフレム、キムラック教の聖都キムラックなどが挙げられる。


文明レベルは、ファンタジー作品に良くある中世ヨーロッパ程度ではなく、蒸気機関を応用した鉄道や船舶が実用段階前後にある、現実世界における産業革命あたりのヨーロッパ程度とみなすことができる。

銃器も開発されているが、実用段階ではない。また、無許可での刀剣類の携行は禁止されているなど、このあたりも「剣と魔法のファンタジー」と一線を画している。


政治は、貴族による議会制が取られており、王都はあるが王家はない。

各都市で配備している警察の他、都市間を超えた捜査権限を持つ派遣警察や、直接的武力を備えた騎士団が存在する。

また黒魔術士たちは自治意識が強く、大陸魔術士同盟(ダムズルズ・オリザンズ)という互助組織を結成し、各都市に支部を置いている。


第三部以降はキエサルヒマ大陸を離れ、原大陸という、キエサルヒマ大陸がちっぽけな島程度に思えてしまうほどの広大な大陸が舞台となる。


TVアニメ

旧アニメ版

J.C.STAFF制作により、2度のTVアニメ化がされた。


1998年10月から1999年3月にかけてTBS系列局の一部とBS-iにて全24話が放送された。

その後、1999年10月から2000年3月まで『魔術士オーフェンRevenge』のタイトルで第2シリーズが、やはりTBS系列局の一部とBS-iにて放送されているが、放送局に関しては「入れ替わり」があった。

余談ながら、青森テレビ北陸放送テレビ山口熊本放送のように、どちらも放送しなかったTBS系列局も少なくない。

第1期の音楽制作にシャ乱Qのはたけが関わっていたからか、シャ乱Qやタンポポ、太陽とシスコムーンといったアップフロントグループ系アーティストが主題歌を担当することが多かった。


ストーリーは、第1期は基本的には原作の1巻をアニメ化したものだが、2巻や4巻に収録されたエピソードやオリジナルストーリーも展開された。

作者の秋田禎信は「原作と同じにやってはアニメにならない」としていたが、放送後原作ファンからは「原作に沿って作って欲しい」と批判が相次いだ。

第2期「Revenge」は、第1話と第2話こそ原作11巻の一部を拝借してはいるが、それ以外はオリジナルストーリーとなっている。


新アニメ版

2018年に、生誕25周年を迎える2019年に、原作の正式タイトルである『魔術士オーフェンはぐれ旅』のタイトルで作り直されること、主人公・オーフェン役は森久保祥太郎が続投することが発表された。

2019年3月には第1弾PVが公開。

同年8月、正式な放送時期が当初発表されていた2019年中ではなく2020年1月からであることが発表され、同時にクリーオウやマジクなどのキャスト陣、制作スタッフ陣、第2弾PVが公開された。

TOKYOMXWOWOWAT-XBSフジにて全14話が放送。なお、TOKYOMX以外の3局は衛星波のテレビ局である。

アニメーション制作はスタジオディーンが担当。

主題歌は、森久保とshinnosuke(元SOUL'd OUT)で構成される音楽ユニッ「buzz★Vibes」が担当。shinnosukeは劇中音楽も手掛ける。

Blu-rayDVDは単巻発売はなく、全2巻のBOXがそれぞれ4月2日、5月8日に発売された。


第14話の放送後すぐに放送時期は未定ながら、第2シリーズ『キムラック編』の制作決定を発表。

同年8月、正式な時期が2021年1月放送開始であること、メッチェン役のキャスト、第1弾キービジュアル及びPVが公開された。


旧アニメ版よりも原作に沿ったストーリーとなっているが、プレオーフェンなどで描かれたエピソードが回想シーンとして差し込まれたり、一部エピソード(第1期は「機械」「亡霊」がまるごと)が削られている。


関連動画

第1期

第2期(キムラック編)


関連タグ

魔術士 オークリ

後日談秋田禎信BOX

あいつがそいつでこいつがそれであいつ以下略) あいつ こいつ あいつ・挿絵風

2020年冬アニメ 2021年冬アニメ


本好きの下剋上:TOブックス繋がりでコラボが実現。しかも、本好き放送中に流れたオーフェン予告CMではローゼマインが登場している。


外部リンク

原作特設サイト

原作公式Twitter

アニメリメイク版公式サイト

アニメリメイク版公式Twitter

wikipedia

ニコニコ大百科

アニヲタwiki(仮)

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