ヤミカラス
やみからす
概要
魔法使いの三角帽子に似た頭部とホウキに似た尾を持つ黒いカラスの姿をしており、嘴も魔女の鼻のようになっている。
不吉の前兆とされ、人間を森に誘い込んでさんざん迷わせるなどありがたくないポケモンとしての扱いを受けているが、仲良しのトレーナーにはキラキラと光るものをプレゼントする健気な部分も持ち合わせている。
キラキラとした物を集めるのは種の本能で、ボスの献上品にするという側面もある。その為なら自分より大きなポケモンやニャースと取っ組み合いになったり、ガバイトの巣に忍び込む事も辞さない怖いもの知らず。
なお、人を迷わせるのは自己防衛の場合もあれば、単純にイタズラとして行ったりと彼らなりの理由がある模様で、迷わせる手段は単純に入り組んだ道に誘き寄せるといった手段が主だが、ポケモンレンジャーではこれにくろいきりを発生させるというタチの悪いコンボをお見舞いしてくる。
彼らの被害を避ける為の戒めとして「ヤミカラスが飛ぶまでに家へ帰れ」ということわざがあるようだ。
日本神話に登場するカラスの中にはヤタガラスなどの神格化したものもいるが、このポケモンは特に魔女の手先としてのカラスのイメージを強く宿している。ヤタガラスはそのうちリージョンフォームか何かで登場する事もあるのだろう。
魔女の要素を有してはいるが、対になるムウマが魔法使いに進化してしまったので、帽子のようなデザインは進化後にマフィアのソフト帽という形に昇華された。
初登場作の出現場所はヤミカラスという名前通り、夜のタマムシシティ周辺(7ばんどうろと16ばんどうろ)だった。ジョウト図鑑のポケモンなのにカントーにしか住んでいないって…。
基本的に市街地周辺に生息すると考えて良さそうだが、ハクタイの森やほうじょうのやしろといった森林やポニの大峡谷といった渓谷地帯にも住む。
不吉なポケモンという事でハウオリ霊園やロストタワーといった死に関連した場所や15ばんどうろや16ばんどうろ(カロス)のような廃墟でも確認されているあたり、適応能力は高い模様。
ヒスイ時代には今以上に不幸な存在だと恐れられていたようで、『LEGENDSアルセウス』の図鑑説明では魔除けの呪いとして「すらかみ屋は繁盛繁盛」(すらかみ屋はヤミカラスのアナグラム)と唱えると良いとされた。
ヒスイ地方では群青の海岸や紅蓮の湿地に生息しており、距離がかなり空けてもすぐに気づかれてしまい、しつこく突進してくる。しかも後者の「雲海峠」に住む個体群はオヤブンドンカラスが中心にいることもあって、一度気付かれれば、逃げ惑う最中に他の個体に見つかって四方八方から攻撃を浴びる羽目になる。ヒスイウォーグルやアヤシシを使って即座に撤退すると良いだろう。
ゲームでの特徴
ステータス
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 85 | 42 | 85 | 42 | 91 | 405 |
初登場は第二世代(GSC)。
第3世代(FRLG)以降ムウマと対になることが多く、第4世代(DPt)において揃って進化できるようになった。
ステータスは素早さが高い両刀アタッカーといった感じだが、習得技が特別強いというわけではなかった。
なお、第5世代(BW)で追加された隠れ特性はあのチート特性「いたずらごころ」だが、進化すると「じしんかじょう」に変わってしまう。
元無進化ポケモンなのでこうげき・とくこう・すばやさがそこそこ高く、「フェザーダンス」「オウムがえし」「くろいきり」「ほろびのうた」などでエルフーンなどとは違った立ち回りができるため、進化させずに戦わせても十分強い。遺伝技では「ブレイブバード」を覚える。
ただし元の耐久力が低く、「しんかのきせき」や「きあいのタスキ」を持たせてもあまり補えないので注意。
さらに物理型として育てるにしても、あくタイプの物理技に乏しく、ほとんどが特殊技というのも痛い所であり、つじぎりは進化しないと習得しない。とくこうがそこそこ高いのが幸いか。
第9世代のランクバトルが始まると、ダブルバトルで脚光を浴び、トップメタの一角と言えるほどの活躍を見せている。シーズン1では使用率4位を記録。その最大の理由は、無条件発動の優先度特性込みで「おいかぜ」ができるのが、初期ポケモンプールではヤミカラスだけのため。
環境が固定化されないように先制「おいかぜ」要員として鉄板であったエルフーンがリストラされた格好となったが、ヤミカラスしかまともな先制「おいかぜ」要員が存在しないならそれですら使うという辺りから、先制「おいかぜ」がどれだけ強力な戦術化が窺える。
他にも「はやてのつばさ」で先制「おいかぜ」ができるファイアローなんかもいるが、環境に跋扈するカイリューの「しんそく」が厄介なのであまり安定しない。
また、「おいかぜ」以外に「くろいきり」も採用理由の一つとなっている。対策必須の強悪コンビであるヘイラッシャ+シャリタツを一手で安定して対策できるのは大きな強み。
他にもサーフゴーやサザンドラ等の「ゴールドラッシュ」や「りゅうせいぐん」後の下がった特攻を元に戻す、などの使い方もできる。やることが他にない時に狙うと効果的。
それ以外の技としては、攻撃手段の「イカサマ」、妨害用の「ちょうはつ」「さきおくり」、天候変化用の「あまごい」「にほんばれ」など。
「さきおくり」は第8世代のDLC解禁前の環境におけるヤミラミも使っていたぐらいで、この世代では正直ヤミカラスが「さきおくり」サポーターとしてヤミラミの需要を吸っている感がある。
「あまごい」「にほんばれ」は天候パの対策だけでなくパラドックスポケモンの「こだいかっせい」のトリガー等にも活躍できる。ただし、相手側も同じことが起こるので諸刃の剣にもなりうる。
自身があく・ひこうタイプなので相手の「いたずらごころ」で止められず、味方の「じしん」にも巻き込まれないメリットもある。
番外作品
アニメ版
- 無印241話
- 代々ポケモン魔法を研究しているリリーのポケモンで登場。
- ミチルのヤミカラス
- DP148話でミチルの手持ちで登場し、サトシ達にギラティナや激流の幻覚を見せていた。姉のルチルはムウマを持っており、どちらも「やみのいし」で進化するポケモンである。
ゴウのヤミカラス
第83話にて、キララの願いとアンノーンの力によって突然夜になった事が原因で、周囲から不吉がられて落ち込んでいたところをゴウにゲットされた。
その他
無印 | 184話・268話 |
---|---|
AG | 11話・125話 |
DP | 60話・164話(絵のみ) |
BW | 135話(イメージ) |
XY | 129話 |
SM | 17話・18話・38話・73話・83話・90話・99話・106話・111話・112話 |
新無印 | 9話・33話・54話 |
劇場版 | 水の都の護神・裂空の訪問者・ディアルガVSパルキアVSダークライ・破壊の繭とディアンシー・みんなの物語 |