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文豪の編集履歴

2023-03-19 00:03:14 バージョン

文豪

ぶんごう

近代文学の大家。大作家。

概要

文芸作家の中でも人気実力ともに傑出した人物を指す。


明確な基準はないが、生前・没後にわたって大きな影響をもった近代~昭和戦前戦後の小説家を呼ぶことが多い。

そのため、現代作家、または近世以前の作家、あるいは生前・没後いずれかで有名でない作家、小説での功績が少ない作家は、あまり「文豪」と呼ばれない。ただ、考え方には差が大きく、特に卓越した数人しか認めない人もいれば、著名な文学者に対する一種の敬称のように用いられている場合もある。


おおよそ文豪と呼ばれている人たち(日本)

日本の近代文学の黎明期に活躍した二葉亭四迷、紅露時代と並び称された尾崎紅葉幸田露伴

文壇の主流となった自然主義では島崎藤村国木田独歩田山花袋徳田秋声正宗白鳥岩野泡鳴

反自然主義文学では「高踏派」の森鴎外、「余裕派」の夏目漱石

同様に反自然主義的スタンスをとった「耽美派」の谷崎潤一郎永井荷風

江戸文芸の伝統を継いで独特の物語世界を築き上げたロマン派の泉鏡花、社会派の徳冨蘆花

人道主義を掲げた「白樺派」の有島武郎武者小路実篤志賀直哉里見弴ら、

明治・大正期に短編小説で活躍した「新芸術主義」の芥川龍之介菊池寛、詩人としても名高い室生犀星佐藤春夫

昭和の戦前・戦後にまたがって活躍した芸術派のうち「新感覚派」の川端康成横光利一を筆頭に「新興芸術派」の井伏鱒二梶井基次郎、「新心理主義」の堀辰雄伊藤整、「無頼派」(新戯作派)から始まった太宰治坂口安吾織田作之助など


「第一次戦後派」の野間宏椎名麟三武田泰淳埴谷雄高らを経て「第二次戦後派」の三島由紀夫大岡昇平安部公房らを最後に、文豪と呼ばれる作家の系譜は途絶える。彼らに続いて現れ、芥川賞がきっかけで大きく名が売れ始めた安岡章太郎吉行淳之介遠藤周作小島信夫庄野潤三などの「第三の新人」、そして昭和30年代にデビューした大江健三郎開高健北杜夫らと村上春樹村上龍などそれ以降の作家は文豪と呼ばれることはなくなった。


なお、文豪の定義に歴史小説も含めるならば江戸川乱歩北原白秋萩原朔太郎横溝正史山本周五郎吉川英治井上靖、場合によっては司馬遼太郎大佛次郎池波正太郎などの時代小説作家らも挙げられうる。一方、政治色が強い小林多喜二徳永直葉山嘉樹などのプロレタリア文学作家、火野葦平などの国策文学作家、石坂洋次郎石川達三などの大衆文芸や通俗小説作家、または松本清張夢野久作などの推理小説作家、小松左京星新一などのSF小説作家、宮沢賢治新美南吉などの児童小説作家を含むことはなく、一つの基準として純文学に精通した人物が採り上げられることが多い。


ちなみに「文豪」としてイメージされるのは概ね男性作家であり、高名な近代文学者であっても樋口一葉与謝野晶子野上弥生子宇野千代などの女性作家が含まれることは少ない。


余談

村上春樹は日本の文豪10人を挙げている(実際は9人しか思いつかなかった。あるいは10人目は自分であることを仄めかしているとも)。夏目漱石、芥川龍之介、森鴎外、島崎藤村、太宰治、谷崎潤一郎、志賀直哉、川端康成、三島由紀夫の9人である。


日本電気(NEC)が開発したワープロ専用機に「文豪」という機種があったが、上記の安部公房はこの機種(及び前身のNWP-10N)の開発に携わっており、遺作も同機のフロッピーディスクから見つかった。


関連作品

タイトルに「文豪」を含む作品


検索のヒント

上記のように「文豪」を冠した作品が多いので、それらを除外したい場合は完全一致検索やマイナス検索を活用するとよい。

また、上記4作品には実在した文豪と同名のキャラクターが登場するため、実在した文豪について検索する場合も同様。

逆に、作品を投稿する方々には、作品タグや棲み分けタグを適切につけるよう、お願いします。


その他関連作品

ラヴヘブン:タイトルに文豪が含まれない作品だが、文豪と同姓同名の人物が登場する。こちらにも作品名が追加されているタグで投稿するのが望ましい。

仮面ライダーセイバー:「文豪にして剣豪」がコンセプトの作品。


関連タグ

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